被弾の転生者   作:島夢

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お久しぶりです。
色々なリアルでの事情が重なって長らく更新することが出来ず、申し訳ありませんでした。

更新速度は遅いままだと思いますが、更新を再開します。

本当に申し訳ありませんでした。


22話 私は人に非ざるものを殺す。たとえそれが同族であろうとも…Amen」

 稲荷神社についた俺は、伐乃を探す。

 日本人ばかりだから、黒髪だけど日本人の顔付とは異なる伐乃は見つけやすいはずだ。

 美人だから目立つし…。

 

 

「お? いたいた」

 

 

 伐乃を見つけて思わず呟く。

 このまま見つけれずに探し続けるとかは正直遠慮したかったからな。

 

 

「やぁ、待った?」

 

「来夢、きもい」

 

 

 精一杯の爽やかさで話しかけたら失礼なことを言われた。

 

「…ひどいな…様式美だよ」

 

「どんな様式美よ…」

 

「かわいい女の子と待ち合わせして、自分の方が後に来た時の第一声といえばこれかな…と思ってな」

 

 

 そう言いながら歩きだす。

 というか…。暇だからと出てきたはいいが、特にすることがないんだよなぁ…。

 

 しばらく歩いて、稲荷神社から結構離れたあたりで…ゾワッと、何か嫌な感じがした。

 

 なんだ…?

 路地裏からその感じが漂ってくる…。それと、少しの血の香り…。

 妙に既視感を覚える…まるで、この感覚は……知り合いが死ぬときにたまに感じとれる…!

 

 そこまで理解した瞬間体は弾かれるように走り出す。嫌な感じがする路地裏へ…。

 

 伐乃もびっくりした顔をしたあと、ただ事じゃないと思ったのか、すぐについてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideリサ

 

 

 

 カツェさんに頼まれた(拒否権はない)買い物が終わって、帰ろうとしたとき、人気の無いところに行ったときでした…。ソレに襲われたのは…。

 

 黒い神父服を着て、十字架の首飾りをした、若く、整った顔立ちの黒い髪の男性が歩いていました。

 でも、日本人ではなさそうです…。

 その男性は私を見ると呟くようにして後ろ髪を書きながら言う。

 

 

『今日は旅行に来ただけなんだがな…。ここで人外と出会うか…。まぁ、悪いがこちらも仕事だ、狩らせてもらう』

 

 

 イタリア語…?

 

 いつの間に持ったのか、その手には刃渡り80~90㎝くらいの十字架のような形をした剣を持っていた。

 確かに、さっきまで手ぶらだったのに…。それはどこから出したのか…? ステルス? わからなけれど…怖い…と思った。

 

 

「日本語の方がいいか?」

 

 

 とても発音の良い、上手な日本語、日本人とくらべても遜色ないくらいの…でも、私はそれどころじゃない…。

 逃げることすら出来ない、恐怖で足が動かない…。

 彼の持った剣が私のお腹を斬る。

 そこまで深くない。

 だがその痛みで動けるようになった。

 

 剣を持った男性に背中を向けて走り出す。

 

 

「ん? 逃げるのか…? 試しに斬ってみたが…反撃してこないのか? ふむ、自分の意思じゃ力をコントロールできないタイプか…」

 

 

 何かぶつぶつ言っていますが、私には逃げることしかできません…。

 どう考えても相手の方が足は速い…。それでも、まだこんなところで死ねない、死にたくないから…。

 

 

「足も遅い、普通の女性くらい…。さぁて、君はどういう人外なんだ? 」

 

「あぅッ…!」

 

 

 剣が飛んできて、私の足の剣を斬る。

 痛い、と思ったが、それ以上に逃げられない…と思った。

 男性はまた、いつの間にか手に二本の刃渡り80~90㎝くらいの十字架のような形をした剣を持っていた。

 そのままカツン、カツン、と足音を立てながら近づいてくる。

 薄暗い路地裏で、剣の刀身と男性の首から下げられた十字架だけが光っている…。

 

 

「…ぁ」

 

「本性を見せて襲ってきてくれても構わないが、どちらにしろ、私の仕事は君を殺すこと。やることは変わらない。

 私は人に非ざるものを殺す。たとえそれが同族であろうとも…Amen」

 

 

 Amenと言いながら男性が剣を振り上げる。

 そして、その剣は真っ直ぐ振り下ろされる。

 思わず目を瞑る…。

 

 

 怖い…! まだ死にたくない…!

 

 まだ会えてもいないのに…!

 

 助けて……!

 

 

 

 ダァン、ガキィッ!

 

 銃声と、金属と金属がぶつかった音が聞こえ、切り裂かれる痛みが来ない…?

 少しだけだが、恐怖も忘れて思わず目を開ける。

 

 目の前には黒いロングコート…。

 

 

 

「おいおい、このクソ平和な日本で、外国人同士が殺し合いだなんて悪い冗談はよしてくれよ」

 

「外国人同士…ね。人外同士の方があってると思うぞ?」

 

 

 そして、軽口をたたきながらも本気で怒っているようにも見える、来夢さんが立っていた。

 私がいつも夢見ていた私を守ってくれる理想の勇者様のように…。

 それを見た瞬間、安心からか、意識がフッと暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side来夢

 

 

 

「伐乃、リサを連れてイ・ウーまで帰れ、ここからそう遠くないし、お前なら人目に付かないようにするのは慣れてるから帰れるだろ?」

 

 

 伐乃に言いながら、片手で携帯を操作し、電話をかける。

 目の前の黒神父からは目を離さずに…。

 そして、電話が繋がる。

 

 

「カツェか? 頼む、非常事態だ、霧を出してくれ」

 

『あん? なんで私がそんなことしなきゃならないんだよ』

 

「こっちにもいろいろあるんだ、今度なんかするから!」

 

『チッ、しゃあねぇなぁ。これは貸しだぞ? 』

 

 

 必死なのが伝わったのか霧を出してくれるようだ。

 これで伐乃も人目を避けて帰れるだろう…。

 

 

「伐乃、速く行け」

 

「来夢は…戦るの?」

 

「ああ、足止めしなきゃ追いつかれる」

 

 

 コルトSAAも懐から出し、右手に5-7、左手にコルトSAAでダブラの戦闘スタイルになって構える。

 伐乃も気絶したリサを連れていくのは難しいか? と思ったのに余裕で背負っていく。

 意外と力持ちだな…。

 

 俺は黒神父にコルトSAAを向ける。

 

 

「待っててくれたのか?」

 

「まぁ、な。私の今のターゲットは彼女ではない、一応仕事柄、人外を見つけたら狩らなければならないんだが、別にターゲットではないなら逃がしてもいいだろう…それに」

 

 

 黒神父は俺を見て、剣の切っ先を地面に向けての自然体のような体制になり、その整った顔立ちが笑みを作る。

 

 

「君は私のターゲットのうちの一人だ。亡霊(ゴースト)。というわけで、狩らせてもらう」

 

「幽霊は死んでるから狩れないぜ?」

 

「試して、みようか!」

 

 

 一瞬で距離を詰めてくる黒神父、この狭い路地裏じゃ不利だ。

 かといって、広いところに出ると人目がある。ただでさえ銃を撃ってるんだ。目立ってしようがない。

 お巡りさんの厄介になるわけにはいかねぇしな。

 

 距離を詰めて右手に持った剣で横なぎに斬ってくる。

 それを俺はバックステップでかわしつつ5-7を三発撃つ。

 

 

「ふっ!」

 

 

 左手の剣をブレるほどの速さで三回振る…。って銃弾斬りやがった…。

 

 

「おいおい、冗談きついぜ…。その刃渡りの剣なら結構重いだろうに…」

 

 

 なんでそんな速さで振れるんだ…。

 ステルスか? いや、ステルスって感じじゃないな…。

 元々の特異体質? 

 

 

「まぁ、このくらいの重さなら、羽とそう大差ない」

 

 

 いやいや、大有りだろ、大差あるよ普通。

 というか、律儀に雑談に応じてくれるあたり、意外といいやつなのかもしれない…。

 

 

「でもまぁ…。知り合いを殺そうとしたし、俺を殺そうともしていることだ。殺す」

 

「そろそろ、おしゃべりもいいだろう?」

 

 

 コルトSAAで不可視の銃弾(インヴィジビレ)を撃ちながらさらに距離をとる。

 ああいう相手に接近されていいことないしな。

 黒神父は軽く銃弾を弾きながら異常な脚力で飛び上がる。

 軽く五メートルは飛んでる。そして、両手に持っていた剣を投げつけてくる。

 条理予知(コグニス)でわかっていた俺はそれを最小限の動きでかわす。

 

 黒神父は虚空からいきなり十字架の形をした剣を二本出して両手に掴み、落ちながら斬りかかってくる。

 

 俺は右手の5-7で先に来た、右側の剣をそらしながらコルトSAAを相手の額を狙って放つ、だが相手はこれを首をひねってかわしながら左側の剣で俺の腹部を刺しに来る。

 体をひねってかわしながらひねったときの力を利用して蹴りを相手の腹に放つがびくともしない。

 

 

「おいおい…!」

 

 

 仕方がないのでそのまま相手の体を足場にして飛び、距離をとりながらコルトSAAで不可視の銃弾(インヴィジビレ)を二発放つ。

 これであとSAAの装填されている残弾二発だ。

 右手の剣を二回、もう、剣筋が見えない速度で振りながらこちらに走ってくる。

 

 

「銃弾は効かんぞ」

 

 

 ギギィッ!と銃弾が払われた音がする。

 

 更に残りの二発SAAから撃ちながら相手の方へ走る。弾が出た瞬間にSAAをホルスターにしまう。

 

 

「ふっ!」

 

 

 放たれた二発の弾丸は同じく切り払われる。

 俺が剣が届く範囲に入った瞬間黒神父は切っ先が見えない速度の突きを放つが、これを条理予知(コグニス)で予測し本当にギリギリのタイミングでバックステップをしてギリギリの距離まで下がる。

 

 ジャンプして剣の刀身に足を乗せ、さらに上に飛ぶ。

 

 相手の力が化け物みたいに強いからこそできる芸当。

 上から5-7の引き金を連続で六回引き絞る。

 放たれた六つの弾丸を躍るようなステップでかわした黒神父はまだ滞空している俺に向かって剣を二本とも投げつけてくる。

 

 それを条理予知(コグニス)で相手の投げてくる軌道も予測していた俺は剣の軌道に弾道が沿って飛ぶように合わせて二発撃つ。

 

 これで5-7の残弾8発。

 

 地面に着地した瞬間に空中に六発.45LC弾を投げつつ5-7を八発撃つ。

 

 黒神父は虚空から二本の剣を掴み取る。

 

 5-7を空中に投げてから、右手でホルスターからSAAを取り出す。

 SAAのハンマーを二段階まで引き、ローディングゲートを開き空薬莢を落としつつ、親指でシリンダーを弾くことでシリンダーをクルクルと回し…

 そのとき丁度落ちてきた銃弾に合わせるようにして右から左へSAAを振るう。

 

 黒神父はそのとき、八発の弾丸を右と左で四発ずつ切り払ったところだ。

 

 落ちてきた5-7を左手で取りながらマガジンを出す。

 足元に落ちてきた5-7のマガジンを筋肉と関節を同時に動かした音速にまで達する蹴りで黒神父に向かって蹴り飛ばす。

 

 かなりの速度で飛んでいったマガジンだがあっさり斬りおとされる。

 

 その間にSAAを持っている手でマガジンを取り出し、5-7に入れる。

 

 これでリロード完了。

 

 5-7を相手に向けるが…。そこで相手が動かないことに気づく…。

 

 

「日本の警察は…中々に行動が速いようだ…」

 

 

 耳を澄ませてみると、パトカーのサイレンの音が聞こえる。

 ここは逃げたいが…。目の前のこいつが逃がしてくれるか…?

 

 

「安心しろ、元々俺も休暇で来ただけだ。こんなところで警察に捕まるのは本意じゃない…。ここは休戦だ」

 

 

 と、思ったら見逃してくれるようだ…。持っていた剣もどこかに消えてしまっている。

 さっきまで嫌というほど伝わってきた殺意も失せている。信じていいか…?

 

 

「そうかい、んじゃあ、まぁ、俺は逃げさせてもらうぜ」

 

 

 そう言いながら。俺は相手から目を離さずに距離を開けて行く。

 黒神父はこっちを見て、少し笑う。

 

 

「名前を名乗っておこう、アドルフォだ。残念ながら、ファミリーネームは知らない」

 

「まぁ、名乗られたら名乗り返さなきゃ、な。士咲 来夢だ」

 

 

 どうせ戸籍も何もない名前だから、名前が特定されたところで何も変わらんし…。

 

 

「そうか、来夢。またな」

 

「そうだな、またなだ。次あったら俺の知り合い傷つけた落とし前、つけてもらうぜ」

 

 

 俺がそう言った直後、異常な脚力で飛び、建物の上に行った…。

 何メートル飛んだんだよ…。十メートル以上あるぞ…?

 

 って、そんなこと考えている場合じゃねぇ、さっさとここからとんずらしねぇと、警察来るな…。

 

 その場所から離れて、イ・ウーに向かいながら考える。

 あの黒神父…アドルフォと言ったか、化け物みたいな強さだったな。

 

 そして、リサのことを人外と言っていたし、「外国人同士…ね。人外同士の方があってると思うぞ?」とも言っていた。

 つまり、あいつも人外ということか…。まぁ、じゃなきゃあの身体能力に説明がつかないしな。

 というか、リサは人外なのか。まぁ、関係ないけど…。

 

 あーあ、なんでこの世界にはあんなに強いのがいっぱいいるんだか…。生きるのが疲れるぜ、まったく。








感想、待ってます。


次回も遅くはなるかもしれませんが、頑張ります。
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