派遣死神のせいで死んだ俺が、メダロットの世界に転生したらしい   作:コーヒー@

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思いつきで書いた作品。作品は2はメダレースでつまづいてます。3話まもなくクリア。4はこれから。


1話

「あんたは死にました」

 

「はっ?」

 

気がつくと周囲一帯が真っ白な空間、いつの間にこんな空間にやってきたのか皆目見当もつかないが、突然目の前に現れた絶世の美少女の一言に、呆気にとられて声が漏れた。

 

「突然の話で理解が追い付かないのは無理はないよねー。でもこの瞬間、あんたは間違いなく死んでるんだよね」

 

「ちょっと突然そんなこと言われても。…俺、死んだ記憶とか一切ないんですけど。確か今日も会社で上司に怒られながら仕事をして、珍しく金曜日なのに早上がりできたからその足でゲームショップに向かい、懐かしいゲームのタイトルを見つけたから買って帰って…あれ?」

 

その後の記憶がない。

いや、ゲームショップを出て行った記憶はある。その後、古いゲームの記憶を頭の中で辿りながら手に持ったスマホでネタばれにならない程度に情報を集めていた。

 

だが、たしかに自分が住んでいる家にたどり着いた記憶はない。

 

「面倒だから簡潔に伝えると、あんたはこちらのミスで死んでしまいました。本来、寿命を迎えた人間はこの空間に来ることはないんだよね、輪廻転生の輪に加わるし。でもあんたは現世に派遣している派遣死神が別人と勘違いして寿命を刈り取っちゃったんで、こちらの空間に避難させました」

 

「ミスで死亡?いや、そもそも派遣死神って何?」

 

「いやーやっぱり派遣は駄目ね、人材不足で別の世界から臨時で死神を雇ってたけど、こんなミスするレベルが低い死神が派遣されてくるなら、今いるメンツにもっと頑張らせるべきだったね。死神には死の概念なんてないから、過労死の心配もありませんしー」

 

顔は可愛いのに、その口からとんでもない毒を吐きだす美少女。

 

突然のことに頭が追い付かないが、これは俺が学生時代よく読んでいたネット小説のジャンル、その中でも特に一時期から爆発的にその数を増やした神様転生ものなんだろう。

神様転生、ネット小説の内のジャンルの一つで、死んだ主人公が神様の手によって異世界に転生される話。事故死であったり、病死であったり、神様のいたずらであったりと、要因はいくつかに分かれるが、死後神様と対面して別世界に転生される。

 

つまり目の前にいるこの美少女は、俺の予測が正しければ転生をつかさどる女神、もしくは神様そのもの「(その認識で間違いないよ)」

 

こいつ、直接頭の中に!!

眼前の美少女は頭の中で思考する俺の考えを読み、意地の悪い笑みを浮かべる。

 

「あんた、顔に似合わず意外に頭の回転は速いのね。普通の人ならもっと混乱するか、喚き散らして見るに堪えないから無理やり輪廻転生の輪に放り込むらしいんだけど」

 

「いや、まさか現実にそれが起こり、俺がその対象に選ばれるとは思っていなかったけど、そういうジャンルの小説は昔山ほど読んだからな。駄作は多かったけど、その中に確かに名作と呼べる作品もたくさんあったから」

 

このジャンルの特性上、オリジナル・二次創作どちらにも対応ができ、さまざまな作品に俺TUEEE状態で介入できることが多いので、この設定は非常に重宝されている。

 

「まぁ話が早くて助かるけど。じゃああんたには選択肢を提示してあげる。ひとつ、これまでの記憶を捨て輪廻転生の輪にもどる。この選択肢のメリットは、今回こちらのミスで死亡してるから、来世のあんたの人生はすこし幸福度をこちらで調整してあげる。少なくとも不慮の事故もなく、幸せな一生を送ることは保証してあげる。」

 

まぁ無難な選択肢だな。俺という自我は一度消えてなくなるが、この美少女神様?の言うとおり、悪くない選択肢だろう。

 

「ふたつ、貴方の希望する世界に一つだけ特典を与えて転生させてあげる。私の神友もこの方法でいろいろな世界に人間を送り込んで、新たな物語の創造を楽しんでるみたい。だから私もそれにならってあんたを好きな世界に転生させてあげる。ちょっと前だと無限の○製とか王の財○とかはやったんでしょ。それと同じようにあんたの好きな作品の能力でも、ぼくのかんがえたさいきょうのしゅじんこうでも、あんたに希望を叶えてあげる」

 

わたしって親切よね~と自己陶酔している神様?に俺は尋ねる。

 

「本当にどんな能力でも再現することが可能なのか?」

 

「神に誓って、っていっても私自身が神様なんだけど。あはは」

 

ノリが軽いため若干の不安が残るが、もしドッキリだとしても、そもそもただの一般人である俺にこんな美少女まで用意してやるなんて費用の無駄だろう。ということはもう現実であると信じざるを得ない。

 

「で、どうする?もうほしい能力も決まった?」

 

「その前に2つだけ確認させてほしい」

 

「まぁいいけど。何?」

 

「まずひとつ目の選択肢、これはいつ・どこで・どういう状態で輪廻転生することになる」

 

「当然の疑問ね。あんたが希望するなら過去に飛ばしてあげてもいいけど、その場合は輪廻転生の輪から外れるから二つ目の選択肢とみなす。あとは時代にそぐわない能力は禁止、戦国時代に近代兵器で無双とかつまんないから。基本的には現在より先の時代に転生、場所とどういう状況かはこの場では教えない。ただ、先にも言ったけど来世のあんたの人生はすこし幸福度をこちらで調整するから、幸せな一生を送ることは保証ということ」

 

「じゃあふたつ目、希望する世界と特典はもらえるとのことだけど、デメリットは?」

 

俺の言葉に、にこやかに笑みを浮かべていた美少女の顔が引きつる。

 

「ちっ、物語を面白くするために多少の脚色は必要よね。能力を手に入れるバックボーンとか物語をより面白くするための新たな敵の出現とか」

 

つまり、最悪の場合神様の介入もありえる。なら悩む時間も必要ない。俺は眼前の神様に告げる。

 

「ひとつめの選択肢で。学生の頃ならいざ知らず、昔はそんな世界に飛び込んでみたいと思っていた。けど、今はもうそんな考えもないし、新たな人生を歩むとするよ」

 

諦観ではない。ふたつ目の選択肢では俺という自我が残るかもしれない。だが命の危険があるかもしれない人生よりも、次の俺に幸せな人生を送ることにしよう。

 

「はー、つまんない。ばかな派遣のせいとはいえ、せっかくのチャンスだからわたしも流行に乗っかろうと思ったのに。本当にいいのね」

 

「あぁ、お願いします」

 

俺の答えを確認すると、再度溜息を吐くと美少女は俺に手を伸ばす。彼女もできたことのない俺だけど、最後にこんな美少女に送られるなら、俺の人生も悪いものではなかったと思おう。

 

「じゃあこれでもう会うことはないから、次の人生は楽しませてね」

 

「あぁ、ありが…いや、なんかおかし」

 

最後の言葉を告げる前に俺の意識はブラックアウトした。神様の最後の言葉に違和感を覚え問い返そうとする前に。

 

ただ俺は確かに見た。最後の神様の、愉悦な表情を。

 

そして近い将来、その意味を理解した俺は姿なき彼女に叫んだ。

 

「この馬鹿みさまがっ!!」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「せっかくみつけた候補者をみすみす逃す手はないよね。むしろ私は悪くない。悪いのはすべてあの馬鹿な派遣死神。あいつが責任取ればいいのよ」

 

先ほどまでの空間、彼がいなくなったその場で美少女である神様はひとり笑う。

 

「とはいえ、どういう世界に送りこむとか私あんまり知識がないのよね。どうしようかな…あ、いいもの発見」

 

彼が死の直前持ち歩いていた荷物の中から、とあるゲームのパッケージを取り出す。

 

「ふーん、わたしこの作品は知らないけど、まぁあいつも死の直前に持っていた物語の世界に入れるなら本望でしょ。さて、どういう作品か確認して、渡してあげる特典についても考えないとね」

 

どこから取り出したか、このゲームを起動することのできるハードを取り出すと、おもむろに作品をプレイし始める。

 

「へー、これって昔の作品をひとまとめにしてるんだ。なになに、実際シリーズはもっと続いてる?」

 

「ちょっ!連打むずい!こんなん無理ゲーでしょ」

 

「カリンちゃんは私の嫁、異論は認めない」

 

「はぁ!ふざけんな、やっと倒したのにもう一戦!?うそでしょ!?」

 

「カモメも私の嫁」

 

「2は鬼畜、3は何回死にかけてんのよ、4はくそ教師○ね」

 

「よし、この世界で決定。本当はカリンちゃんもカモメも譲りたくないけど、まぁヒロインとして活躍してもらおう」

 

「パートナーはと…あ、これなんか面白い。この世界の天使と悪魔をお供にしてあげよう。ただ、性能は高いけど、耐久がね~。おっ、最近の作品だと耐久高くしてるけど、その分性能が弱体化してる。なら二つを組み合わせて魔改造しちゃおう」

 

「よし、じゃああいつが十歳の誕生日に記憶とともにこの子たちをプレゼントしてあげよう。いい仕事したら気分いいわね~」

 

この場に彼がいれば確実にこう言った、ふざけるなと。

 

だがこの場にいない彼の意見は採用されることもなく、彼いわくこの馬鹿みさまは一切の自重を捨てた。結果、記憶を取り戻した彼は己のパートナーのために頭を抱えることになるのだが、実際そのことを知るのは先のことであった。

 




次回は転生した家族の話、主人公のメダロットは3話から登場予定です。ゲーム中の馬鹿みさまのセリフはほぼ100%作者の感想です。
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