やはり奉仕部にくる依頼はどこか間違っている。 作:クルル
一話【始まり】
人は興味があることに関しては、欲を出す生き物だ。例えそれが危険だと分かっていても怖いもの見たさ、なんて言葉が存在するくらいに危険だと分かっていても欲を優先してしまう。それが高校生という、年齢を考えれば話の中心にもなれる話題を持っている事はグループの中心にもなれる最大の武器にもなる。
そしてその武器は、鮮度も命のわけだが。現在奉仕部に入ってきて目を輝かせている女子生徒は依頼をしにきたわけだ。
「...もう一度聞かせてもらえるかしら?」
あまりの内容に我が部の部長である雪ノ下は、聞こえていたはずだが目の前に座っている女子生徒に聞き返した。その言葉の裏には、聞き間違いよね?と頭痛がしているのだろうこめかみをおさえている。いつもならニコニコと笑っている由比ヶ浜すら苦笑いである。目の前の女子生徒がいかにそぐわない依頼をしたのか明白である。
「ですからこの高校の七不思議を調べて欲しいんですよ!」
少し声を大きくして伝えてきた言葉に雪ノ下は呆れているし、由比ヶ浜はそんな雪ノ下の表情を見ながらなんとか依頼人のフォローをしようとしているが支離滅裂なフォローの内容で余計に雪ノ下を混乱させている。
「悪いけれど貴女の依頼を受けるわけにはいかないわ。そもそも七不思議を見つける依頼なんて貴女はどうして知りたいのかしら?」
当然のように依頼を断る雪ノ下。流石に由比ヶ浜もフォロー出来ないのか苦笑いしか浮かべられていない。
「えー!受けてくれないんですか?」
そもそもこの生徒は、一色と同じクラスらしい。別に一色が奉仕部を紹介したわけでは無いらしいが、女子生徒の口から一色と同じクラスとしか言われなかったのだ。今になってみれば可笑しな話でもある。最初は不思議に感じなかったのが不思議なくらいだ。俺達奉仕部は、目の前の女子生徒の名前を知らない。それもその筈だ。自己紹介を受けていないのだから。本来なら何年何組のという感じて紹介から始まるのだろうがいろはちゃんと同じクラスメート。という始まり方だった。つまり情報が全くといって良いほど目の前の女子生徒にはなかった。その事実に由比ヶ浜も雪ノ下も違和感を覚えている様子が無いことが更に不気味に感じてしまう。
「その依頼を受けるか受けないのか。それを話す前になんだが、一つ聞いてもいいか?」
「はい、何でしょうか?」
この言葉に女子生徒は、なんて答えるのだろうか?答えてくれるのだろうか?それとも濁されて終わるのだろうか?それでも聞かなくてはいけない。そんな気持ちが、八幡の中の警戒鈴が過去一番で警告を鳴らしている。
「----お前は誰だ?」
女子生徒の口角は少しずつ上がり、先程も笑っていた筈なのに今では、歪などこか気味が悪い笑みを浮かべていた。
ちょっと短いかな?でも丁度キリが良かったんです!