迷宮再走:もしくはTS幼女化■■■RTA   作:wind
<< 前の話

8 / 8
 
◆お久しぶりです。◆
◆一週間ぶりのお届け、第八話です◆


本作の魔物はほぼ=でポケモンと考えてください。シュバルゴ!
基本頭が良くて友好的ですが、発声器官が違うので喋れません。

でも一部喋れるヤツもいます。オウムとか魔法で音作れるヤツとか。
そういうヤツは伝説の~とか精霊獣~扱いされて持て囃され、召喚契約を結ぶことが一種のステータスになったりもします。



一獲千金不労収益:テイクァリスク・フォーメガコイン

 

 

これまでの迷宮再走!

 

 

 

人間種と契約を結び、協力してくれる魔物を召喚獣と呼ぶ。

その召喚獣との契約ってのは本来、相互の納得が大事になる。

やろうと思えば魔物側がいつでも帰還でき、呼び出しも拒否できるからだ。

 

だが、どうにも例外があったようで…。

 

 

「アングラ市場にはな、まことしやかにある噂が流れてた。」

「曰く、金さえ払えば、どんな召喚獣とも必ず契約できる店。」

「曰く、そこの召喚獣は従順で購入者の言うことに良く従う。」

「特殊マスターカードの力らしいっすけど。」

「だが最近、獅子心騎士団が召喚契約を扱う店にガサ入れに入るって話が出てきた。」

「でも、その前に悪い商人たちに何処かに運ばれちゃうかもしれないっす。」

 

「…ええい、分かった!

 だが、そういうことなら俺の金も持ってけ!一体でも多くの魔物を買ってこい!」

 

「買った魔物に働かせて、自分で稼がせるんでしょう?つまり、投資っす。

 流石ヒューゴさんっす!臨時収入に満足せず、それを増やそうと言うんすね!やりますねぇ!」

 

 

 

そういうことになった!

目指せ!時限イベントフラグ・パーティメンバー・金の一括獲得!

 

 

 

 

 

 

_______________________________________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

フォックスリバー36番地。

 

 

かつて王国の行政施設が存在し、そしてその移転により寂れてしまった地区。

迷宮とも中央市場とも若干の距離がある、人の渦巻く迷宮街の台風の目。

ここには人の流れも風の流れもなく、ただ淀んだ空気と暗い静けさだけがある。

今夜も幾人かの浮浪者が座り込み、薄暗い路地にただ漠然と視線を向けている。

 

 

Clank,ClankClankClank

 

薄暗い路地から投じられた、硬貨が落ちる音が響く。

見ればいつの間にやら、路地には一人の黒い男の影。

薄墨の闇から染み出したような、礼服姿の黒ずくめ。

 

 

Clank,ClankClankClank

 

さらにもう一枚、座り込む浮浪者の前に硬貨が投じられる。

だが浮浪者は動かず、それを拾おうとはしない。

あるいは、既に死んでいるのだろうか。

 

否。

彼の瞳には光がある。その風体には似つかわしくないほどギラついた目が。

ここが薄暗い路地でなく、日の当たる場所だったならその齟齬はひどく目立ったことだろう。

 

 

Clank,ClankClankClank

 

三枚目。

気付けば、黒ずくめの男は浮浪者の目の前に立っていた。

 

 

「店に案内してほしい。」

 

 

出し抜けに、男が口を開く。

浮浪者は答える。

 

 

「紹介状は。」

「ない。」

「なら通せねぇ。」

 

 

静寂。

 

 

Clank,ClankClankClank

 

 

落とされる四枚目。

 

 

「ハッ…買収のつもりか?こんなもので?」

「そうだ。」

 

 

男は鞄から袋を取り出し、浮浪者の前に放り投げる。

ごしゃり、と重量感のある音。

 

 

「俺は金持ちなんだ。

 それだけで店に入る資格になると思うが、どうかな?」

 

「…いいだろう。」

 

 

 

 

そして黒ずくめの男――ヒューゴはその店に案内されることになった。

 

 

 

 

 

 

_______________________________________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

『よし、第一関門突破だな。』

『良い成金っぷりでしたっす、ヒューゴさん。』

『…それ、褒めてんのか?』

『演技の見事さを褒めてるんすよ~。』

 

 

丸一日を準備に費やし、翌日。

俺と嬢ちゃんは、例の店にたどり着いていた。

ちなみに投げた袋は回収した。浮浪者には睨まれたが、この金は魔物救出のために使いたいからな。

 

現在は短距離念話で会話しながら、二人で浮浪者の案内に従っている。

 

装備品を介した短距離念話は、発声ではなく思念での意思伝達を行う魔法だ。

射程距離が非常に短い上、相互で同じ装備品を使用する必要があるが、周りに声を聞かれないのは大きな利点だ。

 

 

『しかし…その恰好、なんとかならなかったんす?趣味悪いっすよ。』

『仕方ないだろ、キチっとした服はこれしかなかったんだよ。』

『いや、どっちかというと色味の問題っす。ほぼ喪服っすよそれ…。』

『黒、格好良いだろうが。何か問題があるか?』

 

 

アングラの怪しい店とはいえ、大金飛び交う高級店だ。

それなりの格好をせねば入店すら難しい。

そのため急遽倉庫に眠っていた礼服を引っ張り出し、ボッタクリ防具店に持ち込んで軽く手直ししてもらった。

ついでに嬢ちゃん用の服も急ぎで頼んだので、キレられたがどうにか頼み込んでやってもらった。

当然その分吹っ掛けられたが、今の俺たちには金がある。

 

服の他にも、通信用装備品を含めたいくつかの小道具を帽子野郎の店から購入している。

後ろ暗い店に行くのだ、用心はいくらしてもし足りない。

 

 

「こっちだ。地下に入る。」

「分かった。」

 

 

浮浪者――こうして立って見ると明らかだが、筋肉の量が浮浪者のそれではない。偽装だろう――の案内に従い、とある民家の扉を開けるとその家は床板がなく、そのまま地下トンネルへのスロープとなっている。

 

 

『地下の秘密通路っすか。テンション上がってきたっす!』

『頼むから迂闊な真似するなよ…。下手したらこのまま、二度と空を拝めないなんてことになりかねん。』

 

 

スロープは緩やかに続き、やがてトンネルになる。

角度は非常に浅く、斜め下というより横移動に近い。

 

 

『旦那の情報は確かだったみたいっす。』

『ああ、やはり魔物がいるのは、旧フォックスリバー刑務所みたいだな。』

 

「着いたぞ。今、壁を開ける。」

 

 

浮浪者がトンネルの行き止まりに宝玉を触れさせる。

宝玉に込められた魔力と壁の魔法陣が反応、ゆっくりと壁が左右に分かれ動き出す。

 

 

「ようこそ、いらっしゃいました。私は支配人のネッパー。お目にかかれて光栄です。」

「ああ。私も、この店に来れて嬉しく思うよ。投資家のヒューゴだ、よろしく。」

 

 

差し出された右手を握り、握手。

至近距離で、支配人と向き合う。

 

 

『…観察されてるな。』

『身なりのチェックというより、警戒っすね。やっぱ紹介状入手しといた方が良かったんじゃないっす?』

『そんな宛はない、だから代わりに小道具用意したんだろ?しっかり頼むぞ。」

『了解っす。これでも演技には自信あるんす、見とけよ見とけよ~。』

 

 

「本日はどのようなご用件でしょう?」

「この店がそろそろ畳まれるという話を聞いてね、その前に是非商談をしたいと思って来たのさ。」

「それはそれは…。」

「店を畳むなら、身軽な方が良いだろう?」

 

「そういうことでしたか。失礼ながら、そちらのお嬢さんは?」

「彼女は私の連れだ。」

「召喚獣との契約は、どちらがなさりますか?」

「私だ。だが、彼女にとっても同僚となる相手だからね。こうして連れてきた。」

「同僚…と言いますと?」

「見せてやれ。」

 

 

俺の合図に合わせ、嬢ちゃんが首の青いマフラーを少し緩める。

マフラーの下から覗くのは――――首輪。

 

 

「俺は、君たちと同業みたいなものでね。良い商談にしよう。」

 

 

 

 

 

 

_______________________________________________________________________

 

 

 

 

 

 

嬢ちゃんの首輪を見て、商人たちは明らかに警戒を緩めた。

 

 

『自分も犯罪者だよアピール作戦、成功っすね!』

『ああ。奴らは今、騎士団に追われる立場だからな。

 同じくこっちも追われる立場になんだと示してやれば、スムーズに行く。』

『向こうとしても、逃走資金は欲しいでしょうからね。客は嬉しいはずっす。

 さらにさらに、足元見て買い叩くこともできると思うっす!』

『…しかし、本当に良かったのか?』

『首輪っすか?別に良いっすよ、他ならぬヒューゴさんの頼みっすからね。』

 

 

「どのような召喚獣がお好みですかな?」

「空を飛べるものと、火を扱えるものはいるかい?」

「ええ、居りますとも。」

 

 

飛行できる召喚獣は、英雄譚や吟遊詩人でも謡われている定番の召喚獣だ。

単純に移動速度が馬の比ではなく、地形の影響を受けないので非常に便利。

また契約者が輸送の請負業を商っていることも多く、手紙や小包の輸送でお世話になる機会がある。

 

他には火や氷を扱える召喚獣も、職人たちと一緒に働いている姿をよく見る。

人間種の魔法使いよりも特化し効率化した魔法を使える魔物たちは、継続した魔法使用が求められる場面に強い。

 

 

「まずこちらの紅翼鷹。運搬可能重量は少ないですが、やはりこの速さは魅力です。

 あちらには騎乗可能な魔物がおりますので、ご案内致しましょう。」

 

 

『…想像以上だ。色々な魔物が居るな。』

『しかも、なーんか魔物さん達の様子もおかしいっすねー。怯えというより…諦観?』

『ああ。酷い目にあってるなら、抜け出すためにもっと客にアピールをしそうなもんだが…?』

『魔物の体に、目立つ傷とか調教の後とかもないっすね。』

『それはまぁ、良かった点でもあるが。疑問は増えたな。』

『…鷹の羽に、土がついてるっすね。』

『妙だな、ここは石造りの監獄だぞ?外に出る機会があるのか?』

『意外と、本当に宿泊場所貸してるだけの良い店だったりするかもしれないっす。』

『だが、そうだとすると些か設備も入店方法も大袈裟すぎないか?』

 

 

広い敷地を贅沢に使い、いくつかの監獄を繋げた広いスペースに魔物が一体ずつ居るようだ。

魔物間の距離もあり、相互に接触しないように配置されている。

 

ううーむ、入店方法といい、状況証拠だけなら完全に黒なんだがなぁ。

そもそも、魔物側が任意のタイミングで帰還できるのが召喚獣契約だ。

そして送還のための合図も、魔物側召喚者側双方が任意で決められる。

送還は転移魔法によって行われ、その妨害は容易ではない。超一流の魔法使いが十人居てどうにか、というレベル。

現実的ではない。

つまり召喚獣を売り渡すような真似をしても、魔物側が即帰還して終わるハズなのだ。

 

 

『一体どういうカラクリなんだか…。』

『まぁ、正直どうだって良いっすけどね。正当な取引で買う分には関係ないっす。

 ヌッ!大物が来たっすよ!』

 

「これは…!グリフォンか!?」

「ええ。有翼獅子、グリフォンです。騎乗も出来る飛行召喚獣として、非常に人気のある種でございます。」

 

『すげぇ!グリフォンをこんなに間近で見たの初めてだ!』

『すげぇ!グリフォン買えたら移動時間大幅削減でサクサク生活が実現するっす!

 ヒューゴさん、詳細スペックを聞いてほしいっす!』

 

『まずペイロード!』

「この魔物は、どれほどの重量を支えられる?」

「全身鎧の騎士を乗せてすら、飛行出来ます。」

 

『航続距離と連続飛行!』

「連続飛行は?」

「体調にも左右されますが、三時間は確実に可能です。」

 

『補給の確認!』

「餌は何を用意すればいい?」

「肉食です。野生では地上の獣を狩っていますので、現地調達も可能かと。」

 

『完璧っす!この子買っていきましょう!』

『おいおい、目的を忘れるなよ?』

『分かってるっすよ、こっからがほんへ、値段交渉の時間っす!値切るっすよ!

 (定価から)七割削減してやるっす!』

 

 

質問ついでに魔物のリストも閲覧。このフロアに居た十体分の魔物達の価格を確認する。

どうやら生息地がここから近いグリフォンは、安い部類のようだ。

実用性よりも、生息地からの遠さや貴重さによって価格が決定されているように見える。

 

 

 

早速地下入口近くにある応接間に移動、嬢ちゃんの指示に従う形で価格交渉を行う。

向こうとしても魔物を売って身軽になって逃亡したいだろうが、只では売ってくれない。

一体でも多くの魔物を救うためには、値切り交渉が欠かせない。

獅子心騎士団のガサ入れについてカマをかけ、相手を揺さぶる。

 

 

『はい、ここらで決め台詞っす!』

「あンた、背中が煤けてるぜ…。」

「くぅ…!分かりました、その価格で売ります…!」

 

 

緩急自在、硬軟織り交ぜた恐ろしい交渉術だった…。

召喚獣購入への躊躇の無さといい、闇商人より嬢ちゃんの方がヤバイ奴疑惑が発生してきたな…。

闇商人にガサ入れが入るって情報を聞いて、闇商人から商品を買い叩くって発想がもうアレだし。

 

 

「ではこちら、召喚獣契約済みのマスターカードです。本店のカードは特別性ですので、数点注意事項がございます。よろしいですか?」

「詳しく聞かせてくれ。」

「長時間の送還を行わないようにしていただきたいのです。」

「…何?」

「長時間の送還行った場合、召喚獣契約が切れますので悪しからずご了承ください。」

 

 

『特殊マスターカードとは聞いていたが…契約の方式からして違うのか?』

『でも今はそんな事はどうでもいいっす。 重要なことじゃない。

 まだまだ商談は終わらせないっす!限度いっぱいまでいく…!』

 

 

「ああ、注意事項については理解したよ。それじゃあ、次の商談と行こうか。」

「…?次、と言いますと?」

「言ったろう?俺は投資家だ。個人用に一体買っただけじゃ満足しないんだよ…!」

 

 

ごしゃり。

 

 

指示に従い、応接間のテーブルに金貨袋を放り投げる。

そのあまりの重量に、立派な木製テーブルが軋む!

 

 

「このリストの魔物、八種十体!すべて購入させてもらう…!」

「……!!」

 

 

『畳みかけるっす!相手が冷静さを取り戻さぬ内に決めるっす!』

『おいおい、そんな雑で良いのか?』

『さっきの価格交渉で、ネッパーの危機感は十分に煽ったっす。

 ヤツには見えている…この金こそが、救いの一手、クモの糸…!

 だから、必ず食いつきますっす!後は釣り上げるタイミング…!』

 

 

「…私どもとしても、有難い商談です。ですが、この価格ではとても…。」

「足りないってのか?グリフォンの丁度十倍の金が入ってるぞ?」

「値引きしたグリフォンの、十倍で御座います…!こんな価格で売っては、私の首が飛ぶ…!物理的に…!

 この三倍は頂かなくては、責任問題…!」

 

『よし!』

『針にかかったっす!』

 

ごしゃり

ごしゃり

 

「なんだ、その程度で良いのか。」

「へ…?」

「今投げた袋にも、同じ額が入っている。つまり丁度三倍だ。商談成立だな?」

 

 

ネッパーの視線は投げた硬貨袋にくぎ付けだ。

ぶっちゃけグリフォンは大分買い叩いたので、十倍x三倍にしてもリスト価格の総和より安い。

しかしこうして目の前に大金を積めば、その誘惑を振り切ることは難しい。

 

 

『堕ちろっす…!』

 

やがてネッパーはこの商談を受け入れた。

 

『堕ちたな。』

 

 

 

 

 

_______________________________________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに追加で投げたのは、帽子野郎が集めてきた分の金だ。

確実な回収の見込みがある、などと嘯くアイツの宣伝に中央市場の商人が乗ったらしい。

正直そんな怪しい話に乗ったヤツが居たことは驚きだが、今はどんな金でも有難い。

 

 

『いやぁ、大勝利っすね!』

『ああ、上手くいった。やっぱ目の前に大金積んだら、人間判断をミスるもんなんだな。』

『というか向こうとしても、多少の値引きは想定内でしょうっすからね。

 下手に在庫抱えるよりも、安く売り払った方が良い時もありますっす。』

『そんなもんか。ともかく帽子野郎のおかげで金も足りたし、これで気持ちよく帰れるな。』

 

『何言ってんすか!まだ金があるんなら、倍プッシュと行きましょうっす!』

『何?』

 

 

倍プッシュ?

リストに載ってる魔物は全部買ったんだ。

商品の無い商人相手に何しようってんだ?

 

 

『こんな後ろ暗い店が、客相手とは言え全部の商品見せる訳ないでしょう?

 常連向けか、何らかの事情で隔離しているか…理由は色々考えられますが、隠し玉の一つや二つあるハズっす。』

『む…。』

『とりあえずネッパーゆさぶって!ヒューゴさんやくめっす!』

 

 

追加分、九枚のマスターカードを持ってきたネッパーを問い詰める。

ネッパーは当初否認したが、追加の支払いを匂わせると白状し始めた。

…金の力ってすげぇな…。

 

 

「リスト外の魔物は居ります。ですが…リストに載せていないのにも理由がありまして。

 あの狼は狂暴で、お客様に危害を加える恐れがあるのです。」

「そうか。構わない、案内してくれ。」

「ですが…!」

「金ならあるぞ!私には支払いの用意がある!!」

 

 

ゴリ押しに根負けし、ネッパーがその魔物の居場所まで案内してくれることになった。

このフロアより二つ下、地下三階にその魔物は捕らわれているようだ。

ネッパーから、看守用の認証機器である腕輪を貸してもらう。

地下二階から先は刑務所時代の罠がそのまま機能しているらしく、それを避けるための器具だ。

 

 

『やっぱり居ましたね、隠し玉!狼ですってよヒューゴさん!』

『ああ。しかも、この店が御しかねる凶暴さだってよ。

 この店の特殊マスカーカードも万能じゃないってことか?』

『従順にするために、何らかの魔法を使ってるのかも知れないっすね。

 それが効きづらい種類の魔物さんなのかも?』

『だとすると、この店のカラクリを解き明かす手がかりになるかも知れねぇ…!』

『まぁ魔物全部買う以上、解いてもあんま意味ない気がするっすけど…。

 謎は解けなくとも、金の力で問題は解決できるっす。』

『んな身も蓋もないこと言うなよ…。』

 

 

 

 

 

 

ネッパーの指示に従い、地下二階を進む。

 

 

指定された順番でボタンを押さないと開かない門。

頑丈な施錠がなされた内扉。

罠だけでなく、厳重なセキュリティもそのまま機能しているようだった。

 

 

「この先の道が、赤と青のタイルで色分けされているのが見えますか?」

「ああ。」

「あれも罠の一巻でして、赤のタイルを踏むと下に落ちるのでお気をつけ下さい。」

 

 

見ると確かに、道が赤と青に塗り分けられている。

ほぼ一面の赤。飛び石のように、青いタイルが配置されている。

この様子では、一人ずつしか進めないだろう。

 

 

「ヒューゴ様、お先にどうぞ。」

「分かった。

 青いタイルを踏めば落ちないんだよなぁぁぁああああああ!?

 

 

バコン!

 

 

落とし穴が開き、俺の体が落下する!

 

なんで?

ちゃんと青いタイル踏んだじゃーん!

 

 

 

 

 

 

 

まさか!

咄嗟に穴の淵を掴み、ぶら下がりながら上を見上げる。

 

 

「お前もう生きて帰れねぇな?」

 

「ネッパー、てめぇハメやがったな!」

 

『ヒューゴさん、今助け――むぎゅう。』

 

「はっはー!こんなにもあっさり、自分から穴に入っていくとはな。

 どうせこの店は、明日には綺麗さっぱり掃除されるんだ!そこに人間が一人二人増えても変わらねぇんだよ!

 お前の金は、俺が有難く貰っといてやる!」

 

「ふざけるなぁああああ!『光の一撃』…発動しない!?」

 

「最後の一発くれてやるよオラ!」

 

 

淵を掴む手に、スタンピングが二発。

指の骨が折れ、体が落下していく。

 

 

「俺はそんなさ…殺すほど悪魔じゃねぇんだよ。落とし穴って言っても、死ぬような高さじゃない。

 その穴の先にあるのは、例の狼の檻さ! 狼と仲良くなれりゃあ生き残れるかもなぁー!

 はははははははは!」

 

 

はははは。

はははははは!

はーはっはっはっ!

 

 

ネッパーの笑い声が響く。

 

 

冗談じゃない!よりにもよって、狼に食われて死ぬなんざゴメンだ!

だが魔法は何故だが使えない!

指の骨は多分折られてる!

その上服も防具じゃない!

 

詰んだぁー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_______________________________________________________________________

 

 

お  ま  た  せ

 

 

 

ふぅ…。成し遂げたぜ。

 

無事ヒューゴさんを、金のために渡った危ない橋から落とすことが出来ました。(こじつけ)

まぁ後ろ暗い店に、もう店じまいするから評判気にしなくて良いってタイミングで、大金持って訪ねた訳ですからね。

金に目が眩んだヤツにハメられて奪われちゃったりすることもあります。

 

 

次回、「プリズンブレイク:エスケープ・ビースト」は三、四日で書きます。多分。

ヒューゴさんは食われ♂ずに脱獄できるのか!こうご期待です。ケモホモも出るよ!(誇大広告)

 

 

 

◆一週間更新が遅れたのは、メガミデバイスのSOLラプターの所為です。許して?

 ゲート処理にデザインナイフ使ってて、指スパっといきました。キーボード打つと痛いですね…これは痛い…。






※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。