「あなたの名前はなんと言うのですか?」
朝になり、眠そうに起き上がった少女を見て、焚き火で魚を炙っている殺せんせーはそう質問した。
まばたきを数回繰り返した後、少女はこう答えた
「・・・長門・・・と呼ばれていました。」
「長門さんですか。いい名前ですねぇ。」
名前を聞いた殺せんせーは少女こと、長門さんに焼き魚(骨抜き)を食べるかを聞き、長門さんがコクコクと首肯くき、両手で魚と支えられている木の棒を受けとると、かぶりついた。
その様子を黄色の顔でニヤニヤしながら殺せんせーも魚を食べ始める。
食べている少女を見ながら、殺せんせーは釣り人のおじさん達との会話を思い出していた。
「タコのあんちゃん、今日はどうだい?」
「ヌルフフフ、今日も大漁ですよ。」
「おぉ、流石タコのあんちゃんだ。なんかコツでもあんのかねぇ?」
「この手足の触手は普通の人の手足よりも感覚が敏感なので、魚の動きが良くわかるのですよ。」
「にしてもスゲーや。」
「町田さんの個性だったら大漁になるのでは?」
「おいおい、個性の違法使用は御法度だぜ。俺みたいに周辺を巻き込む個性だとすぐに
個性・・・そう、この超常社会は私をタコという個性持ちだとしてすぐに受け入れられた。
国籍が無いので、一部の公共機関に制限は有りますがね。
会話してわかったことですが、人は個性の使用に敏感であるということだ。
常時発動型や異形型と呼ばれ者以外は、周りを気遣って個性をあまり発動しない。
ヒーローと呼ばれる個性を使用することが仕事の者は例外だが。
そんな個性を悪用する者が
もしかしたらこの長門という少女も
頭からはえている船の艦橋のような何かは個性によるものなのか・・・
(食事が終わったら聞くとしますかねぇ。)
個性【軍艦】
長門から聞いた瞬間に殺せんせーはこの少女が個性を使用しての運び屋をやらされていたことを理解した。
殺せんせーは
「長門さんは夢はありますか?」
この時親御さんの所に帰りたいですかとか会いたいですか?と聞かないところに殺せんせーが長門さんのことを育ててみたいという気持ちが現れていた。
「・・・ヒーローになりたい。私みたいな子がいなくなるような世界にしたい・・・です。」
5歳という年齢とは思えない、意志が殺せんせーには見て取れた。
「ヌフ、ヌルフフフ・・・良い答えです。その言葉を忘れてはなりませんよ。・・・では、あなたに私の全てを教えましょう。」
後から少女長門はタコの様な人を死神とか殺せんせーという名前を知ったが、この時の殺せんせーは世界一ヒーローの様であったと語ることになる。
相手が八木俊典であったとしても・・・。
別荘から更に不気味な施設に移動させられている少年がいた。
現在彼の姿は布の袋を頭から被せられ、手錠をつけられていた。
服は一応着ている。
移動用の車?トラック?は座り心地は最悪だが、暖房は付いており、適温な車内で少年はじっとしていた。
近くから複数の泣き声が聞こえてくることから、周りには自分と同じような境遇の子を居ることに少しだけ少年はホッとしていた。
そんな時、車が急ブレーキをかけた
「野良ヴィランかよ。」
「ここのガキらはボスの更に上にいるらしいスポンサーへの貢ぎ物だぞ!!迂回はできねーのか!!」
「ダメです!!パニクった周りの車が邪魔で動けません!!」
「チィ・・・!?あの
「調べます・・・ナパーム!?」
「脱出するぞ!!ボスに殺される前に殺されかねねぇ!!適当なガキ選んで連れてけ!!残りは置いておけ!!」
個性【物質判定】をもった男の言葉で車に乗っていた男達は慌てて車から逃げた。
不幸なことに少年は車に置いていかれた。
同時に幸運にも恵まれ、少年は足を縛られていなかったこと、慌てたことでドアが半ドアだったこと・・・そして
「少女を釣り上げたら、今度は少年が空から降ってきましたよ。・・・酷い火傷だ。せんせーでなければ死んでましたね。」
外に出られたことにより爆破ではなく爆風で吹き飛ばされ、買い出しをするために空を超高速移動していた殺せんせーに拾われたことだ。
主人公と少女はこうして殺せんせーと出会う。