ブリタニア帝国記   作:ADONIS+

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本編
あるTS少女の溜息


 転生系のSS。アニメやゲームの世界を描いた二次小説としてはよくある話です。私もそう言った転生、憑依、TSなどのSSをよく見る。私は世間で言うところのオタクとよばれる人間だ。だから言える。そういうのは、物語の中だからこそ楽しめるのだと……。

 何故そんなことを言うのか?と言うと、私は転生+TSをしているからだ。つまり私は元男。

 しかし、今は女であるので、一人称は私という事になる。まあ、某セーラー服剣士の葉○さんの様に、僕でもよかったかもしれないが、私の方が無難でしょう。

 そんな私の前世は、剣術を嗜んでいるという事を除けば、普通の日本人の男として過ごした。まあ、ゲームやアニメにはまっていたオタクであったが…。そんな私は平凡に生きていたが、唐突に交通事故で死んでしまった。享年35歳

 

 私が次に気づいた時には、古代ベルカ聖王家の王女として転生していた。最初は状況が理解できずに混乱した。自分がいきなり赤ん坊、しかも女の子になっていた。

 混乱していた私は、自分が『魔法少女リリカルなのは』の世界の古代ベルカ王朝時代に転生したという事実を認識するには、それなりの時間がかかった。時代としては無印の500年以上も前です。当然ながら、こんなに時代が違えば原作知識など役に立たない。

 ここで問題であったのは、古代ベルカは戦乱続きの世界であった事。そのため聖王家に生まれた私は、幼い身で騎士として闘う事になる。これには、私の異常なまでに高い魔力値も関係していた。

 実は、古代ベルカ人は優れた魔法文明を持ちながら、総じてリンカーコアの質は悪く、低ランクの魔力値しか持っていない。いや魔力不足である為に、古代ベルカ式魔法は近接戦闘に特化して(と言うよりも十分な威力の遠距離攻撃や広域攻撃使うことが出来ないために自然とそうなった)、相手に直接武器であるデバイスを叩き込むという戦闘が主流となり、カートリッジやユニゾンデバイスなどで魔力不足を補っていた。

 そんな中で、私の魔力値は常時400万。SSS+ランクです。赤子の時に既にS+ランクの先天魔法資質を持ち、17歳になった現在ではそこまで強くなっていた。

 父親の聖王ですら、専用のレリックで強化して、聖王のゆりかごのバックアップを受けてもここまで強くない。私の異常な魔力値は、時のベルカでは話題となり、周囲からは天才とも呼ばれた。

 おまけに前世の記憶を持ち越している上に、この身体の優れたスペックもあり、とても子供とは思えない思考能力を持っていた。2歳の時には、自分から積極的に魔法を学んでいた。それゆえに周囲の期待は、余計大きかったのだろう。

 そんな周囲の期待を余所に、私自身はそれどころではなかった。平凡な日本人であった私が、リリカルなのはの世界に転生した挙げ句女になった。

 しかも周囲はそんな私の戸惑いを無視して、当時7歳の私を騎士として戦場に送った。いくら何でも7歳児を戦場に送るなと突っ込みたいが、戦乱の時代にそんな言葉は通用しない。まあ後の時空管理局では戦時でもないのに、平時から10歳に満たない少年少女を戦場に送るのだから、この世界のたちの悪さは相当なものだ。

 この魔法少女の世界は、リリカルではなく、血と刃の世界であった。質量兵器が乱用され、非殺傷設定の魔法など使わない殺し合いの戦場。そんな中を私は必死に生き抜いていった。

 

「はあ、ままならないものね」

 金色の髪、右目が翡翠、左目が紅玉のオッドアイの17歳ほどの美しい少女が愚痴をいっていた。

『シドゥリ・エルデルト・フォン・ヴァーブル』

 それがこの少女の名前であり、私が転生して得た名前だ。

 リリカルなのはの世界に転生しても、本編の500年以上も前。これでは原作知識など全く役に立たない。原作に登場する人物達が生まれる何百年も前では、知識が使えない。古代ベルカ王朝時代の情報など殆どないし。

 もっと、困るのは現状だ。辺り一面に広がる多数の死体。これは全部自分が作りだした物です。遠距離からの砲撃魔法による奇襲で始末した。

 古代ベルカでは異端である砲撃魔法を、シドゥリがわざわざ使っているのは、元々の魔力資質がベルカでは稀な純粋魔力の放出・集束と制御に長けていたこともあるが、やはり『魔法少女リリカルなのは』の世界に転生したという事が大きいだろう。本編の砲撃魔法には、興味があったのだ。

 とはいえこの時代にはミッドチルダ式魔法すらまだない。本編では、かつてミッドチルダ式とベルカ式の二つの魔法形式が勢力を二分していたといわれていたが、それはさらに先の時代の話だ。

 現在のミッドチルダやその周辺の次元世界は、質量兵器が主力で砲撃魔法を一から作らなければならなかった。おまけにベルカ式魔法は、遠距離攻撃魔法や広域攻撃魔法をある程度度外視しているので、術式そのものが不向き。

 そこでシドゥリは、ベルカ式を基準にしながらも、それらの魔法に効率よく対応するため特殊な術式を作っていた。円陣の中に五個の円を配置し、それを線で結び、その中心に剣十字が配置された構成。それは何処か五芒星とよばれる魔法陣に似ていた。遠距離攻撃魔法と広域攻撃魔法に特化した特殊術式です。

 この術式による攻撃、特にシドゥリの放つ集束砲スターライト・ブレイカーは抜群の威力を誇り、味方の騎士からも多かれ少なかれ恐れられている程。勿論、前世では剣術を修得し、現世では近接戦闘に優れるベルカ式を使うのだから、シドゥリは近接戦闘もとても強い。とはいえ、10歳にも満たない頃は、身体が出来ていないし、手足も伸びていないから、まともな近接戦闘は出来なかったので、砲撃魔法に頼る事が多かった。というよりもシドゥリの様に強力な魔力を持っているならば、わざわざ敵軍と刃を交えるよりも砲撃で始末した方が手っ取り早い。

 戦場に立って人を殺すことにはもう慣れた。戦争なのだから仕方がない。

 この時期のベルカは、次元世界統一を目指して次元世界に侵攻をしていた。今回も、とある次元世界に侵攻していた。とはいえ、この戦いも中止せざるを得ない。

 別の前線で戦っていた聖王が崩御した。暴走した敵軍がロストロギアを使用し、それに巻き込まれてしまった。そのため次元震が起こり、一つの世界が崩壊した。敵はまともに制御できぬ力を使い、聖王を巻き添えにして自滅した。

 いくら聖王が強いとはいえ、流石に次元震に巻き込まれては、一溜まりもなかったのだろう。

 シドゥリにとって聖王は現世での父親であったが、前世での意識が強い上に聖王はけしてよい父ではなかった。だから、シドゥリは父の死をそれほど嘆いてはいない。むしろ聖王の座が空白となったこれからの聖王連合が心配です。

 多数の戦死者が横たわる戦場跡で、虹色の魔法陣が現れ、一人の美麗な騎士がその場から転移した。

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