ブリタニア帝国記   作:ADONIS+

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ブリタニア帝国記 第一話(シドゥリ暦520年)

「待ちに待った時が来たのだ。多くの働きが無駄でなかったことの証の為に」

 

 海と山に囲まれた町の一角に、メイド服を着た少女の声が聞こえている。

 

「再び我が理想を掲げる為に、光源氏計画成就の為に、地球よ、私は帰ってきたぁ!!」

 

 いきなりネタに走ります。だってねぇ。何か言いたくなるような状況だしね。オタク魂がふるえるよ。

 

 ちなみに今の余はメイドのコスプレをしています。実のところ、国造りを行ったはいいけど、そうすると威厳というものが大切になるんだよね。その為、不用意にコスプレを楽しめないという罠が潜んでいた。

 

 その事に、後で気付いて落ち込んだ予です。と言うわけで、隠れコスプレイヤーシドゥリです。となっていたのですが、この世界ではシドゥリは無名なので、ここならば人目を気にせずに、コスプレOKです。自重しないよ。

 

 余は外見がこの世界の白人に近いですから、巫女装束とかは似合いませんが、メイド服は大丈夫です。

 

 以前、ゴスロリに挑戦してみたが、いまいちでしたね。やっぱり、身長がありすぎて胸が少し大きかったから違和感が有りました。普通のドレスの方が似合いましたね。(苦笑)

 

 コスプレは、ただ着れば良いという物ではありません。着こなしてこそです。(力説)

 

 これは余のこだわりですね。というか似合わない衣装を着ていてもちょっと困るでしょ? 着る方も、見る方もね。だから相性のいい衣装を探していたのですが、メイド服が一番でしたね。

 

 また、このメイド服ただの衣装ではありません。これは騎士甲冑なんです。実は紫外線をカットしなければなりませんから、その機能に特化しています。その分、防御は紙装甲ですか、燃費が良いですね。省エネならぬ省魔力だよ。まぁ戦闘用の騎士甲冑ではなくコスプレ及び日常生活用ですから、他にもいろいろありますよ。というかオタク魂を全力全開で(なのはちゃん的に)たくさんのコスプレ衣装姿の騎士甲冑を考えました。でそれはコスプレ及び日常生活用デバイス(普段戦闘に使うデバイスとは別のデバイス)にいろいろ登録しましたしね。

 

 今回はメイド姿ですが、水着、ブルマ、OL姿、女医、看護婦、セーラー服、ブレザーなど、いろいろあります。また日常生活にも使えるように普段着も登録している。衣装は騎士甲冑だから着替えも簡単だよ。騎士甲冑のモード変更をするだけですから。紫外線対策と趣味を兼ねた、一石二鳥のデバイスだね。

 

 まぁこれだけむやみやたらと騎士甲冑を登録すると、当然ながら容量がきつくなります。だから戦闘用ではなく、専用デバイスを使っているんです。というか帝国でも、こんなデバイスの使い道をしているのは私だけでしょうね。

 ……。

 

 ま、まぁいいじゃないですか、余はちゃんと仕事はしていますし、それに皇族の趣味としては、さほどコストもかかっていません。

 

 ちなみに余はそれほど贅沢はしていない。これでも星間文明を持つ大帝国の皇帝ですから、かなりの贅沢が許されています。でも元々質素倹約とかを好む日本人的な性格でしたし、国の予算も必要な金は使いますが、不必要に華美にはしません。

 

 そんなの国家財政の浪費でしかありませんから。政治でも無駄だと思うことはしませんよ。

 

 そんな余は昔の地球の王侯貴族から見たらむしろ質素かもしれませんね。というか今の帝国から見たら、極貧にしか見えない国力でやたら贅沢をしている王侯貴族の多いこと、だから革命が起こったりするんです。

 

 まぁそんな訳でささやかな楽しみにふけるシドゥリですが、流石にこんな姿は、臣民には見せられないね。これでもシドゥリ教の信仰対象にして、最高の権威と権力を持つ魔法皇帝ですから。

 

 

 

 新暦60年 第97管理外世界 惑星『地球』 海鳴市。

 

 今は無印の5年前です。とうとう原作キャラに会いに行けます。このためにあえて、地球へは一切干渉してこなかったんです。下手に干渉して、なのはちゃんが生まれなかったりしたら目も当てられません。世界が変化するのを心配していたんです。

 

 実は管理世界へ色々と工作した後になって、これでフェイトちゃんが生まれなくなってしまうのでは、と気付いてちょっと後悔していたのは秘密です。

 

 ちなみにフェイトちゃんも一応生まれるみたいです。プレシア女史がヒュードラの暴走事故を起こし、プロジョクトFに関わっていたみたいですから。概ね本編通りに進むようで、安心しました。いや、よかった、よかった。

 

 いろいろありましたが、苦節500年以上も頑張ってきた甲斐がありました。余はとっても頑張りました。うん、だから報酬があってもいいよね。そう名付けて、『なのはちゃんとフェイトちゃんの光源氏計画』。両手に華ですよ。

 

 え、はやては? いや、彼女はね、好みじゃないんだ。正直いって興味がないんだよ。まぁ一応助けるよ。その為に、わざわざ夜天の書のオリジナルデータを回収していたんだしね。

 

 

 

 そんなわけで、余は現在バカンスです。

 

 ちなみに帝国では、予の原作知識はレアスキル『先見』として認識されています。この知識でベルカ崩壊、時空管理局成立を予言して、先手を打っているのです。帝国では、余の先見を元にいろいろと準備をしており、PT事件や闇の書事件も対処しています。

 

 ついでに、このバカンスは、実は管理局の戦力削減も狙っている物です。高町なのは、八神はやて、フェイト・テスタロッサの三人は放置すると管理局の戦力になってしまいます。

 

 おまけにそれなりに有名人であったことから、本編では広告塔にも使われていたのでしょう。まぁ高ランク魔導師で美少女であれば、管理局ではそうなるのも仕方ありませんが。

 

 そしてJS事件で活躍する局員です。というか、彼女たちがいなければJS事件で管理局は崩壊するのでは、と帝国では考えられています。その為、彼女達の扱いは帝国でも意見が分かれていました。

 

 強硬派は暗殺を主張し、穏健派はそれに難色を示しました。ここで三人に関しては、余が自ら管理局に入局しないように工作活動を行う事を提案して、重臣達を説得しました。

 

 三人を帝国に引き込み、管理局に渡さない。帝国では、民間には魔法皇帝の慰安のためのバカンスと伝えられていますが、貴族や政府関係者にはその目的を知らせています。

 

 次にユーノ・スクライア、目立たないヤツですが、今まで放置されていた無限書庫を使えるようにしたこいつは、ある意味三人よりもやっかいです。できれば、どさくさ紛れに殺しておきたいが、闇の書事件で無限書庫に関わるフラグを潰せば、ただの考古学者となるでしょうから問題ないだろう。無限書庫が稼働しなければ、管理局の情報収集は、格段に遅れることは間違いありません。

 

 工作しても無限書庫に関わるようならば、暗殺するというオプション付きですけど。

 

 

 

 本来ならば、皇帝である余が長期に渡って国を離れるのは好ましくないが、それをカバーするだけの体制は整えています。

 

 ブリタニア帝国がいくら絶対君主制をしいていても、皇帝がいなければ何もできないという状態は好ましくありませんし、それでは余が忙しすぎます。その為に、宰相にはかなりの権限を与えています。

 

 現在は重要案件に関しては、宰相から提出された案を検討するという仕事が大半だしね。もう細かい事は部下にやらせています。

 

 国の大まかな方針さえ立てておけば、後は宰相達がやってくれるんですよ。というか帝国初期こそ、私がてんてこ舞いにあれこれする羽目になりましたが、5世紀(シドゥリ暦401年~500年)以降からは比較的政務から外れるようになりましたね。

 

 それでも、余も各地の植民惑星に赴いて貴族たちに直接あったり、貴族育成学校を視察したりあれこれ政務をやっている。特に貴族たちや民衆の忠誠心を得るためにいろいろやったんだよ。

 

 これには、余が立ち上げたシドゥリ教会が本当に役に立ちました。あれのおかげで帝国の体制を固めることができたと言っても過言ではないしね。政教分離ならぬ、政治で宗教を利用し尽くしている状況です。元々、政治利用の為に作った宗教ですけど。

 

 まぁそんなこんなであれこれバックアップ体制を固めていて、予が10年ほど国を離れても問題ないんですよね。ただ、組織としては問題なくても、民や貴族たちの心まではカバーできません。下手に国をあけすぎて貴族や民心が動揺しては困りますから、バカンス中でも帝国とは連絡をとり必要とあれば、一時帰国も考えているわけですね。

 

 

 

 そんな訳で、サーチャーを飛ばします。管理外世界で魔法を使っちゃ駄目? そんなの管理局が勝手に決めたことです。第一、ここは管理世界ではありません。関係のない異世界にまで、自分たちの法律を押しつけては駄目です。

 

 さて、サーチャーの結果が出た。なのはちゃんが公園に一人でいるみたいですね。

 確かこの時期は士郎さんが重傷を負い、なのはちゃんが家族の中で孤立していたはずだ。早速餌を蒔くとしますか。

 

 あっ、その前に着替えましょう。さすがに第一印象がメイド服では拙いですからね。騎士甲冑の衣装をブレザーに変更します。手動で着替える必要がないので楽ですよ。ぱっと見では、現役女子高生にしかみえませんね。ふふっ、余もまだまだいけるんですよ。

 

 さて、結果ですが見事に釣れました。最初は優しいお姉さんとして、なのはちゃんとお話をして、うち解けてきたら魔法を見せて上げました。そしてなのはちゃんにも魔法の才能があることを教えると、なのはちゃんが興味を持ったので、魔法を教えて上げると約束しました。先生ルートです。フラグを立てましたよ。

 

 それから毎日のように、なのはちゃんと過ごしています。いろいろと勉強を見て上げたり、魔法を教えたりと仲良くしています。このなのはちゃん可愛いね。この子が将来、管理局の白い悪魔だとか、魔王とか言われるとは思えないわ。

 

 この子は、愛情に飢えているみたいだね。だから思いっきり甘えさせています。「しどりお姉ちゃん」と、舌足らずで甘えてくるなのはちゃん、本当に可愛いです。

 

 

 

 そうそう原作や本編でのなのはの運動音痴であるが、これは魔法資質が影響していたらしいです。元々、化け物じみた身体能力を持つ不破一族でありながら、何故かなのはだけは運動音痴ですから、そうではないかと疑っていました。

 

 どうも制御されていない強い魔力が、かえって身体に悪影響を与えて、運動を阻害していたみたいだね。実際、デバイスを用いない基本的な魔力制御を教えて上げたら、改善していきましたから。

 

 本編でのなのはは、まともな訓練を受けずに、いきなり高性能なインテリジェンスデバイスを使って戦闘を行っていましたが、普通に考えればそれは無茶です。最初はデバイスに頼らずとも、基本的な魔法は使えるように基礎をみっちりやるのが理想的です。初めから便利な道具に頼ると、後々の成長に悪影響を与えかねないという訳ですね。そんなわけでなのはちゃんと楽しく過ごしています。

 

 ちなみに教える術式は、古代ベルカ式魔法です。別にミッドチルダ式でも良かったけど、やっぱり古代ベルカ式の方が好みだよ。現在の古代ベルカ式も随分と良くなったしね。

 

 

 

 それにしても、毎日なのはちゃんが余の家に遊びに来ているのに、高町家からは何のリアクションもない。さすがに門限に引っかかる様な時間にならないように、気を付けて家に帰しているが、気にならないのか?

 

 いや、それだけの余裕がないのだろう。桃子さんは、士郎さんが入院している今は、女手一人で家族を養わなければならないし、恭也と美由希は、店の手伝いと剣術の修行及び学生生活で忙しい。おまけに翠屋も、この時期はまだ軌道に乗っていない。

 

 実際、本編でもなのはは放置状態になっていたし、後になってそれを後悔していたみたいだね。そのため、なのはが管理局に入局するという行動にでても、強く言えなかったんだろう。

 

 少し考えれば分かるけど、高町家は本心ではなのはの入局には反対だったはずだよね。まだ小学生である自分の娘が、異世界で命がけの危険な職業に就くといって賛成するわけないですし。

 

 なのはちゃんは家で孤立していた所で、余に出会い、余を慕っているようだ。余の干渉で、本編よりも家族との乖離が進みそうだけど、まあ別にいいか。わざわざ家族関係を取り持つ必要もないしね。




解説

 ブリタニア帝国では、シドゥリが持ち込んだ古代ベルカ式魔法が使われていますが、原理主義者のように当時の仕様のままで使っている訳ではありません。ちょくちょく術式のコンパイラを改良したり、新しい魔法を開発したりしています。例えるならば、パソコンのOSとソフトの開発・更新をそれなりにやっているという事です。

 そもそも古代ベルカ式は、遠距離攻撃や広域攻撃をある程度度外視して、近接戦闘に特化した術式ですが、特殊術式で召喚魔法の行使や遠距離攻撃や広域攻撃等も効率的・効果的に使えるようになっています。シドゥリの作った特殊術式は当時は荒い部分がありましたが、流石に500年以上もバージョンアップしてきたから、かなり洗練されています。

 ちなみに帝国では魔法資格があれば、『秘術』と『規制指定魔法』以外はどんな魔法も学べます。その分、無資格者には厳しいですが。

 ここでいう秘術とは、古代ベルカ式魔法で、シドゥリの編み出した『覚醒の法』と『反魂の術』がこれに当たる。この魔法はかなりの秘術なので、帝国でも数人しか使える者がいません。

 規制指定魔法は、変身魔法、精神を操る魔法、記憶を読みとる又は操作する魔法、核兵器、毒ガス兵器等の効果を再現する魔法等、何れも悪用されたら困る魔法ばかりです。これらの魔法は、犯罪を助長しかねないとして、貴族以外は学ぶことはできません。
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