ブリタニア帝国記   作:ADONIS+

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ブリタニア帝国記 第五話(シドゥリ暦525年)

 日本州東京 地球連邦本部。そこでは地球連邦の上層部の人間が緊急会議を開いていた。

 

「ロストロギア、ジュエルシードか、厄介だな」

 

 一人の男が忌々しそうにいう。

 

「問題は管理局だ!ロストロギアがこの世界にばらまかれたのなら、そう遠くない内にあいつらがまた干渉してくるぞ!」

「いっそのこと、そのロストロギアは管理局に渡してやればどうだ? 元々この世界の物でもないだろうしな」

「馬鹿を言うな! やつらに手を貸すなど世論が認めぬ。国民にどう説明する!」

「しかしな、今管理局と戦うのは得策ではない。大体戦争準備もできていないのだぞ」

 

 議論が白熱し、ヤジまででてくる。

 

「シドゥリ陛下は、如何お考えでしょうか?」

 

 一人の議員が私に話をふる。その言葉に議会の出席者達は私に注目した。予はこの地球連邦の緊急会議に同盟国の皇帝として特別に出席していた。

 

 40代をとっくに過ぎた男や女が多く揃った議会で、外見では女子高校生程度にしか見えない少女は異様ですらあったが、誰もがそれを言わない。皆知っているのだ、この少女は誰よりも年長者であることを。

 

「そうね。回収したジュエルシードを調べたけど、あれは管理局の技術では再生産が不可能でロストロギア扱いされているけど、帝国の技術力ならば再生産可能よ。最もあまり使えないけど」

 

 帝国と管理局の技術力がかけ離れているので、そういうことも多々あった。

 

「あれは敵対する世界を、中規模以上の次元震を意図的に起こして滅ぼすための戦略兵器として使うのが最適でしょうね。管理局の場合は、この世界を標的にするとかね」

 

 余のこの言葉に議会の空気が変わる。その場の誰もが、管理局がジュエルシードを使って、この世界を滅ぼすという想像をしていた。

 

「さて、先程ジュエルシードを管理局に手渡すという提案があったけど、それはあまり得策ではないわ。彼等に余計な戦略兵器を与えることになりかねない」

「では、管理局に対してはどう致しましょうか?」

「簡単よ。ジュエルシードを誰にも使えないように完全に破壊すればいいの。余は勿論だけど、余の弟子でもそれはできるわ。ジュエルシードを全て破壊してしまえば渡せとは言えないからね。それにジュエルシードの輸送は管理局がやっていたのよ。元々は奴らの不始末だもの。その辺りをつつけば管理局も黙るでしょう」

「シドゥリ陛下の弟子と言えば、確か高町なのはさんとフェイト・テスタロッサさんでしたか?」

「そう、余の自慢の弟子たちね。まあジュエルシードの回収と破壊は、あの二人に期待しているわ」

 

 余の言葉で議会の方向性が決まる。結局は、ジュエルシードを管理局に渡さないように全て破壊するという事で一致した。

 

 

 

 それはともかく、本編よりも強化されたなのはとフェイトは、ジュエルシードをさくさく回収していった。

 

 二人は幼少期から私の教導を受けてきた事もあるけど、ナノマシンデバイスを体内に入れた事で思いっきりパワーアップしています。まさになのは&フェイト無双ですよ。ジュエルシード暴走体が有象無象のザコでしかなくなっています。

 

 ついでにバックアップとして、海鳴の警察官も捜索、非常時の対応にかり出されています。

 

 ちなみにジュエルシードの回収を、幼い少女であるなのはとフェイトがする事に対して反論は出てこなかった。というのも三年前の時空管理局との戦争で、魔導師の出鱈目な力を誰もが知っているので、魔法が使えない一般人では無理と言われれば黙るしかない。だからといって同盟国の皇帝陛下に、「おまえが回収しろ」と言うわけにもいかない。

 

 その間シドゥリは、地球連邦との話し合いと、本国との調整を行っていた。ロストロギアが地球にばらまかれた以上、何れ管理局が介入してくる。その対応に皆が追われていた。

 

 ユーノ・スクライアは不法入国者として連邦に拘束された。こいつは連邦の許可を受けずに、この星にきたから当たり前だけどね。まぁこいつがいるとジュエルシードの破壊に支障が出るから、連邦で軟禁している。扱いが悪いと、後で管理局に難癖付けられかねないので人道的に扱っているらしいね。

 

 こうして本編で発生した淫獣の漢のロマン追求イベントはなしとなりました。というかなのはと入浴して、その他の女性陣と女湯に入るなんて許せません。そういうロマンの追求は駄目ですよ。

 

 なのはとフェイトは普段は私立聖祥大学付属小学校に通いつつも、学校が終わるとジュエルシードの捜索に入ります。

 

 ちなみに二人は塾に通ってはいません。知識移植により、既に大卒程度の学力があるんです。本当は小学校ではなく、飛び級で大学に行かしても良いほどですが、高町家はなのはを普通に小学校に行かせる事を希望していますからね。それにブリタニアでは、学歴など全く役に立たないから、その辺りはどうでもいいし。

 

 

 

 小学校入学後に、すずかに悪戯するアリサをなのはがぶって、なのはとアリサが殴り合って友情を持つという漢のイベントが本編であったんですが、このSSでは違いました。何と、なのはがアリサをぶちのめしてしまったんです。その後、余がアリサを魔法で治療しましたよ。

 

 そういえば私の介入で、なのはは運動音痴を解消して、御神流の修行をしていたね。余の所為とはいえ、なのはは本編が目じゃないほど強くなってしましました。もしかして、『白い悪魔』フラグなのか? なのは恐ろしい娘。

 

 まぁそれでもなのはとアリサは仲良くなり、それが元ですずかとフェイトも加わり、仲良し四人組になりました。騎士である二人とも偏見無く接してくれるアリサとすずかは、なのはとフェイトには貴重な友達でしょうね。

 

 あの戦争以後、地球では反管理局・反魔導師主義が主流となっています。それは宗教・民族・文化など様々な違いを持つ人々を一つに束ねるのに必要なものでしょうね。強大な外敵というのは一致団結には最適ですから。

 

 ただそのとばっちりが帝国やなのはたちに来ています。帝国の場合は、ただでさえ覚醒者という宗教的にまずい存在であり、おまけに魔法使いという貴族は地球では評判が悪いです。とはいえその事で文句を言うわけにはいかない。下手をすると内政干渉になりかねないし、地球との関係が悪くなる恐れがあるしね。

 

 地球連邦の団結に必要な要素ではあるので、こちらはある程度の不便には目をつぶっているんです。

 

 最も地球連邦も帝国に何も配慮していない訳ではありません。むしろ色々と便宜を払ってくれます。現状では帝国との同盟関係こそが、連邦の命綱となっている訳です。もし帝国と不仲になり同盟が解消されれば、連邦は管理局に滅ばされてしまいます。だから帝国との関係を良好にするために、気配りを欠かしていないのです。

 

 でも一般人には、なのはとフェイトは不評で、学校でも虐められたりはしないけど、あえて仲良くする者も少ないですからね。この件で高町家とも話しましたが、将来的になのはをブリタニアに移住させることも検討する事になりました。

 

 

 

 で、そんな仲良し四人組は、本日は月村宅でお茶会らしいです。そういえば、本編でそういうイベントがあったね。面白そうだから、サーチャーを飛ばして見てみますか。

 サーチャーを飛ばして気づかれないかって? 馬鹿言っちゃいけません。サーチャーというのは気付かれない事に意味があるんです。相手にあっさりとばれるサーチャーなんて、二流の仕事ですよ。そういえば、本編のなのははサーチャーが苦手だったね。相手にばれていたし。

 

 しかし、月村家か。夜の一族の彼女から見れば、余は複雑な存在でしょうね。同じ吸血鬼といっても明らかに種類が違いますし、社会的な立場も違うのですから。

 

 余も夜の一族に関しては、あえて素知らぬ顔をしています。元々関わる気もありませんしね。

 

 なのはとフェイトは恭也と一緒に来ていたようだ。来て早々、恭也は月村家の長女の忍に会いに行ってしましました。

 

 恭也といえば、以前なのはが余のお嫁さんになるとか言ったので、なのはが欲しければ俺を倒して見せろと、兄馬鹿ぶりを発揮した。その時にデバイスを起動して、容赦なく恭也をぶちのめしましたよ。

 

 この話はブリタニア帝国記です。つまりリリカルなのはの二次小説世界です。原作のとらいあんぐるハート3の世界からかなり遠い。恭也、主人公特性などここでは発揮できません。って、今何か電波を受信してしまったような?(汗) 気のせいかな?

 

 まぁ何かいろいろと身も蓋もない展開でしたけど、恭也もそのお約束は相手を見てやるべきですよ。いくら超人的な強さを持つ御神の剣士でも、余に勝てるわけないでしょう。一応死なないように手加減したけど、万が一にも死んでも蘇生できるから、なんか最近容赦がなくなってきています。非殺傷設定というのはホント便利です。

 

 それ以来、恭也はその事では私に何も言わなくなりました。あれほど圧倒的な戦力差で敗れたら無理もないけどね。

 

 その後は、本編通りにお茶会が進み、ジュエルシードが発動しました。ここでは、すずかちゃんとアリサちゃんも魔法の事を知っているので、問題なく回収に向かう事ができます。

 

 さて巨大猫の登場です。この辺りは本編と同じですね。一言で言うとネコ弱いです。フェイトにあっさりとやられています。まぁ仕方ないか。

 

 その後は無難にお茶会が終わり、お開きとなったようですね。ま、こんなものですか。

 

 

 

なのはside

 

 今日はすずかちゃん家にお茶会に来ました。すずかちゃんとアリサちゃんは、魔法使いのなのはとフェイトちゃんとも仲良くしてくれる大切なお友達です。

 

 悲しいけど、今の地球には騎士や魔導師の居場所がありません。あれだけの事があったから、地球の人々の魔導師に対する敵意が消えるには後数十年は掛かると思います。だから、なのははそのうち、多分中学校卒業辺りかな?

 

 その辺りで、シドゥリお姉ちゃんについていって、ブリタニア帝国に移住するつもりです。だからすずかちゃんやアリサちゃんともこうしていられるのも、そう長くはないでしょう。限りある時間を大切に過ごそうと思います。

 

 そういえば、少し前に学校で冷たくされて落ち込んでいたときがあったんですが、シドゥリお姉ちゃんがなのはを慰めてくれました。シドゥリお姉ちゃんが慰めてくれたおかげでなのはは元気です。フェイトちゃんもそうみたいです。

 

 ブリタニアに移住したら、なのははお姉ちゃんと同じ覚醒者なって、お姉ちゃんと一緒に長い時を生きるんです。できればフェイトちゃんも一緒に、三人仲良く家族になりたいな。

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