ブリタニア帝国記   作:ADONIS+

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ブリタニア帝国記 第六話(シドゥリ暦525年)

 本編の温泉イベントも問題なく終わり、ジュエルシード回収は順調に進んでいく。今回はイベントの締めである、海のジュエルシード回収です。

 

 なのはとフェイトおまけに余もいます。やっぱり最終イベントですから、直接見ておきたいですから。

 

「サンダーフォール」

 

 フェイトの広域攻撃魔法が炸裂する。本編では儀式魔法として長時間の詠唱が必要だったが、パワーアップしたここのフェイトによって、広域攻撃魔法として実用の域になっていた。

 

 強制的に発動するジュエルシード。六つの竜巻の様な物が発生した。

 

「いくよストライク、エールストライカーを」

『はい。マスター』

 

 なのはのグローブ型統括アームドデバイス『ストライク』が、中距離戦用アームドデバイス『エールストライカー』を展開した。

 

 ストライクは、余がストライクガンダム(機動戦士ガンダムSEED)を参考したデバイス換装システムを搭載している。近接戦用のソードストライカー、中距離戦用のエールストライカー、遠距離戦用のランチャーストライカーを状況に応じて展開する。これは、今までのデバイスが状況に応じてモード変更して対応していたのとは違い、状況に応じて使うデバイスを持ち変えるという新しい発想だった。

 

 それぞれのデバイスは特定用途に特化させた性能を持たせており、ストライクはそれらのデバイスの換装と運用のサポートに集中する総括型デバイスだ。

 

「エクセリオンっ、バスターーーー!!」

『エクセリオンバスター』

 

 なのはのエースストライカーから強力な砲撃魔法が放たれる。強力な砲撃魔法を受けて、ジュエルシードの勢いが弱まる。

 

「ヴェジュラ、ザンバーフォルム」

『はいマスター』

 

 ヴェジュラが魔力刃の大剣を展開する。フェイトがヴァジュラを振るうと衝撃波が竜巻を引き裂く。

 

「撃ち抜け、雷神!」

『ジェットザンバー』

 

 更に金色の魔力刃が竜巻を切り裂いた。

 

「そろそろ仕上げね」

 

 余が六つのジュエルシードをバインドで一箇所に集める。

 

「大技を撃つの。フェイトちゃん離れて!」

「わかった。なのは」

 

 フェイトは、ジュエルシードから距離を取る。

 

「グラビティボム!」

 

 なのはのエールストライカーから放たれる大技。目標の半径三十メートルを完全消滅させる小規模殲滅魔法だ。それは六つのジュエルシードを飲み込み完全消滅させた。これで事件が終わりかと思いきや。

 

「時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ。管理外世界での魔法行使は緊急時以外禁止されている。事情を聞かせてもらおう」

 

 余計な奴がでてきた。

 

 

 

アースラside

 

「もうすぐジュエルシードが流れ着いた第97管理外世界につきます」

「ええ気を付けてね。クロノ執務官」

「はい艦長。その為に僕がいますから」

 

 クロノがS2Uを取り出しながら言う。前面のモニターにジュエルシードと戦っているなのはとフェイトが移っていた。

 

 時空管理局 L級次元巡航艦 アースラ。そこでリンディ・ハラオウン提督がクロノを見送る。

 

「艦長、宜しいのですか?」

「仕方ないわ。上からの命令だもの」

 

 現在管理局は、穏健派と強硬派その間の中道派に分かれている。リンディは穏健派だ。リンディはあまりに過激な強硬派のやり方には不満があった。だからこそ強硬派の上層部には受けが悪い。

 

 管理局には、ジュエルシードを輸送していた局員からの通報で、管理局の捜索の結果、第97管理外世界にジュエルシードがばらまかれた事を知らされていた。

 

 第97管理外世界は、反管理局派の世界であり、対応が難しい世界だ。何しろ、第97管理外世界は堂々と反管理局を掲げて、国力と軍備の増強に励んでいる。だからといってジュエルシードの危険性を考えれば放置するのもまずい。何より敵対している第97管理外世界に、ジュエルシードを与えることは避けたかった。

 

 そこで強硬派は、穏健派に厄介ごとを押しつけることにした。今回リンディが受けた命令は、ジュエルシードの回収と、ついでに第97管理外世界の威力偵察。つまりジュエルシードを回収して、その際の第97管理外世界の反応を見るというものだった。

 

 こうして貧乏くじを引かされたアースラは第97管理外世界に向かう事となった。リンディは、第97管理外世界に巡航艦を移動させるのは相手を刺激しすぎるので、アースラを次元空間に止めたままで、クロノを転送することにした。

 

 

 

シドゥリside

 

「管理局か、お前何を寝ぼけているの?」

「なんだと!?」

「この地球は、管理局が来ていい世界ではないわ。とっとと失せなさい」

「管理局に逆らうのか!」

 

『クロノ、待ちなさい!』

 

 激発しそうになったクロノの前に、空中スクリーンが現れる。そこにはリンディ・ハラオウン提督が映っていた。

 

「確かリンディ・ハラオウンさんですか。これは一体どういうことです? この時期に地球連邦を刺激すると、どういう事になるか知らないわけではないでしょう?」

 

 下手に刺激を加えて連邦が暴発したら、目も当てられない。現在の第97管理外世界は、ブリタニアの技術提供で次元航行が可能となっている。だから同盟国のブリタニア帝国を巻き込んて戦争に突入しかねない。

 

 これはある意味で意地悪な質問だった。管理局強硬派は、前回の敗北は帝国の干渉の所為だと考えていた。それは確かに正しかったので、彼等の第97管理外世界を見下す評価は変わっていない。ぶっちゃけ地球は、虎の威を借る狐と見られていた。だからこその干渉だ。

 

 これが管理局以外だともっと状況が悪くなる。そもそも管理世界では、三年前の第97管理外世界と第1管理不可能世界ブリタニアとの戦争は、隠匿されている。

 

 何故かというと、管理局がそれで大敗をしたからだ。それが知れ渡ると管理局の威信が揺らぐので、管理局内で情報統制がされていた。おまけに戦争を進めた強硬派も、責任追及から逃れるためにはそうするしかなかった。

 

 戦争ではなく次元災害であれば、彼等も責任を取る必要がない。だからアイムザット艦隊や、地球近郊会戦で戦死した局員や撃沈した艦船は、公式には艦隊訓練中に、不運にも次元災害が起こって大損害を受けたという事になっている。一時期、第97管理外世界が殲滅指定世界に指定されていたという情報も隠匿済み。

 

 ちなみに管理局の情報隠蔽に不備があって、ブリタニア帝国の存在自体は管理世界に知れ渡ってしまったが、ブリタニアが地球と同盟を結んでいるなどの情報は隠匿に成功している。

 

 

 

『……その点ではお詫びします。しかし危険なロストロギアがこの世界にばらまかれてしまったのです』

「ええ、知っていますよ。貴方達管理局が、とても危険なロストロギアの輸送に失敗して、この世界にジュエルシードがばらまかれたんですよね。それを追って、この世界に不法侵入したスクライア一族の者がいますので、後で其方に渡しますわ」

 

 さらりと皮肉を込めて、リンディを牽制する。私の言葉にリンディの顔が引きつる。既に地球に来ている人間がいるなど、リンディには初耳だったのだろう。

 

「まあ後で地球連邦の高官と話を通しておきますので、その辺りはその者と話して下さい。それと貴方達の目的はジュエルシードの回収ですよね?」

『その通りです』

「そうですか、それは残念でしたね」

『それは、どういうことですか?』

 

 不穏な空気を感じたんだろう。リンディが私に聞いてくる。

 

「ジュエルシードがどうなったか、貴方達はモニターしておられたでしょう?」

『ええ、ジュエルシードが消滅していましたが…』

「あれが最後だったの。つまりもうジュエルシードは存在しないわ。まああんな危険物はさっさっと消滅させるほうが安全だからね」

 

 そうジュエルシードはもうすべて破壊していた。だから管理局がジュエルシードを回収することはできない。それに気付いたのだろう。リンディの顔色が悪くなった。

 

 

 

アースラside

 

 アースラ内 データ解析室

 

「ほえー、この子達凄いね」

「先程の戦闘データか」

「そうだよ」

 

 コンソール正面には、最後のジュエルシード回収戦の風景が映っていた。

 

「黒い服の子が待機時で305万、白い服の子が待機時で307万、最大発揮時はそれぞれその三倍以上だよ」

「ああ」

「この子達の前じゃ、クロノ君勝ち目無いんじゃない?」

「……魔導師戦は魔力値だけじゃない。それ以外にも状況に合わせた応用力と、的確に使い分ける判断力も必要なんだ」

「そりゃ信頼はしているよ。アースラの切り札だもんね。クロノ君は」

 

「それにしても、この子達本当に凄いわね」

 

 そういったのは、このアースラの艦長リンディだった。

 

「はい。でもこの人はもっとすごいですよ」

 

 エイミィが画面を替える。

 

「あの女か」

「あら、クロノはこの人の事が嫌いなの?」

「クロノ君、この数値を見てよ」

 

 そう言ってモニターを見せるエイミィ。それを見て絶句する二人。

 

「これ本当なの?」

「エイミィ、機械の故障ではないのか?」

「いえ間違いないですよ?この人は待機時で587万も出しています」

 

 その数値に二人は愕然となる。SSS+ランクでも、待機時の魔力値は370万辺りだ。シドゥリはそれを大幅に上回っている。

 

「……この女、何者だ?」

「でも、この三人が使っている魔法形式は、古代ベルカ式かしら?」

「そうなんですよね。ミッドチルダ式でも近代ベルカ式でもないから、古代ベルカ式としか思えないです。でも古代ベルカ式といえば、近接戦闘専門の筈なんですよ」

 

 エイミィは、なのは達が広域攻撃魔法や砲撃魔法を使っていることに対して違和感を覚えていた。

 

「そうね。一度聖王教会に問い合わせした方がいいわね。教会なら古代ベルカの文献にも詳しいでしょう」

 

 

 

 そして、地球連邦との話し合いの後で、ユーノ・スクライアを連れてアースラは帰還していった。

 

 ちなみに話し合いで、リンディがジェエルシードをすべて破壊したことを責めたり、地球連邦は管理局が輸送に失敗して、危険なロストロギアを地球にばらまいたのを指摘したりするなど、つつき合いがあったとか。

 

 リンディは本局帰還後に、地球側(シドゥリ達)に、ジュエルシードをすべて消滅させられてしまって、結局一個も回収できなかった不手際を責められた。

 

 ユーノもジュエルシードがすべて消滅したことにショックを受けたが、あれはとても危険なので、それはそれでいいかもとすぐに割り切ったらしい。

 

 闇の書事件は起こらないので、無限書庫に関わるイベントはないだろう。




解説

■ストライカーデバイスシステム。
 思いっきり『機動戦士ガンダムSEED』のネタです。ソードは、二振り小太刀と鞘で構成されていて、御神流を使うことを前提に最適化されている。エールは、エクセリオンモードに似ていて、中距離での戦闘に特化している。瞬間突撃システム「A.C.S」によって戦術の幅を広げている。ランチャーは、バスターモードに似ていて、中遠距離の砲撃の威力、命中率、射程距離の強化にリソースを集中している。「ディバインバスター・エクステンション」は、超長距離狙撃も可能となっており、狙撃時にはストライクが精密照準の管制補助を行う。
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