ブリタニア帝国記   作:ADONIS+

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ブリタニア帝国記 第七話(シドゥリ暦535年)

クロノside

 

 僕は管理局艦隊を率いて、ミッドチルダに向かっていた。ミッドに現れた巨大な戦艦を破壊する為に。その巨大戦艦の詳細は不明だが、本局はそれを極めて危険なロストロギアと認定して撃墜命令が出た。そして、次元空間を超えて第一管理世界ミッドチルダについた。

 

「よし、これより不明艦に接近して攻撃する」

 

 僕の指示に各艦が従おうとしたが、いきなり僚艦が撃沈した。

 

「なっ、なんだ!?」

「ア、アンノウンです。多数のアンノウンの攻撃を受けています」

「どういう事だ。そんな物報告になかったぞ!」

「魔力反応も無かったのに、いきなり転移で現れたんです!」

 

 魔力反応を出さずに転移だと。まさか純粋科学技術での転送技術だというのか? 馬鹿な、そんなもの聞いたこともない。転移や転送には魔法が必要の筈だ。

 

 このアンノウンは、ブリタニア帝国軍の機動兵器の可変戦闘機メサイアと汎用攻撃機ストライクだった。

 

 メサイアは、シドゥリが『マクロスF』のVF-25からネタ出しして、カグヤが開発した物。IFSにより高い操縦性と、核融合炉を搭載した事による高出力、マッハ25の速度とレールガンやミサイルによる火力、ディストーション・フィールドによる防御力など高性能な兵器だ。

 

 そして、ストライクは空中と宇宙空間の両方で使える汎用性の高い攻撃機だ。元々は、メサイア同様に可変機にしようかとの案もあったが、攻撃機に可変機能は必要とはされずオフミットされた。変わりにマジックキャンセラーを搭載した対艦ミサイルの搭載量や防御力の向上、整備性、生産性などを重視されている。

 

 このアンノウンの攻撃に艦隊は次々に撃沈する。

 

「くっ、打ち落とせ!」

「駄目です。アンノウンが早すぎます。それにこの艦には対空砲がありません」

 

 管理局は機動兵器との戦いなど想定していない。だから次元航行艦の装備もそれに対応していない。

 

 メサイアのレールガンは次元航行艦のシールドを突き破る。次元航行艦のディストーション・シールドはレーザー等のエネルギー攻撃には有効だが銃火器よりも強力な物理兵器には弱い。帝国軍艦艇に比べるとシールド出力がそれほど強くないこともあり、ぶち抜いていく。だがメサイアはあくまで戦闘機、対艦攻撃はあくまで攻撃機たるストライクがメインだった。

 

 ストライクの対艦ミサイルが次元航行艦を粉砕していく。艦載機どころか対空砲すらない次元航行艦隊はストライクのカモにすぎない。そしてクロノ・ハラオウンのXV級戦艦クラウディアは、ディストーション・シールドを突破したミサイルに打ち抜かれた。

 

 

 

シドゥリside

 

「陛下、第三機動艦隊より報告です。聖王のゆりかごの攻撃に向かっていた管理局艦隊を全滅させたとの事です」

「そう、幸先がいいわね」

 

 先の会戦で爪弾きにされた憂さ晴らしとばかりに、余が命令すると意気揚々と管理局艦隊の迎撃に向かった彼等を思い出す。

 

「さて、それでは同盟国の方から預かった素敵なプレゼントを本局の方々にお届けしましょう」

「はっ!」

 

 余の言葉に、テレポートドライバーで本局にプレゼントを転送する。テレポートドライバーとは、純粋科学技術による転送技術です。まぁ出力で転送距離が決まるから、機動兵器に搭載されている物では大した距離はいけないけどね。カイザー・シドゥリがプレゼントを転送する。戦略級核兵器を。

 

 本局には転送魔法による侵入を防ぐべく結界が張られているが、それは転送魔法に対応している物だ。つまり純粋科学技術のテレポートドライバーによる転送は防げない。

 

 転送後、起爆したそれは時空管理局本局を消滅させる。ふふっ、綺麗な花火だね。そうだ、この映像を後日地球連邦の人々にもお裾分けしましょう。彼等も喜ぶでしょう。

 

 核兵器は、今回管理局の本拠地をこれで攻撃するので、譲るように頼んだらあっさりとくれたね。旧アメリカ軍には管理局戦争後も核がある程度残っていた。深海に潜っていた原子力潜水艦とかもあったしね。

 

 彼等は故郷を廃墟にした管理局を凄く憎んでいた。貴方達の核で、管理局の本拠地を破壊したいと申し出たら一発だったね。

 

 これで管理局の指揮系統は混乱するし、この先邪魔になりかねないロストロギアの始末も完了した。帝国の懸念は管理局崩壊後に、彼等が集めていた危険なロストロギアが各地に拡散する事だった。だから本局を大量のロストロギアごと消滅させた。ついでに忌々しい三脳共もね。

 

 これでスカリエッティとの契約も終わりだ。後はスカリエッティ次第だ。何処までやれるかな。

 

 

 

 新暦75年9月。広域次元犯罪者ジェイル・スカリエッティが、地上本部公開意見陳述会の場で地上本部を襲撃した。

 

 レリック事件を切欠に勃発したこの事件は、襲撃後にスカリエッティが管理世界中のネットワークに、自分の出生と管理局との繋がり、管理局の非合法研究などの不正行為の数々を証拠付きでぶちまけた事で、管理世界中に混乱が起こった。

 

 この時、管理局にまともに対応できる部隊は存在しなかった。ミッド地上には、本編の機動六課のように対応組織があった訳でもないし、聖王教会との協力体制を築いてもいなかった。

 

 おまけに地球近郊会戦の被害の穴埋めと本局の大艦巨砲主義により、地上は本編よりも人員と予算も本局にむしり取られていた。つまり陸の弱体化がさらに進んでいた。その為、海と陸の中も極めて悪い。まともな協力体制を築けない程に。

 

 さらに聖王教会の支援も無かった。彼等は管理局崩壊の予言を一応伝えたが、それで義理をはたしたと、その件に関しては管理局に丸投げしていた。

 

 おまけに地上本部はAMF対策をとっていなかった。これは地上本部のトップであるレジアスが、スカリエッティと繋がっていたためにレジアスが不要と判断していた。これが致命的だった。ガジェットと戦闘機人にまともに対応できずに、次々に倒される地上部隊。

 

 そんな中で浮上する巨大な次元航行艦。

『聖王のゆりかご』

 最高評議会がブリタニア帝国に対抗するために必死になって起動させようとしたそれが、皮肉な事に管理局に牙を向いた。

 

 本局から送られた迎撃艦隊も謎のアンノウンによって全滅してしまい。更に本局が消滅したことで、管理局が混乱してまともに対応できなかった。結果として、聖王のゆりかごは軌道上にのぼり管理局は敗北した。

 

 各地の戦力をゆりかごの攻撃で壊滅されられた管理局。そんな彼等に管理世界の離反という更なる問題が起こる。反管理局派の世界がこの機に離反した。

 数々の悪事を管理世界中に公表されて立場を失った管理局にとって、本局の消滅と戦力の喪失は致命的だった。

 

 その後、管理局は崩壊した。

 

 

 

「ふふっ、それなりに楽しめたわね」

 

 次元世界の情勢は私をそれなりに楽しませてくれる。時空管理局は崩壊した。その残党は今では民衆に毛嫌いされていた。力で押さえつけていた体制の崩壊。管理局の崩壊は次元世界の激変をもたらすだろう。

 

 事ここにいたって聖王教会は管理局に見切りを付け、単独で次元世界の調停に動き、混乱を鎮めようとしている。

 

 しかし、聖王教会の組織力では巨大すぎる管理世界を抑えることなどできない。やはり破綻するでしょうね。余の望み通りにね。




解説

■可変戦闘機VF-01メサイア
 元ネタ:『マクロスF』のVF-25メサイア
 武装:レールガン
    小型ミサイル
 動力:核融合炉×2
 機能:ディストーション・フィールド
    IFS(イメージ・フィードバック・システム)
    テレポートドライバー

■汎用攻撃機A-01ストライク
 武装:対艦ミサイル
 動力:核融合炉×2
 機能:ディストーション・フィールド
    IFS(イメージ・フィードバック・システム)
    テレポートドライバー



後書き

 今回登場した機動兵器ですが、そのコンセプトは管理局に気付かれずに転送奇襲して、撤退するという物です。テレポートドライバーは管理局では感知できないという設定になっています。
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