ブリタニア帝国記   作:ADONIS+

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異端の騎士 第八話

 予定通りにフェイトとなのはが合流して協力関係を築いていた。正史でも友達になっていた二人だから仲良くなるには時間はさほど掛からなかった。その結果、順調にジュエルシードを回収していたが、今回はきつそうなので私も出ておくか。

 

 

なのはside

 

 フェイトちゃんとその使い魔のアルフさんと知り合って協力して貰えるようになってからジュエルシードの回収もサクサク進みました。フェイトちゃんは私に魔法を教えてくれたり、練習に付き合ってくれたりしています。おかけで負担が軽くなりました。

 

 さて今日は海に落ちた六個のジュエルシードの回収をすることになりました。今回は、私とユーノくん、フェイトちゃんにアルフさん。それにリリカさんも参加してくれています。

 

「アルカス・クルタス・エイギアス。煌めきたる天神よ。いま導きのもと降りきたれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル。撃つは雷、響くは轟雷。アルカス・クルタス・エイギアス」

 

 フェイトちゃんが儀式魔法を詠唱しています。

 

「サンダーフォール」

『Thunder Fall』

 

 打ち下ろされる雷。それは広範囲に影響を与えてジュエルシードを発動させました。発動するジュエルシード。

 

「はぁ、はぁ」

 

 フェイトちゃんが息を切らしています。あれ程の規模の魔法です。相当きつかったんでしょう。

 

 

 

リリカside

 

 フェイトのサンダーフォールによって発動したジュエルシード。この魔法はフェイトには相当の負担になっているようだ。かなり消耗していた。仕方ないね。

 

「フェイト下がっていて、でかいので一気にケリを付けるわ」

「うん」

 

 そこにいきなり現れる転移魔法で一人の人間が現れる。

 

「時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ。ここでの魔法行使は……、うわッ!!」

 

 現れた人間が何か言っていたがタイミングが悪かった。セリフの途中で発動したジュエルシードに吹っ飛ばされる。『トボン』と海に盛大に落ちる少年。

 

「……」

 

 周囲に満ちる沈黙。

 

「と、とりあえず、ユーノあの人回収しておいて」

「は、はい」

 

 私は痛い沈黙を壊してユーノに指示する。

 

 

 

クロノside

 

「くそっ」

 

 いきなり吹っ飛ばされた僕は一人の少年に抱えられていた。

 

「あの大丈夫ですか?」

「ああ、問題ない」

 

 バリアジャケットのおかげで大したダメージは受けていない。

 

「そうですか、ではこの場を少し離れた方が良いですよ。あの人が大規模な攻撃をするようですから」

 

 その言葉に周囲を確認すると。

 

「なっ、なんて馬鹿魔力!!」

 

 17歳ほどの少女から凄まじい魔力が感知された。とんでもない馬鹿魔力だ。その少女は見たこともない魔法陣を展開していた。ベルカ式に類似しているが、あの術式は見たことがない。

 

 

 

リリカside

 

「さて私が片づけるわ。貴方達は少し離れて見て置きなさい」

「はい」

「あいよ」

「それとなのは、私の砲撃魔法を見せて上げるから、よく見ておく事ね」

「うん、リリカさん」

 

 なのはは砲撃魔導師ですから砲撃魔法は参考になるでしょう。私の砲撃魔法は強力です。

 

 私の足下と前に出した右手に展開される魔法陣。銀色の五芒星が光り輝く。 既に私のナノマシンデバイスは定格まで起動しているからその魔力はSSS+を大幅に上回っています。

 

「グラビティブラスト」

 

 魔法陣から放たれる重力波を集束した砲撃。拡散モードで放たれたそれは凄まじい威力で六個のジュエルシードを飲み込む。ブリタニア軍の主力戦艦の主砲には劣るもののそれに近い威力。それが通り過ぎた後には海が割れ、雲が吹き飛んでいた。

 

 ジュエルシードの竜巻も消し飛んでいて、そこには六個のジュエルシードが浮かんでいる。

 

「……少しやりすぎたかな?」

 

 ジュエルシードの暴走体相手には過剰火力過ぎたかもしれない。本来、重力波砲は威力がありすぎるので有人惑星での使用は禁止されている。まぁそれはブリタニアにおいてであるから、無関係のこの世界であれば問題ないが、使い方を間違えればこの星の環境を大きく破壊していただろう。とはいえ管理局の人間が来ていたから、管理局の次元航行艦もこちらを捕捉していたはず。そうなると、この一撃は牽制として使えるでしょうね。

 

 

 

アースラside

 

 正直に言っていまの光景が信じられない。時空管理局 次元航行艦アースラのクルー達の想いはそれだろう。

 

 モニターに映っている少女から凄まじい魔力が感知された。時空管理局の次元航行艦に所属しているだけあって彼等は色々な者を見てきたが、これは規格が良すぎた。

 

「……魔力値1800万を超えています」

 

 エイミィの声が掠れて聞こえる。クルー達も呆然としている。そして放たれる凄まじい砲撃魔法。それは一撃で六つのジュエルシードを封印した。

 

「艦長、今の砲撃魔法から異常な重力波を感知しています。恐らく重力を利用した攻撃だと思われます」

「……そう、あの少女は一体何者かしら?」

 

 アースラ艦長のリンディはモニターに映るリリカを見て呟く。

 

「あっ、あの人リリカ・フォン・アークラインですよ!」

「何!?」

「ホントだ」

 

 エイミィの声にクルーが反応する。

 

「リリカさんですか、確かにSSS+ランクだと聞いていたけど…」

 

 リリカはかなり有名だ。海に所属する彼等も噂ぐらいは聞いたことがある。先程の魔法は人間離れしていた。だが噂通りSSS+ランク以上ならばあるいは可能でしょう。SSSランクはそれだけ規格外の存在だから。リンディの考察はクロノ執務官が彼女たちをアースラに連れきるまで続いた。

 

 

 

リリカside

 

「…というわけで私のフェイトは成り行きでジュエルシードの回収に協力したという訳」

 

 アースラ艦長のリンディ・ハラオウンにまずユーノが説明して私が説明する。ユーノの話は兎も角私の説明は少し捏造している。

 

 私やフェイトはたまたまこの世界に来て、ジュエルシードがばらまかれた事を知り回収に協力したという話になっていた。事前にフェイトとは口合わせをしてシナリオを作った。当然、プレシアの事などは伏せていた。

 

「管理外世界での魔法使用に関して問題がありますが、緊急時なので仕方ありませんね。特にリリカさんは管理世界の人間ではないようですし」

 

 私の過去のデータが管理世界に乗っていないから、当然管理世界の出身ではないと分かってしまいます。本当はこの次元世界の人間ですらないけどね。

 

「では説明も終わったし、私はこれで失礼するわ」

 

 その後、ユーノ達が色々と話し終えて頃合いを見てそう言う。

 

「ええ、協力に感謝しますわ」

 

 リンディは私を特に引き留めようとはしない。まぁ私の管理局嫌いは有名だし、それも当然かな。

 

 ジュエルシードは全て管理局に渡している。最早ここに用はない。それに管理局とあまり関わりたくないから私はアースラを後にした。

 

 

 

「これでジュエルシードの後始末は終わり。プレシア例の件は終わった?」

「ええ、コネを使って第97管理外世界への移住許可を貰って来たわ」

 

 プレシアには家族共々海鳴に住んでもらう。フェイトは近々なのはと同じ学校に転校する事になる。私がプレシアにそう依頼したのだ。少なくともなのはが中学を卒業するまで海鳴で住むようにね。

 

 なのはとフェイトが、本編通り管理局に入局するかはわかりません。私もそれは念のためにやっていることに過ぎない。駄目なら駄目で良い。

 

 次の闇の書事件には関わらないつもりです。私が流れを変えすぎるのはよくないですからね。でも既に流れは変わり始めている。プレシアとアリシアが虚数空間に落ちていないし、例のジュエルシード事件で受けた被害は本編よりも大きい。これが何らかの作用として影響してくる恐れがあるが、それは仕方がない。

 

 元々、本編通りになっている方が先の予測がやりやすく動きやすいという事にすぎない。まぁ変わりすぎるのも困るけどね。




解説

■グラビティブラスト
 魔法ランクSSS+、ブリタニア軍の主力戦艦の主砲である重力波砲を古代ベルカ式魔法で再現した砲撃魔法。流石にアストロメリア級戦艦程の威力はないもののその威力は相当なもの。リリカは強力な魔力を持っていますが、それでも縮退炉を主動力にする戦艦の出力にはかないません。



後書き

 ブリタニア帝国記の第一話でも記載していますが、シドゥリの本編知識は元々シドゥリの予知能力としてブリタニアの首脳陣に認知されています。つまり本来辿るはずの歴史(正史)を古代ベルカ時代から改変している訳ですが、その辺りの事情は帝国の住民ならば、管理局崩壊後に一般公開されたために知っています。

 これは管理局崩壊後は、シドゥリの本編知識は役に立たなくなり価値がなくなったからです。最もシドゥリは古代ベルカ時代から管理局崩壊までその知識を利用してチート国家を建国する事に成功していますので、既に圧倒的な優位を確立していて、この並行世界では、この知識をリリカが有効活用しています。
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