剣聖の異世界転生禄~リリなの編~   作:白の牙

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迅雷

 「(あ~~~~完全に鈍ってるな俺)」

 

 悠一は背後にいる誰かに後ろをとられたこと、ぎりぎりまで気配に気づけなかったことに自己険悪する

 

 「もう一度いいます。その石を渡してください」

 

 「渡してって言われてもな~~。俺はこういう奇麗な石を集めてるんだ。そして、この石は滅多に見つけることのできないぐらいの奇麗な石だ。渡してくださいって言われて、はいどうぞ、なんて言えるわけないだろう?どうしても欲しいっていうなら、力づくで奪ってみな?」

 

 「っ!?」

 

 悠一の言葉に後ろにいた者は悲痛な表情をしながら手に持っている獲物を振るった。だがその一撃は空を切った

 

 「声色で何となく解っていたが。やっぱり女の子だったか」

 

 悠一は背後にいた少女が獲物を振るおうとした瞬間、強化した脚力で地を蹴り、川まで移動したのだ

 

 「貴方もさっきの子たちと同じ魔導士?」

 

 「(さっきの子達?)正確には伐刀者(ブレイザー)だけどな」

 

 少女は悠一が先ほど戦った子達とは比べ物にならないぐらい強いと感じ、表情を引き締めた

 

 「(見たところこの人はデバイスを持っていない。射撃魔法で牽制しつつ一気に近づいて魔力ダメージで意識を刈り取る)フォトンランサー ファイア」

 

 「(問答無用かよ。って、俺が自分で奪ってみなって言ったんじゃねぇか)」

 

 悠一は必要最低限の動きで放たれた槍のような魔力弾を躱す。少女は魔力弾の量を増やし、悠一の眼前が塞がったのを見計らって、高移動魔法を発動して悠一の背後に回り込み、大鎌のような形をしたデバイスを振るうが

 

 「ほいっと」

 

 悠一は魔力を手に集中させ、刃を白羽取りした。そして指に力を入れて掴んでいた刃をへし折った

 

 「っ!?」

 

 刃が折られたことに少女が驚き、動きを止めてしまった

 

 「戦闘中に動きを止めるといい的だぞ?」

 

 「あう!?」

 

 悠一は動きを止めた少女の額にデコピンをする。あまりの痛さに少女は宙に浮かびながら痛みに悶える

 

 「なんでこの石が欲しいのかは解らないけど、諦めてくれな・・・さそうだな」

 

 どうしたもんかとジュエルシードを指の間で転がしていると、誤って川に落としてしまった

 

 「いかんいかん・・・ん?」

 

 慌てて落としたジュエルシードを拾おうとする、川全体が淡く光りだし

 

 「なぬ!?」

 

 川から巨大な怪魚が姿を現した

 

 「マジですか?ってか、人の気配すらなかったのになんで魚がいたんだ?」

 

 「・・・もしかして」

 

 「心当たりがありそうな顔だな?教えてもらってもいいか?」

 

 「・・・稀に動物にも魔力を持ったものがいる。多分、あれもそうなんだと思う」

 

 少女は痛む額を手で押さえながら悠一の問いに答えた。すると、怪魚は大きく息を吸い込む、その動作を見て何が来るのかを察した悠一は少女を抱え、その場から離れると、怪魚は口から高圧水流を吐き出した

 

 「あぶねぇ、あぶねぇ。気づくのがあと少し遅かったら風穴開いてたな」

 

 「あ、あの」

 

 「ん?なんだ?」

 

 「た、助けてくれたのは嬉しいけど・・この格好は」

 

 現在、少女は悠一にお姫様抱っこされており、顔を赤くして降ろすように言う

 

 「あぁ、すまんすまん。声をかけてたら間に合わなかったからな」

 

 悠一は抱えていた少女を降ろすと怪魚を見る

 

 「まさかまたリアルモンハンをすることになるなんてな。来い天狼」

 

 悠一は霊装を展開し、私服を戦闘服に変える

 

 「(俺じゃあ倒してもジュエルシードを封印することはできない。なのはちゃんに連絡をしようにもこの結界のせいで電波が届いていない状態。八方塞がりな状況だが)なるようになるだろう」

 

 先のことよりも今(現在)のほうが大事だと思った悠一は刀を構え、モンハンを始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「す、すごい」

 

 少女は空で怪魚となった魚と戦う悠一を見てそれしか言えなかった。相手のわずかな動きで行動を先読みして回避と攻撃を行う。簡単そうに見えるが、少しでも読みを間違えれば大ダメージを負うことなる

 

 「固いな。まるで鋼鉄を叩いてるみたいだ」

 

 悠一は軽く手を振るって痺れを取り払うと、時計を見て現在の時刻を確認する。その行動を好機と判断したのか怪魚は体当たりを行うが

 

 「重力制御、倍化」

 

 悠一は自身の重さを倍にし、片手で怪魚の体当たりを受け止めた

 

 「遊びはここまでだ」

 

 悠一は受け止めたほうの手を引き強烈は拳撃を打ち込み怪魚を殴り飛ばす。そして魔力とは違う力、気を使って宙に浮かぶと悠一は抜刀の構えをとる

 

 「散りゆくは群雲、咲き乱れるは桜花・・・伍の型 奥義“桜花残月”」

 

 悠一は異世界で手に入れた技能の一つ“虚空”を使い、空を蹴って怪魚に近づき一瞬4撃の抜刀術を叩き込んだ

 

 「ふぅ~~~~~狩り、完了だ。そこの君」

 

 「・・・・・」

 

 「はぁ~~~」

 

 怪魚が完全に気を失ったのを確認すると悠一は空に浮かんでいる少女に話しかけるが、返答を返ってこなかった。ボーっとしている少女に気づいた悠一は少女に近づき、顔近くで指を鳴らす

 

 「っひゃ!?」

 

 「ボーっとしてるところ悪いが、あの石を集めているってことは君、封印できるんだよな?」

 

 「え、は、はい」

 

 「なら封印してくれないか?俺のじゃあれは封印できないからよ」

 

 「・・・解りました。ジュエルシード、封印」

 

 少女は手に持つ戦斧を怪魚に向けると、黄色の光が怪魚に向け放たれ、怪魚だったものは魚と石に解れた。悠一は地上に降りると封印されたジュエルシードを拾った

 

 「この結界解いてくれないか?急ぎの用事があるんだ」

 

 「は、はい」

 

 少女は地面に降りると戦斧で軽く地面を小突く。すると、周囲を覆っていた結界が解かれた。結界が解かれたことを確認すると悠一は霊装の展開を解き、戦闘服を私服へと戻し、はやての迎えに行こうとするが、何を思ったのか

 

 「あぁ、そうだ。ほれ」

 

 ジュエルシードを少女へと投げ渡した

 

 「え?え?ど、どうして?」

 

 「封印してくれた礼だ。んじゃまたなどこかで会おうぜ」

 

 そういうと悠一を手振りながら帰っていった 

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