「まったくたかが、訓練場を半壊させたぐらいでぐちぐちいう必要ねぇだろう」
「お前なぁ、普通は半壊するまで戦うか?」
「そうか?俺や士がいた場所(世界)では戦いで訓練場や闘技場が半壊するなんて普通だったぜ?戦う相手によっては氷のフィールドになったり、マグマのようなフィールドで戦ったりしたこともあった」
「・・・・・悠一君がいた世界ってどれだけ危ないの?」
明日奈の治療を受けながら悠一は訓練場を半壊させたことでクロノに説教を受けていた悠一と士だったが、この男、まったくと言っていいほど反省していない
「ここは俺達の常識で戦ってはならないとは常々思っていたが、少々熱くなりすぎたな」
「・・・・確かに久しぶりに強者との戦いにテンションが上がっていたかもな」
士に言われ、渋々と悠一は自分の非を認めた。すると、
「失礼します」
ノック音の後に部屋の扉が開き、フェイトが医務室に入ってきた
「よぉ、フェイト。他の2人はどうしたんだ?」
「アリシアとアルフは私達の今後の行動についてどうすればいいのか尋ねるために母さんに連絡を取ってるよ。私はクロノから悠一が目を覚ましたって聞いて様子を見に来たんだ」
「この通りピンピンしてる。なのにこの安静にしてろって明日奈やクリス、この艦の医者がうるさくてこうなってる。たかだが、意識がブラックアウトしただけだっていうのに」
「十分にお医者さんから安静にするよう言われることだと思うんだけど?」
悠一の返答にフェイトが苦笑いする
「ん?」
「どうしたの悠一君?」
「いや、なんか地響きみたいな音が聞こえないか?」
「え?そんな音、聞こえないけど。クリスちゃんはどう?」
「あたしにも聞こえな・・・・ちょっと待って確かに聞こえるな。っというよりこっちに向かってきているような」
明日奈の問いに返答しかけたクリスだったが、耳を澄ませてみると確かに地響きのような音が聞こえてくるのが分かった。そして
「フェイト―――!!」
ドアが開くと弾丸、いや砲弾のように一人の女性がフェイトに抱き着いた
「か、母さん!?どうしてここ(アースラ)に!?」
「アリシアから連絡を貰って急いで来たのよ。アリシアからクロノ君のバインドで縛られたって聞いたけど、痕は・・・ないわね。もし痕があったようなら彼を新しい魔法の実験台に・・・・」
「・・・誰なのあの人?」
「さ、さぁ?」
「言動からしてフェイトの知り合いみたいだが」
「か、母さん。ひ、人、他にも人がいるから」
「え?」
フェイトに言われ、女性は振り返ると、悠一、明日奈、クリス、士の4人が自分達、正確には自分のことを見ていることに気づく。そして
「は、初めまして。ここにいるフェイトとここにはいないアリシアの母、プレシア・テスタロッサよ」
「「「(なかったことにした!?)」」」
今のフェイトとのやり取りをなかったことにして女性“プレシア・テスタロッサ”は悠一達に挨拶を行った。すると、
「プ~レ~シ~ア~?」
背後に般若を従えたリンディが医務室に入ってくる
「リ、リンディ!?」
「まったく突然やってきたかと思えば・・・来なさい」
「待ってリンディ!まだフェイトと話したいことがたくさん・・・」
有無を言わせない言動でリンディはプレシアを引きずりながら医務室から退出していった
「・・・・どの世界にも親ばかっているんだな」
「・・・・・」
悠一の言った何気ない一言を聞いたフェイトは顔を真っ赤にして俯いた