剣聖の異世界転生禄~リリなの編~   作:白の牙

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本気の勝負

 「まさか、あんな決着になるなんてね」

 

 「予想外にもほどがあるだろう」

 

 アースラの管制室で明日奈とクリスは先ほどまで行っていたなのは、アリサ、すずかの3人対フェイト、アリシアの2人の決闘を思い出し苦笑いする。7日間の厳しい特訓でフェイト達と互角に渡り合えるまでに成長した3人。一進一退の攻防が続きどっちが勝ってもおかしくない内容だったのだが

 

 「あの魔法は使いどころを見極めるよう指導しないといけないな」

 

 クリスはなのはが最後に放った集束魔法“スターライトブレイカー”が巻き起こした惨状を思い出し、頭を抱える

 

 「味方事だもんね」

 

 「フレンドリーファイアに加え、周囲の建造物の無差別破壊。今後もこっちの事情に関わるのなら直させておかないとな。ったく、面倒ごとを増やしやがって」

 

 「ふふ」

 

 なんだかんだ言いつつ面倒見がいいクリスに明日奈は笑う

 

 「それよりそろそろ始まるみたいだよ」

 

 「あの5人の決闘の熱気に当てられて疼くなんて、とんだ戦闘狂(バトルジャンキー)だな」

 

 修復を終えた戦闘フィールドで相対する悠一と士を見てクリスはほとほとに呆れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 「こんの~~~おバカ~~~!!」

 

 「いはい、いはいよ、はりはちゃん(訳、痛い、痛いよ、アリサちゃん)」

 

 所変わって、医務室では憤怒の形相のアリサがなのはのほほを思いっきり引っ張っていた

 

 「な・ん・で!私たちまで巻き込んでるのよ!!」

 

 「ほ、ほんなこといはれても(訳、そ、そんなこと言われて)」

 

 「荒れてるね~~アリサ」

 

 「あんなことが起こったんだから当然といえば当然だけど」

 

 その光景を少し離れた場所ですずか、フェイト、アリシアの3人が眺めながら話していた

 

 「それにしてもたった1週間で追いつかれるなんて、ちょっとショックかな~~。もしかしてなのは達ってこの前漫画で読んだ戦うたびに強くなっていく主人公?」

 

 「私やアリサちゃんは違うと思うけど、なのはちゃんは・・・どうなんだろう?」

 

 すずかは自分の姉の恋人であり、なのはの兄である恭也のことを思い出し、アリシアの言葉を否定しきれないでいた

 

 「アリシア、他の皆も、そろそろ始まるみたいだよ」

 

 他の3人とは違いなのはの極大魔砲を直に受けたのにもかかわらず一番先に目を覚ましたフェイトが映し出された映像を見て他の4人に教える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「悪いな士。俺の都合に巻き込んじまって」

 

 「構わん。実のところ、あの決闘を見ていて俺も身体が、血が騒いでいたからな」

 

 「はは、変なところで似てるよな俺達、伐刀騎士ってのは。生まれも、育ちも、使う獲物も違うっていうのに、根本的なところ・・・強者と戦いたいってところは」

 

 「・・・違いない」

 

 組んでいた腕を解き、士は防護服を展開する

 

 「・・・前から聞きたいことがあったのだが悠一。そのデバイスどこで手に入れた?」

 

 「今更な質問だな。とある奴が作ってくれたもんさ。なのはちゃん達みたいに武器になる物じゃなく、戦闘服を展開するだけの物だ。今となっちゃ、形見みたいになっちまたけどな」

 

 悠一は首に下げている剣十字のネックレスを指でいじりながら士の問いに答える

 

 「それよりそろそろ始めようぜ。この間は出来なかった、本気の戦いを」

 

 「・・・そうだな」

 

 2人は霊装を展開し構えると、2人の間にカウントが表示されたディスプレイが展開され、カウントが0になると

 

 「はぁああああ!」

 

 「おぉおおおおお!」

 

 2人は地を蹴り、中央でそれぞれの得物を衝突させた

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ぬん!」

 

 「ぐぅ!?」

 

 開始と同時に衝突し、鍔迫り合いとなったが、勝ったのは士だった。悠一と同等かそれ以上の膂力で大剣を振り抜き、悠一を弾き飛ばす。だが、悠一は空中で体制を整えると、風を集めてジェット噴射のように噴射させて、士の懐に入り込むと、がら空きの腹部に拳を叩きこむが、士は大剣でその拳を防御する。だが子供離れした膂力に噴射の勢いも乗った拳を完全にいなすことができず、吹き飛ばされ、建物から外へと出る。士を追うように悠一も気を操作して空を飛び、士を追いかけた

 

 「天翔閃」

 

 「六の型“弧影斬”」

 

 飛行魔法で体勢を整えた士は大剣を振るい光の斬撃を追ってきた悠一に向け飛ばし、対する悠一も斬撃を飛ばして相殺させ、士に斬りかかる。2人は空中で激しく刀と大剣で斬り結んでいく。その光景を映像を通してみるなのは達は自分たちを超えるハイレベルの戦いに魅入り、映像越しでも伝わってくる2人の気迫に無意識に喉を鳴らす。そして、互いに互いから距離をとって何度目かの鍔迫り合いを解くと、近くにある建造物の頂上に着地する

 

 「さて、ウォーミングアップはここまでにして、そろそろ本気でやろうか」

 

 「そうだな」

 

 悠一の言葉に頷くと士の身体から白銀のオーラが漏れ出す、悠一も同様、蒼いオーラが身体から漏れる。そして、

 

 「「おぉおおおおおおお!!」」

 

 野獣のように2人が声高々に吼えると、2人から漏れ出していたオーラが一気にはじけ飛び、2人の身体を覆う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「画面越しだというになんて声だ!?頭が痛くなる」

 

 2人の戦闘を観戦していたクロノが悠一と士の咆哮を聞いて頭を押さえる

 

 「な、なにこれ?」

 

 「どうしたんだエイミィ?」

 

 「士君と悠一君の身体に纏わりついているあの魔力に似た何かなんだけど・・・魔力じゃないみたいなんだよね~」

 

 「な、何だと!?」

 

 エイミィの言葉にクロノは驚き目を見開く

 

 「間違いないのか?」

 

 「うん。魔力と同等のエネルギーだっていうことぐらいしか解らない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それじゃあ、第2ラウンドと行こか、士!」

 

 「行くぞ、悠一!」

 

 2人は獰猛な笑みを浮かべ、同時に地を蹴り、弾丸、いや砲弾のように突撃する。その際、2人が立っていた建造物は2人の力に耐えきれずに崩れ落ちた。2人は素早く空を飛び回りながら斬り結ぶ。そして、2人の剣速は斬り結ぶたびに上がっていく。そして、何度目かの衝突の際、士は両手で持っていた大剣をいつの間にか片手一本に持ち替えており、空いたた手で悠一の服を掴むと

 

 「飛んでいけ!」

 

 思いっ切り投げ飛ばした。投げ飛ばされた悠一は少し離れた建造物ないまで投げ飛ばされる

 

 「っ~~~!?士の野郎、思いっ切り投げ飛ばしやがって」

 

 建造物との衝突の際、背中から思いっ切りぶつかった、悠一は痛む背中をさすりながら起きあがり、すぐさま、外に出ようとしたが、何かを感じ取り天井を見上げると、

 

 「そう来るかよ!」

 

 無数の光の斬撃が建造物を斬り裂きながら降り注いできた。悠一は重力魔法で止めようと考えたが規模は大きいうえに、斬撃はどんどん降り注いでくる。そして、回避を選択した悠一は建物の外めがけて走る。聞こえてくる音を頼りに斬撃と瓦礫の位置を割り出し、躱していくが、さすがにすべてを躱すことはできず、少しずつ傷ついていく

 

 「こなくそ!?」

 

 出口まであと少しといったところで、床が崩れ悠一は体勢を崩す。悠一は八相跳びのようには近くにあった瓦礫を使って上に上がり、“虚空”と風による加速を組み合わせ、出口まで一気に跳び、建造物から脱出した

 

 「(間一髪)」

 

 「大地斬!」

 

 「ぐぅ!?」

 

 無事に脱出し、安堵している悠一に士は落下の勢いも加えた強烈な剣戟で斬り裂き、海に落とした

 

 

 

 

 

 

 「手ごたえを感じなかった。呆れた反射神経だ」

 

 近くの建造物に降り立った士は悠一を斬った際に感じた手ごたえに顔をしかめていると、海中から悠一が飛び出す

 

 「唸れ疾風、轟け雷光、双頭龍」

 

 悠一は風と雷で作り上げた2匹の龍が士に襲い掛かる

 

 「(これは見たことがない伐刀絶技(ノワブルアーツ)」

 

 初めてみる悠一のその技に士は驚くも、瞬時に心を切り替え、迎撃態勢に入る。2匹の龍は意思があるかのような動きで士を襲う

 

 「(ほんの少し掠っただけでこの威力。まともに受けたらただでは済まない)」

 

 ギリギリで龍の突撃を躱した士だったが、服は斬り裂かれ、焼け焦げる

 

 「さすが士だな。初見でこの2匹の猛襲を躱すなんて」

 

 「いったい何なんだその伐刀絶技は?」

 

 「これか?至る前の俺の風か雷、どちらか一つの力しか使えなかった。だが、至ったことによって2つの力を同時に扱うことができるようになったんだ。そのため、同時に使う伐刀絶技を秘密で開発してたんだ。残念ながら披露する機会は無くなったがな。これはその技に重力魔法を加え、さらに自在に操れるようにしている」

 

 「やっかいな技を・・ぬぅ!?」

 

 「ボーっとしてると風の刃で斬り刻まれ、雷撃で痺れ、焼け焦げちまうぞ」

 

 「俺をなめるな!!天翔裂破」

 

 士は自分の周囲に無数の光の刃を展開し、撃ち放つ。光の刃は襲い来る風と雷の龍を貫き、跡形もなく消滅させた

 

 「“引天”」

 

 「なんだ!?か、身体が!?」

 

 2匹の龍を打ち消し、反撃に移ろうとした士がだったが、突如、身体の自由が利かなくなり、悠一に引き寄せられる

 

 「伍の型“無月一刀・3連”」

 

 重力魔法のより、自分のほうに向かってくる士に向け、悠一は超高速の居合の3連撃をお見舞いし

 

 「お前も一遍海に入ってこい」

 

 前回転の勢いを利用した踵落としで士を海に蹴り落した

 

 「お早いお帰りで。どうだ?季節前の海に入った気分は?」

 

 「寒いうえに、海水が傷に染みる」

 

 「俺だって同じだっての。さて、そろそろ前と同じように次の一撃で決着をつけるか」

 

 「そうだな・・・異論はない」

 

 悠一の言葉に頷くと士は大剣を構え、エネルギーを纏わせる

 

 「やっぱりそれで来るか。なら俺も・・・・・この一刀にて、森羅万象、すべての物を断ち切る」

 

 いつもの蜻蛉の構えをとると、太刀にエネルギーが集約し刀身が光り輝く

 

 「奥義・洸鳳剣!」

 

 「肆の型奥義“絶刀・天羽々斬”」

 

 2つの奥義が同時に放たれ、衝突、交差する

 

 「「・・・・・・・」」

 

 「今回の勝負は俺の勝ち・・みたいだな士」

 

 「そのようだな。一つ聞かせてくれあの境地にたどり着いたお前はどこを目指す?」

 

 「勿論、その境地のさらに向こうだ。さらに向こうえ“プルス・ウルトラ”。それだけのことだ」

 

 「そうか。なら俺も一層精進しないと・・い・け・な・い・な」

 

 聞きたいことを聞けた士は保っていた意識を失い、海に落下する。だが、海に落ちる前に悠一の重力魔法で制止し、助けられた

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