「万物流転、型は無となり、無は型へと帰る」
言葉による一種の自己暗示を呟くと、悠一は居合の構えの状態で鍛錬用の人形との距離を一瞬で詰め
「残月」
高速の抜刀居合を叩き込むと、続くように
「破甲拳」
掌底を繰り出し、人形を弾き飛ばす。そして、
「疾風」
素早い動きで弾き飛ばした人形を追い、斬り抜ける
「破斬」
追撃の斬撃を叩き込み、斬り抜ける
「断空」
そして、振り向きざまに渾身の力を込めた一撃を繰り出し、返す形で
「螺旋」
回転の力を乗せた切り上げを繰り出し
「飛燕」
再び返す形で太刀を振るい、斬撃を飛ばし
「無・・!?」
とどめの一撃を放とうとしたところで悠一は動きを止めてしまった
「くそ、身体が出来上がってない今の状態じゃ、やっぱり無理・・・か。むしろ、七つまでよく持ったほうだ」
悠一は霊装の展開を解き、大の字になって床に倒れる
「はぁ~~~やっぱり、子供の身体は色々と不便だよな~~。今まで普通にできていた動きに体が付いていけないんだからな~~」
ある程度休むと悠一は魔力操作で動かしていた人形を元の場所に戻し、服を着替え滝行を始めた。本来滝行とは煩悩を断つために行うためだが、悠一はそれと同時に足腰も鍛えられるように定期的に行っている。そのため、この滝は落ちてくる水の量を調整することができるのだ(落ちてくる水の勢いは最大で毎分1万ℓ)
「くぁ~~~~!いい運動したぜ」
修行空間から戻ってきた悠一はリビングにやってくるが、そこにはだれもいなかった
「はやては、まだ帰ってきてないみたいだな」
悠一は時刻を確認すると、夕方の4時を針が差していた
「・・・・今日は俺が作るか。何があるかな~~~?」
「・・遅い」
針が7時を指したころ悠一はいまだに帰ってこないはやてを心配し始める
「さっき病院に電話して、診察は終わって病院からは出たって言うことは聞いた。まさか帰りの途中で何かあったのか?・・・・・使うか」
悠一は指にはめている指輪型の宝物庫からフクロウの形をした機械を数機取り出し、窓を開けて外へと飛ばす。そして、パソコンを立ち上げ、インストールしたアプリを起動すると、今飛ばしたフクロウが見ている映像がパソコンに映しだされる
「αは引き続きその地区を探索、βは西へ、γは南に飛べ」
インカム越しで機器に指示を出しながら悠一は送られてくる映像を見続ける
「(何処だ、何処にいるんだはやて?)」
はやてが行く場所、通る道を重点的に調べていくと、事故を起こしたトラックとその運転手を発見した悠一
「(何かを探している?)」
その光景が気になった悠一はフクロウに指示を飛ばし、ステルスモードを作動させて近づけさせると、見覚えのある車いすを見つけた
「(まさか!?)」
最悪の可能性が悠一の頭をよぎったが、悠一は心を落ち着かせ、冷静に映像を見る
「(もし交通事故になっているのなら血が流されているはずだが、それがまったくない)」
映像を見ていた悠一は一瞬だが、空が輝いたような気がした。気になった悠一はフクロウに指示を飛ばし、上空へと向かわせると驚いた
「はやて」
そこには、白銀の紋様の上にはやてが目を回して横になっており、はやての周りには、2人の女性と1人の少女。そして、獣耳を生やした男性が宙ではやてに跪いていた
「こ、こいつらは!?」