剣聖の異世界転生禄~リリなの編~   作:白の牙

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襲撃・1

 

 

 

 「・・・・なんで悠一とあの女がターゲットの4人と一緒にいるんだよ」

 

 高層ビルの屋上でサーチャーから送られてくる映像を見て少女、ヴィータは軽く舌打ちをする

 

 「(多分、私たちが現われる前に知り合っていた子達ってことね)」

 

 「つーことはこの4人は管理局と関係があるってことか。今、あの4人を襲えば悠一にあたしらがやってることがばれるぞ?」

 

 「(・・・・おそらく悠一は我らが何かをやっていることを知っているはずだ)」

 

 「(あの4人の少女から魔力を蒐集する。シャマル、結界を張ると同時に氷室と高町の2人を転移魔法で結界から飛ばせ。飛ばした後、結界に入ろうとするなら可能な限り足止めを)」

 

 「(解ったわ。それじゃ、行くわよ)」

 

 シグナムの言葉に頷くとシャマルは結界を張った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「これって・・」

 

 「結界だな」

 

 なのはの言葉に続くようにクリスが語る

 

 「でも、どうして結界が・・・まさか、近頃起きている魔導士襲撃事件と何か関係が」

 

 「ん?」

 

 全員が辺りを警戒していると、悠一となのはの足元に見覚えのある魔方陣が展開される

 

 「こ、これって」

 

 「おいおい、まじかよ」

 

 なのはと悠一が驚く中、2人は光に包まれ強制的にその場から跳ばされた

 

 

 

 

 

 

 「きゃあ!?」

 

 強制的に結界内から飛ばされたなのははすぐに戻って、フェイト達の援護をしようと動いたとき、魔力で生成された翠色の糸に拘束され、動くことができなくなった

 

 「これは一体どういうことだ・・・シャマル、ザフィーラ」

 

 なのはと違い糸に拘束されなかった悠一はなのはを縛っている糸の出所に視線を移し、騎士装束を纏っているシャマルと、大狼形態のザフィーラに尋ねる

 

 「・・・やっぱり、ばれちゃいましたか」

 

 「ここ(地球)でベルカ式の魔法を使うのはお前達だけだ。さて、もう一度聞くぞ?これはどういうことだ?」

 

 怒気を含んだ声色で悠一はもう一度2人に尋ねる

 

 「はやての命・・・ではないな。出会ったばかりのあの4人を襲えなんて言う命令、あいつは絶対にしない」

 

 「「・・・・・・」」

 

 「だんまりか・・・取り合えず、きつめの仕置きをしてからゆっくりと聞かせてもらう」

 

 「テォオオオオ!!」

 

 悠一が一歩足を踏み出した瞬間、ザフィーラが遠吠えを上げると同時に地面から魔力でできた無数の釘が壁のように悠一となのはの間に突き出た

 

 「(シャマル、お前は高町の拘束を続けろ。悠一の相手は俺がする)」

 

 「(・・・解ったわ)」

 

 シャマルとの念話を終えるとザフィーラは人型へと姿を変える

 

 「“盾の守護獣”の名に懸けて、ここから先へは行かせん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「もう一体何なのさ――!?」

 

 「文句を言ってる暇があるならあのガキを打ち落とすことに集中しろ!」

 

 一方結界内では、クリス、アリシアのコンビ対ヴィータ。フェイト、明日奈対シグナムの戦いが繰り広げられていた

 

 「聞こえてるぞ!誰がガキだ!!」

 

 「うひゃ!?」

 

 「ちぃ」

 

 クリスの言葉が聞こえたのかヴィータは怒鳴りながら2人めがけて小さな鉄球を打ち飛ばし、2人がそれをギリギリのところで躱した

 

 「この」

 

 「くらえ」

 

 アリシアとクリスは2丁銃と弓から魔力弾をヴィータに向けて放つも

 

 「しゃらくせぇ!!」

 

 ヴィータはその見た目からは想像できないほどの力で槌を振るい、2人の放った魔力弾を打ち消した

 

 「ワァ~~~オ」

 

 「なんてパワーだ(アリシア、あのガキを打ち落とすために魔力砲を撃つ。チャージまでの数秒、頼めるか?)」

 

 「(出来るかどうかわからないけど、頑張る)」

 

 「(済まないな。出来るだけ急ぐ、頼んだぞ)」

 

 「了解!」

 

 念話を終えると逃げることに専念していたアリシアが魔力弾を撃ちながらヴィータに近づく

 

 「ようやくその気になったかよ。でも、おせぇ!!」

 

 ヴィータはさっきと同じように槌を振るって魔力弾を打ち消すと槌を構えてアリシアに突撃し、槌を振るう。アリシアは一歩後ろに下がってヴィータの攻撃をかわすと、片方の銃を片手剣に変形させ、振るう。だが、歴戦の戦士であるヴィータはその攻撃を防御魔法で受け止めた。アリシアは深追いすることなく後退しながら魔力弾を撃つも、ヴィータの防御魔法を突破することはかなわなかった

 

 「っは!そんな鈍ら弾なんて効かねぇ!」

 

 防御魔法を解くとヴィータは槌を構えて後退するアリシアを追いかけたところで動けなくなってしまった

 

 「バインド!?いつの間に」

 

 「私みたいに、装甲は薄く、攻撃力も低いタイプは常に相手の先を見ないといけないからね~~(クリスは・・・もう少しかかりそうだね。少しでも勝てる確率を上げるために、ダメージを与えておこう)」

 

 横目でクリスの現状を確かめたアリシアは魔力弾を撃ちながらヴィータに突撃し、

 

 「雷鳴斬り!」

 

 帯電した片手剣を振り下ろし、ヴィータに斬撃と電気によるダメージを与える

 

 「こ、この」

 

 「うわ~~、今のコンボを受けて、まだ意識があるなんて。でも、次で終わりだよ」

 

 「どういう意味・・・っ!?」

 

 連続攻撃を受けてなお、意識があるヴィータにアリシアは驚くが、意味深い言葉を残して空域から離脱する。問いただそうとしたヴィータは遠くのビルの屋上で自分に狙いを定めているクリスを見つけ、アリシアの言葉の意味を理解した

 

 「チャージ完了・・・くらえ、グリントアロー!」

 

 魔力の充填を終えたクリスはバインドで身動きのできないヴィータめがけて魔力砲を放た

 

 「ちぃ!?」

 

 砲撃に込められた魔力量と弾速をみて、ヴィータは強引にバインドを破壊してからの回避行動では間に合わないと察し、防御魔法を張って砲撃を逸らすことした

 

 「ぐぅ!?」

 

 押し込まれそうになりながらもヴィータはその場で踏ん張り、砲撃をそらすことに成功したのだが、少しだけ掠ってしまい、少し焼けてしまった帽子が落ちて行った

 

 「・・あ」

 

 落ちていく帽子みて、ヴィータは帽子に装飾されているうさぎが少し焦げてしまっていた

 

 「・・・・・・」

 

 ヴィータは無言でバインドを壊すと、アリシアとクリスを睨みつける

 

 「ぶっ潰す!!」

 

 怒りの表情で2人に再び襲い掛かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「はぁ、はぁ」」

 

 「(2人ともいい動きをする。よほどいい師に巡り合い、鍛え上げられたのだな)」

 

 一方、フェイト、明日奈の2人もシグナム相手に苦戦を強いられていた

 

 「(この人・・強い!)」

 

 「(2対1だっていうのに、有効打を与えられない)」

 

 「(明日奈、私が撹乱する。隙を見つけたらお願い)」

 

 「(解ったわ)」

 

 バラバラに戦っていては絶対に勝てないと察したフェイト達は数の利とコンビネーションで戦うことを決めた

 

 「はぁああああ!」

 

 フェイトは愛機を戦斧から大鎌に変形させると、ヒット&アウェイを行いつつ、シグナムの周囲を目まぐるしく動きながら、隙を作り出そうとする

 

 「(確かに速い。だが、あいつの動きに比べればまだ目で追える)」

 

 シグナムの目はフェイトを捉えており、時折来る攻撃も難なく防いでいる

 

 「(ヴィータも決めに入ったか。こちらも終らせるか)」

 

 遠くでヴィータの魔力が爆発的に上昇したのを感知したシグナムは自分も2人との戦いに決着をつけようと決める。今まで防いでいたフェイトの攻撃を身体を半歩ずらして躱し、無防備なフェイトに向け、攻撃しようとした瞬間

 

 「はぁああああ!」

 

 一瞬のスキを狙っていた明日奈が高速移動魔法を使ってシグナムとの間合いを瞬時に詰めると長剣で突きを行うが、その突きは空を切った

 

 「「・・え?」

 

 確実に当たると思っていた攻撃が空振り、明日奈とファイトは呆ける。そんな一瞬のスキを見逃すシグナムではなく

 

 「紫電十字閃!」

 

 炎を灯した剣と魔力で強化した鞘で十字を描くよう振るい、打撃、斬撃、炎熱、3つの力が一体となした一撃を繰り出し、フェイト明日奈の2人を戦闘不能にした

 

 『シグナム、こっちは終わった。そっちはどうだ?』

 

 「こちらも今終わった。魔力の蒐集は?」

 

 『もうすぐ終わる。これでかなりページが埋まるはずだ』

 

 「なら終わり次第、本をこっちに。想定より時間がかかったからな」

 

 『わか・・・』

 

 ヴィータとの念話が終わろうとした瞬間、張られていた結界に亀裂が入る

 

 「・・・まさか」

 

 自分たち守護騎士の中でサポート能力随一のシャマルが張った結界に罅が入る。過去にも一度だけ同じことが起きたことを思い出し、シグナムが冷や汗を流すと、亀裂の入った個所が砕け、何かが弾丸のごとき速さでビルと衝突し、崩壊させた

 

 「・・・さすがはザフィーラ、“盾の守護獣”と呼ばれるだけはあったぜ。近接格闘ではやっぱりあいつのほうが上だったな」

 

 背後から聞こえてきた声にシグナムは身体を振るわ、恐る恐る振り返ると、少しボロボロになった防護服を纏っている悠一が浮いていた

 

 「さて、ザフィーラにも言ったがお仕置きタイムだ」

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