剣聖の異世界転生禄~リリなの編~   作:白の牙

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 ・主人公の生前に習っていたのを剣術から剣道に変えました
 ・八葉の肆の型を“破斬”から“断空”に変えました


仮面の監視者との戦い

 

 

 

 

 「はい、はい、分かりました。なのはちゃん達には私のほうから伝えておきます」

 

 映像通信を終えた明日奈は部屋から出てリビングに来ると悠一の反対側のソファーに座る

 

 「っで?どうだった?」

 

 「局員襲撃事件の担当になったって。数日中には地球に来るみたいだよ」

 

 「はぁ~~~~~」

 

 明日奈の返答を聞き、悠一はとても、とても大きなため息を吐いた。目が覚めた明日奈達に悠一ははやて、シグナム達を加えたメンバーで事の経緯を話した。話す際、一部のメンツでの一悶着合ったが、時間がないために物理的に沈めた。経緯を知った明日奈達は強力を約束し、なのは、アリサ、すずかにも話すと3人も協力してくれることを約束してくれた

 

 「俺以外の全員から魔力を蒐集したおかげで完成まであと一歩、何だが」

 

 「何か心配事でもあるのか?」

 

 歯切れの悪い悠一に隣に座っているクリスが尋ねる

 

 「はやての為に早く夜天の書を完成させなきゃいけないのは解ってるんだが、何ていうか、完成させちまうととんでもないことになっちまう気がするんだよ。まぁ、ただの勘なんだが」

 

 悠一が悩んでいると

 

 「ゆ・・・ご、ご主人様、お嬢様方、お、お茶のお、おかわりはい、いかがですか?」

 

 なぜかメイド服を着、ティーポッドを持ったシグナムが悠一達に尋ねる

 

 「お願いします」

 

 「あたしも」

 

 「あ~~~シグナム?」

 

 「な、何でしょうかご、ご主人様?」

 

 「言いにくいなら普通に名前で呼んでいいぞ」

 

 「そういうわけにはいかな・・・いきません。主から命令されていますので」

 

 「(相も変わらず律儀な奴だよな~~~。まぁ、シグナムらしいといえばらしいんだが)」

 

 何故シグナムがメイド服を着て奉仕をしているのかというと、はやてからの罰だ。自分や悠一に心配をかけ、さらには他人に迷惑をかけた罰としてはやては騎士たちの主人として4人に罰を与えた。シグナムは見ての通りメイド服を着ての奉仕、ヴィータは風呂上りのアイス、及び3時のおやつ無し、シャマルは台所に立つことの禁止、ザフィーラはしばらくの間3食ドックフードである

 

 「大変だな~~」

 

 「・・・・・」

 

 「どうしたの悠一君?」

 

 外の様子を見る悠一に明日奈が尋ねる

 

 「何でもない。ちょっと、散歩に行ってくる。何かいい案が浮かぶかもしれないからな」

 

 そういうと悠一は上着を羽織って散歩をするために外へと出て行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・この辺りでいいだろう。出て来いよ。それとも無理やり姿を現せてやろうか?」

 

 周囲をぶらぶら歩き、人気のない公園にたどり着くと、悠一は虚空に向け話しかける

 

 「・・・気づいていたのか?」

 

 すると、周囲の風景がぼやけ、仮面をつけた男が姿を現した

 

 「最初からな。俺がはやての家に居候し始めたときから視線は感じていた。週に一度感知していた視線が、夜天の書が目覚めてから毎日と来た。いい加減うっとおしくてな」

 

 「貴様、何故闇の書の本来の名を知っている!?」

 

 男は悠一が今は知られてはいない闇の書の本来の名を知っていることに驚き、声を荒げる

 

 「・・・どうやらアンタは色々と知っているみたいだな。ちょうどいい、知っていること全部はいてもらおうか」

 

 「それはこちらのセリフだ」

 

 悠一は“宝物庫”から一本の棒を取り出す

 

 「棒?あの剣ではないのか?」

 

 「ストーカーしてるだけあって俺の得物も知ってるって訳か。こっちのほうが適度に痛めつけられるからな」

 

 「ふん、ただの棒で何ができる」

 

 「何でもさ」

 

 仮面の男の挑発に悠一は不敵な笑みを浮かべながら縮地で接近し、棒を振るう。仮面の男は腕をこうさせて棒を防ぐが、その防御を通り越して謎の衝撃を受け男の身体をふらつかせる

 

 「な、何だ!?衝撃が仲を通って」

 

 「っふ。おらぁ!」

 

 何が起きたのか解らず、ふらつく男を見た悠一は笑みを浮かべながら巧な棒捌きで突き、薙ぎ払いなどといった攻撃で男を攻撃していく。悠一が振るっているこの棒、正式な名称は“如意金箍棒”。悠一が異世界トータスで友と共に作成したアーティファクトだ。魔力を衝撃に変換できる能力が付与されており、棒が触れると同時に魔力が衝撃波に変換されるのだ。だから例え、棒による攻撃を防いでも変換された衝撃波によるダメージを受けるのだ

 

 「おいおい、さっきまでの威勢はどうした?それとももう降参か?」

 

 手元で如意金箍棒を回しながら問いかける

 

 「そんなわけないだろう!」

 

 仮面の男はふらつく身体に鞭を打って立ち上がり、悠一に突っ込む。愚直に突っ込んでくる男に不信感を抱きながらも悠一は棒で突きを放つ

 

 「ぐぅ!?」

 

 その突きを男は防ごうとせず、身体で受け止めた。棒による打撃と続いてくる衝撃波を耐えると、男は両手で棒をつかみ取る

 

 「(この男、こうするためにあえて攻撃を受けたな)」

 

 「これで、もうこの棒は振るえない。今までの分、存分に返させてもらうぞ!」

 

 男の周囲と悠一の周りに無数の魔力球が形成させる

 

 「・・・・・」

 

 悠一は棒の右に捻ると“カチャ”という音が鳴り響く。そして次の瞬間、男と悠一の周りに形成されていたすべての魔力球が粉々に砕ける

 

 「な、なに!?がは!?」

 

 突然のことに男は驚くが、右側頭部から衝撃に身体をふらつかせる。失いそうな意識を何とか繋ぎ止め、何が起きたのかを確かめると、鎖と繫がれた棒の先端を鎖鎌のように回転させる悠一を見た

 

 「残念。これは三節痕のように分割させて使うことも出来るのさ。んじゃ、チャオ」

 

 悠一は回していた棒の先端を男の額に向け投げ飛ばす。回転による威力向上と衝撃変換によって、男は意識は今度こそブラックアウトした





 

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