ばくおん!   作:グラン(団長)

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主人公のやっているバンドのイメージはPey money To my Pain や、coldrainを参考にしました。


1話

「今日はありがとうございました」

 

「いやいや、こっちのセリフだよ。君達のおかげでお客さんいっぱい来てくれたし、これバックね」

 

 

今日も無事ライブが終わった。

ここらの界隈ではだいぶ名が売れてきたおかげか、30人ぐらいのお客さんが毎回入ってくれている。

ありがたい限りだ。

 

 

「それじゃまたよろしくね。君達そろそろCD作ったら?レコーディングしたくなったら、ちょっとは安くするからぜひ言ってね」

 

「お!バンド内でもそろそろCD作りたいって話上がってるんでお願いすると思います、詳細が決まったら連絡しますね」

 

「オッケー、待ってるね~」

 

 

精算が無事終わり、外で待ってるメンバー達に合流する。

 

 

「精算終わりましたー。これバックです」

 

「お、今回もなかなか入ったみてぇだな。まぁ、俺は今は金に困ってねぇし俺の分はトシにやるよ」

 

「僕も、トシ君の生活費にしてよ」

 

「もちろん私のもね」

 

「……毎回すいません、ありがたいっす」

 

 

毎度の事ながらメンバーのみなさんには頭が上がらない。

バンド内で俺が唯一の学生で、みなさんは社会人という事もあるが、大人の余裕が眩しい。

 

 

「トシまた新しい機材買ったんでしょ?このバンドの曲はほとんどトシ君が作ってくれてるんだし、それくらいはね」

 

 

ギターの河口さん。

メンバー唯一の女性で紅一点的な位置だが、ショートカットで遠目に見たらただのイケメンである。

 

 

「そうだよ、僕達は仕事してるけど、トシ君は学生で一人暮らししてるんだもん。それくらいは大人に甘えてよ」

 

 

ベースの原さん。

眼鏡をかけた優しい雰囲気……というか普通に優しい人。

こう見えてライブになると荒れ狂う、演奏中にベースのヘッドが襲ってくることが多々ある。

 

 

「まぁ、俺達はライブができりゃ満足だからな。出世払いで大人になったら酒でも奢ってくれりゃいい」

 

 

ドラムのコリアスさん。

筋肉ムキムキのハーフ、生粋の日本育ちのため英語は喋れないらしい。

実はどこかの社長らしく、メンバー内で一番お金持ち。

 

 

「ありがとうございます……、そういえば川上さんがRecしないかって。少し安くしてくれるそうですよ」

 

「お!そいつはいいな!曲もそこそこあるし、ミニアルバムでも作るか」

 

「僕も賛成、今は仕事も忙しくないしちょうどいいね」

 

「私も同感、それじゃあどの曲録るか考えておこうか」

 

「了解です、曲と、いつ録るかですね。それじゃあそれぞれ入れたい曲と都合のいい日にちをメールしてください。まとめておきます」

 

「さっすがリーダー頼りになるぜ!」

 

 

リーダーって……、まぁこのバンドに誘ったのは俺だけども、このメンツの中でリーダーを名乗るのはハードモードだよ……。

 

 

「あ、あの!!!」

 

「ん?」

 

 

声をかけられた気がしたので振り返るとツインテールの女の子がいた。

 

 

「どうかした?」

 

「『invidia』のボーカルの方ですよね!!ライブが見てました!すごいカッコよかったです!!!」

 

「おぉ!見てくれてたの!ありがとね!みなさん、この子ライブ見ててくれたらしいですよ、カッコよかったって」

 

「おぉ!こんなちっちゃいのにハードコアにはまっちまうなんて、不良だなぁ!!!最高じゃねぇか!!」

 

 

コリアスさんが脇の下に手を入れ、そのまま持ち上げ回りだす。

場合によってはセクハラで訴えられる状況だが、女の子が小さいのと、ムキムキハーフだがイケメンなおかげで微笑ましい光景に見えなくもない。

まぁ、我々『invidia』は先程コリアスさんが言ったようにハードコアバンドなため、女の子のファンなんてめったにいないからコリアスさんも嬉しいのだろう。

 

 

「ほらコリアス、その子目回しちゃってるから下ろしてあげな」

 

「おぉ!そいつはわりぃことしちまったな、すまねぇな嬢ちゃん!」

 

「ううぅ……、だ、だいじょぶです……」

 

 

パッと見大丈夫じゃなさそうだけど、いい子やなぁ。

 

 

「うちのゴリラがごめんね。君みたいな若い女の子のファンは珍しいから、年も考えずにはしゃいじゃったみたいで」

 

「い、いえ、大丈夫です。あの、もしかしてギター弾かれてた……?」

 

「そうだよ、河口紀美、よろしくね」

 

「私、中野梓っていいます!!!私もギター弾いてて、それで、凄い上手だなって思って、フレーズもカッコよかったし……」

 

「ははは、ありがとね。でも、うちのバンドの曲を考えてるのはほとんどトシなんだよ」

 

「そうなんですか!?」

 

 

うわ、こっちに矛先が向いた。

こんなに目キラッキラされるとなかなかこっぱずかしいな。

 

 

「いや、ソロフレーズとかアレンジとかはみなさんに任せきりですし」

 

「いやいや、持ってくるdemoの段階であそこまで完成度高いとこっちも気合い入れなきゃいけないからね」

 

「でも、みなさん凄かったです!ギターはもちろん、ドラムはあんな早いブラストビートを簡単そうに叩いてましたし、ベースはソロのスラップにパフォーマンスに圧倒されちゃいました!」

 

 

中野ちゃんの力説にそれぞれ、いやいや、とか言いながらまんざらでもなさそうな顔をしてる。

まぁ、この人達普通にプロでやっててもおかしくないからな。

たまにスタジオミュージシャンとして誘われることがあるみたいだし。

 

 

「それに、ボーカル!私、あんなに歌が上手い人初めて見ました!それにデスボイスもすごい声量でしたし、ギターを弾きながらあれを歌うなんて……感動しました!」

 

「おぉ、あ、ありがとね。今Recするって話してて、そのうちCDができると思うから、よかったらまたライブ見に来てよ」

 

「本当ですか!?絶対行きます!!!……あ、すいませんお話中だったのに急に声をかけちゃって。……わ、わたし、また来ますから!がんばってください!!!」

 

 

そう言うと中野ちゃんは早足に帰ってしまった。

途中で我にかえって恥ずかしくなったらしい、顔が真っ赤だったなぁ。

 

 

「……行っちゃいましたね」

 

「いい子じゃねぇか、こりゃRecも全力でやらなきゃならねぇな」

 

「当たり前でしょ、手抜きなんてしたらトシに首にされちゃうよ」

 

「いや、そんなまさか……」

 

「それは困る、僕も家に帰って練習しようかな」

 

「原さんまで、あまりからかわないでくださいよ……」

 

「ははは、ごめんごめん。それじゃあそろそろ解散しようか、トシ君明日も学校あるでしょ?僕も仕事があるしね」

 

「おう!そんじゃ、俺も帰るとするか。今日も楽しかったぜ、じゃあな!」

 

「私も、いろいろ決まったらメールするから。さわ子によろしくトシ。じゃあね」

 

「お疲れ様でしたー。またよろしくお願いします」

 

 

こうして今日も無事ライブは成功でした。

平日は学校に行き、曲を作りながらたまにライブをする。

K-ON!の世界に転生した俺、山中斗心の日常は今のところこんな感じである。

さて、次はどんなバンドの曲をオマージュしようか。

 

 

 

 

 

 




今回のオススメバンドは envy です。
激情系ハードコアバンドで、私が激情系ハードコアにはまるきっかけになったバンドです。
アルペジオのセンスがはんぱないって。
ボーカルの動きが狂喜じみてるので、一見の価値あり。

オススメは、フジロックでのgo mad and markという曲の動画です。
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