ストレンジ・ソルジャー(ゼロの使い魔×FF7)   作:mu-ru

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Chapter 11

PM6:30

 

 

「もう元の姿に戻っちゃうの?せっかくだから、あの姿でいればいいのに」

「あれでは、ヒラガサイトと会っても俺が誰だかわからないだろう」

 クラウドは元の姿へと戻り、キュルケ、シエスタ達と共に会場を回っていた。

「まあ、それもそうね。用があって会いに来たって言うのに、変装していたら意味がないものね」

「そういえば、ミス・ツェルプストーは変装されないんですか?」

「私はパス。正直、性に合わないのよ。“自分の理想とする姿”なんて。私はありのままの自分でいたいわ。……さて、サイトは何処にいるのかしら、知らない顔ばかりだからわからなくなっちゃうわね」

 キュルケが周囲を見回す。ダンスホールは“真実の鏡”によって変装した人達で溢れかえっていた。宮中の有名人と思しき貴族の格好をした者や、御伽噺にでも出てきそうな立派な風体の戦士、年配の紳士淑女達など……、多種多様な人々が談笑し、音楽に合わせて踊っている。その様子は、どこか混沌めいてさえいる。

 この状況ならば、明らかにメイジではないクラウドの姿もかえって目立つことはなく、好都合だった。

 

 クラウド達の横をアンリエッタ女王の姿をした誰かが通り過ぎた。それを見て、シエスタがぼそりと告げる。

「給仕たちの間で噂になっていたことなんですけど、実は今日の舞踏会にアンリエッタ女王ご本人も参加される予定だったらしいんです。ですが、どうしてか急遽キャンセルされてしまったとか。一目お姿を拝見したかったのですが、残念ですね」

「トリステインの女王様も忙しいのね。まあ、今は戦争が終わった後だし、仕方ないんじゃないかしら?……それにしても、サイトったら、なかなか見つからないわね。闇雲に探してもきりがないわ。シエスタ、悪いけれど会場の奥の方を見てきてくれないかしら?」

 キュルケが意味ありげに目配せすると、何かを察したのか、シエスタは頷いた。

「わかりました。もし見つけたらまた戻ってきますね」

 シエスタが行ってしまうと、その場にはクラウドとキュルケだけが残された。

 

「シエスタを遠ざけたのは、タバサについて聞くためか?」

「あら、ばれてたか」キュルケがくすりと笑う。

「さっきも言ったけれど、あなたと話がしてみたかったの。タバサがあなたを信頼しているように見えたから。あの子が他人を周囲に近づけることなんて、滅多にないのよ。ねえあなた、どうしてあの子と一緒にいるようになったの?」

「ラグドリアン湖で倒れていたところをタバサに助けられてな。それ以来の縁だ。一応、雇われた傭兵ということになってはいるが、実はヒラガサイトに会うために、彼女に同行させて貰っていたんだ。代わりに彼女の仕事を手伝っていた。……ガリアの騎士としての仕事をな」

「……その様子だと、あの子の事情を知っているのね。あなたが一体何者なのかについては、今は深く詮索しないでおくわ。ただ、これだけは聞いておきたいの。ねえ、今のタバサのこと、あなたはどう見ている?」

 

 クラウドは少し間をおいて、その問いに答えた。

「魔法の才能はずば抜けている。だがそれに相反して、心には危うい面を抱えている。一人にしておくのは、少し心配だ」

「……そうね、私もそう思うわ」

 キュルケは同意して頷く。

「あの子は何でも一人で抱えてしまおうとする。あの小さな身体に、背負いきれないほどの大きな宿命を抱えているというのに。でも、それでも、あの子は決して誰かに助けを求めようとはしないの。……私にも」

 彼女は切なげに呟いた。

「私はね、あの子が一人静かに本を読んでいる。そんな何気ない仕草が好きだった。私とはまるで正反対で、だからこそ友達になれたのかもしれないわ。でもね、タバサの抱えている事情を知った時、それがあの子の本当の姿ではないとわかったの。だから私は、あの子の笑顔が見てみたい。その為に、あの子の力になりたいと思っているわ」

 キュルケは真っ直ぐにクラウドを見つめた。

「……ねえ、もしタバサがあなたに助けを求めるようなことがあったら、その時は力を貸してあげて頂戴。あの子の親友としてお願いするわ」

「……わかった。俺もタバサには恩がある。約束しよう」

 クラウドが頷くと、キュルケは微笑んだ。

「やっぱりあなた、いい男ね。ジャンがいなければ、あなたに惚れていたかもしれないわ。ねえ、あなた、情熱はご存知?」

「興味ないね」

「つれないわねぇ」

 キュルケがくすくすと笑う。

 その時、シエスタがちょうど二人の元に戻ってくる。

 

「クラウドさん、サイトさんを見つけましたよ」

 

 

PM6:40

 

 

「どうだい、僕のこの姿!可愛いだろう!?まるで天使のようだ!なあ、そうは思わないかい、サイト?」

「ああ、そうだな。お前がマリコルヌじゃなければな」

 己の全身をきつく抱きしめながら話しかけてくる可愛らしい美少女――の、姿をしたマリコルヌに対して、才人はうんざりした口調で言い放った。

 今日の舞踏会で美少女に変身してやるとか朝から抜かしていたが、まさか本当に実行するとは思わなかった。可愛いのに、中はマリコルヌ。なんという詐欺だろうか。地球にいた頃、ネットゲームに嵌っていたことがあったけれど、ネカマの正体を知ってしまった時と同じような気持ちかもしれない。

 

「はっはっは。まあいいじゃないか、サイト。何に化けるかは自由なんだ。マリコルヌの好きにさせてあげようじゃないか」

「そういうギーシュこそ、誰だよ、その格好は?」

 ギーシュは派手に装飾した服を纏った、メイジの騎士と思しき姿に変装していた。

「これは若かりし頃の僕の父上さ。父上は若いころ魔法衛士隊に入隊していたことがあってね。どうだい、この凛々しき姿!僕はまさに、父上の容姿を受け継いでいるんだ」

「あら、本当、服装のセンスの無さまで受け継いでしまっているのね」

「ああ、モンモランシー、女王陛下のお姿でそんな辛辣な言葉を僕にかけないでおくれ、なんだかゾクゾクしてきてしまうよ」

「どいつもこいつも……」

 父親の姿になったギーシュと、それに蔑みの視線を注ぐアンリエッタ女王に化けたモンモランシーの会話から離れ、才人は会場を見回した。舞踏会の会場であるダンスホールには生徒の姿はあまりなく、なんだか偉そうな人達で溢れかえっている。

 ここにいる人達は皆ギーシュ達と同じように“真実の鏡”で変装しているのだ。今日の舞踏会が、魔法の鏡で自分の理想とする人物の姿に変身するものだと事前に話には聞いていたが、実際にこの目で見て才人は関心していた。魔法って、やっぱりすごい。

 

 ところで、水精霊騎士団での訓練終了後、部屋に戻らず直接会場にやって来た才人だったが、先程からずっと、ルイズを探しているのだった。

 実は才人は、真実の鏡で変装したルイズをこの舞踏会で見つけ出すように言われていたのだ。その報酬は、ルイズと交わしたとある約束である。

 

――もし、私を見つけることが出来たら、こないだのアルビオンの夜の続き、してあげる。

 アルビオンの夜、とは、もしかしたら才人がルイズと結ばれていたかもしれない出来事があった夜のことである。その続きとは……、なんともになんともな発言ではないか。

 よって、これはなんとしてもルイズを見つけ出さなければと、サイトは張り切っていたのだった。

 しかし、ルイズは一体誰に変装しているのだろうか。妥当な線で言えば、姉のカトレアあたりかもしれない。ヴァリエール家の実家に行った時の、ルイズのカトレアへの甘えっぷりを、才人はよく覚えている。――もうひとりのお姉さんの、エレオノールさんはないだろうな。あの人超怖いし。

 そんな風にルイズの変装した姿を想像していたサイトに、声がかけられる。

 

「サイトさーん。よかった、ようやくお会いできました」

 そこにいたのはシエスタだった。後ろにはキュルケと、初めて見る顔の金髪の男性がいる。

 誰だろう?

「シエスタ、どうしたんだ?」

「サイトさんにお客様ですよ」

「客?」

「何よ、ルイズから聞いてないの?」キュルケが口を出す。

 そもそもルイズには会っていないので、そんな話は初耳だった。今、目の前にいる金髪の男性がその客人なのだろうか。

「なんだなんだ。サイトに客だって?」

 ギーシュ、モンモランシー、マリコルヌ達も会話を止めて、その男性を興味深そうに見つめていた。

 男性と視線が合う。深い蒼の瞳。まるで青空のようで、それがなんだか印象的だった。

 

「お前が、ヒラガサイトなのか」

 驚いたような口調で、男性はそう問いかけてきた。

 

 

PM6:40

 

 

 ルイズは女子寮の自室から階段を駆け下りた。入り口を出たところで一度立ち止まって、乱れた息を整える。

 勢いで飛び出してきてしまったが、サイトは一体何処にいるのだろう。さっき学院内を探し回った時は見つけることが出来なかった。探していない心当たりのある場所は、舞踏会の会場である本塔のダンスホールだけだ。すでに舞踏会は始まっているし、サイトがいるとしたら、もうそこしかないはずだ。

 ルイズが向かうべき場所を定めた、その時だった。

 

「そんなに急いで、何処に行くつもりなのかな?」

「誰!?」

 闇の中から声をかけられ、驚いたルイズは反応する。

 フードを深く被った4人の人影が、ルイズに向かって歩いてきていた。

 女子寮の明かりにその顔が照らし出される。男が3人、女が1人。どれも知らない顔だった。この魔法学院の生徒でも、教師でも、もちろん使用人でもあるはずもなかった。ただ、ルイズは声をかけてきた先頭の男以外は杖を握っていることに気付いていた。

 

――こいつらは、メイジだ。

「あなたたち、誰?何処から入ったの?この学院の人間じゃないわね」

「失礼、紹介が遅れたようだね」

 一番先頭にいた男がフードを下ろす。現れた顔は金髪の、まだ幼い少年のものだった。

「僕はダミアン。後ろにいるのは、僕の兄弟たちさ。世間で僕らは“元素の兄弟”と呼ばれている」

「“元素の兄弟”ですって」

 ガリアの裏世界で名を挙げている“元素の兄弟”の名を、名家ヴァリエール家の人間とはいえど、トリステインの学生でしかないルイズが知るはずもなかった。

 ただ、ルイズは自分より年齢がさらに低いと思われる幼い少年の余裕ある言動に、異様な不気味さを感じていた。

 

「まあ、僕らのことなど、どうでも良いでしょう。僕らはあるお方からの依頼であなたをお迎えに上がったのですよ。ルイズ・フランソワーズ・ルブラン・ド・ラ・ヴァリエール」

「どうして私の名前を知っているのよ?迎えに来たって、一体誰が!?」

『私が、彼らに依頼したのよ』

「その声は……!」

 聞き覚えのある女の声に、ルイズは戦慄する。

『久しぶりね、トリステインの“担い手”』

 女の声は、ダミアンの肩に乗っている人形から発せられていた。この声の主をルイズは知っている。――ミョズニトニルン。ありとあらゆるマジックアイテムの力を自由自在に引き出す力を持っている女。サイトと同じ、虚無の担い手に召喚された“虚無(ゼロ)の使い魔”だ。

『偉大なる我が主が、お前に会いたいと仰っている。一緒に来てもらうわよ』

「……お断り、よ!」

 ミョズニトニルンの言葉に、ルイズは杖を引き抜いて叫んだ。

 

『“エクスプロージョン”!』

 杖先に光が走り、大きな爆発が元素の兄弟を包んだ。同時に、ルイズは魔法学院の本塔に向かって走り出していた。この程度の攻撃で連中が簡単に諦めるだろうとは思っていない。だが、ルイズ一人で実力も未知数な4人を相手にするのはあまりにも無謀である。一刻も早く助けを求める必要があった。

「――サイト」

 使い魔の名を、彼女は呟く。

 

 

PM6:44

 

 

「やれやれ、おてんばなお嬢さんだ」

 爆発で巻き上げられた煙の中から、何事もなかったようにダミアンが姿を現した。

 彼はルイズと一番近い距離にいながら、ルイズの魔法をなんなく回避していたのだ。常人とは思えない反応速度だった。

「大丈夫かい、みんな」

 ダミアンの声に大男のジャックが答える。

「俺とジャネットは大丈夫だ。ただ、ドゥードゥーが爆風に吹っ飛ばされた」

「お~い、誰か、起こしてくれよ!」

 爆発でめくれ上がった地面に上半身が埋もれたまま、ドゥードゥーが助けを求めていた。

「ジャック、助けてやれ」

「本当にもう、ドゥードゥーお兄様ったら世話が焼ける……」

 ジャネットが呆れて愚痴を漏らす。

 

 

『本当にあなた達に任せて大丈夫なんでしょうね』

 ダミアンの肩に乗っている人形が問いかけた。――ミョズニトニルン、元素の兄弟達の前ではシェフィールドと名乗っている彼女の本体は、魔法学院から離れた場所で待機している。

「もちろんだとも。“ヴェリエール家の御令嬢”と“異邦人”の捕獲。どちらも全て僕らが引き受けよう。それで弟の失敗の件は許してくれたまえ。我々は引き受けた仕事は必ず完遂する。安心して見ているといい、ミス・シェフィールド」

『ならいいのだけれどね』

「それにしても君のご主人は、なぜあんな他国の一学生を、ここまでして誘拐しようとするんだろうね」

『そんなことを、お前が知る必要はない』

 シェフィールドが鋭く言い放つ。

「まあ、それもそうだね」

 ダミアンは肩をすくめる。しかし、彼はその理由に見当をつけていた。

 

(なるほど、あれが“虚無”か)

 ダミアンはルイズの魔法を一目見ただけで、その正体に気付いていた。先のアルビオンとトリステインの戦争の中、トリステインは“虚無”の力を持つ人間を切り札にしているとの噂をダミアンは聞いていた。なるほど、それは事実であったわけだ。

 四大系統のどの魔法にも当てはまらない、伝説の力を持つ“虚無”の魔法の使い手。

 そして、未知の魔法を操るという“異邦人”。

 どちらも興味深い素材であった。少なくともダミアンが抱く“夢”を叶えるためには。

 しかし、ガリアの王は一体何をするつもりなのだろうか?この様な形で“虚無”を誘拐すれば、トリステインとの間で重大な国際問題に発展することは目に見えているはずだ。

 最悪の場合、トリステインとガリアの間で戦争を始めることになりかねない。あるいは、それこそが狙いなのか。

 ……いや、あの王の考えていることがダミアンに図れるはずもない。なぜなら、あの王の行き着くところにあるものは、つまるところ“破滅”でしかないのだ。世界の、あるいは己自身の破滅さえも、あの王は望んでいる節がある。

 世間一般で“無能王”と蔑まれる男のあまりにも危険なその思想を、ダミアンは十分に承知していた。

――だからこそ、僕らが利用のしがいもあるのだけれど。

 

「さて、彼女は本塔に向かった。“異邦人”もそこにいるはずだ。一網打尽といこうじゃないか」

『油断しないことね。ここはメイジの巣窟よ。かつて“白炎”のメンヌヴィルと呼ばれる熟達したメイジの傭兵が、手下を連れて襲撃したことがあった。けれど、彼でさえこのトリステイン魔法学院を攻略することはできなかった……』

「その話は知っているよ。下調べくらいはしているからね。でも、僕ら“元素の兄弟”には関係の無い話だ」

 ダミアン達は魔法学院本搭に向かって歩き出した。

 

 

PM6:46

 

 

 ルイズが本塔の入り口に辿り着くと、先程の爆発音を聞きつけた衛兵二名が集まっていた。同時に、漆黒のマントを纏った男性が階段を下りてくる。この魔法学院の教師で“疾風”の二つ名を持つギトー教授だった。

「何事かね、騒々しい」

 相変わらずの冷たい雰囲気を放つギトーは、息を切らしたルイズを見つけると呆れた表情になる。

「ミス・ヴァリエール。一体何をしているのかね?舞踏会はとっくに始まっているぞ。まったく、最近は使い魔共々、王宮より厚遇を受けているようだが、この学院でも同じ待遇を期待できると思うのは大きな間違いだ」

「ちがいます……、ギトー先生。侵入者です!メイジの賊が、この学院に!」

「なんだと、何を言って……」

 ギトーの視線が、ルイズの背後を捉える。

 ルイズも振り向いた。あの四人組が、もうすぐ傍まで迫ってきていた。

信じられない、さっき放った『エクスプロージョン』は詠唱を最後まで唱えきらなかった不完全な虚無の呪文ではあったけれど、大怪我を負わせるほどの威力があったはずだ。

 それが、あの四人にはまるで通用しなかったというのだろうか。

 

「……成程、事情はわかった。ミス・ヴァリエール、君はこのことをオスマン校長や他の教師達に伝えなさい。ここは私が受け持とう」

「ギトー先生、でも」

「二度は言わぬぞ」

 その言葉にルイズは黙って頷き、そのまま二階への階段を駆け上がっていった。

 ギトーは衛兵達に目配せをし、本塔入り口前に堂々と姿を現した四人組の前に立ち塞がった。

 

「やあ、教授。今日はいい夜ですね。舞踏会にはうってつけだ」

「用件を聞こう」

 ダミアンの挨拶を無視して、ギトーは詰問する。

「何、我々は先程のお嬢さんに用があるのです。本当にそれだけです。邪魔をしないのであれば、あなた方を傷つけることはありません。ですから、ここを通していただきたい」

「答えは“ほざくな”だ。この学院に侵入した不届きな輩を私が見逃すと思っているのか。あれは気に喰わない小娘ではあるが、我ら教師がこの魔法学院で預かる生徒の一人だ。この学院の生徒に手を出すつもりなら、この“疾風”のギトーが容赦せん!」

 ギトーの合図で、衛兵たちが飛び掛る。

 

「忠告はしましたよ。教授」

 

――赤い閃光、そして刹那

 二名の衛兵の首が宙を飛び、その身体が崩れ落ちた。

 

「なっ……」

「あ~あ~、これで余計な殺しが増えちまう。まったく、これだから貴族ってやつは頭が固い」

 ジャックが衛兵の遺骸を踏み越えて、愚痴を零す。

 ギトーは衛兵の遺骸を見る。切り落とされた首からは血の一滴さえこぼれた様子はない。切断面は焼け焦げており、わずかに、肉を焼いた臭いが感じ取れた。

 何らかの魔法を行使したと推測できる。だが、杖を使った様子はなく、その正体が全く掴めない。

(この小僧……、一体何をした!?)

 得体の知れない敵と対峙しているという恐怖を飲み込み、ギトーは気を引き締めた。

 

『ユキビタス・デル・ウインデ……』

 ギトーは自身が持てる最強の呪文を詠唱する。詠唱が終わるとギトーの身体が分裂し、もう一人のギトーが目の前に現れた。

「へえ!あなた“風”のスクウェアクラスなの!『遍在』を使えるなんて、大したものだわ」

 ジャネットが関心したように声を上げる。

「その通り、我が“風”はすべてを薙ぎ払う。“火”も“水”も“土”もそして“虚無”でさえも、“風”に打ち勝つことはできぬ。“風”こそ、すべての魔法の頂点に立つ最強の魔法なのだ!」

「す、すごい……、僕の“風”の系統ってそんなに凄かったんだ……!」

「おい、真に受けてんじゃねえよ」ジャックがドゥードゥーの頭を引っぱたいた。

「たいした自信ね……、まあ、それだけ魔法の才を持っているのなら、得意になるのも無理はないわ。ふふっ、でも残念。あなた程度では、お兄さまたちに勝つことはできないわ」

「戯言もここまでだ!我が“風”の矛を喰らうがいい!」

 ギトーの『遍在』がルーンを唱えると、杖の周りに回転する空気の渦が纏わりついた。

『エア・ニードル!』

 風の渦で作られた鋭利な切っ先がダミアンを貫こうとするその時、信じられないことが起きた。

 ダミアンが『エア・ニードル』にそっと手を触れた瞬間、手の周りに高速で渦巻く炎が現れ、『エア・ニードル』の風を拡散させ、打ち消してしまった。

 ダミアンの手はそのまま、『遍在』の身体を刺し貫き、心臓を串刺しにした。遍在は悲鳴を上げる暇すらなく雲散し、消滅した。

「何が“風”に勝てないって?」

「そ、そんな……馬鹿な!」

 ダミアンは穏やかな微笑を浮かべていた。ギトーはぞっとする。もはや、目の前にいる小さな少年が死神としか思えなかった。ダミアンが一歩前進しようとすると、ジャックがそれを妨げた。

「もういい、ダミアン兄さん。後は俺がやる」

「ジャック」

「じゃねえと、殺しちまうだろ?貴族を殺しちまうと、後が面倒だ。禍根が強く残るからな。そうでなくとも、俺は必要外の殺しってのはあんまり好きじゃねぇんだよ」

 ジャックの巨体がずいと進み出ると、ギトーは短く悲鳴を漏らし一歩退いた。

 “遍在”すらいともたやすく破る得体の知れない使い手達を前に、ギトーはすっかり冷静さを失っていた。

 

「く、来るな!我が“風”は最強なのだ!喰らえ『ウインド・ブレ……』」

「やかましい!」

 ジャックの一喝と共に飛来した物体に吹き飛ばされ、ギトーは壁面に叩きつけられた。

「多人数との戦いで正面から『遍在』を繰り出したって、大した役には立たねえよ。やるならこっそり出して、背後から奇襲をかけるとかじゃなきゃ駄目だ。そもそも『遍在』は戦闘向きの魔法じゃねえ。諜報だとか暗殺だとか、そういった裏仕事に使うほうがずっと向いてるんだ」

 飛んできたのは、ただの石片だった。――土系統の魔法、『土弾(ブレッド)』だ。

 だが、その威力は凄まじく、ギトーはもはや立つ事すら出来なかった。

「戦いっていうのは、系統魔法の重ねがけだけで決まるもんじゃねぇんだよ。そんなこともわからねえとは、これだから貴族ってやつは。魔法の力に溺れてふんぞり返るだけしか能が無いメイジ共が増えるのが良くわかるぜ。仕事柄、そんなやつら相手にすることが多くてな。火が最強だー、風が最強だーってな。まったくうんざりしてくるぜ。え?俺がそんなやつらにくれてやる言葉を、あんたに教えてやるよ」

「あ、あ……」

 恐怖に顔が歪むギトーに、ジャックの杖が向けられる。

 

「“知らねぇよ”と“くたばれ”だ」

 ジャックの『土弾』にギトーの身体は天井まで吹き飛ばされ、彼の意識はそのまま断たれた。

 

「あーもう、あんなにボコボコにしちゃって……。ていうか“くたばれ”って……ジャック兄さん、結局殺しちゃったんじゃないの」

「あほう、生きてるよ。ドゥードゥー、お前じゃないんだ。ちゃんと加減しているっての」

「勿体無いわね……。せっかく丁度良い“お人形”になったかもしれないのに」

「それなら、この人にとっては、今の状態の方が幸いだったかもね。ジャネット」

「あら、ダミアン兄さまったら。私ならここまで酷い真似はしないわよ」

 シェフィードの人形が、ダミアンの肩の上で言葉を失っていた。

『なんてことなの、スクウェアクラスのメイジが赤子扱いだなんて……』

「だから言っただろう。ここが何処であろうと、僕ら“元素の兄弟”の前には意味を成さない。さて……僕は“真実の鏡”の魔法を解くとしようか。ミス・シェフィールドには“七号”に合図をお願いしたい。――ジャネット、そろそろ頼むよ」

「わかったわ」

 ジャネットの杖の先から、白い煙が噴出した。

 

 

PM6:41

 

 

「確かに俺が平賀才人ですけど……、あなたは?」

 才人にとって、自分に客人が来るなどという話はまさに寝耳に水だった。

 客人?俺に?一体なぜ?思い当たる節は全くない。だが、考えて見れば才人は最近トリステインで自分が英雄などと祭り上げられていることを思い出した。

 もしかして、そんな俺に憧れたりして、わざわざ遠方から訪ねてきた人なんだろうか。

 ……そう考えると、なんだか悪い気はしねぇな、と才人は内心で自惚れてみる。

 だが、そんな思い上がりは客人であるその男性の眼を見て、すぐに消失してしまった。

 

 彼が才人に向ける眼は、そんな憧れだとか尊敬だとかを含んだものではなかった。わずかな戸惑いと……、才人という人間を見定めるような鋭い気配が、その澄んだ蒼い瞳から感じ取れた。どうやら並々ならぬ事情を抱えているようであった。それに……。

 

(この人……、もの凄く強いぞ)

 ルイズの使い魔となってから様々な戦いを経験し、アルビオンの戦争においては七万人の軍勢との対決でも生き残った才人である。伊達に修羅場をくぐってはいない自信があった。だからこそ、眼の前の男性が信じられない程の実力の持ち主であることを察知し、才人はにわかに緊張する。こんな人が、一体俺に何の用なのだろう?

 才人の見る眼が変わったことを、彼も気付いたようだった。

 

「……なるほど、想像していたよりずっと若くて驚いたが、どうやら英雄と呼ばれるだけはあるらしい」

「あなた、何者なんですか?」

「サイトさん、この人はサイトさんに会うために、今日この魔法学院にいらっしゃったんです。ジェシカからの紹介で、私がご案内することになっていたんですけど……」

「ルイズからそのことをサイトに伝えるように、お願いしていたんだけど、まだ会ってなかったのね」

 

「クラウド・ストライフだ」

「あ、えっと……、どうも初めまして」

 クラウドと名乗った男が求めてきた握手に、才人は応じる。

「……その左腕、どうした?」

「あれ、ガンダールヴのルーンが、なんで……」

 クラウドの手を握ると、才人の左手の甲が輝き出した。召喚した使い魔との契約を結ぶコントラクト・サーヴァントの際、ルイズによって左手に刻まれたガンダールヴのルーン。  

 それは、ありとあらゆる武器を自在に使いこなすという伝説の虚無の使い魔である証。だけど、武器を手にしているわけでもないのに、一体どうして、今反応するのだろうか。

 

「おう、にいちゃん、あんたどうにも妙な身体しているようだね」

 テーブルに立て掛けられていた剣がカタカタと揺れて言葉を発した。サイトの相棒にして意思を持つ武器、インテリジェンス・ソードのデルフリンガーだ。

「デルフ!」

「……剣が喋るのか、驚いたな」

「それはこっちのセリフさね。さっきから妙な気配がするもんで目が覚めちまったぜ。外にいる連中もあんたの仲間かい?」

「仲間?」

「デルフ、さっきから何を言ってるんだよ」

 デルフの言葉を聞いて何かを察したのか、クラウドの表情が変わる。

 

 その時だった。外から大きな爆発音が響いた。

 

「な、なんだなんだ?」

「ねえ今の、ルイズの魔法の爆発じゃない?」

「そういえばそうだね、一体どうしたんだろう」

 モンモランシーの言葉に、ギーシュが同調する。

 会場の人々は状況が掴めず、どよめきが広がっていた。ほどなくして、会場の入り口が開き、ルイズが転がり込んできた。

 

「サイト!」

「ルイズ!?」

 ルイズは才人を見つけると、人ごみを掻き分けて駆け寄ってくる。

「なんだよ、そんなに慌てて。一体どうしたんだ?」

「大変なの!この学院に侵入者が、それに始祖の祈祷書が――」

「ちょっと待て、なんだか様子がおかしい」

 才人はルイズを制し、周りの騒音に耳を傾ける。

「おい、僕らの変装が――」

「魔法が、解けている!?」

 マリコルヌやギーシュたちが慌てふためく。会場の人々が、“真実の鏡”で変装した姿から元の姿へと戻っていく。

 何者かが、“真実の鏡”を操作して魔法を解いたのだ。だが、舞踏会の終わりにはまだ早すぎる。周囲の人々が騒然とする中、次に、足元を白い煙が漂い始めた。

「おい、煙が漏れているぞ!」

「まさか、火事か!?」

「あれ、なんだか眠く……」

 会場に煙が充満しはじめ、人々が次々と倒れていく。

 

「これって……煙じゃないわ!眠りの霧、『スリープ・クラウド』よ!!吸っちゃ駄目!」

 モンモランシーがその正体をいち早く察知し、鋭く注意した。

「マリコルヌ!」ギーシュが呼びかける。

「う、うん!」

 美少女の姿から元の姿に戻っているマリコルヌが杖を構え、風の魔法で霧を吹き飛ばそうとする。しかし、スリープ・クラウドの霧はいくら遠ざけようとしても再び勢い良く戻ってきてしまう。

 

「駄目だ、霧の勢いが強すぎる。僕の“風”じゃあ防げない!」

「相当実力がある“水”系統のメイジの魔法ね……」

 キュルケが舌打ちをした。

 周囲の人々は、すでに霧を吸い込み、深い眠りに落ちていた。

 もはやこれまで、と皆が覚悟した時だった。

 クラウドが一歩前に出て、大剣を構えた。

 内蔵されたマテリアに魔力が灯る。

 “エアロ”のマテリア。その中級魔法。

『エアロラ!』

 クラウドを中心に円を描くように、凄まじい突風が吹き荒れた。

 傍にあったテーブルが激しい音を立てて吹き飛ばされる。

「き、きゃああ!」

「な、なんだ!?」

 シエスタが悲鳴を挙げ、ギーシュが肝を潰す。エアロラの風によって周囲を覆わんとしていた霧はあっという間に雲散してしまった。

「あなた、魔法が使えるの?」

 キュルケが声を上げる。彼女以外の皆も同様に驚愕の表情でクラウドを見つめていた。ただの傭兵にしか見えなかったクラウドが魔法を操ることに、驚いたのだった。

 クラウドは応えず、会場の入り口を見据えていた。

 扉が開かれ、フードを被った四人組が姿を現した。

 

「うそ……、私のスリープ・クラウドが吹き飛ばされちゃった」

「未知の魔法ね。なるほど、情報は本当だったってわけだな」

「いた!あいつだ!ダミアン兄さん、あいつだよ、あの金髪のツンツン頭!あいつが“異邦人”だ!」

「あいつは……」

 見覚えのある顔を見つけて、クラウドは言葉を漏らす。

 

「そんな、もうここまで追いついてくるなんて、それじゃあギトー先生は……」

「なんなんだ、あいつら」

「気をつけて、サイト!あいつら、この前出会った“ミョズニトニルン”の手の者よ!」

「どういうことだ」

 尋ねたのは、クラウドだった。

「あ、あんた。さっきタバサといた……」

「いいから、教えてくれ。あいつらを知っているのか?」

 ルイズが首を振る。

「知らないわよ、あんな連中。“元素の兄弟”とか名乗ってたけど。でも、あいつらを雇っている奴のことは知っている。ミョズニトニルンっていう私とサイトを狙っている女よ」

「元素の兄弟、ミョズニトニルン……」

 ミョズニトニルン。その人物が、クラウドを狙うガリアの黒幕なのだろうか。だが、クラウドは疑問を抱く。ガリアが狙っているのは、クラウドだけではなかったのか?

「クラウドさんこそ、教えてくれ。なんかあいつらに会ったことがあるようだけど、知っているのか?」

 今度は才人が尋ねてくる。

「……四人のうちの一人に見覚えがある。トリスタニアで俺を襲ってきたやつだ。理由はわからないが、俺を捕らえるつもりだと言っていた。たぶん、ガリア王国と繋がりがある連中だ」

 あのドゥードゥーという少年には、もう追って来られないほどの重傷を負わせたはずだったのだが、その傷はすっかり癒えているようだった。ハルケギニアの治癒魔法だろうか、たった一日で完治してしまうとは、この世界の魔法にも想像以上に強力なものがあるらしい。どうやら、クラウドは自分の認識が甘かったようだと自覚する。

「ガリアですって?ねえ、それってもしかして、タバサが何か関係しているの?」

「おそらくはな。そのことについて、タバサは俺に何も話さなかった。あるいは、話せなかったのかもしれないが」

 表情を蒼白に変えたキュルケに、クラウドは首を振って応える。

 

「あんた、さっきから何を言ってるのよ。あいつらはさっき私を攫おうとしていたのよ」

「ルイズ、だったか?あいつらがあんたを狙う理由は?」

「気安く名前を呼ばないで頂戴。それに、あんたに教える義理なんてないわよ」

 ルイズに突っぱねられて、クラウドは才人を見る。

「……詳しく説明すると長いんスけど、ルイズには他のメイジには無い特別な力があって、たぶん、そのせいで狙われているんだと思います。それで俺はルイズの使い魔だから、ルイズを守っているというか……」

「ちょっと、何勝手に話しているのよ!こいつが何者なのかすらわからないっていうのに!」

「落ち着けよ、こっちだって状況がわからないんだ。このくらいの情報交換は必要だろうが。現に、ミョズニトニルンがガリアの手の人間だなんて、俺たち知らなかったじゃないか」

「うう~!だからって、ご主人様の意見も聞かずに話を進めるんじゃないわよ!」

「……なるほど、“英雄”も苦労が多そうだな」

「はは……、そんな大層なもんじゃないですけどね」

 才人が苦笑するが、すぐに真面目な顔になる。

「でも、そうすると一体どうなっているんだ?あいつらが狙っているのは、ルイズなのか?それともクラウドさんなのか?」

「――あるいは、その両方か」

 まるで、捕らえるべきターゲットが集うこの瞬間を狙って行動を起こしたかのようだった。よほど腕に自信があるようだ。先に戦ったドゥードゥーのことを鑑みるに、相当の実力を持つ集団であることは間違いない。

 クラウドは四人組を観察する。その中で、一番幼い金髪の少年に注目した。四人の中で、この少年は他とは違う何か異様な気配を漂わせている。それはソルジャーとしての能力と、クラウドの長年の経験から察知した勘のようなものであったが、彼は確信を持っていた。

――こいつが、リーダーか。

 

「ヒラガ・サイト。お前は、そのルイズを連れてここを離れろ」

「え?」

 クラウドの突然の提案に才人は戸惑う。

「奴らの狙いが俺と彼女の両方なら、それで二手に分かれるはずだ。四人まとめて相手にするよりは、多少は楽だろう」

「でも、それだったら、一緒にここで戦ったほうが!」

「大勢の人間が気絶しているこのホールでか?余計な巻き添えが増えるぞ」

「それは……」

「……俺の用事は後回しだ。あいつらを片付けた後で話そう」

 才人は思い出す。そういえば、この人は才人に会うために、この学院にやってきたはずなのだ。

「クラウドさんは、一体どうするんですか?」

「ソルジャーが戦場において為すことは、ひとつだけだ」

「ソルジャー?」

 クラウドは、大剣を握り直した。

 

 ・ ・ ・

 

「ねえ、ジャック。今回の“異邦人”捕獲の仕事にかけられた報酬は、いくらだったかな」

 クラウドを注視しながら、ダミアンが尋ねた。

「十四万エキュー。ガリアの王様は金に頓着がねえからな。俺らのお得意様だ」

「それで、あの“異邦人”を実際に見て、その値段は相場に見合っていると思うかい?」

「んー」

 ジャックは難しい顔をして頭を掻いた。

「……正直、割に合わねえな。実際にやりあってみねえことにはわからねえが、ありゃ相当な手練れだ。ドゥードゥーが敵わなかったってのも頷ける」

「ふむ、僕も同意見だ」

 ダミアンは頷いた。

「ジャック、ドゥードゥー、ジャネット、“異邦人”は君たち三人に任せる。殺す気で構わない。ヴァリエールの御令嬢の方は僕一人で十分だ」

「うい、了解と」

「わかったわ」

 ジャックとジャネットが答える。

『待ちなさい、殺すなんて、何を勝手なことを言っているの。仕事の内容は捕獲よ』

「言葉の綾というやつだよ。ミス・シェフィールド。そのくらいの気でいかないと、こっちがやられてしまう。あの異邦人は、それだけの実力を持っている」

「ちょっと待ってダミアン兄さん。あの“異邦人”とは僕一人でやらせてよ。昨日の負けた借りを返さなきゃ気がすまない」

「駄目だ。ドゥードゥー、言うことを聞くんだ」

「でも!兄さんの“魔法薬”を使えば、今度こそ!」

「あの薬はあくまで内包する魔力量を底上げするものであって、きみの実力が増すわけではないよ。きみ一人で戦ったところで、あの男には勝てないだろう。一度戦ったのなら、力量の差くらい判断がつくはずだ。それとも、そんなことすら理解できないほど、きみの脳みそはお粗末なのかな?」

「うっ……」

 ドゥードゥーはたじろいだ。個々人が裏世界で一流の実力を持つ“元素の兄弟”といえども、長兄のダミアンは他の三人が束になっても敵わない恐ろしい存在なのだ。

「三人で協力して戦うんだ、いいね」

(……おい、ダミアン兄さんを怒らせんな、お前のせいで今回の仕事の交渉だって苦労したんだからな)

(今のうちに謝っときなさいよ)

ジャックとジャネットが小声で助言する。

「……わ、わかりました。ゴメンナサイ」

 ドゥードゥーの謝罪に、ダミアンが頷く。

「よろしい。では、始めようか」

 

 

「――いいや、ここで終わりだ」

 ダミアンの眼前に、大剣を振り下ろそうとするクラウドの姿が迫っていた。

 

 

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