ストレンジ・ソルジャー(ゼロの使い魔×FF7) 作:mu-ru
PM7:24
「研究者……、だと?」
思いもよらなかった言葉にコルベールは戸惑う。
「僕ら元素の兄弟には普通のメイジには無い様々な能力が備わっている。先住魔法を肉体に付与したことによる身体機能の強化、魔力を急激に増幅させる秘薬、単体のメイジが複数の杖を使用する技術等々――、全て僕の研究の一部を戦闘に流用したものだ」
「自分の兄弟を、実験台にしているというのか……」
「僕は極端な実践主義でね。思いついたことは直ぐに試さずにはいられないのです」
冗談めいて話すダミアンはコルベールの非難の言葉など気にも留めない。
「あなたの噂はたびたび耳に入っていた。特定の研究機関にも属さず、変わった研究を続けている人物がトリステインにいるとね。アルビオン戦争で活躍したという『竜の羽衣』――あれは、ロマリアで“場違いな工芸品”と呼ばれている外界からの漂着物の一種だが、あれを飛べるようにしたのは、あなたの仕業だと聞いている。それに、この学院のすぐ近くに停泊しているあのフネは、あなたが造ったものではないですかね?
先程ちらりと見ただけだが、あれは、石炭を燃やして発生する蒸気を動力に使っているのかな?フネの動力をすべて風石に頼っている今のハルケギニアの既存技術にはない、革新的なフネだ。あなたの能力の高さが伺い知れるというものだ」
コルベールは驚いた。今までコルベールが行ってきた研究を調べ上げるだけでなく、その意図を正確に理解していたからだ。
彼の研究に興味を示した人間など、それこそ異世界からきた才人くらいしかいなかったのだ。コルベールに対する高い評価そのものが、ダミアンが研究者であるという根拠を示しているようだった。
「しかし」
コルベールの研究に対する評価を口にしていたダミアンは言葉を区切る。
「だからこそ、わからないことがある。それほどまでの能力を有していながら、どうしてあなたは、このような閑職に留まっているのか。あなたにはもっとふさわしい研究の場があるはずではないのですか?」
ダミアンの言葉に、コルベールの心は急激に冷めていく。……やはり、この男は私のことなど何も理解していない。
「そこまで調べていて、私にそんなことを聞くとはな。……私は、“火”の力を破壊以外に使う道を模索しているのだ。魔法は万能の力ではない。扱い方次第で、毒にも薬にもなりうるものだ。
私は自分の研究を、今を生きる人々の為に還元する。それがダングルテールで犯した罪の償いに対する答えであり、この意志を次世代に伝えることこそが、私の使命だからだ。
それを行える場所として、このトリステイン魔法学院以上の場所はない。私は、己が犯した罪に対する後悔を、決して忘れないためにここにいるのだ」
「それが、あなたの“夢”なのですね。しかし“後悔”とは、あなたもおかしなことを言う」
不可解な言葉を聞いた、という風にダミアンが首を傾げた。
「ミスタ・コルベール。後悔とは、僕ら研究者から最も遠く離れた言葉だ。僕らは自らの行いを後悔などしない。否、後悔する“時間”など、僕らにはない。なぜなら、研究者というものは常に『次』を考える生き物だからだ。現実に起こった事象に対して、僕らは、それがなぜ起きたのかを追求する。過ちが起こった時に僕らが思考するのは、『次はどうすれば上手くいくのか』ということだけだ。そこに感情を挿入する余地はない。
僕らの思考は過去ではなく、未来に向けられる。僕らの叶えたい“夢”が実現する未来は、己の手で作り出すものだからだ」
「その為に、多くの犠牲を払ってもか」
「研究に、失敗と犠牲はつきものです」
「それは勝手な詭弁に過ぎない!犠牲の上に成り立つ成果を正当化できると、本気で思っているのか!!」
「僕は別に道徳的な話をしている訳ではありません。研究者というものはそういう“人種”であるということを述べているだけです。そしてあなたも本質的には、それを理解しているはずだ」
「……っ!もういい、沢山だ!」
コルベールの杖から“炎蛇”が放たれ、ダミアンへと襲いかかった。
ダミアンの全身が燃え上がる。絡みついた炎は、ダミアンの命を確実に奪いとるはずだった。
「――そう、この行動こそ、あなたの答えだ。あなたは僕に杖を向けた。犠牲の先に成り立つ成果に価値があることを、あなたは知っているんだ」
コルベールが放った炎蛇はダミアンを攻撃せず、まるで飼い慣らされたかの様に腕に纏わりついていた。ダミアンはそんな炎蛇の様子をゆったりと観察している。
「馬鹿な……!」
「面白い魔法ですね……、対象に絡みつくことで周囲の酸素を効率よく奪い、余計な魔力を消費せず、確実に息の根を止める炎の蛇。よく出来ている。だが、この程度の“火”で僕を殺すことはできない。僕は弟にこう教えたことがある。“小手先の技巧に魔力を費やすな、魔法がなければ素早く動けないようでは三流以下だ。そんなことをするくらいなら……”」
絡みついていた炎蛇をいともたやすく消し去ると、ダミアンは手を広げて構えて見せた。
ダミアンがルーンを唱えると、その全身に恐ろしいほどの魔力が漲る。
本能的に危機を悟ったコルベールは、とっさにその場を飛び退いた。
「“全ての魔力を攻撃に振り切れ”とね」
特大の火球が眼前に出現した。
閃光と轟音が炸裂し、かろうじて回避したコルベールの肌を焼く。
「きゃああああああ!!」
少し離れた場所にいたルイズ達も、強烈な熱風の前に為すすべなく吹き飛ばされた。
衝撃が余熱を残して去った後……、よろよろと立ち上がったコルベールは、眼の前の光景を見て息を飲んだ。
巨大なクレーターが出現し、その先にある森まで直線上に抉った跡が出来ていた。
とんでもない威力だった。もしあの時飛び退かなければ、コルベールは跡形も残らず蒸発していたことだろう。
だが、コルベールがなによりも恐怖したのは、ダミアンが唱えた呪文がただの『ファイア・ボール』だとわかってしまったことだった。
熟練のメイジはお互いの魔法を見ただけで、相手の力量を推し量ることができる。火の系統の初歩、ドットクラスの魔法だが、その威力はまさに桁違いだった。
(なんという魔力量だ……!)。
かつてコルベールが戦った“白炎”のメンヌヴィルは、確かに強力な“火”の使い手であった。だが、彼は“火”の破壊の力に魅せられて、己が衝動のままに力をまき散らすような男だったからこそ、つけいる隙があったのだ。
しかし、この少年は違う。ダミアンは火の破壊の力を、己の完全なる支配下においている。
しかも、ダミアンはこれほどまでの魔法を行使しているのに、それを用いる為の杖を必要としていない。何故だ、どうやって杖もなしにここまでの魔法が使えるのだ。なんらかの仕掛けがあるはずだが、それがわからない。
「考え事をする余裕など、ありませんよ」
「なっ!?」
眼を離した隙に、ダミアンはコルベールの目前まで接近していた。
コルベールが杖を振ろうとするも、ダミアンはその腕を素早く掴んでねじり上げた。ダミアンの驚異的な腕力の前にコルベールの腕はボキボキと音を立て、紙細工のように折れ曲がった。
「ぐぅあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
コルベールが思わず悲鳴を上げて倒れる。
「仕事の邪魔をするものは、排除しないといけない。とはいえ、あなたの様に才のある研究者はとても貴重だ。このまま殺してしまうのは、あまりに惜しい。どうです、このまま大人しくしていてくれるなら、見逃してあげることもできますが」
「……ッ!!」
ダミアンがコルベールを見下ろし問いかけた、その時だった
「そこまでだ!!」
凛然とした女性の発声が響きわたった。
PM7:29
ダミアンが声の方向を見やると、傭兵の出で立ちをした女性隊士達が、続々と馬から降りてきている所だった。その先頭で指示を出している金髪の女性がいた。
「銃士隊。噂をすれば、というやつかな」
『もう嗅ぎつけてきやがったのかい、まったく厄介だね』
「この国の新しい女王は、なかなか優秀なようだね」
シェフィールドの舌打ちに対して、ダミアンはこの状況を楽しんでいるかのようだった。
「動くな、“元素の兄弟”!!我らはトリステイン国軍である!直に増援も来る。お前達に逃げ場はないぞ!!」
「アニエス!」
ルイズが思わず名前を呼ぶ。アニエスはルイズを一瞥して頷くが、返事は返さなかった。
彼女はダミアンとコルベールを憎々しく睨みつける。
「……その男から離れろ。その男は、私が殺すはずだった男だ!」
「アニエス君……よせ」
「貴様は黙っていろ。コルベール、何故貴様が生きている。よくも私の前に姿を現せたものだ。……待っていろ、“元素の兄弟”の後で、貴様を殺してやる」
「やめて、ジャンには手を出さないで!」
キュルケの言葉を無視して、アニエスが銃士隊に指示を送る。
「第一陣、構え!!相手は裏世界の一流のメイジだ。捕らえようなどと考えるな、ここで確実に仕留めるぞ!!」
フリントロック式の拳銃に火薬が込められ、合図と共に銃士隊の女性隊士達が一斉に銃をダミアンに向ける。
射程距離は充分。引き金を引けば無数の弾丸がダミアンを蜂の巣にするだろう。
ダミアンはおもむろにコルベールから離れ、アニエス達の方へ歩き始めた。
「止まれ!!」
制止の声に耳を傾ける様子はなかった。ダミアンは杖を構えるどころか、銃口を避ける素振りすら見せず無防備に歩みを進める。
舐められているのか、とアニエスは思わず憤る。
だが、相手はあの“元素の兄弟”である。
見た目は幼いが……、この現場の惨状を、深々と森まで抉り取られた地面の跡を作り上げたのは、状況からしてこいつの仕業だろう。
予想はしていたが、“元素の兄弟”の実力はまさに規格外だ。
杖を持ってはいない……だが、何か隠し玉があるのかもしれない。
フリントロック式拳銃の欠点は弾を込めるのに時間を要することである。
だが、その欠点を補うために、アニエスは既に銃撃隊の第二陣を用意させていた。
万が一、銃弾を防がれたとしても二回目の銃撃がダミアンをしとめるだろう。
――驕り高ぶったメイジめ、我ら平民が磨き上げた“牙”を、存分に味わうがいい。
「撃て!!」
何十という拳銃の音が一つに重なり、雷鳴のように轟く。
瞬間、ダミアンが素早くルーンを唱えた。
轟!!と、力強い火炎の壁が、突如として燃え上がる。
ダミアンが火の系統呪文である『ファイア・ウォール』を放ったのである。
銃士隊の放った銃弾は一発もダミアンに届くことはなかった。何十発と発射された銃弾は、全てダミアンの目前で跡形もなく“燃え尽きた”。
「き、貴様ッ、何をした!?」
目の前で起きた現象を理解出来ず、アニエスと銃士隊は騒然とする。
「また杖もなしに魔法を……!一体どうやって?」
ルイズに抱えられたキュルケが、その謎を解き明かそうと、必死に考える。
――ダミアンは魔法を唱えるその瞬間、いつも手を前に突きだしていた。
キュルケはまさか、と気がついた。
同時に、コルベールも真相にたどり着いたようであった。
「貴様……、まさか自分の杖を身体の中に!」
「ご名答、さすがに気づきますか」
ダミアンが両腕を広げると、“掌”から炎が出現する。
両手の炎はブン、と勢いよく音を立てて、鋭く伸びると、紅く発光し、二刀の鋭利な刃となった。
ダミアンが己の魔力で作り出した『ブレイド』、それがクラウドを切り裂き、キュルケの杖を切断した魔法の正体だったのだ。
「手品のタネとは、分かってしまえば大したことのないものです。僕ら“元素の兄弟”は己の肉体に先住魔法を掛けて身体を強化している。その時に、僕は“両腕”に自分の杖を植え込んだ、というわけです」
「自分の肉体まで……実験台にしたというのか」
「極端な実践主義だと、言ったでしょう。それに、順序が逆です。兄弟達に改造を施した技術は、僕自身が先に試したものだけだ。本来であれば、本当に杖を使用せずに魔法を行使できるようにするのが将来の展望なのだけどね。これはまだ発展途上なのです。まあ、僕の仕事上、手ぶらを装えることはメリットになるし、杖を破壊されるような心配もないので、これはこれで有用に活用していますが」
「っ!!、くだらん小細工を、だからどうしたというのだ!!第二陣、……撃て!」
アニエスの掛け声と共に二度目の発砲がなされる。
だが、今度は、ダミアンが振り回した二刀の『ブレイド』によって、弾頭は一瞬のうちに蒸発してかき消えた。
「すべて、はたき落としただと……」
「小細工とは、心外だな。これは君達が持つその拳銃と同じだ。研鑽を重ねて考え出した、僕らメイジの新たな“牙”だ」
「く……!各員、剣を抜け!!」
「よせ!戦うんじゃない!逃げるんだ!!」
アニエスの号令を聞いてコルベールが制止するが、すべてが遅かった。
ダミアンの跳躍と同時に、先頭を駆けていた銃士隊の女性隊員達の首が切断された
「や、奴は何処だ!・・・・・・っがひゅ!!!!」
瞬時に隊員達の懐に飛び込んだダミアンは、叫んだ隊員の口に『ブレイド』を突っ込んだ。
高熱の魔力の塊で出来た刀身を押し込まれた隊員は、全身の血液が一瞬のうちに沸騰し、紅い血煙を吹き出しながら地に倒れた。
「このぉ!」
別の隊員が振りかぶった剣をダミアンはあっさりと躱す。
紅い閃光が煌めくと同時に、斬りかかった隊員の四肢が千切れて飛び散った。
剣を振ることはおろか悲鳴を上げることすらも出来ず、為す術もなく隊員達は倒れていった。
切り刻まれた死体の切断面は、『ブレイド』の熱に焼き切れたせいで、一滴の血もこぼれなかった。
肉塊になった隊員達の死体が、煙を上げながら地に墜ちていく。
「やめて……、ねえ、やめてよ!」
地獄絵図の様な光景を前に、ルイズは叫んでいた。むせるような焼けた肉の臭いが、紅い蒸気の中で充満していく。その中心に、ダミアンがいる。生き残っている隊員は、アニエスだけだった。
「くそおおおおおおおおおおおお!!!」
隊員達の死体を踏み越えて、アニエスの剣がダミアンを捉えた。
だが、ダミアンはその剣を素手でいとも容易く掴む。
アニエスの剣は高熱に当てられて、ドロドロに溶けだした。
ダミアンがその表面を指でなぞると、指先に沿うように新たにナイフが出来上がり、――その刃先をアニエスへ向けていた。
「なっ!?」
喉元に刺し込まれようとする瞬間、アニエスはとっさに取り出した拳銃でナイフを防いでいた。ナイフは拳銃を間に挟んだまま、アニエスの肩に押し込まれる。
「この……、化け物め!!!!」
「そう、この拳銃……。これこそ君たち平民が、長い時を掛けて作り出した武器だ。僕達メイジが忘れてしまった飽くなき探求心を、君達は持っている。だからこそ、僕は君たち平民に敬意を持っている。
このまま君達の使う武器が発展を遂げれば、将来、僕らの魔法が通用しなくなる日も来るだろう。まあ、それは少なくとも今ではないがね」
力強く握りしめたナイフが拳銃を貫通して、アニエスの肩に深々と刺さる。
ダミアンにより剣を溶かして作られたナイフは、高温に熱されており、アニエスは凄まじい激痛に襲われた。
「ぐああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
「やめろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
コルベールが複数の“炎蛇”をダミアンに向かって放った。
“炎蛇”はダミアンにたやすくかき消され、もはや外傷を与えることすら出来なかったが、その隙にコルベールはアニエスを素早く掴んでダミアンから引き離すことができた。
アニエスは既に気絶しているようだった。彼女を抱き起こすと、折れた片腕が酷く痛んで、コルベールはうめき声を漏らす。
「腕を潰したのに、まだ動けますか」
「……何故だ、これほどまでの力を持っていながら、なぜこんな裏仕事に手を貸す」
「あなたと同じように、僕にも“夢”があるのですよ。しかし金が入り用でね。この仕事をしているのは、その資金を稼ぐためです」
「“夢”だと?」
ダミアンは頷く。
「僕の夢はね、一言で言えば、このハルケギニアの魔法文明に変革をもたらすことなんですよ」
「”変革”だと、……いったい、何を考えている!?」
「詳しく話すと長くなってしまいますからね。これ以上は話しません。今の僕は金で雇われた傭兵であって、それ以上でも以下でもない。まあ、もしあなたが私に協力してくれるというのなら、教えてあげても良いですが」
再びの問い。しかしコルベールは首を振った。
「……それは、無理な相談だな。君のような命を軽々しく扱う人間と組む事はありえない」
「残念です」
ダミアンがコルベールに止めを刺そうと、手をかける。
「やめなさい!!私があなた達について行けばいいんでしょう!!」
ダミアンを制止したのは、ルイズだった。
「ミス・ヴァリエール……」
「これ以上、私の前で人を傷つけることは許さないわ」
ルイズは自ら、ダミアンに近づいていった。
ダミアンがルイズをじろりと見る。
恐怖で震えるルイズだったが、キッ、と力強くダミアンを睨み返した。
「目的は私を連れて行くことでしょう。私があなた達と一緒に行く。それで満足しなさい」
それを聞いて、ダミアンは満足そうに頷いた。
「ふむ、賢明な判断だね。どうする?ミス・シェフィールド」
『……いいでしょう。お前を、我が主の元へ連れて行く』
シェフィールドの言葉と共に大きな風が起こり、夜の空から巨大な影が飛び出してきた。
それは、巨大なガーゴイルの人形だった。
ガーゴイルの手のひらの上には、黒いローブの女の姿があった。
それは以前、アルビオンでルイズとサイトを襲ってきた時と同じ姿――、人形ではない本物のシェフィールドだ。
ガーゴイルは大きな地鳴りを響かせてダミアン達の前に降り立った。
ダミアンはルイズの腕を縄で縛り、彼女をガーゴイルの手に乗せた。
「駄目よ……!ルイズ」
「くそっ……、ミス・ヴァリエール」
戦う力を奪われているキュルケとコルベールは、見ていることしかできない。
『まさかここまで上手く事が運ぶとは思わなかったわ。あなた達“元素の兄弟”に仕事を任せて正解だったようね』
「満足頂けたようで。何よりだ」
『さっきの落雷からして“異邦人”の方も時間の問題でしょう。あとはあの憎き“ガンダールヴ”の方だけど……、あの小娘はまだ手こずっているのかしら。時間がかかるようなら、ダミアン、あなたが加勢しなさい』
「ふむ、どうやらその必要はなさそうだよ。あちらを御覧」
ダミアンが指し示す先、森の中から、小さな影が一つ現れる。
それはタバサだった。タバサの横には『レビテーション』の魔法で宙に浮かび吊されたサイトがいた。
「そんな・・・・・・、サイト!!」
ルイズが絶句する横で、タバサは無造作に才人の体を地面に降ろした。
「仕事は終わった」
タバサは抑揚のこもらない声色でそう告げた。
ダミアンの実力は烈風カリンの全盛期と同等くらい。
元素の兄弟の中でも特にダミアンは独自設定の割合が強いですが、本来ならこれくらいの実力はあって然るべきだろうと。
スクエニ風に言えばリミットカット強化版といった感じです。