やはり転生オリ主の青春ラブコメもまちがっている。(リメイク) 作:ヒラメもち
書いた時期的に本編から作風ががらっと変わると思います。
文化祭1: 自分勝手
進学校によっては、3年に1回だったり、百周年記念だったり、文化祭や学園祭に対して消極的な場合がある。何かと多忙な学校側が意図的に避けているだとか、過去に問題があったとか、理由は様々だろう。まあ、今は他校のことは置いておこう。
ともかく、ここ総武高では、毎年文化祭が開催される。
「そうだ! 今日の放課後までに文化祭実行委員会を決めなきゃならん!」
朝から耳に響く、そんな熱血担任の声に、クラスメイトの多くがお互いに顔を見合わせ始める。
ていうか、今日から委員会あるのかよ。
さて、各クラス男女1名以上という指示なのだが、その計2名すら選出されないのはよくあることだろう。理由は簡潔に言うならば『めんどくさい』。男女1名ずつなんて指示なのだから、先にどちらか1名が決まるのを待っていることもある。
「1時間目が体育だから、俺はここで抜ける! 委員長、後は頼んだ!」
完全に出ていったことを見計らったクラスメイト全員が同時に溜息をつく。この数ヶ月で憤りを通り越して、すでに呆れに変わっているのである。
「……じゃあ、さっさと決めるか。」
うちの委員長は発言力がある。言い方を変えれば、トップカーストとも言うだろうか。
まず彼の言う通りに多くの人が免除される。
条件は運動部及び、吹奏楽部や美術部に所属することだ。
つまり残ったのは、帰宅部、文化部やマネージャーである。
その後、最終決定は残ったメンバーのみに委ねられた。
じゃんけんといった手段を誰もが避けて、女子側では議論が始まったのだ。早くも徒党を組み、『吊るし上げ』の作戦を企てる。しかも貼りつけたような笑顔で『押し引き』を使うのだから、男子が逃げたいくらいのギスギスだ。
まあ、結論はわかっている。
味方のいない状況という、彼女を孤立させることは何度も見させられたからだ。
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早速、放課後から各クラス2名以上が会議室に集められた。
特に女子が多いことは察してほしい。
「文化祭実行委員をはじめまーす。」
ほんわかした笑顔で生徒会長がそう告げる。
無理やり参加させられて意欲がない男子の数人にやる気が芽生えた。
「それじゃあ、実行委員長の選出移りましょう。誰か立候補いますかー?」
意欲的に参加した人も、さすがに実行委員長は避けるらしい。
俺たち1年生からすれば、2年生に任せたい気持ちもある。
「あの……雪ノ下さん、だよね?」
「はい。」
確か国際教養科2年で、成績トップの人か。
大人びた雰囲気を持っていて、優等生という言葉が最も当てはまるだろう。
「やっぱりー、はるさんの妹さんなんだね。」
たぶんOBの人なのだろう。
「ねぇ、雪ノ下さんならできると思うけど。どうだろ?」
「実行委員として善処します。」
真面目な断り方である。
人選としては間違っていないのだろうが、本人がやらないという意思を示した。
「そっか……」
「あのー、……みんなやりたがらないなら、うちやってもいいんですけど。」
「ほんと? えっとー?」
「2年F組の相模です。」
もしかして、クラスメイトの相模の姉だろうか。
よく愚痴を聞くとだけ言っておく。
「あんまり、前に出るの得意じゃないんですけど。こういうのちょっと興味あったし。うちもこの文化祭を通して、成長したいって言うか。」
胡散臭い。
ていうか、あざとさが足りない。
隣の一色さんはというと、5本指をちょっとだけ合わせて『頼りになるー』って顔をしている。本心は、自分から立候補してくれる人がいてラッキーってところだろう。
「いいと思うよー。他に立候補がないなら、相模さんでいいかな?」
生徒会長への返答、相模先輩への信任を籠めて、全員で拍手を返す。
その後は、各部署のふりわけや、今後の活動日程の確認をしていく。
生徒会のサポートを受けつつ、慣れないながらも今日のところは無事に終わらせたようだ。
多くの人がさっさと帰っていく。
俺たちもその波に乗って自転車置き場までたどり着いた。
「サッカー部は?」
「葉山先輩に、行かないってもう言っちゃったんですよねー。」
「そうか。」
すでに夕暮れ時、ここから冬にかけて日の入り時間も早まっていくのだろう。
「文化祭が終わるまで、あまり行けなさそうだよな。」
「そうですねー」
そこで会話が途切れる。
家の近いクラスメイトが一緒に帰っているのだけであるし、まあ、こういう静寂も悪くはない。
「……えっと」
「ん?」
「一緒にがんばりましょうね♪」
「まあ、同じ部署になれてよかったよな。」
あくまで、俺が勝手にやっていることだ。
だから、謝罪よりもその言葉の方が嬉しい。