ポケットモンスターLets Go ピチュー 作:エグゼクティブ
ピチュー。
誰もが一度は触ってみたい、撫でてみたいと夢みる超有名ポケモン兼アイドルことピカチュウの陰に埋もれつつあるベイビィポケモン。
HP20
攻撃40
防御15
特攻35
特防35
素早さ60
流石ベイビィポケモン。その種族値は馬鹿にできない。『でんきだま』なる特別なアイテムを装備したところでピチューにもたらされる恩恵などありはしない。
防御15。
防御15
いや、紙か、紙なのか。ベイビィポケモンだし、仕方ないとは言え、紙なのか。
地面タイプの技でなくとも確定1発でやられる姿が容易に想像できる。
「どげんかせんといかん」
さらに驚くべきはレベルで覚える技。
生まれたときから備わっている『でんきしょっく』や『あまえる』を基本とし、覚える技は極々わずか。
しっぽをふる
天使のキッス
わるだくみ
でんじは
たった4つ…これだけである。
レベル18で生涯覚える全ての技をマスターしてしまう天才っぷりに、ただただ尊敬する。
しかしながら、たまご技に関しては『ボルテッカー』を筆頭に使える技が多々ある。無論、わざマシンは使用可能で覚えられる技もある。
誰かが言った『ピカチュウにしないの?』と。言いたいことはよくわかる。確かに種族値やら持ち物やら、いろいろ考慮したら間違いなくピカチュウの方がいい。もはや考慮する必要なんてないくらいピカチュウの方がいい。ピカチュウかライチュウならば迷うところもあるが、ピチューの種族値は折り紙つきである。だがそれでもピチューを使いたいと思うトレーナー。
その心理ーーーすなわち、愛である。
愛情故にピチューから進化させたくない。ピカチュウでもなくてライチュウでもない。ピチューがいいのだ。ピカチュウもライチュウ可愛いが、やはりピチューがいい。
だがしかし、ポケモンバトルに負けたい訳でもない。マゾじゃない。むしろ勝ちたい。泥臭くてもインチキだと言われようが、勝ちたかった。
「よっしゃ、俺と一緒にわるだくみすっか」
トキワシティの外れの原っぱに、今日も異常な威力の雷が落ちる。
その光景をトキワシティから見ていたジュンサーが足を止め、頭を抱えて盛大な溜め息を吐く。
やがて怒りの眼差しでサイレンを鳴らして雷が落ちた方向へと去っていった。
これはトキワシティの問題児とピチューのポケモンマスターを目指す旅。
時はトキワシティの問題児ことユウタとピチューの出会いまで遡る。