ブリタニア帝国記 If編   作:ADONIS+

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エピローグ(シドゥリ暦2082年)

 あれから50年がたった。惑星出雲に進出した日本は、開拓景気によって繁栄していた。

 

 膨大な資源は日本の産業を活気づけ、膨大な土地は日本の食料生産能力を飛躍的に向上させて、かつての食糧自給率40%という国家として不健全極まりない状況もこれで一気に解消された。日本はバブル崩壊からずっと政治的にも経済的にも停滞していたが故に、これまでの鬱憤を晴らすかのように、その発展の勢いは爆発的なまでに大きかった。

 

 こうした繁栄の結果東京ではあまりにも不便であるが為に、出雲に遷都されることになる。これは東京が地震のリスクが大きかったというものあるが、日本人が日本列島そのものに嫌気がさしていた事が大きかった。まあ、土地は狭いし資源もない地震や津波が多発から、それも当然であった。

 しかし、こうなると各国の大使館が問題となった。実は出雲には日本人以外は立ち入れないので、出雲に存在している首都に大使館を設置できないという事態に直面してしまう。

 

 紆余曲折の結果、東京の大使館は領事館になり、日本には領事館はあっても大使館はないという異常な状態となってしまう。

 日本政府はこのような状況を是とした理由は、やはり地球各国との外交がこじれていたからだろう。

 

 日本だけがブリタニア帝国からテコ入れされて繁栄していれば、嫉妬や妬みを受けるのは当然であり、そうした孤立は仕方がないことであった。とはいえ地球各国が日本に露骨に圧力を掛けなかったのは、ブリタニア帝国を恐れたためだ。

 

 シドゥリの異様なまでに親日ぶりは地球に知れ渡っていたし、日本もそれを外交に利用していた。ぶっちゃけると虎の威を借る狐であったが、元々日本は国防をアメリカに依存して、アメリカの核の傘の元で守られていた状態が長く続いた過去があっただけに、頼る相手がアメリカからブリタニアに変わっただけとも言えた。

 しかし、各国の民衆には反日感情が存在しており、それを敏感に感じていた日本人にしても出雲を手に入れて最早地球と縁を切ってもやっていける状態になっていたので、地球各国との外交を重視しなくなった。

 

 この状況が続く内に、第三次世界大戦が勃発して地球各地が壊滅的被害を受けると、日本は地球そのものに見切りをつけつけてゲートを封鎖することにした。

 一方、地球では食糧危機から端を発した第三次世界大戦によって、壊滅的打撃を受けた。なまじ膨大な核兵器を有していただけに、その痛手は相当なものであり、中立であったために直接攻撃を受けていない日本列島にも放射能が降り注ぐほどであった。

 

 その為、日本政府は過疎地帯となっていた日本列島からの完全撤退を決定して、出雲に引きこもることになった。

 その後、秩序が崩壊した地球では各地で内戦が続き、地球統一政府樹立により平和が訪れるまで一世紀近い時間が必要になった。

 

 そして地球統一政府の時代には、ブリタニアも日本も一世紀前に姿を消した過去の産物として歴史に記されるだけの存在となっていた。




あとがき

 ゲート・オブ・ブリタニアはこれにて完結です。この話はIFルートであり、『ブリタニア帝国記』や『トリッパー列伝』などと直接関係がありません。あくまで可能性の世界の話です。ゲート日本は、ブリタニアと細々と長く付き合うことになります。といってもブリタニアから少数の観光客が来る程度なので、交流は極めて限られていますが。
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