駅に向かう途中、当たりをつけて入り込んだビルとビルの間で、突然、周囲の空間が変容を始めた。
「ビルが…」
「なっ、なんだこれ?」
ビルが輪郭を失い、道が前後に引き伸ばされ、壁と扉が無秩序に作り出される。正体不明の物体が姿を現し、薄暗かった路地は完全に異界と成り果てた。
「そういえば、一巡目の
「マジ?てことはやばいんじゃないの」
「とりあえず、これが何なのか調べないと」
そばに落ちていた異形の人形を拾い上げる。よく見るとそこかしこに似たような人形が落ちている。
「とっトモ、なんか出た、なんか出たよっ」
操緒が声を上げる。振り向いて操緒の方を見ると、
「
「ね、ねえ、あれほんとに
操緒の言うとおり、
「なんか、やばくない?」
気が付くと数体だったはずの
「とりあえず逃げるぞ、操緒っ」
ペルセフォネに飛び乗ると同時に、
「トモっ、あっちになんか大きいのがいるっ」
「なんだって?」
ペルセフォネの首にしがみつきながら操緒の方を向く。周囲には抽象芸術の作品のような壁や扉があるばかりで、操緒の言う大きいのは存在の使用がなかった。
「こっちだよ、ついてきて」
「おい、操緒?」
「キュイっ」
急に一つの扉を抜けて行った操緒を、ペルセフォネが追う。扉を抜けた途端に、周囲の風景が変わった。大量のカンテラが浮いている中を、操緒が何かに引かれるように進んでいく。不思議なことに
「ん、ここ。この中にいるよ」
操緒が扉の一つを指さす。一つだけほかの扉と違う点があるとすれば、ネームプレートがかかっている事だろうか。象形文字にも似た何かが、そこには書かれていた。
今度は誤字もないと思う。ないよな…?