繰り返す世界の狭間で 不定期連載   作:Raw

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あらすじの「智春」が「智治」になっていたのと、EX001の「操緒」がすべて「操」だったのを修正しました。


EX002 遭遇

 

 駅に向かう途中、当たりをつけて入り込んだビルとビルの間で、突然、周囲の空間が変容を始めた。

 

「ビルが…」

「なっ、なんだこれ?」

 

 ビルが輪郭を失い、道が前後に引き伸ばされ、壁と扉が無秩序に作り出される。正体不明の物体が姿を現し、薄暗かった路地は完全に異界と成り果てた。

 

「そういえば、一巡目のはぐれ眷属(ロスト・チャイルド)がこんな感じだったな」

「マジ?てことはやばいんじゃないの」

「とりあえず、これが何なのか調べないと」

 

 そばに落ちていた異形の人形を拾い上げる。よく見るとそこかしこに似たような人形が落ちている。

 

「とっトモ、なんか出た、なんか出たよっ」

 

 操緒が声を上げる。振り向いて操緒の方を見ると、かぼちゃ細工(ジャック・オー・ランタン)の頭に三角帽を載せた小人が数体、近づいてくるのが見えた。

 

殺人人形(ヴィジェット)?なんでこんなところに…」

「ね、ねえ、あれほんとに殺人人形(ヴィジェット)なの?なんかすごい違和感があるんだけど」

 

 操緒の言うとおり、殺人人形(ヴィジェット)にしては動きがカクカクしている。真日和の殺人人形(ヴィジェット)はもっとこう軽快な動きのはずだ。後もっと顔が白い。

 

「なんか、やばくない?」

 

 気が付くと数体だったはずの殺人人形(ヴィジェット)もどきの数が数十体にまで膨れ上がっていた。その目に秘められた殺意に反応したのか、ペルセフォネが虚空から姿を現す。

 

「とりあえず逃げるぞ、操緒っ」

 

 ペルセフォネに飛び乗ると同時に、殺人人形(ヴィジェット)もどき達が一斉に飛びかかってきた。包囲の一角をペルセフォネの吐き出した炎が焼き尽し、そうしてできた隙間に飛び込む。後から後から湧いてくる殺人人形(ヴィジェット)もどきを躱しながら迷路のような異空間を駆け抜けるが、一向に端が見えない。

 

「トモっ、あっちになんか大きいのがいるっ」

「なんだって?」

 

 ペルセフォネの首にしがみつきながら操緒の方を向く。周囲には抽象芸術の作品のような壁や扉があるばかりで、操緒の言う大きいのは存在の使用がなかった。

 

「こっちだよ、ついてきて」

「おい、操緒?」

「キュイっ」

 

 急に一つの扉を抜けて行った操緒を、ペルセフォネが追う。扉を抜けた途端に、周囲の風景が変わった。大量のカンテラが浮いている中を、操緒が何かに引かれるように進んでいく。不思議なことに殺人人形(ヴィジェット)もどきは出てこない。

 

「ん、ここ。この中にいるよ」

 

 操緒が扉の一つを指さす。一つだけほかの扉と違う点があるとすれば、ネームプレートがかかっている事だろうか。象形文字にも似た何かが、そこには書かれていた。

 




今度は誤字もないと思う。ないよな…?
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