このおかしな仲間に祝福を!   作:俊海

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このおかしな仲間に祝福を! 2章
この素晴らしいトレードに祝福を!


「……なんつった?」

 

「何度だって言ってやるよ。上級職が揃ったパーティで、なんでお前だけ最弱職なんだよ。この間のゾンビメーカーのクエストを失敗したのだって、大方お前が足引っ張ってたからなんだろ? なあ、最弱職さんよ?」

 

 

 言って、同じテーブルにいた他の仲間と笑い合う戦士風の男。

 ……なるほど、ようやく表立って出てきたってわけか。

 このパーティで俺だけ浮いているという、どうしようもない問題が。

 

 実際、相手の言う事は一理どころか万理ある。

 この間のベルディア討伐の際も、冒険者カードではアクアが倒したという記載がされており、何処にも俺がどうこうしたと証明できるものがないのだ。

 正直、俺があの時にしたことなんて、仲間が上手く戦えるように誘導しただけで、俺自身が表立って何かしていたわけでもない。

 だというのに、何もしていないように見える俺がベルディア討伐の報酬を受け取っていることに、妬みや恨みなどがたまっていたのだろう。

 軋轢を生みださないためにも、あの晩では冒険者たちに宴会費用を奢ったりもしたが、人間というのはされた恩などすぐに忘れてしまう生き物だ。そのあたりはしょうがないと割り切れる。

 

 それに、確かに俺は冒険者という最弱の職に就いている。

 今の俺に、言い返すことなど何もなかった。

 

 だが、無言で耐えている俺を、その男は俺がビビッて何も言えないでいると受け取ったらしい。

 

 

「おいおい、何とか言い返せよ最弱職さん。あまりにも無能すぎて言葉も忘れちまったのか? ったく、アクアを筆頭に、いい女ばっか引き連れてハーレム気取りか? どいつもこいつもいい女で、しかも全員上級職ときてやがる。毎日、このお姉ちゃん達相手におんぶにだっこで甘い汁をすすらせてもらってるたぁ、最高に自堕落な生活だなぁおい! お前みたいなヒモ野郎でもこんな良い目が見れるってんだから、世の中ってのは本当に不公平だよな!」

 

 

 そしてギルド内に巻き起こる爆笑。

 俺は思わず、両手を自分の目元に添えた。

 別に泣いているわけではない。

 ここからどうやってパーティ加入(・・・・・・)に持ち込もうかと考えているだけだ。

 

 こいつを適当にあしらって、はいはいそうですかと受け流すのは簡単だ。

 だが、そうしたところで、このやっかみが無くなるわけでもないし、むしろ、『自分が楽したいからって、上級職のパーティに居座り続けるとは、どこまで恥知らずな奴なんだ』みたいに思われかねないのだ。

 

 手っ取り早く解決するには、この酔っ払いを一時的にでもいいから俺達のパーティに加えてクエストをこなせばいいだけだが、それをこちらから提案することはできない。 

 こちらから折れたら、それはそれで『強者に文句を言われたら簡単に媚び諂う情けない男』とみられるかもだし。

 それだけならまだいいが、それに倣ってろくでもない奴が楽をするために、アクア達を利用しだす可能性が生まれてしまう。

 俺の大切なパーティメンバーを、そんなことに使われてたまるかっての。

 

 …………それら以上に、俺の頭を悩ませている原因があるんだが。

 

 

「「「「…………」」」」

 

 

 おいどうすんだよ。あいつらの殺気、滅茶苦茶やばいんだけど。

 思えば、ウザかったとはいえ自分なりの正義感で動いていたカツラギに対してでさえ、あいつらはかなりお怒りだった。

 それほどまでに、こいつらは非常に仲間想いな奴らという訳だ。

 

 だが、どうする?

 この状態で、こいつを仲間に入れたとして、こいつらは真面に戦えるのだろうか。

 ……無理臭いな。むしろ、この酔っ払いを無事に帰せるかどうかの方が怪しいくらいだ。

 どうにかして、穏便に事を収められないものか。

 それでもなんとかこの酔っ払いのためにも、無難な方法を模索していた俺だったが、男の最後の一言に天啓を得た。

 

 

「上級職におんぶに抱っこで楽しやがって。苦労知らずで羨ましいぜ! おい、俺と代わってくれよ兄ちゃんよ?」

 

「………………!」

 

 

 これだ!

 俺はこっそりと目薬を注し、泣いているかのように振る舞う。

 あふれ出る涙はそのままに、酔っ払いの目の前まで歩いていき、俺はその男の肩を叩いて、

 

 

「そうか…………、苦労してたんだな、お前も…………っ! いいぞ、代わってやるよ!」

 

 

 涙まじりの俺の言葉に、冒険者ギルドの中が静まり返る。

 

 

「……えっ?」

 

 

 俺に絡んでいた戦士風の男が、思わずマヌケな声を出した。

 

 

「代わってやるって言ったんだ。分かる、分かるぞ。自分の仲間がこんななのに、なんであいつが楽をしているのかって妬む気持ち、非常にわかる!」

 

「カ……、カズマ?」

 

 

 さっきまで男を睨みつけていたアクアがおろおろし、感極まった俺におずおずと声を掛ける。

 そして、いきなり涙を流す俺に若干引きながらも男が口を開いた。

 

 

「お、おい、どうして泣いてんだよ? その、俺、酔ってた勢いで言いすぎたかもしれんが、泣くほどじゃないと思うんだが……」

 

「安心しろ。これは悲しくて泣いているわけじゃない。お前に同情しているだけだ」

 

「…………へ?」

 

「辛かっただろう。自分は頑張っているのに、周りの仲間のせいで評価を落とされたり、仲間が暴走して報酬を天引きされたり、そんな理不尽を味わってきただなんて、お前はよく頑張った!」

 

「はぁ!?」

 

 

 皆まで言うな。俺がどれだけ恵まれているのかは自覚している。

 それは、数日前にウィズの店に行ったときに、大いに体感したから理解できる。

 きっと、この男も似たような境遇なのだろう。

 だって、少し食い違っただけで、俺の仲間たちがあんなに残念になってるんだ。他の所がそうではないとは限らない。

 むしろ、俺のところだからあの程度で済んでいたのかもしれないし、普通の所ならもっとひどい目に合っているのかもしれない。

 いや、そうに決まっている。

 そうでないと、困るのだ。

 

 

「――いいから俺に話を合わせろ。お前も楽して稼ぎたいんだろ?」

 

「…………え?」

 

 

 こそりと小声で男に耳打ちする。

 おい、そこで疑問符を出すな。

 察しろよ。いやマジで。

 俺は必死に人命救助をしてるんだぞ。

 

 

「ああ、きっとお前はあまりにも仲間に困っていて、順調に行きすぎている俺達が羨ましくなったんだろう! だから、俺に対してそれほどまでに攻撃的になってたんじゃないか? だったら仕方ない。お前が俺に罵詈雑言を投げかけたのも無理からぬことだったんだ!」

 

「「「「……あー、なるほど」」」」

 

 

 俺の後ろで俺のパーティメンバーの四人が、それぞれ納得したかのように小さな声で呟いた。

 何とか殺気は収めてくれたようだ。

 こいつがたった今俺に対して罵倒しまくっていたのは、あまりにも自分の境遇が悪いものだったから。

 そういう風な流れにすれば、元々は優しい四人のことだ、怒りよりも同情の方が先に来る。

 実際アクア達はその不遇なところから来た男の世話を三日間していたのだから、その気持ちは理解してくれるだろう。

 

 ようやく、自分が何をされそうになっていたのか理解できた戦士風の男は、酔いも冷めた様子で話を合わせてきた。

 

 

「……そ、その……。ご、ごめん……俺もストレスが溜まってたせいで言い過ぎた……。悪かったよ……マジで。でも、その、代わってくれるって言ったな? なら、一日。一日だけ代わってくれよ冒険者さんよ? おい、お前らもいいか!?」

 

 

 言って、その男は自分のテーブルの仲間にも確認を取る。

 

 

「お、俺は構わないけどよ……。今日のクエストはゴブリン狩りだから、そこまで切羽詰まってねえし」

 

「私もいいよ? でもダスト。あんた、そっちの方が楽だからもうこっちのパーティに帰ってこないとか言い出さないでよ?」

 

「俺も構わんぞ。ひよっ子一人増えたってゴブリンぐらいどうにでもなる。その代わり、そっちのパーティでの面白い話、期待してるぞ?」

 

 

 絡んできた男と同じテーブルに居た、酔っ払い――ダストの仲間達は口々に言った。

 

 

「じゃあカズマ。今日は私達が、この人の手助けをすればいいってことかしら?」

 

「そういうことだ。頼んだぞアクア。俺の名はカズマ。今日一日って話だが、どうぞよろしく!」

 

「「「は、はあ……」」」

 

 

 ダストの三人の仲間は、若干戸惑い気味の返事を返した。

 

 

 

 

 

―――………

 

 

 

 

 

 同じ戦士系統の職業ではあるが、ダクネスとは違い重厚そうな鎧と盾を装備している男が、俺の事を品定めするかのように眺めながら言った。

 

 

「俺はテイラー。御覧の通りクルセイダーだ。このパーティのリーダーみたいなもんさ。こちらのダストが言い出したこととはいえ、今日一日はお前も俺達のパーティメンバーだ。俺の言う事にはしっかり従ってもらうぞ」

 

「そんなの当然さ。普段は俺が指示出してばっかりだから、楽が出来ていい。むしろよろしくお願いするわ」

 

 

 その俺の言葉にテイラーは驚いたの、軽く目を見開いた。

 

 

「何? じゃあカズマは、あの上級職ばかりのパーティの中でリーダーをやってるってことか?」

 

「一応はそういうことになんのかね? なんか流れで決まってた感じではあるけどな」

 

 

 そんな俺の言葉に、三人纏めて絶句した。

 続いて、青いマントを羽織ってはいるものの、どこか今風な感じの服を身に纏った女の子が笑顔を浮かべて自己紹介してくる。

 

 

「私はリーン。見ての通りのウィザードよ。魔法は中級属性魔法までは使えるわ。まあよろしくね、そっちのアークウィザードほどじゃないけれど、ゴブリンくらいなら楽勝よ。困ったときはあたしを頼りにしてね、後輩君!」

 

 

 多分俺の方が年上だと思うけれど、経歴の長さで言えば間違いなく俺はこの子よりも後輩になる。

 年下の女の子に後輩扱いされるのは、なんか照れ臭い。

 でも、なんだろう、なんか良い。

 

 

「俺はキース。アーチャーだ。狙撃には自信がある。ま、よろしく頼むぜ?」

 

 

 言いながら軽いノリで笑いかける男。

 ……ああ、久しぶりに同性相手と会話ができる。

 それがなんとも新鮮な気分になってきた。

 

 

「じゃあ、改めてよろしく。俺はカズマ。職業は冒険者。武器は短剣と弓矢が使えるけど、狙撃の方が得意だ。皆の力になれるように、今日一日頑張るよ」

 

 

 俺の言葉に三人が吹き出した。

 

 

「いや、そんなに気負わなくてもいい。……そうだな、カズマは荷物持ちでもやってくれ。ゴブリン討伐くらい三人でもどうとでもなる。心配するな、ちゃんとクエスト報酬は四等分してやるよ」

 

 

 テイラーがちょっとからかう様に言ってくるが、そういう訳にはいかない。

 いくら臨時のメンバーとは言え、そこで手を抜くようでは今後の俺の評価に差し障る。

 そもそも、ダストのためを思ってのものとは言え、こいつらを扱き下ろすような発言をした俺に対して、これほど温かく迎え入れてくれた奴らに任せっきりと言うのも据わりが悪い。

 邪魔にならない範囲で、皆のフォローをするとしよう。

 

 そう決意した時、クエストが張り出してある掲示板の方から聞き慣れた声がした。

 

 

「さあ、クエストを選んでください。どんなクエストでも我々は文句を言いませんし、貴方の指示通りに行動しますよ。高難易度だろうが、無難なところだろうが、お好きなようにどうぞ。基本的に我々は自己判断で行動しますが、何かしてほしい場合は我々に聞こえるように、しっかり口で命令してください。ただし、報酬は五等分、各々の装備の損害は自己負担ですが、貴方をリーダーとして扱う以上、貴方の指示通りに動いた上で、それにより我々に損害があった場合、その責任は必ず取ってくださいね。あ、その証明に、こちらにサインの方をお願いします」

 

 

 ダストに、めぐみんが念書を書かせているらしい。

 言っている内容は何ら問題はなさそうだ。というか、俺がいつもやってることだし。

 男は、軽く念書を読むと、へらへら笑いながらサインした。

 

 

「ま、アークプリーストにアークウィザードにクルセイダー。これだけ揃ってればどんな所でも問題ねえよ。それに今回は無難なところにいくから、心配すんな」

 

 

 今回はって、次も組むつもりなのだろうか。

 流石にそれは俺も考えるぞ。寄生されたらいやだし。

 そんな向こうの様子をちょっと気にしながら、テイラーが立ち上がった。

 

 

「本来冬のこんな時期にクエストは請けないんだが、ゴブリンの討伐は美味しいからな。今から出れば深夜には帰れるだろう。それじゃ新入り、早速行こうか」

 

 

 

 

 

 

 

―――………

 

 

 

 

 

 

 

 

「しっかし、なんで冬前だって言うのにこんな辺鄙な所に住み着くかな。まあ、おかげでゴブリン討伐っていう美味しい仕事が請けられたわけだけどさ!」

 

 

 ゴブリン一匹で二万エリス。

 この間、流れでゴブリンを討伐することになったから、その美味しさは分かる。

 武器を持ってはいるが、遠距離から焦らず騒がず『狙撃』で撃ち抜いて行けば簡単に討伐できるモンスターだ。

 キースがアーチャーらしいから、その効率も倍。本当に楽になりそうだ。

 

 

「それにしてもカズマ、その弓結構高そうじゃねえか。この間の討伐報酬で買ったのかよ?」

 

「ああ。やっぱり装備品には金をかけないとな。命は金で買えないんだ」

 

 

 そのキースが俺の弓に気づいたようで、からかい気味に話しかけてくる。

 

 

「お前の持ってる鞄もやたらと大きいし、そん中に何が入ってんだ?」

 

「色々だよ。備えあれば患いなしって言うだろ。何があっても良いように、役に立ちそうなものをしこたま買いあさって準備してんだよ」

 

「そんな大金があるなら、もっと自分の趣味に金をかけようとか思わねえのか? 酒とか女とか、買いたい放題じゃねえか。戦闘なんて、カズマのパーティだったら他の奴に任せとけばいいんだしさ」

 

「ちょっとキース、さすがに失礼だよ!」

 

 

 キースの言葉にリーンが叱りつけるが、あんまり気にならない。

 実際、俺が何かしなくとも、あいつらだけで何とかなりそうだし。

 

 

「ああ、いいんだリーン、自覚はあるから。……まあなんだ、俺にも最低限出来ることは何でもしておきたいんだよ。他の奴には些細に見えることかもだけど、それで手助けになるかもしれないしな」

 

 

 前の世界でよく出会った妖怪がいる。

 その名も『妖怪一足りない』。

 こいつ、本当にどこでも湧いてくるから始末に負えないんだよなぁ。

 

 

「ほら、カズマはあんた達と違って計画性があるのよ! キースもカズマを見習って……」

 

「……待てリーン。何か山道をこっちに向かって来てる。敵感知に引っかかった。でも、一体だけだな。一体だけなら強いモンスターの可能性がある。そこに茂みもあるし、潜伏スキルも持ってるから隠れるか?」

 

 

 リーンがキースにお説教をし始めると、ふと気付いた。

 敵感知スキルに反応がある。しかし反応は一体だけっぽい。

 ゴブリンは群れで行動するはずだ。

 ……だとするとこいつ、一撃熊みたいにヤバイモンスターなのでは?

 俺の言葉に三人が驚いた様に振り向いた。

 

 

「……カズマ、お前敵感知なんてスキル持ってるのか? というか、潜伏スキルまで? ……いや、驚くのは後だ。ひとまずここはカズマの言葉に甘えて隠れよう」

 

 

 皆、俺の提案に従って、茂みに隠れる。

 ……ダクネスが居たら、間違いなく一人で突貫していただろうな。

 いや、でも罰ゲームをちらつかせれば聞いてくれるか?

 そんなとりとめもないことを考えていたら、ソレは来た。

 

 

 トラやライオンを巨大化させた様な風貌の黒い獣。

 確か、初心者殺しとか言われているモンスターだったか。

 ゴブリンやコボルトと言った、駆け出し冒険者にとって美味しい部類の弱いモンスターの傍をウロウロして、弱い冒険者を狩る、狡猾で危険度の高いモンスターだったはず。

 見つかると厄介だ。どうか気づいてくれませんように……!

 

 初心者殺しが、さっきまで居た山道の地面をクンクンと嗅いでいる。

 リーンがその姿を見て、慌てて自分の口元を押さえた。

 悲鳴でも上げそうになったのかも知れない。

 潜伏スキルを発動中の俺に触れる三人の手に、緊張の為か力が入る。

 

 初心者殺しは神経質に辺りを嗅ぐと、やがて俺達が登ってきた、街へと向かう道へ消えていった。

 

 

「……ここここ、怖かったあああっ! 初心者殺し! 初心者殺しだよっ!」

 

「じ、寿命が縮むかと思った……。危なかった……。あれだ、こんな時期に、ゴブリンが街に近い山道に引っ越してきたのは、初心者殺しが誘導したからだぜ」

 

「あ、ああ……。しかし、これは面倒なことになった。よりによって俺達の帰り道の方に向かって行ったぞ。これじゃ今すぐ逃げ帰ったら、さっきの奴と感動の再会を果たすことになるな」

 

 

 この三人が、そこまで焦っているところ見ると、本当にやばいモンスターだったらしい。

 さっきまでダクネスが居たら面倒になりそうだと思っていたが、今ここに至っては連れてこれなかったことが非常に悔やまれる。

 だが、そんな泣き言は言ってられない。今できる範囲で最善の行動をするだけだ。

 

 

「とりあえず、ゴブリン討伐は済ませよう。初心者殺しは、釣りの餌になるゴブリンを守る習性がある。さっさとゴブリン倒してその場を離脱すれば、俺達を通り過ぎてそちらに向かうかもしれない。近づいてくればカズマの敵感知で分かるだろうし、いつまでもこんなところで待ちぼうけをするのも無駄に過ぎる。目標を討伐して即座に帰還しよう」

 

 

 テイラーの提案に俺達は茂みから出る。

 と、リーンが俺の背負っていた荷物の一部を手に取ると、

 

 

「もし初心者殺しに会ったら、皆で逃げる時、カズマも身軽な方がいいからね。あたしも持つよ。そ、その代わり、カズマの潜伏と敵感知、頼りにしてるよ?」

 

 

 自分の分の荷物を持ちながら、おどおどと言ってきた。

 別にこれくらいの荷物を背負うくらい、めぐみんを背負いながら戦うこともあるし平気なんだけどな。

 だが、そのリーンの言葉にテイラーとキースも俺の背中から荷物を取り、

 

 

「「べ、別に、俺達はカズマを頼りきってる訳じゃないからな?」」

 

 

 何でそこでツンデレになるんだ。

 どうせならリーンにやってもらいたい所存である。


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