・紗夜「バンドリの小説…作者さんが始めた時は70もなかったのに今では800以上あると聞きました…凄いですね」
・リサ「元々読み専だったけど同時期の作家さん見てからひまりの小説やアタシらの小説書くようになったんだってね。そしたらいつの間にかこんなに…」
・燐子「…そろそろ…タイトルコール…です」
・紗夜「あら?そうね、では、Episode03になります、どうぞ」
紗夜side
〜氷川家 紗夜の部屋〜
「おねぇちゃあ〜〜んっ!リサちーから聞いたよ!今日はRoseliaの練習ないんでしょ!?すっごく晴れてるしるんっ♪ってなるからあたしと一緒にどこか遊び行こーよー!ねーえー!」
「んぐぐ…離しなさい日菜!」
羽沢さんの家へ向かおうとする私の足に日菜がしがみつき必死に引き留めようとする。が、私はなんとかして部屋を出ようとする。
「今日は羽沢さん家に行かなきゃ行けないって前から言っていたじゃない」
「えー!じゃああたしも連れてってー!」
「ダメよ!それよりも日菜、パスパレは練習無いの?」
「千聖ちゃんがドラマの撮影だし彩ちゃんはバイト、麻弥ちゃんはクイズ番組の特番だし、あたしは次のライブまで練習しなくてももう覚えたからいいかなーって」
笑いながら日菜はそう言うけどこの子のそういうことを平気で言ってるのが直らないのかしら…まぁ、直る見込みも余地も無いに等しいのだけど。
「またあなたはそんな…」
私は日菜の手を振りほどく。
「とにかく!私は忙しいのよ、遊びに行くなら他の誰かを誘って行きなさい!」
私はそう言って部屋を出ていき、羽沢さんの家へ向かった。
日菜side
「ぶーぶー…残念だぁ…しょんぼりだぁ…」
あたしは自分の部屋に戻ってベッドにダイブする。
「前みたいに突き放したり厳しくなってないからいいけど…あたしにもかまって欲しいのー!」
枕を抱きしめてゴロゴロとベッドを転がり回る。和都くんとデートしてイチャイチャしたりするのが多くなって来てるのが羨ましい…あんな風に笑ったり表情を変えるおねーちゃんを間近で見れるの羨ましー!和都くんずるーい!
「…まぁこうしてても仕方ないし、彩ちゃんのバイト先に遊びに行こーっと!」
あたしはベッドから起き上がってカバンを持って部屋を出て行った。
紗夜side
「後ろから日菜が着いてきて…ないわね」
時折後ろを振り返りながら羽沢珈琲店の前まで来た私は日菜がストーキングして来てないかを確認する。RoseliaのLIVEの時に変装までして来るくらいだから警戒はしていたけど…
「まぁ、大丈夫よね…日菜は何度言っても分からない子じゃないのは分かってるし」
私はほっと胸をなで下ろし、羽沢さんと滝川さんが待つ店の中へ入る。
「紗夜さん!おはようございます!」
「あ、紗夜さん来てくれたんですね」
そこにはせっせと準備をする羽沢さんと滝川さん以外にも今日のお菓子作り教室の参加者が沢山いた。こんなにいるなんて思わなかったわ…
「今日はよろしくお願いします」
「そ、そんなに畏まらなくても大丈夫ですよぉ〜。ね、雄天くん?」
「そうですよ紗夜さん」
滝川さんは眼鏡を掛けて髪をヘアピンで留める。
「折角参加してくれたんですから気難しく行かずに楽しくやりましょう。それに…」
滝川さんは私にしか聞こえないような声で囁く。
「クッキー、和都の為に覚えたいんじゃないんですか?」
「っ!?/////」
私は滝川さんの言葉に思わず後退りする。私は息を整え滝川さんに詰め寄り小声で問いかける。
「和都から聞いたんですかっ!?」
「いや聞いてませんよ…それ以前に2人が付き合ってることを和都と同じクラスの僕が知らないとでも思ってる方が逆にすごいと思いますけどね…」
「う、うぅ…」
「大丈夫ですよ、その辺ちゃんとサポートしますから。ね?」
「……それを破ったら1ヶ月和都と私にポテト奢りですからね」
「わ、わかりました…」
滝川さんが約束を破るような人ではないことは日菜から聞いてますし分かってはいるけど一応保険をかけておかなければ。…そろそろ話を戻しましょう。
「羽沢さん、今回のお菓子作りにアイシングクッキーとありましたがどのようなものなんです?」
「えっと、アイシングって言うのは普通のクッキーに砂糖や卵白を使って着色したりデコレーションすることです!ですからやることは、普通のクッキーを焼いて、デコレーションするだけなので難しくありませんよ」
「上手くできればいいのだけれど…」
「そんなに心配しないで平気ですっ!」
私が不安になっていると羽沢さんが励ましてくれた。
「テーブルの上に置いてある薄力粉とバター、あとは砂糖をこねてクッキーの生地を作るだけですよ。詳しくはこれから私や雄天くん、お母さんから説明しますのでもし分からないことがあったらなんでも聞いてくださいね!」
「は、はい。ありがとうございます」
「つぐみー、ちょっといいかしらー?」
「どうしたのお母さん?あ、紗夜さんすいませんすぐ戻りますから」
羽沢さんはそのまま店の厨房に入っていった。
(そう言えば和都は今頃瀬田さんや白鷺さん達と劇のイベントだったわよね?和都の話だと今日行く事を昨日伝えられたとか…大丈夫かしら?)
ちょっとした不安も過ったが和都なら大丈夫だろうと思いながらもお菓子作り教室が始まった。
日菜side
〜ファーストフード店〜
「そんなわけでおねーちゃんについて来ちゃだめーって言われちゃったの!彩ちゃんどう思うー?」
「ひ、日菜ちゃん…今バイト中なんだけど…」
「どう誘ったらよかったかなー?」
「お願いだから注文してっ!?」
あたしはポテトとホットコーヒーを頼んでテラス席の空いてる席に座る。
「はぁ、おねーちゃんと来たかったなぁ…もぐもぐ…美味ひぃ」
数十分でポテトを食べ終えコーヒーを飲みながら雲ひとつない青空を見る。
「こーんなにいい天気なのにおねーちゃんといれないなんてな〜」
「あれー?ヒナ?もしかして1人?」
1人で呟いてると買い物帰りなのか手荷物が多いリサちーがあたしの所にやってくる。
「あ!リサちーっ!ねぇ聞いてよおねーちゃんがさぁ…」
あたしはリサちーに朝あったことを話す。
「ってことがあったのー!」
「へぇ〜紗夜がつぐみの家のお菓子作り教室にねぇ…」
「最近突き放されることはなくなったのはいいんだけど構って欲しくて…それでリサちーに相談なんだけどさ」
「ん〜?アタシに相談?いいよ☆ドーンときなさい」
「ホントにっ!?じゃあ…おねーちゃんに夜這いして一緒に朝迎えたいんだけd」
「ヒナ、1回深呼吸しよっか〜☆」
紗夜side
(あれ?今なんか寒気が…気の所為かしら)
クッキー生地を作る最中、何かを感じた私は生地を混ぜていたヘラを置く。
(またどこかで日菜が私の事を話してるのかしらか…まぁいいわ。今はそれよりもこっちね…)
私が見つめるその先…ヘラで混ぜていたボウルの中には薄力粉と溶かしたバター、砂糖を混ぜた物がある。
(どのくらい混ぜればクッキー生地が出来るのかしら?分量は事前に羽沢さん達が測ってくれたから大丈夫だとは言っていたけど…もしどこかで間違えてたかと思うと…んん…)
「紗夜さん?どうしたんですか?さっきから唸ってますけど…」
悩んでいると羽沢さんが後ろから声をかけてくる。思わず私は驚いて飛び上がりそうになってしまった。
「羽沢さんっ!?い、いえその…今生地を混ぜていたんですけど…どのくらい混ぜればいいか分からなくて…」
「そうだったんですね!ちょっと見せてもらえます?」
羽沢さんは私が混ぜていたボウルを手に取る。
「……もう少しでいい感じになりますよ!」
「も、もう少し?具体的には…」
「具体的にはって言われても…普通のクッキーと同じって言うか…とにかく材料が纏まるようにしっかりと混ぜればいいと思います!」
「と、とりあえずやってみます。ありがとうございます」
私は言われた通りに材料が纏まるようにヘラで生地を混ぜる。混ぜていくこと数分…生地が固まってきてそれらしい色にもなっていた。
「こんな感じでしょうか…?」
「いい感じですよ紗夜さん!」
羽沢さんは私に付き添いでクッキー作りを教えてくれている。申し訳ないが今は羽沢さんに頼らせてもらいます。
「次は生地を5cm位にしてもらえば大丈夫です!」
「5cm…?羽沢さん、ものさし持ってませんか?」
「え?ものさしですか?一応ありますけど…」
私は羽沢さんに手渡されたものさしを使って生地の長さを図る。
「これで5cmね…」
「さ、紗夜さん!?絶対に5cmってわけじゃないですよ〜っ!?」
「ですがしかし…万一のこともあると思ったので…私がものさしさえ持ってきてれば羽沢さんの手を煩わせること無かったのに…迂闊でした」
「そんな敵キャラクターが決闘に負けた時みたいな感じで言われても…ははは」
滝川さんも苦笑いの中、お菓子作りは終盤を迎えた。クッキー生地を型でくり抜いてから、教わった通りにアイシングして行きクッキーをオーブンに入れてあとは焼き上がりを待つばかり。
「ふぅ…クッキー作りがこんなに大変だとは思いませんでした」
マカロンは自分で作れるようになったし、和都からはレモンの蜂蜜付けを教わり、羽沢さんや滝川さん達からはクッキーの作り方を教わった。最初はこういう事には興味が無くて、ギターを練習するばかりの毎日だったのだけどいざ作ってみるとここまで自分がお菓子作りにのめり込めるのだと知ることが出来た。
「でも紗夜さん、ちゃんと作れてたのでよかったと思いますよ…も、ものさしっ…ぷふっ」
「なんで笑うんですか滝川さんっ!」
「そ、そうだよ雄天くん…紗夜さんに失礼…っふふ」
「羽沢さんまで!?」
なんで2人が笑いを堪えてるのかが分からないままだったが無事にクッキーは焼きあがった。滝川さんと羽沢さんは教える立場もあり、とても美味しそうに焼きあがっていた。私は自分の作ったクッキーをオーブンから取り出す。
「おぉ…」
見てみると初めてにしては上出来ではないかと思わんばかりの出来上がりだった。しかし問題は味です味。見た目が良くても問題はそこなんですから。そんな時滝川さんが私に声をかける。
「紗夜さん、もし味が気になるって言うなら一つだけなら味見してみても構いませんよ?」
「ありがとうございます。では…」
自分の作ったクッキーを小さく割って口内にいれる。しっとりとした舌触りが口の中を巡っていき最後まで味わえる、そんな味だった。
「お、美味しぃ…」
初めてでここまで出来るなんて…滝川さんと羽沢さんには感謝しないといけませんね。それに…今後クッキーとかを1人で作って和都に食べさせる機会があれば食べさせることも出来るし褒めてもらえるかもしれませんね。思わず褒めてもらえる所まで妄想に浸ってしまったが最後の仕上げも無事に終わり見事、クッキーが完成した。
「羽沢さん、滝川さん、今日は本当にありがとうございました」
お菓子作り教室が終わり、私は2人に頭を下げる。
「そ、そんな頭を下げられる程のことなんてしてませんよっ!」
「僕とつぐみはただアドバイスとかしただけですよ、最後は紗夜さんがちゃーんとやってたじゃないですか」
「いえ、完成まで辿り着けたのはお二人のおかげです」
私は頭をもう一度下げ、帰ろうとすると羽沢さんが駆け寄ってくる。
「あ、あの紗夜さん!もし良かったらLIN〇交換しませんか?」
「え?」
「え、えっと…お菓子作りの事でもし分からないことあったら聞けますし…私個人では紗夜さんとお話したいなーって思ってて…ダメです、か?」
断る理由も無いので私は自分の〇INEに羽沢さんを登録して、作ったクッキーの包をもって、羽沢珈琲店を出た。帰る途中に日菜と今井さんと偶然にもすれ違い今日のことを話したりした。日菜が目を光らせてクッキーを食べたがっていたし今井さんには
「今度アタシと一緒にお菓子作ってみない?それで友希那たちに差し入れしたりさー…」
と誘われたから時間の空いてる日にでも、と一言言った。改めて思うと今日はとても充実した1日を過ごせたなと私は思った。
和都side
「ふぅ…やーっと終わった。バ薫の野郎、今度変なサプライズでもしたらまた千聖さんにシめてもらうとするか」
演劇部の部活のイベントを漸く終えた俺はペットボトルの飲み物を飲みながら帰路を歩いて行く。帰ったら燐子さんとあこ達とNFOするかな、そう思っていると後ろから声をかけられた。
「あなたが、華宮和都ですね?」
「あ?」
振り向くとそこに居たのは長髪で猫耳のついたヘッドホンを付けて、制服の上着に手を突っ込み自信に溢れた表情で俺を見ている女子がいた。やたら身長低くね?と思うが口には出さないでおいた。言ったらどつかれそうだしな、うん。
「そうだけど?つーか誰だお前は?」
「ふふ、これは失礼しました。わたくし、プロデューサーのチュチュと申します」
チュチュと名乗ったその女は、そのまま俺に歩み寄って来た。
「単刀直入に言います。華宮和都、貴方のその才能と力を私の為に使ってみない?」
皆さんお久しぶりです。
最新話最後まで読んでもらいありがとうございます。本当は昨日投稿する予定だったのですが間に合わなくて今日投稿となりました。改めてさよひな誕生日おめでとうございます。
そして僕こと椿姫は、仕事で利き手の薬指を金属ローラーで粉砕骨折してしまい現在自宅で療養生活を送っております。週一のリハビリとレントゲン検査をしなければならないのでちょっと大変です。
あ、小説は頑張ってます。プロットが溜まってくばかりですけどね…