努力家と天才の茨道 〜Season2   作:椿姫

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・チュチュ「やっと前書きにこの私が来る日が来たっ!RASが全バンドの頂点に立つ為にまずはこの小説を乗っ取るわよ!」
・和都「うるせぇガキだなぁ…」
・チュチュ「誰がガキよ!」
・和都「お前だよお前。ってか乗っ取らせるわけねぇだろ読者困惑するだろーが」
・パレオ「ではではEpisode04!はじまりまーす!」
・チュチュ&和都『パレオ(お前)が言うのかいっ!?』



Episode04 プロデューサー・チュチュ

 

和都side

 

 

「単刀直入に言います。華宮和都、貴方のその才能を私の為に使ってみない?」

 

チュチュと名乗る女の突然の提案に俺は口を開く。

 

「はぁ?何言ってんだ?俺の才能?そもそもどこで俺を知った?何故俺を知ってる?」

「Sorry、質問が多いわよ?ひとつにしなさい」

「そうか。じゃあまず聞かせろ?どこで俺を知ったんだ?」

「Yes!ではそこからお話しましょう!」

 

チュチュは腕を組み、見下ろす様な態度で話し出す。

 

「華宮コーポレーションを知ったのは私がこの計画を立ててから間もない頃です。貴方のお父様、華宮ラセツが経営なさってる会社のHPを見かけましてね…」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

〜1週間前〜

 

 

チュチュside

 

 

『華宮コーポレーション…?確かこの街の超大手の大企業だったわね』

 

最強の音楽を作り、ガールズバンド時代を終わらせ革命を起こす。そう決めた私はパソコンに向かって調べ物をしていた時、偶然その広告をみかけた。

 

『華宮ラセツ…へえぇ』

 

載っている記事には会社と繋がってる企業や組織、プロデュースした数々の飲食店、私の狙っている音楽関連の事までもがこれでもかと言うくらいだった。目が口付けになったわ、これが人生を謳歌し人の上に立ち、数多数々を成功させてきた者なのね!?

 

『Wow…Excellent!!beautiful!!どれもこれも素晴らしいものばかりだわ!』

 

華宮コーポレーションの記事やなんやらを見ていた私はまたある記事に目が行く。それは華宮ラセツのインタビュー記事だ。

 

華宮ラセツ『会社の運営は総裁としても大変です。しかし努力と、それを目指し進んでいくという志さえあれば人は必ず人生の中で自分の価値観や大切なものに築けるのだと思います。昔から息子にも言ってあるんです、努力は決して人を裏切らないという事をね。それもあってか息子はとても逞しく育ち今も高校で青春してるでしょう!いやぁ!親としても鼻が高いですなぁ!なっはっはー!』

 

この記事を見て私はある事を思いついた。そう、華宮ラセツの息子に接近し、私の計画を話した上で協力してもらう事を。

 

『ふふふ…待ってなさい華宮ラセツの息子!』

 

それから私は華宮ラセツの息子のことについてネットで調べたりした。さすがに住所までわからなかったがどこの高校に通ってるかまでは分かったわ。

 

『華宮和都(はなみや わと)…羽丘の2年生なのね』

 

私は華宮和都の通っている羽丘学園に乗り込もうとした。が、不方侵入して捕まって没シュートされる訳にも行かないし放課後の時間になるまで待つしかなかった。校門前で待てば当然怪しまれるから待ち伏せは別の場所にしたけどね。

 

(ここなら分からないはず….さぁ来なさい華宮和都!)

 

そうして待つこと数十分、校門から生徒が沢山出てくるが華宮和都らしき人物が出て来る気配が一向にない。諦めないで待つこと数分、それらしき人物が校門を出て止まり、スマホを見始めた。

 

(んん?あの緑色の髪の男子生徒…彼が華宮和都かしら?と、とにかくアポ取らないとっ!)

 

『和都、燐子が来るまでの間、スタジオ練習を手伝って欲しいのだけど…キーボードの合わせをしたいの。生徒会で15分程遅れるらしいわ』

 

その時隣に女子生徒がやってきた。しかもその男子に『和都』と言っていたから彼が確実に華宮和都だということは分かった。それだけではない、よく見たらその女はガールズバンド時代を担うとも言われるバンド『Roselia』のボーカル湊友希那だった。

 

(ええっ!?なんで!?なんでRoseliaの湊友希那が!?)

 

でもこれはまたとないチャンスだったわ。華宮和都だけでなくRoseliaの湊友希那にも私の計画に引き込むチャンスが舞い降りたのだから。

 

『まーた合わせか?』

『当然よ。ライブまで時間が無いの。今度あるライブハウスdUbのライブに向けて完璧にしておきたいの』

『わーったから。燐子さん来るまでだぞ?そういやリサは?』

 

(何を話してるか分からないわ…一体何を話しているの!?でも今しかない!)

 

私は隠れている所から出ていこうとするが、それを遮るかのようにもう1人が華宮和都と湊友希那に割って入ってきた。

 

『ワトー、友希那〜!やっほ〜☆』

『おうわビックリした!』

『リサ、ビックリさせないでくれるかしら?』

『あはは、ごめんごめーん♪ちょっと驚かしたくて☆』

 

(うそ!?Roseliaの今井リサまで!?)

 

本来ならここで華宮和都にアポを取って協力を要請したかったが予想外のことがありすぎて結局アポを忘れてしまった…。3人がいなくなってから私は隠れていた所から出て行きアジト基い家に帰ったわ。

 

『悔しーい!それ以上に華宮和都がRoseliaと知り合いだったなんて驚愕だわ!いいや!この位で諦める訳には行かないわ!ぜーったいに成功させてやるんだから!待ってなさい華宮和都!そしてRoseliaぁぁ!!』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「…と、言うわけで私は貴方を知ったわけ。OK?」

 

チュチュの話を聞き終えてあらかた理解した。つまり自分の音楽の為に協力してくれ、ってことだろう。

 

「まぁだいたい分かった。ウチの会社の一部は確かに音楽プロデュースもやってるしな。俺も一通り楽器は演奏できる」

「だったら…!」

「けど、今ここで決断をする訳にはいかねぇな」

 

俺の発言にチュチュは眉を顰める。

 

「ほ、Why?なんで?貴方の才能を埋もれさせるなんて勿体ないわよ!!」

「俺はバンドはやらねぇ」

「だったらなぜRoseliaの湊友希那と一緒に居るのよ!理解できないわ!バンドとかをやってないのに関わるなんて変よ!」

「あ?それはあいつらの音合わせとかに付き合ってるだけだからなぁ。それに友希那とリサは歳が1つ上だけど幼馴染なんだよ。助けになるなら音合わせくらいやる、どこにも変なとこはないだろ?」

「ぐぬぬぅ…」

 

チュチュは後退りながらも必死に俺に協力をして欲しそうにする。そこで俺は気になったことをチュチュに聞いてみることにした。

 

「おい、もし俺が仮にお前に協力をするってなったとしてもその後はどうするんだ?」

「よくぞ聞いてくれましたね!」

 

待ってたぞと言わんばりにチュチュの顔が明るくなる。

 

「貴方を私のプロデュースで最強のミュージシャンにする!それと同時にRoseliaをスカウトするわ!私の音楽を奏れば最強になれる!演出、パフォーマンスだけでなくライブ会場から物販まで全て私が用意するわ!これほど互いが得する美味しい話はないと思うの!」

 

チュチュは自分の野望の為に俺をスカウトするだけだと思っていたがまさか友希那達まで手を出すとは想像してなかった。あいつらは、紗夜達は自分たちの音楽で頂点をつかむって言っていた。自身の野望の為とはいえRoseliaの、紗夜達の夢をこんな形で終わらせる訳には行かない。そして俺もチュチュの、こいつの下に成り下がる訳には行かない。そう思った俺は口を開く。

 

「チュチュって言ったな。ありがたい話だが俺はRoseliaの、友希那達の夢を応援するって決めたんだ。丁重に断らせてもらう」

 

じゃあな、と一言言って立ち去ろうとするが向こうはそれでも尚、諦めていなかった。

 

「Why?なんでどうして?貴方の才能が勿体ないわ!」

「自分の私利私欲の為に誰かに成り下がる程俺も頭が悪くないからな」

 

俺はチュチュが掴んでいた袖を振りほどき、背を向けてそのまま歩いて行った。

 

 

チュチュside

 

 

「…………」

 

華宮和都が立ち去ってから私はその場に数分立ち尽くす。そして近くに置いてあるゴミ箱に向かって怒りをぶち負かすように強烈な蹴りを噛ます。ドガッと音を立てゴミ箱が倒れ、ガサガサと中身が崩れ落ちる。

 

「んぎぎぃ…なんでなんでなんでよ!信じられないわ!!こーんなオイシイ誘いを断るだけじゃなく私のことを『私利私欲』ですってぇ!?何も知らない癖にいいぃぃ!!華宮和都めえぇぇ!」

 

アイツだけは許さない…絶対に許さない!私は蹴ったゴミ箱とその中身を元の場所に戻す。

 

「…そう言えばアイツと湊友希那は幼馴染だって言ってたわねぇ。しかも今度、dubでLIVEもある…」

 

なら…私のやることは1つ。今度のRoseliaのLIVEでRoseliaをプロデュースする、そして私の最強のバンドにする!更に華宮和都をぶっ潰してやる!徹底的に叩きのめせば自分の愚かさってものを身に染みるほどわかるでしょう。それで改めて私の手中に収める。

 

「ふふふふ、待ってなさい華宮和都…Roseliaァァァ!」

 

 

和都side

 

 

〜華宮邸 和都の部屋〜

 

 

帰ってきて早々、愚痴を漏らしながら俺はネトゲに勤しむ。もちろん、あこと燐子さんと一緒にボイスチャットしながらやっている。

 

和都『くそ…なんだったんだあのガキ…』

 

あこ『和都先輩どうかしましたかー?』

 

和都『ああいや、さっきちょっと変なやつに絡まれたんだよ』

 

あこ『変なやつってどんな人ですか?』

 

和都『なんか俺の事をスカウトして最強のミュージシャンにしてやる!ってふざけたことを抜かしてたんだよ…おっととやべ、MP回復ポーション使わねーと』

 

燐子『す、スカウト…ですか?それって、芸能プロダクションとか…そういう類だったりしませんか(`・ω・´)?』

 

あこ『ええーっ!?芸能プロダクションからのスカウトぉーっ!?』

 

和都『いやいやちげーよ。自称プロ音楽プロデューサーで俺らより年下』

 

燐子『年下でプロの音楽プロデューサー…ですか( ゚д゚)ビックリ』

 

和都『そうなんですよ。しかもやたら態度が気に食わないし私利私欲だったから断ったんです。あ、そろそろ倒せそうですよー』

 

燐子『そ…そうですね。これで…クエストクリアです(❁´∀`❁)』

 

あこ『やったー倒せたー!ありがとりんりーん!和都先輩ー!じゃあそろそろ遅いからあこ落ちまーす!お疲れ様でしたー!』

 

燐子『うん…おつかれあこちゃん( ˶˙ - ˙˵ )じゃあ華宮くん、わたしも落ちるので失礼します……』

 

和都『ふーい。お疲れ様でーっす』

 

ボイスチャットが終わり、ゲームのセーブを確認した俺は疲れた身体を養うためにすぐさまベッドにダイブする。

 

「あー疲れた…とりあえずもう寝よう…」

 

疲れが溜まっていたからた俺は2分と待たずにすぐ眠りについた。





骨折ギプスは今週で外せると聞いてよかったと一安心…GWからは人間として生活できます。

ハヤクニンゲンニナリターイ

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