・友希那「あら、私の個人回なのね?どういった風の吹き回しかしら?」
いや、書きたいなって思ったからですよ。チュチュと和都のいざこざはまぁなんとかしますので。
・紗夜「私…ヒロインですよね?」
紗夜さんの回も考えてますから…そんな落ち込まないでくださいよ。デート回あるので、ね?
・紗夜「仕方ないですね。ではEpisode05、どうぞ」
・和都「言いくるめられてんぞ紗夜…」
〜湊家 友希那の部屋〜
友希那side
「ふぅ…まだ、かかりそうね」
Roseliaでの練習が無いから今度のLIVEに向けての新曲を作ってはいるものの…全然イメージが湧いてこない。CircleもGalaxyも空いてなかったのにはびっくりしたわ。
「ライブまであまり時間が無いわ…早くRoseliaに相応しい、最高の曲を作らないと…」
飴玉がたくさん入った袋から飴をひとつ取り、口に放り込む。舌で飴を舐めながらヘッドホンを手に取り、もう一度作業に戻ろうとすると部屋のドアをノックする音が聞こえた。私はヘッドホンを首にかけて机から立ち、部屋のドアを開けるとお父さんが立っていた。
「友希那、今時間あるか?」
「お父さん?どうしたの?」
「いや、ここ最近ずっと休みの日は部屋にいてばかりだから少し外でリラックスしてきたらどうかな、と思って声をかけたんだ。みたところ…難航してるみたいだから」
苦い表情になってるお父さんが見つめるその先はパートごとに仕分けられた楽譜と譜面、飴玉を開けた袋が散乱している机だった。
「うっ。確かに難航してるけどライブが近いから一分一秒無駄にすることは…」
「だからこそリラックスが必要なのは…友希那も分からないわけじゃないだろ?」
「そうだけど…」
父さんはニコッと笑うと私の肩を掴む。
「うん、分かってるなら大丈夫。友希那なら最高の曲を作れるさ」
お父さんはそう言うとドアを閉めて行った。私は机に向かい、作曲に戻ろうとした。が、折角お父さんがリラックスを促してくれたわけなのだし、もしかしたら良いフレーズも思いつくかもしれない。そう思ったのかハンガーにかけてあったカーディガンを羽織り、財布などを持って玄関を出た。
(さて…外に出たのはいいのだけど、どこに行こうかしら…)
そう思いながら歩きを進めていると、いつの間にか公園まで来てしまっていた。私は1人ベンチに座り、雲ひとつない青空を見上げる。
「今日はいい天気ね…」
日差しが丁度いい温度でおもわず眠くなってしまいそうだわ…ふあぁと小さく欠伸をしてウトウトしてると聞き慣れた動物の鳴き声が聞こえてきた。
「ミャー」
「!?」
ふと、座っている横に目を向けるとそこに居たのは耳が垂れた灰色の猫だった。あまりにも眠そうにしていたのか私が目を合わせると小さく欠伸をした。
「ひゃっ…か、かわいい…」
私は公園に誰もいないことを確認して、そっとその猫の頭を撫でる。柔らかく暖かい猫毛は日差しを受けて極上の肌触りで病みつきになってしまう。
「みゃぁぁ〜」
「ふふ…にゃーんちゃーん。ふふっ、可愛いねー」
「にゃむぅ…にゃぁぁ」
猫の顎を指で擽るように触ると擽ったいのか甘い声を出す。
「これが好きなのね?」
「みゃあぁ…♪」
こういった日も悪くないわね…。そう思いながら1匹の猫と戯れること数分、満足いくまでリラックスした私は猫を膝上からゆっくり離して地面に置く。
「じゃあ、私はそろそろ行くわね」
最後に猫の頭をゆっくり撫でて、その場を立ち去ろうとした。その時、
「みゃぁ〜?」
私が帰ろうとすると、どこに行くの?もうちょっとだけ撫でて欲しいの、と言わんばりに私のことを見つめてきた。正直言うともう少しだけ撫でたいし愛でたいがフレーズやら諸々考えないといけない。
「ごめんなさい、そろそろ家に帰ってやらなきゃいけない事があるの。また公園に来たら撫でてあげるから…ね?」
「にゃぅ…?」
私はそう言って公園を後にした。曲作りに難航してなければもっと可愛がってあげれたかしら…そんなことを考えながら玄関の扉を開ける。
「ただいま」
「おかえり友希那。リラックスは出来たか…って、後ろの猫はどうしたんだ?拾ってきたのか?」
「え?後ろ…?」
ふと私が振り向くとそこに居たのはさっき公園で戯れた垂れ耳猫だった。
「にゃあぁ〜」
「あなた…もしかして公園からついてきたの?」
「んにゃ〜」
私の脚に頬ずりしながら鳴く仕草に思わずキュンとしてしまう。ひょいと持ち上げてみると嬉しかったのか手足を軽くばたつかせていた。
「ふふ…可愛い。って、あら?」
「どうした友希那?」
「よく見たらこの子…首輪付けてた痕があるわ」
「付けてた痕って、もしかして捨てられてたってことなのか?」
もしそうだとしたら…私はそれを確かめる為にさっきの公園まで走って戻る。草むらや木の根元ら辺でガサガサしてると予想通りだったのか、猫が入っていたと思われるダンボール箱があった。覗くとそこには空になった猫用の餌、魚の缶詰が散乱し、抜け落ちた数本の猫毛もあり相当汚くなっていた。
「やっぱり…あなた、捨てられたのね?」
「んにゃぁ~」
「………」
私は家に戻り、この事をお父さんに話した。
「そうか…ありがとう友希那」
「ね、ねぇお父さん…」
「どうした友希那?」
「この猫…家で飼うこと出来ないかしら?」
私の言葉にお父さんは目を丸くした。
「小さい頃は飼っていたが…大丈夫なのか?」
「私が責任もって世話するわ、この子を放っておけないの」
「…そうか。分かった、お母さんには僕から伝えておくよ、しっかり面倒みるんだぞ」
あまりにも、あっさり許諾してくれてちょっと驚いたがまた猫を飼えるということにちょっとほくそ笑みながら私は部屋に戻った。ベットにダイブして猫の形をした枕に頭をぽふぽふする。
「ふぅ…飼える嬉しさに変な声が出そうになったわ」
「みゃあ〜?」
「あら、あなたついてきたのね?」
どうしたのかというように擦り寄ってきたので、私は頭を撫でて心配を和らげようとする。
「大丈夫、今日から私達が新しい飼い主よ。前の主人がどうであれあなたを捨てるなんてことはしないから安心して」
「んにゃにゃー」
「さて…あなたの名前を決めなきゃいけないわね」
どんな名前がいいかしら?ミケ…タマ…マカロン…すあま?
「安直すぎるわね…」
机に散乱していたRoseliaの楽譜をまとめて棚に置きながらぴったりの名前を考える為にもう一度猫を見てみる。
「にゃ〜ぁ?」
「どんな名前がいいかしら…」
灰色で…垂れ耳で…細めだから眠たそうにしてるわね。それから何個か名前候補を考えるけど良いのが思い浮かばない。どんな名前がいいか考えてると、猫が私の髪飾りが気になったのか触りたそうに手を伸ばしている。
「どうしたの?これ…気になるの?」
「みゃおぉ」
私は蝶の髪飾りを外して猫に持たせると肉球でぺちぺちしたり、柔らかな毛で頬ずりしだす。
「私の髪飾り、そんなに好きかしら?可愛いわね…」
それを見てると、ふと名前が思い浮かんだ。
(蝶…アゲハ蝶、アゲハは英語でswallowtail…スワロウテイル…テイル!なんでどうかしら)
「…テイル」
「にゃ?」
「あなたの名前は、テイルよ。髪飾りを気に入ってたし…どうかしら?」
テイルと呼ばれた猫は気に入ったのか嬉しそうに、「うにゃぁ」と鳴き、膝にすり寄ってきた。
「ふふ…気に入ってくれたのかしら?これからよろしく、テイル」
「にゃぁ♪」
こうして、私達の家に新しい家族が、灰色垂れ耳猫のテイルが仲間になりました。
〜数日後〜
テイルを飼飼い始めてから数日経ったある日、私達RoseliaはGalaxyでライブの練習をしていた。新曲だからある程度進行が遅くなる、なんてことは無くRoseliaのメンバーはすぐにテンポを掴み自分のものにしていた。
「ふう…そろそろ時間ね」
「んんっ、おつかれ〜☆クッキー作ってきたけど食べる〜?」
「リサ姉のクッキー食べたーい!」
「今井さん…ありがとうございます…」
「はい、友希那」
「ありがとうリサ。じゃあ、私はそろそろ帰るわね」
私は荷物をまとめてスタジオから出ようとすると紗夜が不思議に思ったのか私を引き止める。
「湊さん、ちょっといいですか?」
「?どうしたの紗夜?」
「いえ、ちょっと気になったんです。最近練習終わってから帰るのがいつもより早いなって思ったんです」
「そ、そうかしら?」
紗夜は私の目をじっと見つめてくる。紗夜が眉を顰めて見つめること数分…
「いえ、私が考えすぎてるだけかもしれませんね。すいません」
勘違いだったのかと思ったのか紗夜はそう言ってギターを背負い、練習スタジオから出て行った。一息ついてんたしもスタジオから出ようとする。
「友希那ー!」
今度はリサから声をかけられる。
「どうしたのリサ?」
「いやさ、ワトから聞いたんだけど学校帰りに友希那がホームセンターから出てきた所を見たって聞いたんだけど…」
「え?私がホームセンターから?み、見間違いじゃないかしら?」
私はそそくさとスタジオから出ていき、まっすぐ家まで向かって行った。家に戻ってからは部屋に向かい、テイルを呼ぶ。
「テイル、ご飯よ」
「んにゃっ」
テイルは掛けられてる学生カバンの中からひょっこりと顔を出すと、そのまま勢いよく飛び出す。私は買い置きしてある猫缶を取り出し、缶を開けて床に置くと美味しそうに食べ始める。なんで学生カバンの中にいたのかと言うとそこがお気に入りらしく、
「ふふふ、そんなにお腹減ってたの?練習行く前にもご飯出しておいたのに…食いしん坊ね♪」
「んにゃぁ♪むぐむぐ」
「よしよし…」
リサside
〜今井家 リサの部屋〜
「やーっぱり友希那、何か隠してる気がするんだよなー。ワトはどう思う?」
『隠し事ねぇ…どっかでまた野良猫にあげる餌でも買ってたんじゃね?ホームセンター行ってたし猫の餌買ってたってんなら合点いくだろ?』
「そうかな〜?」
アタシはワトと通話しながら最近の友希那のことについて話していた。
『あ、そういや紗夜から聞いたぞ。今度dUbで新曲含めたライブするんだってな』
「紗夜から聞いてたの〜?」
『まぁな。チケットも取り置きしてもらったから明日観に行くし』
「わ〜お♪これは紗夜も友希那も楽しみだろうな〜☆」
『友希那に新曲の事聞いたんだけど全然教えてくれなくて…どんな曲なのかちょっとだけ…な?』
「ダメダメ。ライブ来てからのお楽しみ」
『ちぇ〜、いけず〜』
「モカみたいに言ってもだーめ♪」
『へいへい、楽しみにしてますよーだ。んじゃっ』
ワトはそう言って電話を切った。
「さ〜て、アタシもそろそろ寝ようっと☆」
ベッドに取り付けてあった電気スタンドの電源を落とし、アタシはゆっくりと眠りに入った。
短かったと思いますが最後まで読んでいただきありがとうございます。
明日からいよいよ僕は職場復帰となりますた。やっと金稼ぎができます…
Switchとか観光旅行費、その他諸々の為に…