黒ずくめの組織はヤベーところ   作:小野芋子

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祝!短編小説累計トップ10入り!ありがとうございます!それに誤字報告も、本当に助かりました。

そんなわけで後編です。これでこの作品の投稿はラストかな?


因みに作者はこういうイメージでキャラクターを書いてるというのを似ている動物で表してみました。

名探偵:犬。絶対にヒロインのもとに帰ろうとする忠誠心と事件を嗅ぎ分けるところから。

科学者:猫。警戒心の強さから。

女子高生探偵:犬。まあこれだよね。

トリプルフェイス:ゴリラ。……許せ。

スナイパー:狼。孤立してるから。ボッチだから。

主人公:猫。炬燵で丸くなる的な意味で

それと、組織の最優先排除対象について

赤井秀一>>主人公>シェリー>>(越えられない壁)>>毛利小五郎

若干二名おかしいのがいる?気にしない気にしない。


あ、座席はこういう感じになってます。

     降
     谷

    机机 工藤
世良  机机 主人公
赤井  机机 宮野

顔面偏差値の暴力!目覚めた主人公のメンタルや如何に!
なに?主人公のメンタルはもっと別のところでダメージを負う?ああ、そうだね(目逸らし)


黒ずくめの組織はヤバいところ。後編

 既に冷めたコーヒーを飲み干して、新一はチラリと時計を確認した。時刻はすでに十六時過ぎ。隣の青年が眠ったのが大体十三時半ごろだったので、もう二時間半近くが経過していた。未だに青年に起きる兆しはない。まあ、一日だけとは言え徹夜したことを思えばそう不思議なものでも無いが。

 随分と濃い時間を過ごしたように思う。それでも青年と過ごした時間を思えばまだ話し足りないくらいだが、さしもの新一も話してばかりでは疲れる。

 別の話題に変えようかとして、少しだけ気になったことを尋ねてみた。

 

 「俺や宮野から見たこいつについては結構話しましたけど、赤井さんや降谷さん、それに世良から見たこいつってどうなんですか?」

 

 興味深そうにうなずいたり、時折疑問を投げかけたりしてくることはあったが詳しいことは余り聞いていない。

 会話にフェアも何もないがこれまた探偵としての性か聞かれっぱなしでなんの情報も得られないというのも面白くない。

 そう考えての質問だったが、尋ねられた三人はと言えば特に気にした様子もなくあごに手を当てて思い出していた。

 

 同級生でありクラスメイトでもある真純ならともかく、片や組織に潜入捜査をしていた公安のエース。片や組織が最も恐れ、新一の手伝いがあったとはいえ死の偽装までして姿を眩ませたFBIきっての切れ者だ。正直あまり接点があるようには思えない。

 それでも今新一の話を真剣に聞いているのだから、当然二人とも青年を高く評価している。だが一体何がそこまで二人の気を引いたのか、その具体的なエピソードまでは新一も知らない。それどころでは無かったとも言える。

 だからこそ、今この場で聞いてみたかったのだが。

 果たして、最初に口を開いたのは赤井だった。

 

 「先ほども言ったが、俺が彼に目をかけたのはベルモットの一件があったからだ」

 

 だが、と続けた赤井は一度だけ真剣なまなざしを青年に向ける。その目に一瞬だけ羨望の色を混ぜて。

 

 「俺が彼を本当の意味で評価したのは、やはり沖矢昴として初めてボウヤや志保君の前に現れたときだろう」

 

 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

 

 赤井がコナンと結託し組織に死んだと誤認させて暫く、新たに沖矢昴と名乗り組織壊滅のための情報を集めながら灰原の護衛を行っていたのだが、そこで思わぬ事故が起きてしまい、もともと住む予定だったアパートが全焼したのだ。

 また、たまたまそのアパートの大家の息子にある調査を依頼されていた少年探偵団と、それに同行していたコナンや灰原も運悪くその現場に居合わせてしまった。

 コナンからすれば灰原の護衛を任せていた赤井の身に起きたまさかの出来事だ。表面上は取り繕っていたが内心はひやひやものだった。

 赤井が火事に巻き込まれたかもしれない、という不安ではない。そんなものに巻き込まれるほど赤井を低く評価してはいないし、その程度なら灰原の護衛など頼むはずもない。どちらかと言えば、赤井と灰原の接触を危惧してのことだった。

 本来であれば灰原にばれないようにと取り付けた護衛の依頼。それは組織の目を気にしてというより灰原が赤井と、もっと言えば実の姉の元恋人と面識を持つことを恐れたという意味合いが強い。

 

 灰原にとって姉がどれ程大事な存在か、それを知らないコナンではない。その姉に、組織に潜入するという目的があったとはいえ利用する形で近づいたのが赤井だ。それを灰原が知っているのかは別として、出来うることなら二人の接触は避けたいのが本音だろう。

 だからこそ予定外の出来事に肝を冷やし、ひっそりとメンタルクラッシュを起こしかけていたコナンからすれば、その場にたまたま現れた青年は救世主以外の何物でもなかった。

 

 現状、灰原が阿笠やコナンといった彼女の事情を知るもの以外で心を開いている唯一の存在。ベルモット含む組織の人間と渡り合える独自の何かを持っているただ一人の高校生。

 そんな彼が現れて、果たしてコナンが喜ばないことがあろうか。いや、ない。

 打算とか、庇護欲だとか、子供の振りだとか、そういったずる賢い思考全てを地平の彼方まで投げ捨ててコナンは青年のもとまで走った。彼にしては本当に珍しい満面の笑みを携えて。

 

 「あん時はマジで助かった。多分こいつがいなかったらどっかで歯車が狂ってたと思う」

 「そうね。彼のおかげで私も随分気が楽だったわ。何処かの誰かさんが意味もなく人にプレッシャーをかけてくるんですもの」

 「それは本当に悪かったと思っている」

 

 赤井自身別に冗談やおふざけで灰原にプレッシャーをかけたわけではない。未だ組織が灰原を執拗に付け狙う中で危機感を失うことはそのまま死に直結する。そう考えての行動だ。悪意や敵意があってのことでは無い。

 もっともその行為も想定外の人物に、そして予想通りの人物によって遮られたが。

 

 「あの時だ。あの時俺は彼を本当の意味で恐れた。僅か17かそこらの高校生が、俺のプレッシャーを受けて正面から睨み返して来たんだからな」

 

 その衝撃がどれ程だったか。組織すらも恐れる赤井の睨みを受けて平然と睨み返すなど、ましてやただの高校生がだ。辛うじて顔には出さなかったが、内心では舌を巻いたことをよく覚えている。

 同時に赤井は思った。彼がそばにいる以上灰原に、赤井にとって命に代えても守りたい大事な恋人の妹に危険はないだろうと。

 

 どころか

 

 「得難い人材だ。あの場にいたのがただの大学院生の沖矢昴ではなくFBIの赤井秀一であれば、手を尽くしてこちらに引き込んでいただろう」

 

 大した子供だ。

 その経歴を赤井はすでに知り尽くしている。その出生も、家族関係も、すべて。少なくともデータとしては得ていた。

 なのに、青年は上をいった。当たり前のように、普通のことのように、平然と、遥かに高く想定していた筈の赤井の予想すらも笑って飛び越えて。

 

 

 「その後の博士の家での灰原ちゃん呼びは衝撃的だったけどな。思わず爆笑したぞ」

 「レーズン」

 「すいませんでした」

 

 弱い。そして懲りない。もはや何度目かも分からないやり取りをした新一は、それでも懲りずに思い出し笑いをして睨まれた。

 

 あの後、火事が人為的なものだと判明し犯人逮捕までこぎつけたコナン一行は、赤井こと沖矢昴の頼みを聞いて阿笠邸まで沖矢を案内した。

 とはいえそこは警戒心の強い灰原だ、見ず知らずの男が自身のテリトリーに入ってくることを恐れて咄嗟に青年を巻き込んだが。

 それには沖矢もコナンも驚いた。あの灰原が人を頼った、それがどれ程衝撃的なことだったか。

 確かに灰原が青年に懐いていることは知っていたがまさかここまでとは思っていなかったのだ。因みにそれをぼそりと呟いたコナンは足を踏まれた。馬鹿な男だ。

 

 途中で探偵団と別れて阿笠邸まで辿り着いた四人は、そこで灰原が焼いたケーキを食べた。当然沖矢の分はない、コナンの分も青年に比べれば微々たるものだ。しょうがないよね。

 そして、そこで起きたのが青年の灰原ちゃん呼び事件だ。

 子供扱いされていたのは気づいていた。

 もちろんそれはコナンや灰原を軽んじての行動ではない。話をすれば目を合わせて真剣に聞いてくれるし、質問すればふざけずに答えてくれる。

 ただ何か起きた際に、青年は常に二人を優先して守った。二人は子供だから、ただそれだけの理由で。自身もまた子供であることを棚に上げて。

 そういった意味での子ども扱い。それでもまさかいくら外見小1の女の子とは言えあの灰原をちゃん呼びするとは、いったい誰が予想できるだろうか。

 堪らず沖矢は瞠目し、コナンは爆笑。灰原は羞恥で顔を真っ赤に染めた。

 

 その後いいじゃん可愛いじゃんとぶーたれる青年に顔を真っ赤にしてやめて欲しいと懇願する灰原がいたが、そこは彼女の名誉の為に詳細は省く。

 その様子を高性能ビデオカメラで録画している阿笠博士がいたとかいなかったとか。

 

 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

 

 「俺が彼の評価を改めたのはその時だ」

 「へー。やっぱり凄いんだね。まあ、僕も彼の凄さは知ってるけどね」

 「ホー。ではその話を聞かせてくれるか、真純」

 「いいよ!」

 

 兄妹らしい暢気なやり取りを終えると、真純は自身が青年に興味を抱き始めた過去を思い出す。

 とは言え真純は赤井のように何か衝撃的な出来事があったから青年に目を付けたわけではない。彼女が彼に目を付けたのは、もっと単純でありふれている日常からだった。

 

 転校してきたばかりのころ真純には当然のことながら知り合いはいなかった。

 いや、正確には偶然とある事件で一緒の現場にいた毛利蘭と鈴木園子がいた為に知らない顔だけという事態は防げたが、それでも真純に友達がいないことは事実だった。

 もともと母の仕事の関係で何かと転校の多かった身だ、そこまで重く受け止めることなく適当に学校内だけでも仲良くできる存在を作ろうと考えて近場の席にいた青年に声をかけたのだ。

 ほんの軽い気持ちだった。親しくなれるとも思ってはいなかった。

 だからなんとは無しに振った工藤新一の話題で青年が独特の見解を述べた時、素直に驚いたのだ。

 ほかの誰とも違う、高校生探偵の工藤新一ではなくただの高校生工藤新一について青年独自の見方で語る様は、真純をどこまでも惹きつけた。

 

 確かに彼女は工藤新一について探ろうとしていた。それは同じ探偵として、母の幼児化の秘密を知ろうとして、そして何より昔抱いた憧れから。だがそれも長い時間をかけて細かな下調べをしたうえで漸く一歩を踏み出せると考えてのこと。

 たった一人の青年からそこまでの情報を聞き出せるとは微塵も思ってはいない。

 だからついつい気が急いてしつこいくらいに詰め寄ってしまったが、それでも真純ならばまだ誤魔化せる範囲でのことだ。

 

 なのに、青年は工藤新一について尋ねる彼女を見て納得がいったように笑ったのだ。ああ、それが目的かと呟いて。

 真純が転校先にわざわざ新一が通っていた高校を選んだのは、確かに新一について探りを入れるためだ。

 それでもそれを表に出すほど彼女は愚かではないし、そんな直ぐに見抜かれる程度で探偵を名乗りはしない。

 だが、青年は気づいた。当たり前のように真純の思惑を見抜き、その上で気にした風もなく新一について自分の知りうることを話す彼を見て、彼女が感じたのは少しの恐怖と、そんなもの帳消しにするほどの興味だった。

 青年は別に探偵を名乗っているわけではない。にもかかわらず未熟な彼女の思惑を一瞬で看破するだけの観察力を見せ、その上で情報を提示する器を見せた。それは真純がそれまでの人生で出会ったことのない在り方で、だからこそ興味を抱かざるを得なかった。

 

 「面白いやつだと思ったよ。それに大人だとも。出来ればもっと早く出会いたかったかな」

 

 その後も出来るだけ青年のそばにいた。そうすれば何かが見つかるような気がして。少しだけでも自分が成長できるような気がして。

 事実真純は成長できたように思う。少なくとも積極的に事件に絡みに行く性格は大人しくなった。

 おかげで事件現場であれこれ動くコナンを客観的に観察し、学ぶことが出来るようになったのだ。青年には感謝しかない。

 

 

 

 

 

 

 さて、では唐突だがここで考えて欲しい。可愛い転校生が話しかけてきたと思ったら、その話題が前の席のイケメン男子についてだったとある準ボッチの青年の心境はどうだったのかを。ああ、それが目的か。青年は自己評価が頗る低かった。

 

 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

 

 「今にして思えば、僕がコナン君に絡みに行くのを止めたのも僕が危ない橋を渡ろうとしているのを防ぐためだったのかもな」

 

 しみじみと呟きながら、真純は目の前で寝こける青年を眺める。それにつられて全員の視線が刺さるが、起きる気配はない。そのくせ体幹がしっかりとしているのか、左右にぶれる様子はないのだから恐ろしい。密かに青年が倒れることを期待して隣に腰かけていた志保からすれば面白くないだろうが。

 

 「それじゃあ、最後は僕かな」

 

 そんな志保の様子にこっそりと笑みを溢して、降谷は真純の後に続いた。

 このメンバーの中で唯一組織の目線で青年について話すことが出来る存在。そんな降谷が選んだのは、当然ながら組織絡みの話題だ。

 だが、いきなりその話を振るわけにはいかない。それを話すにはいくつか踏むべき手順が必要になる。

 だから前段階として、降谷はある事件について話し始めた。

 

 「君たちは、大岡という名前を知っているか?」

 

 突然の質問に疑問符を浮かべる新一と真純。その中で唯一動じることのなかった志保が口を開いた。なお、赤井に解答権は与えられていない。

 

 「知ってるも何も、彼の名前でしょ?大岡(おおおか) 紅葉(こうよう)。宮野志保として初めて彼に会ったとき、そう自己紹介してくれたもの」

 

 当然のように答えた志保はその日の出来事を思い出しているのかほんのり頬が赤い。灰原哀の時は彼を見上げることが多かったが、宮野志保になることで初めて同じ目線で会話できた。その当たり前は、彼女に何とも言えない幸福感を与えたのだ。

 灰原の時も目線合わせて貰ってたじゃねーか。ぼそりと呟いた新一は懲りていない。おそらく今後一週間彼の食事はレーズン尽くしになるだろう。同情の余地はない。

 

 降谷はそんな相棒二人のやり取りを微笑を浮かべて流すと、ええそうですと続けた。

 

 「彼の母親は京都の大富豪、大岡家の次女。そして彼の父親は鈴木財閥で高い地位についているそうです」

 

 それがどうかしたのか、口よりも雄弁に物語る新一の不満顔を見てやはり子供だなと降谷は少し笑って、その表情を消した。

 

 「大岡家は古くから続く伝統ある家系です。それ故の太いパイプもありますから、いくら組織と言えど下手にここに手を出せば日本での行動が制限される恐れがあります」

 

 だからこそ、暗殺するにあたっても目立つようなことは出来ず、あくまでも不運な事故という体を装わなければならない。

 また、青年の父親が警察関係者と深いつながりがあるという情報も得ていた。だからこそ余計に青年の暗殺は隠密性を求められたのだ。

 

 もっとも、当初は青年の暗殺計画に対する反対意見も多かった。もともとピスコは自身に与えられた命令を無視して独断専行の末の逮捕だ。切り捨てられてもおかしくない。

 かくいう降谷も、当初それを聞いた時はついに気でも触れたのかと思ったものだ。今でこそそこにシェリーの捕獲という目的があったことが分かっているが、情報のないあの時はただの少女誘拐。

 寧ろピスコの暗殺計画が進められなかったことが不思議でならない。

 だが、一応は組織にもメンツがある。ただの青年が組織の重鎮の逮捕に関わったと聞いて無視するわけにもいかない。

 それに、もしかしたらであるがその青年が警察関係者で、ピスコ逮捕の為に罪状を作り上げた可能性だってあった。

 結局、組織は青年の暗殺を決定したのだ。

 

 コードネーム持ちが青年の暗殺に赴くこともなく、名もない下っ端が与えられた暗殺任務。それは当然のように成功に終わり、誰もがすぐに忘れるものだと思われた。

 だが、実際は違った。送り込まれた組織の刺客は次々と躱されついぞ暗殺は成功しなかった。

 メンツを保つ為に下っ端とは言え組織に所属する人間を送り込んだのだにもかかわらず、すべてが返り討ち。

 これは明らかにおかしい。裏に何かあるのか、或いは青年はやはり警察関係者だったのか。

 色々な推測が飛び回り、ついには一人のコードネーム持ちが彼の暗殺に名乗りを上げたのだ。

 

 「コードネーム・アイリッシュ。ピスコが手塩にかけて育てた優秀な工作員です。その彼が青年の暗殺に加わった」

 

 そこまで言い切って、たまらず降谷は噴き出した。彼にしては珍しいその行動に新一たちに困惑するが、そんなものお構いなしだ。

 一度だけ咳払いして表情を引き締めると、降谷は少しだけ震えた声で続ける。

 

 「その事件のことを、我々公安は『ピスコの肩たたき事件』と呼んでいます」

 「は?」

 

 ピスコの肩たたき事件。

 青年暗殺を目論んだアイリッシュが色々な策略を巡らせたが、その悉くが青年の運と速度と回避能力の結果失敗し、最後に捨て身の策として『タンクローリーだ!』とでも叫びそうな勢いで青年に突撃をかまし、最強の守護者電信柱に敗れ去ったことが始まりだった。

 もはや意識朦朧、満身創痍の状態でそれでもなお青年を殺そうと這う這うの身で青年に近づき、しかし最後には殺すに及ばず「ピスコのか…た……き」と気を失ったアイリッシュを見て、青年が救急に「ピスコの肩たたきといって気を失いました」と通報したことから名づけられたものだった。

 おかげでアイリッシュは青年暗殺に臨む非情な暗殺者から一転、お世話になったピスコという人に少しでも親孝行しようとスピード違反してでも急いで向かい、結果として大怪我を負ったお茶目な人に早変わりした。

 そのせいでアイリッシュは病院関係者からは生暖かい目を向けられ、ピスコの名を聞き飛んできた降谷の部下の風見には同情するように見られたという悲劇の事件である。

 

 説明を受けた新一は可哀そうなものを見る目をして、それ以外は全員噴き出した。あの赤井すらもだ。

 

 「まあ、僕からすれば笑いごとですが組織からすればそうではない。なんせコードネーム持ちすらも返り討ちにあったんですから」

 

 その後の組織の混乱は凄かった。青年はやはり警察関係者だったのか、実は赤井秀一の隠し子では無いのか、元組織の人間かもしれない。

 噂が噂を呼び、また青年の同級生に鈴木財閥の御曹司・鈴木園子がいたことから実は青年が鈴木財閥が秘密裏に雇った凄腕のボディーガードなのかという噂まで流れ始めたのだ。

 他にもピスコ逮捕のあの現場にシェリーがいた可能性があったというウォッカの一言でついにはスクール時代のシェリーの恋人という話まで出た次第だ。

 

 そして、そうなれば黙っていないのが一人。案の定その男はウォッカの一言に目の色を変えて、青年の暗殺計画に名乗りを上げた。

 

 「組織の殺し屋、ジンが遂に彼の暗殺に乗り出しました」

 

 騒然とする周囲を他所に、あくまでも降谷は淡々と事実を述べる。

 当たり前だ、この場にいるほとんどはジンにたいして少なからず因縁がある。ジンというのはそれほどまでに驚異的な存在なのだ。

 

 「志保さん、大丈夫ですか?」

 

 中でも最もジンにトラウマを抱えているであろう志保に念のために声をかけるが、彼女は不自然なくらいに落ち着いていた。

 不思議に思い様子を見て、なるほどと降谷は納得する。

 志保がすでにある程度トラウマを克服しているというのは新一を通して聞いていた。だがそれでも根底に宿る恐怖というのはそう簡単に消えてくれるものでは無い。

 だから降谷は言葉を尽くして少しでもそれを和らげようとしていた。だがふたを開けてみればどうだ。

 降谷や赤井、それに新一だとしても、恐らくは無理なそれをあっさりとやってのける人物がいた。

 まだ完全にトラウマを乗り越えられていない志保は、そっと青年の裾を握ることで恐怖に耐えていたのだ。

 ただそこにいるだけで人を安心させる。それがどれ程稀有な存在なのか、眠る青年は気づかない。

 

 それにまた一度だけ笑みを浮かべて、降谷は先を話す。

 

 ジンが青年の暗殺を行うに当たり、舞台を整えるのは降谷(バーボン)の仕事だった。

 理由は彼が最も米花に精通しているのと、組織への忠誠を確認するため。それ故に降谷も下手な真似は出来ず、事前に得ていた安室透としてバイトをしている喫茶店『ポアロ』のマスターが青年の父親と親しくしている、また本の貸し借りがあったという情報を利用して青年がポアロに来るように誘導した。

 その道中にジンが待ち伏せして、青年を殺す。あまりに単純で、だからこそ抵抗のしようがないものだった。

 念のためを想定し前もって喫茶店からマスターと看板娘の梓を避難させ、来るはずもない青年の為にコーヒーの準備をして少し。

 震えた携帯に、降谷は暗殺計画の成功を疑わなかった。

 暗殺は成功した。飾り気のない簡素な言葉でそう告げられるのだろうと予想して、それに合わせたバーボンとしての反応を適当に想像して画面を開き、電話口から聞こえるジンにしては珍しい少し焦ったような口調に思考が止まった。

 

 「『暗殺は失敗した。やつは俺の存在に気づいていた』それだけ言って電話は切れました。全く恐ろしい子供ですよ」

 

 あのジンが暗殺を失敗した。それが何を意味するのか理解できないものはいない。

 組織でもっともあの方に忠誠を誓い、あの方の障害となるもの全てを排除する冷酷な殺し屋。それがジンだ。

 これまでだっていったいどれだけの人間が彼に殺されてきたのかは分からない。計画的で残忍で、それでいて場を冷静に見るだけの賢さを揃えた警察機関が最も警戒する男。

 そのジンが失敗した。否、そのジンを上回り失敗させた。ただの青年が、一介の高校生が。

 

 「あの場を見張っていた別の組織の人間が言うに、彼はジンのテリトリーの外からジンに気づくと即座に姿をくらましたようです」

 

 そして、それは正解だ。

 もし仮にもう少し接近していたら。或いは青年が実力を見誤りジンに接敵すれば。

 関係のない一般人まで巻き込んでの殺しになっていたことだろう。それを避ける為にあえてジンを捕らえることを優先せずに逃げに徹した。

 状況がよく見えている。いや、最早見えすぎている。それこそ千里眼や未来を見る目を持っていると言われても納得がいくほどに。

 

 「彼がポアロに来た時、僕はこの目を疑いましたよ。幽霊ではないかとね」

 

 何事もなかったかのようにポアロに入り、何食わぬ顔でコーヒーを口にする青年を見て、降谷が抱いたものは何だったか。それを言葉で言い表すことは出来ない。

 その後すぐにポアロに来たコナンのせいで考える時間がなかったとも言える。

 あの時はまだコナンは降谷が公安の人間とは知らなかったために必要以上に警戒していたので、少しでもボロを出すまいと考え事に耽る余裕が無かった。

 それでもコナンと青年二人を観察していたところを見るに、降谷もなかなかの食わせ物だが。

 

 

 

 

 因みに、外人、銀髪の長髪、ガタイがいい、全身真っ黒、目つきが悪い。またその時のジンは青年がシェリーに繋がっていると信じて疑っていなかった為に漸く会えるぜシェリー、的なことを呟きながらニヤニヤしていた。こんな怪しい人間に青年が近づく筈もないのだが、恐らくそこに気づく人間はここにはいない。

 多分組織の所為で常識が崩壊しているのだろう。流石は黒ずくめの組織。なんて恐ろしい。

 

 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

 

 「以上が僕が彼を認めたエピソードですかね」

 

 読めない笑顔で締めくくり、降谷は一度だけ青年を見た。

 少しあどけない寝顔は正しく降谷の守るべき日本人のそれで、心が温まるのを感じている。

 

 この他にも青年に関する話題は尽きない。

 新一がコナンとして、志保が灰原として、赤井が沖矢として、降谷が安室として、そして世良が、青年が。この場に居合わせるメンツが一堂に会した事件は過去に二度ある。

 一つがコナンが誘拐された事件、もう一つがベルツリー急行の一件だ。

 

 コナン誘拐の事件では青年は表だっては動いていないため詳細は省くが、それでも遠距離からその様子を見張っていたベルモットを牽制する働きを見せた。

 バーボンに対して連絡を入れたベルモットの背後で警察に連絡を入れたのだ。その目でしっかりとベルモットと、そしてバーボンを睨んだうえで。

 

 一方で本格的に動いたベルツリー急行での一件。

 ベルモットからの脅しを含んだメールを受け、周囲を巻き込むまいと同じくベルツリー急行に乗り込んでいた少年探偵団や毛利蘭達から距離を取った灰原の前に現れ、その心の闇を払拭してみせた。

 少しの勘違いがあり、沖矢昴をベルモットの味方だと認識して攻撃してきたが、それも灰原を思う上での行動だと思えば納得もいく。

 事実青年のその行動に勇気付けられた灰原は生きる為に動いた。それは自らの死を受け入れていたこれまでの灰原にはない動きで、青年の影響であることは一目瞭然だった。

 

 このように青年に関する話題は底が見えない。それでも本当の意味で青年を語るのならば、決して外すことの出来ない伝説がある。

 各国警察機関の悲願にして、赤井や降谷にとっての大きな目的。即ち、組織壊滅。

 

 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

 

 各国警察機関が協力して行われた組織関係者の一斉検挙。多くの時間、多くの人間。そして多くの犠牲のもとに行われたそれは組織に潜入捜査中のバーボン、そして同じく潜入中のキールの二人の誘導のもと予定通りに進んでいた。

 組織関連の研究者や職員、果ては幹部にボスの腹心ラムを捕らえながらも組織中枢に攻め入った警察であるがしかしそこには組織のボスの姿だけは発見できず。最後の最後で一歩先を行かれ逃げられた。

 

 辛酸を舐めさせられ大人たちが絶望に顔を曇らせるなか、ただ一人コナンだけは違った。

 工藤新一としての生きてきた経験、コナンとして得た知識。それらすべてを惜しむことなく利用して、組織のボスが潜伏しているであろう場所を突き止めた。

 唯一失敗があったとすれば、それはコナンが急ぎ過ぎたこと。最後の最後で今なお組織の施設内部で捜索を続けていた降谷や赤井の帰りを待たずして動いてしまったことだろう。

 

 ある資産家が有する私有地。そこに狙いを付けたコナンは相棒である灰原を連れたって最大の難事件の、その真犯人を捕らえる為に動いた。

 鬱蒼と生え盛る竹林を抜けて辿り付いた錆びた一軒家、そこにはコナンの予想通りに初老の男性が待っていたのだ。

 

 僅かな問答の果て、ボスの真意を聞いてなおそれでも許せないと吠えるコナンに僅かに呆れた表情を見せた男性は次の瞬間にはコナンを無力化していた。

 何が起こったのか分からない。腕時計型麻酔銃もキック力増強シューズすらも使う間もなく制圧されたコナンは、そこで初めて自らの失策に気づいた。

 確かに目の前の男は年を取っていた。だからこそコナンはおのれ一人で十分だと油断したのだ。だが果たして組織が開発していたものは何だったか。コナンの相棒が開発を強制されていたものの正体は何だったか。

 優秀な頭脳は直ぐに答えを出して、けれどそれは遅すぎた。組織のボスは肉体改造を施していた。そんな当たり前の事実に気づいた時には既にコナンの身体は言うことを聞かない。

 最後の最後で、子供の体であることが邪魔をしたのだ。

 後悔に顔を歪めるコナンの前で男は灰原に手をかける。組織を裏切った優秀な研究者、ある意味で組織に最も貢献した元コードネームもち。その最後をせめて自身の手で終わらせてやろうと。

 馬乗りになって首を絞める男に抵抗することも出来ず、最後に一人の青年を思い浮かべて死を受け入れる灰原。

 それを救ったのは一発の蹴りだった。

 灰原にかけられていた体重が一瞬にして消え去り、少しの間をおいて響く人が地面を滑る音。

 そして、力強く、蹴りぬくように地面を踏みしめる足音。

 息も絶え絶えに見上げた灰原の視界に映ったのは、待ち焦がれていた青年(ヒーロー)の見慣れた背中だった。

 

 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

 

 周囲がうるさいから目を覚ますと何故か宮野さんと工藤に挟まれていた。何を言っているか分からないと思うが俺も分からない。催眠術だとか(ry

 まあ冗談は置いておいて、一旦状況を整理しよう。目が覚めたら二人に囲まれていた。それは分からない。あれ?初手から詰んでる。

 だが今は無理やりそれに納得しておこう。確か俺は工藤の家で寝させてもらったのだ。それを考えれば二人に囲まれるのも、分からなくはない……かな?

 まあ分かったとして、問題はそれ以外だ。目の前に世良さんがいるのは分かる。その隣だ。ニット帽の目つきの鋭い人がいる。いや、何故いる。

 そして工藤の奥に金髪褐色の人が見える、いや、だから何故いる。

 

 この二人に俺は見覚えがある。ニット帽の人は灰原さんのストーカー疑惑がある人で、金髪の人はショタコンの疑惑がある人だ。冷静に思い出してみるがそれってヤバくない?

 もう一度考えよう。ここは工藤の家で、隣にはもともと灰原さんが居候していた阿笠さんの家がある。

 その工藤邸にいる灰原さんのストーカーかもしれないニット帽の人に、ショタコン(しかも江戸川くんに目を付けている)疑惑のある金髪の人。通報しなくちゃ(使命感)

 思い立ったら即行動。すぐさまスマホに手を伸ばして、その手が誰かに拘束されていた。ってか宮野さんが何故か俺の手を握っていた。なんで?

 いや、本当になんで?そういう行動をされるとですね、馬鹿な男子は自分に好意があるのではないかと思いあがるんですよ。だから離して欲しい。マジで。だってさっきから熱いし。

 いやー、ちょっと工藤の家暖房効き過ぎじゃない?凄い熱いんですけど。

 なんて馬鹿なことを考えていたら流石に俺が起きたことに気づいたのか宮野さんがこっちを向いた。その顔は何故か笑顔を浮かべていて、正直心臓に悪い。

 

 そして宮野さんにつられてみんなこっち見て来た。変態どもはコッチ見んな。アッチ行け。工藤邸を出て直ぐ右曲がって真っ直ぐ行けば交番あるからそこに行け。

 だが俺の心なんて分かる筈もなく、微笑まし気な顔でこちらを見やがる。なに?今度は宮野さん目当てなの?お前ら守備範囲広すぎだろ。

 そんな二人にまるで気づかない工藤が何やら俺に質問してきた。おい名探偵。自慢の観察眼はどうした。

 質問の内容を要約すると竹林で俺が老人に蹴りを入れたことについてだ。どうやら江戸川くんに聞いて興味が沸いたらしい。

 

 竹林での事件。それは俺がタケノコ狩りを行っていた日に起きた最悪の事件だ。

 色々な場所を散策しタケノコを掘っていた俺は、しかし途中で足を滑らせて崖から転落した。

 その時は近くに生えていた竹のしなりを利用してどうにか難を逃れたが落ちた先が悪かった。俺が落ちたのは何処かの資産家の私有地だったのだ。

 前もってその話は聞いていたしフェンスで区切ってあるから大丈夫とも知っていたが、まさか崖から落ちて侵入してくることは想像していなかったのだろう、そこだけ唯一フェンスがなかった。

 不慮の事故とは言え侵入したことは事実。一応私有地内では何もしていないことを証明するためにスマホのビデオ機能で俺の行動を録画しながら資産家が住んでいる一軒家に進み始めて暫く、漸く辿り着いたそこでは老人(変態)が灰原さんに馬乗りになっていたのだ。

 一瞬で目の前が真っ赤になって、気づけば全力で蹴り上げていた。

 その後は何故か元気な老人が貴様ぁぁあとか言いながら襲い掛かってきたが知ったことでは無い。

 確かに動きは機敏だったが偶にテレビで見るKARATEの世界大会に比べれば全然大したことない。冷静に狙いを定めてその顔面にタケノコを食らわせてやった。

 

 その後は、男性に性的暴行を受けそうになった灰原さんに男の俺が近づくのも憚られて江戸川くんに任せようとしたのだが、どういうわけか灰原さんがくっついて離れなかったために声を小さくして警察に通報した。

 内容は当然老人が少女に馬乗りになって暴行を働いていたというもの。たまたまとはいえ証拠の動画もあるのはラッキーだった。

 一応目印として老人の顔と腹にタケノコを置いて、さて帰ろうとその場を離れると今度はシェリーシェリーとイカレタ目で呟くガタイのいい長髪の外国人が。

 当然そんな危険人物に恐怖を感じて震える灰原さんと江戸川くん。いつもの俺なら怪しいだけの人間ならスマホをチラつかせて脅すに留めるのだが今回はタイミングが悪い。

 ただでさえ人に怯えている灰原さんにこれ以上恐怖を与えるわけにもいかず、しゃーなしでタケノコスパーキング×5を食らわせてご退場して貰った。

 その後はその外人にも目印の為に顔と腹にタケノコを置いてその場を去り、数分の散策の末私有地から脱出することに成功したのだ。

 だが、この事件は灰原さんの身に起きたことを考えれば周りに言える筈もない。誰に言うこともなく自らの心のうちに留めていたのだが流石は江戸川くん、小学生だからデリカシーがない。

 

 まあ、そう言う事情もあるために工藤の質問に対する答えは沈黙だ。断固として口を割る気はない。この問題には仲のいい悪いは関係ないのだ。

 そんな俺の態度を見て何を感じ取ったのか、工藤はお前は凄いなと呟くと大人しくなった。宮野さんからは何故かお礼を言われたが。え?なんで?

 そして俺を見てフッて感じで笑う変態二人。何故か目を輝かせてカッコいいと宣う世良さん。なに?どうしたの?

 

 

 

 

 あっ、結局その後は夕飯までお世話になりました。大変美味しかったです。

 それと食事中に工藤が黒ずくめの組織とか言う中二病の妄想みたいな話をしてきたんだけどあれ何だったんだろ?父親にならって小説家にでもなるの?感想とか求められてんの?

 期待した眼差しで見られたから頑張って感想考えたがあれだな。

 

 

 黒ずくめの組織はヤベーところだな。




主人公:本名大岡 紅葉(こうよう)
苗字や名前から察してもらえるように大岡紅葉(もみじ)とは従妹の関係。
組織壊滅に大きく貢献した各国警察官の英雄。彼の将来にほぼすべての人間が注目している。なにそれ怖い。
恋愛ごとに関しては自身のめんどくささを理解している為に消極的。多分この後宮野さんにガンガン押されてそのうち堕ちるかも。
主な武器:蹴り技 タケノコスパーキング(シルバーブレット)


タケノコ:組織崩壊の決め手となった世界最高の武器。真の勇者がそれを手にした時その真価を発揮する。


主人公父:工藤優作にその実力を認められ、黒羽盗一の共犯者で、毛利小五郎の飲み友にして日本警察にその動向を注目される人。また鈴木財閥の信頼も厚い。過去主人公母を助けた関係でそのまま婿入りした。
Q そんなに凄い人なんですか?
A 勘違いは遺伝する


主人公母:多分一番勘違いしている人。息子の活躍を聞いても流石私たちの子供ね程度。なお父親は大体を察して密かに涙する。流石は俺の息子だ(泣)


大岡紅葉(もみじ):本作未登場なのにおまけで名前が出た人。主人公が美人を見ても美人だなとしか思わないのはこの人のせい。
原作通りせやかて工藤にご執心。ことある毎に主人公に電話をしてはなんやと工藤について話す人。
もろたで工藤と結婚できなかった場合は主人公と結婚する可能性が高かったが、本人的にはまあ主人公だしいいかと思っている。くたばれ主人公。
冗談抜きで書くと一時期妹を失ったショックで荒れていた主人公を根気強く慰めてくれた人。そのため主人公が唯一頭が上がらない。
多分主人公の一番の理解者で、主人公と付き合う際の最大の障壁。


主人公妹:主人公のトラウマ。生きていれば主人公の在り方も少しは変わったのかもしれない。が、よく考えたら生きてた場合妹を守ろうと今以上のチートになってたから勘違いが酷くなるだけだと気づいた。流石主人公。


沖田総司:過去主人公が荒れていた時期、励まそうとした紅葉が主人公を連れ回して京都を散策していた時に遭遇した人。その後この女とデートなんてお兄さん正気か?と尋ねたところ主人公にガチギレされた。哀れ。タイミングが悪かった。
それからは軽いトラウマ。主人公に会うたびにちょっとビクってする。そしてそれを見た周囲が主人公を沖田すらもビビる剣士だと勘違いしてそこからは噂が噂を呼んでの大混乱。
主人公、ここでもまさかの勘違い。


周囲から見た主人公

名探偵陣営

名探偵:ずば抜けた人間観察能力と、高い状況判断能力を持つ親友。将来的には自身が開く探偵事務所で助手をして貰いたい。組織のボスを捕らえておきながらそれを誇示しない様は尊敬の一言。

トリプルフェイス:尋常ならざる危機察知能力と、全体的な視点で物事を見ることに長けた逸材。是非とも部下に欲しい。

FBIの切れ者:異次元の洞察力と人並み外れた度胸を有する得難い人材。彼を向かい入れる準備は万端。

女子高生探偵:独特の価値観と揺れることない信念を持つ面白いやつ。一緒に探偵やるのもいいなと思ってる。

科学者:太陽のような温かさと誰でも助ける気概をもったヒーロー。傍にいられたらそれでいい。

因みにこれを主人公が聞いた場合。
「え?誰それ?」
またまた、ご謙遜を(笑)。

黒ずくめ陣営

ジン:シェリーと繋がり深い謎の男。赤井に匹敵する組織への脅威。タケノコの恨みは晴らす。

ベルモット:シェリーを守る忌々しいナイト。その一方でその実力は認めている。

ピスコ:いずれ組織壊滅を招く災厄。

アイリッシュ:絶許。あとで便所裏来い。

あの方:完全なるイレギュラー。計画の全てを狂わされた元凶。そしてロリコンにしたことは許さない。

因みにこれを(ry
「だから誰だよそれ?」
またまた、ご謙遜を(哀)


組織残党:
「ボスがやられた!」「主人公を殺せ!」「復讐だ!」「報復だ!」「組織の再復興だ!」
実は組織のボスは少女に性的暴行を加えようとして捕まったんだって
「「「「「失望しました、組織辞めます」」」」」
こんな感じで組織の残党のモチベーションを完全に潰したので主人公の活躍はデカい。流石は主人公さんやで。



本当のあとがき

これにてこのシリーズはおしまいです。
他にもいくつか妄想はありましたが、文章にするのが大変そうなのでここで切ります。ロリコンになりたくなくて必死になって自分の罪を自供するあの方とか、それを知って、まさかここまで読んで!?って勘違いを深める警察関係者とか書きたかったけど無理でした。文才がないんじゃぁ…。


とにもかくにも思い付きで書いたような滅茶苦茶なこの作品に目を通していただいたこと、心より感謝を申し上げます。お付き合いしていただきありがとうございました。

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