ストライクウィッチーズの世界に転生して人型ロボットを造って乗る男の話。 作:メガテニスト(偽)
1939年。扶桑。舞鶴の講導館の道場。そこでは未来のウィッチ候補生たちが修行に励んでいた。
「そこまで!みんな、今日もよく頑張ったね、今日はここまで。」
「「「ありがとうございました!」」」
「ぬわあああん、疲れたもおおおおん。」
「疲れた…。」「今日すごいきつかったぞー。」
今日も修行を終えて道場の片づけをしていく。
その時、そこの師範代としてウィッチを育成している北郷章香中佐に手紙が届いた。
「郵便でーす!北郷章香さんあてです。」
「ああ、どうもありがとう。差出人は…。兄上からだ!」
「先生のお兄さんからですか?」
「それって光武の発明者で扶桑海事変でも活躍したっていう…。」
「ああ。今は技術者として招かれて海外を回ってるんだ。どれどれ…。」
早速手紙を開いて内容を見る。
拝啓、扶桑のお父様、お母様、我が妹の章香。
今、私はセヴァストポリに来ています。魔導甲冑の制作者として、また、魔導甲冑周りの技術の開発者としてリベリオン、ブリタニア、カールスラント、オラーシャへ招かれ、扶桑から東回りに、まずリベリオンからブリタニア、カールスラント、オラーシャの順番で回って、それまで働きづめだったことからここ、セヴァストポリへオラーシャのお偉い人の厚意で羽休めに一週間ほど滞在する予定でした。
そうそう、移動はカールスラントのメーカーと中島飛行機(と途中で参入してきたリベリオンのロッキード社)の共同開発したハーキュリーズという名前の輸送機で、扶桑で新たに開発された魔導甲冑用の大型魔導エンジン(出力は何と1.3倍!)を搭載し、内装の見直しを図った光武改もそれに乗せて一緒に来ています。(例によって材料から一人で全部作ったハンドメイドです。)銃器の類はさすがに載せていませんが扶桑刀は許可が下りて一緒にあります。(といっても輸送機にずっと乗っていてしかもすっぽ抜けないようにしていますが。)
なぜ武器が一緒に乗っていることなんか書いたのかとお思いでしょう?
今、私は羽休めに来たセヴァストポリで…
---怪異に襲われています。
街中を観光していると突如爆発が起きた。見るととてつもなく大きいものが黒海の上空に浮かんでいた。
「走れ走れ!止まるな!とにかく逃げるんだ!」
黒海に突如として現れた巨大怪異。それからは中型と小型の怪異が飛んできていた。
怪異は光線を発射して街を焼き、兵器を蹴散らしている。
黒海の艦隊は唐突な襲撃に対応が遅れている。
「あの巨大さに光線…それに怪異の生産能力…。扶桑海事変のやつと似ている…。
今度は小型・中型すら光線を打つようになるなんて…。」
「何が起きているんだ…。あれは…怪異か!」
一緒に来ていたオラーシャのお偉いさんが外に飛び出して怪異を見てそんなことを言った。
「逃げましょう!俺たちが乗ってきた輸送機のもとへ!」
「ああ、わかった!」
急いで俺たちが乗ってきた輸送機へと向かう。飛行場に着くと輸送機の中へと乗った。
そして、俺は持ってきていた光武改に乗り込んで、扶桑刀を光武改に装備する。
「どうするつもりだね!」
「決まってるでしょう!応戦します!あなたはこのまま避難してください!」
「待ちたまえ!…仕方ない!避難民を乗せて出発しよう!おおい!そこのきみ!これにできるだけ人を乗せて逃げるぞ!こっちに誘導してくれ!」
飛行場を出てセヴァストポリの街に戻る。入ってきた怪異は少数だったが、その攻撃力は強く、また、装甲も固く、兵士たちが通常兵器で応戦していたがあまりきいていなかった。
大きめの怪異から何かが落ちてきた。爆弾か!?そう思ったが地面についても爆発しない。
その代わり動き出した。そして周りのものを襲っていく。
つまりあれは怪異だ。大型の怪異が小型の怪異を運んできたのだ。
街中を移動していく地上型の小型の怪異。どんどんと兵士が襲われて被害が拡大していく。
「やらせるかあああああぁぁぁぁ!!!」
扶桑刀を抜いて一気に近づき降りぬく。一刀のもとに両断された怪異は動かなくなった。
「無事か!」
「あ、ああ。あんたは?」
「俺は北郷一郎!時間がない!手短に伝える!地上型の相手をするから無線で知らせてくれ!」
「わかった!無線の周波数は…だ!」
「了解!こちら扶桑の…義勇兵だ!名前は北郷一郎!魔導甲冑に乗っている!支援が欲しいなら連絡を頼む!」
地上型の相手を次々に切っていく。市内の整備された道なら光武改の得意とするところだ。
上空の大型怪異は先ほどまでいた飛行場から出撃したウィッチたちが迎撃にあたっている。
しかし、なかなか苦戦しているようだ。
「くううっ!こいつ、傷つけてもどんどん再生する!どうすればいいのよ…!」
「きゃっ!あいつの攻撃、すごい威力!何回も耐えられないわ!」
大型の怪異…なら十中八九コアがあるはず。
「おい!上空のウィッチたち!聞こえるか!」
「…?誰!?」
「聞こえるみたいだな!いいか!それだけ大きければコアがあるはずだ!様々な場所を撃ってコアを探すんだ!」
「コ、コア…そうか!でもどこに…。」
「なんでもいい!とにかくいろんなところを撃ってみろ!」
「ああ、もう!何よそれ!了解!」
航空ウィッチたちは大型怪異の周りをぐるぐると飛んで撃ち始めた。
俺も、地上型を倒しながら移動していく。
「こちら、第3砲兵小隊!高射砲部隊の配置された要塞へと続く○○通りにて小型怪異と戦闘中!だが数が多すぎる!このままじゃやられる!至急、応援頼む!」
「了解した!」
しかしその場所は通常の道を通って行ったら光武改でも5分はかかる。そう、《通常の道を通って行ったら。》
俺は光武改に収納されているワイヤーを取り出すと建物の上に射出。そして壁に両足をつけると足裏に魔法力を発動!壁に足を引っ付けると、ワイヤーを巻き取りつつ足裏のローラーを回転させてそのまま壁面を一気に駆け上がる!
これが光武改に搭載された新機能、オラーシャで魔法力によって水平な壁を登ったり水の上を走ったりしていたウィッチの姿を見て開発したその名も
これにより一気に機動性が上昇した。なお、例によって魔法力を使いまくる。
一気に建物の上に乗った俺はそのまま建物の上を移動。魔導エンジンの出力が強くなったことで更に強化された身体能力を持って建物の間をジャンプ。直線的に移動して最短経路を突っ走る。
「撃て、撃て!とにかく撃ちまくれ!」
「くそっ!ここを通すわけにはいかねえんだよ!」
「装填急げ!…だめだ!間に合わない!」
「いいやっ!間に合った!」
砲撃を繰り出そうとしていた、先頭にいた怪異を切り伏せて怪異の群れと砲兵の間に立つと怪異の群れに向かって突っ込む。
「ば、馬鹿な…無茶だ!おい!」
両手に持った二刀を次々にふるう。ここの道は一本道だ。敵も敵の攻撃も一方向からしか来ない。つまり、
「攻撃にだけ注意して目の前のやつらを全部切ればいいだけだ。簡単な話だ!」
「いや、その理屈はおかしいだろう!」
敵の攻撃は後ろに流れ弾がいかないように全部シールドで防ぎながら、10体ほどいた怪異を全部切り伏せた。
「信じられねえ…ほんとに全部倒しちまいやがった…。」
その後、野戦砲部隊に話しかける。
「無事か?」
「ああ、無事…とはいいがたいが、おかげさまで。救援、感謝する。」
「いや、いい。それよりもこの上には高射砲があるのか?」
「あ、ああ。それがどうかしたか?」
「いやなに、あのデカ物を撃ち落とすために貸してもらえないかと思ってな。高射砲なら時限信管付きの砲弾があるだろう?」
「撃ち落とすって…できるのか?」
「できるさ。あいつは今かなり低空を飛んでいる。それに速度もあまり出ていない。
あれなら当てられる。現にあそこの高射砲部隊だって当てているだろう。」
「ああ。しかし、なぜあれを当てられて落とせないんだ。」
「あの怪異はでかいからな。恐らくコアがある。コア持ちは総じて修復能力が高い。
魔法力のあるウィッチの攻撃か魔法弾なら修復を遅らせることができるが、
通常兵器で倒すなら大火力を集中させて一気にたおすしかない。
光武改なら高射砲も装備できる。これで魔法力を込めてあいつを撃って撃破、ないし航空ウィッチのコアの発見を手助けする。」
「…わかった。おい!聞こえるか!高射砲部隊のやつら!扶桑から来たサムライがお前らの砲を有効活用してくれるってよ!」
「竿の使い方がうまいとはそりゃ頼もしい!使い終わったら返してくれよ!」
どうやら貸してくれるらしい。設置された高射砲に近づいて金属操作で台座と切り離してレーダーを発動。(こちらは購入した。)
敵の速度と高度と距離を測定すると、算定具に情報を入力。(こっちはやってもらった。)時限信管をセットした砲弾を装填すると無線でウィッチたちに連絡。
「こちらは光武改!高射砲のあった丘から砲撃する。射線に入らないようにしてくれ。」
航空ウィッチが射線近くから離れると砲撃。弾は怪異に当たる前に爆発。爆風と破片が怪異を襲う。
奇妙な、金切り声のような声を上げる怪異。高射砲の一撃は怪異を大きく傷つけたものの倒すには至っていない。
「撃墜できていないぞ!二発目を装填しろ!」
「いや、ちょっと待ってくれ。その前に…。
航空ウィッチの人たち!聞こえるか!今高射砲を当てた部分を見ろ!明るい色をした結晶体が露出しているだろう!そいつがコアだ!それを打ち壊せ!」
「了解!」
航空ウィッチの一人が怪異の下の部分に回り込む。
「あった!あれね!よーし…!今までのお返しよ!たっぷり食らいなさい!」
傷ついている部分、コアが露出している部分に近づくと機関砲を掃射。コアは破壊され怪異は無数の破片となって
撃破された。
「やったわ!」
「見ろ!怪異が消滅したぞ!勝ったんだ!」
隣にいた兵士が喜んでいる。しかし、俺は上空に浮かぶ不気味なものを見て、戦いはこれからであることを感じ取っていた。
あれがある限り怪異はまたやってくる。それは現実のものとなった。
この戦いののちに怪異は黒海周辺の伝説の怪異から名前を取ってネウロイと呼ばれるようになりました。
そして、この襲撃の後、オラーシャは戦力を、被害は受けたものの堅牢なセヴァストポリに集結させています。
俺も要請を受けてセヴァストポリにとどまっています。
ですが、ネウロイの攻撃は激しく、戦況は芳しくありません。もしかしたら帰れないかもしれないので父と母によろしく伝えておいてください。
追伸。なんで2回もどんぴしゃで怪異の事件に巻き込まれるんでしょうね?呪われているんでしょうかね?
---わたしも、そう思います。---
手紙を読み終えた北郷章香はそんな心境で後ろに倒れた。
「わああああああ!?せ、せんせーーい!?」
「先生が倒れたぞーー!」
「早く医者連れてきてーー!!!」
おまけ。
北郷君は基本的に前世での知識とか、学んだことは忘れないというご都合主義的な何かを持っていて、割と頻繁に前世での曲を思い出しながら歌っています。
檄!帝国華撃団とか、御旗のもとにとか、地上の戦士とか、メロスのようにとか、炎のさだめとか。ガンダム作品のも。
「おい、一郎。お前何て曲歌ってんだ?」
「ん?これは檄!帝国華撃団っていう曲。」
「ふーん、聞いた事ねえなあ。でもなんていうか良い曲だな。
ウィッチのことを歌った曲みてえだ。…ただ帝国華撃団ってなんだ?」
「…さあ?」
その後、なんかいつの間にか部隊の間で広まっていた。やっぱこの曲はいいよね。
ちなみに、御旗のもとにはガリア兵の間で、地上の戦士はリベリオン兵の間で人気だった。やっぱ地元ひいきはあるものだなあ。