ストライクウィッチーズの世界に転生して人型ロボットを造って乗る男の話。   作:メガテニスト(偽)

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魔女たちの航跡雲とストライクウィッチーズ 2のサイトにある年表とサイレントウィッチーズでの記述でかなり混乱するナリィ。

サイレントウィッチーズの記述を信じるならダキア陥落して2ヶ月でモスクワまで陥落してヴォルガ川を最終防衛線にしてるし。
最も長い撤退戦は魔女たちの航跡雲の記述ではトランシルヴァニアからの撤退は1942年からだけど、スト魔女2の年表では1940年からだし。
こんなガバガバなら好き勝手な時間経過と戦闘経過でええよな!最終的に整合が取れればそれでよかろうなのだぁ!(そもそも二次創作だし)


第12話

ペレコープ地峡での戦いを切り抜けて撤退した俺たちは東へと向かい、ロストフへと撤退することになった。

しかし、その途中、ドニエプロペトロフスクが落ちたことをメリトポリで聞いた俺たちは、東に方向を変えて撤退。途中でカールスラントの援軍だった部隊やほかのオラーシャの部隊との合流を続けながらさらに東へと撤退し続けるのだった。

目指す目標はロストフ。アゾフ海の北の沿岸に沿ってマリウポリを通過。ロストフへ、というルートを取った。

ネウロイは水を嫌う。飛行する奴は河川を飛び越えるが、地上のやつは河川を前にすると潜るか迂回、橋を使って渡河する。それ故に地上では河川を拠点、または前線とするのだが、その前線も後退せざるを得ない状況が続いているようだ。

それ故にドニエプル川が突破された以上、大きく長いボルガ川が最終的な防衛ラインになるだろう。それまでにドネツ川が防衛ラインになるかも知れない。

 

 

~ある兵士の記録~

またネウロイに襲われた。幸いにもウィッチとの連携で撃退することはできたが。

連戦負け続けている我々は東へ東へと撤退を続けている。軍の上層部はヴォルガ川を最終防衛ラインとした。

我々もそこを目指すことになっている。奇跡的にも装備の損耗はあるものの人員の損耗はかなり抑えられていた。

これも航空ウィッチや陸戦ウィッチの奮闘のおかげだろう。

特に“ドレッドノート”の働きは目覚ましかった。

彼を中心に陸戦ストライカーが盾となり、そのパワーで簡易的な塹壕による陣地をたやすく作り、その機動力で戦線の穴を埋め、その火力で敵を倒す。

我々はその裏で守られながらできる限りの支援を行う。砲撃支援であったり、民間人の避難であったり、弾薬の補給であったり。

 

“ドレッドノート”を信頼しているのは何も陸戦ウィッチや我々だけではない。航空ウィッチもだ。

 

ネウロイがうじゃうじゃいる中へ落ちたウィッチをその機動力を持って全力で救いに行くのだ。

彼に救われた航空ウィッチは多い。レーダーで空戦の様子を把握している彼はちょっとの護衛とともに撃墜されたウィッチをよく助けに行く。(もちろん自分たちが襲われてないときに限りだが。)

即死でなければ、シールドで助かるウィッチも多い。その間身を隠しながら救助を待つ。が、何分敵の真っ只中だ。救助しに行くことはとてつもなく危険なことだった。

それに現在どこも押されて撤退している途中である。移動力のある航空ウィッチでも救助しに行くことが難しい状況だった。落ちたらまず助からない。

そんな中でも助けに行くのだった。

 

一度彼に聞いた事がある。なぜそんなに危険を冒してまで彼女たちを助けに行くのかと。

君だってかなり消耗してるはずだ。

彼はこう答えた。

「別に義理人情だけで助けに行ってるわけじゃない。航空ウィッチっていうのは貴重なんだ。

 それに空に対抗できるのはほとんど彼女たちだけだ。なら飛べる彼女たちを助けに行くことは不思議なことじゃない。一人でも数は多いほうがいいからな。今のネウロイは航空型が主力のようだからなおさらに。

 それに落ちて帰ってきて、立ち直った子は強くなる。なら助けに行かないって手はない。実戦経験のある子は貴重なんだ。」

 

私は知っている。確かに彼はそう思っているのだろう。救助されたウィッチが救助されたときのことを話しているのを聞いた事がある。墜落してネウロイに襲われそうになり、何とか間に合って救助されたとき、礼を言ったらこう返されたという。

「礼はいい。そのこれから助けられるはずの命の分誰かを助けてくれりゃそれで!」

光武改のコクピットの中、その時のこちらも見ずに必死にネウロイを迎撃しながら戦う様子は恐怖を押し殺しているようにも見えたという。(そんなことを顔を赤らめながら話していた。)

 

きっと彼はそれで理論武装してるに過ぎない。自分だって疲れているのを、敵の真っ只中に飛び込む怖さをそれで騙しているだけなのだ。そして、それ以上に助けられるかもしれないのに助けに行かなかったということに恐怖しているのだ。

そんな彼だからこそ一緒に敵地に飛び込むものや慕う者もいるのだろう。

事実、兵士や人々の人望も厚かった。彼がウィッチを助けに陣地を離れることに不満を漏らす輩は少なかった。

 

 

 

オラーシャ、アゾフ海沿岸、タガンロクのそばにあるミウス川の防衛線。

「こちらダリエフカ!地上型ネウロイが多数!壊滅の恐れあり!至急応援頼む!」

「了解。直ちに急行する!何とか持ちこたえてくれ!」

救援要請を受け取り、突破されそうな防衛地点へと急ぐ。

着いた時にはネウロイはさらに増えていた。タンクデサントの陸戦ウィッチたちは背中にある、陸戦ストライカーユニットと光武改を接続してタンクデサントの負担を軽減するポイントから陸戦ストライカーと光武改の接続を解除して降りると展開する。

そして、塹壕へと迫っていたネウロイを共に押し返していく。

「すげえ!まるで壁だ!いや、移動トーチカだ!」

ネウロイを撃破しながら押し返すと、数を減らしたネウロイ達はあきらめたようで撤退した。

「助かった!救援感謝する!」

上空のほうも戦闘は終わったようだ。敵の姿は見えない。撃墜されたウィッチが一人いたが、それについてはもう助け出されていた。タガンロクの航空基地に帰還していく航空ウィッチを見送った。

 

ネウロイの攻勢は激しかった。特に陸上型は数が多くて被害が大きかった。

襲撃の回数もあってみんな疲労がたまっていった。

 

「こ、こちらオトラドノエ!壊滅の危機!至急救援頼む!…うわあ!だめだ!突破される!た、助けてくれ!」

ある時、防衛線の別の場所が突破された。幸い、航空ウィッチの援護で被害が食い止められているうちにすぐに急行して防衛線を立て直したが、もはやここは抑えきれないかもしれない。

 

「防衛線はもはやもたず、スターリノが落ちた…か。もはやここも持たない。撤退だ。全軍に撤退命令を出せ。タガンロクは放棄する。」

 

全軍に撤退命令が出た。ロストフとタガンロクをつなぐ鉄道と、タガンロクの港から民間人を優先的に撤退。俺たちはそれまで敵を食い止めつつ海岸沿いに陸路で撤退する。交易の中心であったここを放棄することは決意のいることだっただろう。決断に感謝するほかない。

 

1939年10月半ば。

道中、タガンロクにある拠点で2週間ほど防衛に参加。しかし、消耗が大きく、また、スターリノが占拠されたため撤退。ネウロイ達の激しい追撃を覚悟しながら目的地であったロストフまで撤退する。

しかし幸運なことに、秋雨が始まったことにより、雨と泥濘によって水を苦手とするネウロイの進撃は遅々たるものとなり、ろくな追撃のないまま撤退できた。

11月初め。

ロストフまでたどり着いた。ドン川の河口一帯は古来より商業や文化の面で非常に重要だった。

今でも、鉄道路線の中枢であり、鉄道と水運の連絡点であり、金属や石油が豊富なカフカースへの玄関でもある。

そして、アゾフ海、ひいては黒海と通じている。

それ故にここを取られるということはヨーロッパからの支援がかなり制限されるということである。

そのこともあって、俺たちがたどり着いた時には既に大勢のオラーシャとカールスラントの軍団が大量の兵器をもって武装していた。

その中には、俺達とは別ルート、航海でアゾフ海を渡ってきたセヴァストポリの部隊もいた。

 

俺たちは生き延びたのだ。そこに展開していた軍に迎え入れられ、俺たちは生きてここまで来られたことを喜び合った。

 

一緒に来ていた部隊は再編されることになった。その際、セヴァストポリからともに撤退した上官やウィッチ、兵士たちや民間人が次々お礼を言いに来た。

「あんたがいなけりゃきっとここまで来られなかった。本当にありがとう。」

「あんたは俺達の英雄だ!」

「あの時救助しに来てくれて本当にありがとう。今ここにいるのはあなたのおかげよ。」

 

自分のしたことが報われたようだった。助けられなかったものもある。間に合わなかったことがある。

だけどそれでもやったことは無駄ではなかったのだと思えた。

 

その後、現在の戦況を聞いた。

モスクワは陥落。スオムスまで攻撃されているらしい。モスクワ陥落を受けてここからドエツ川ではなくドン川に部隊を展開するのだそうだ。ヴォルガ川を最終防衛線として、ドン川からヴォルガ川にかけて戦線を展開し、補給を受けながら戦うのだとか。

そして、なんと、セヴァストポリで抵抗を続ける部隊がいたらしい。

どうやら撤退しそこない、要塞の南側で戦っていたらしい。また、シンフェロポリでも同様に抵抗する部隊がいた。

それを受けてオラーシャはなんとか人員をかき集めてロストフからアゾフ海を通って大量の物資と人員を送り、クリミア半島の勢力を取り戻していた。

 

俺はこのまま残って戦うにしても一旦扶桑との連絡をとった方がいいと考えて、何処かで扶桑との連絡が取れないかを聞いたところ、

バクーに扶桑陸軍の部隊がいるのでそこで連絡を取ればいいと言われた。

そこで、ヴォルガ川の河口、カスピ海沿岸にあるアストラハンから船に乗ってバクーへと向かった。

そこで扶桑陸軍と連絡を取ったところ、なんか復帰の命令と准尉への昇進があった。

 

そしてそれとともにある命令書が届いていたのだった。




えー。ここでちょっとお話しが分岐します。ここから他の戦線への転戦かこのまま東部戦線で頑張るかの二本です。
他へ行った場合は変形型の方のお話に近く、東部戦線で頑張った場合はある程度別の話に行ってやっぱり別の戦線に転戦です。

ただまあ今回は他の戦線の方へ。そっちの方がお話書きやすいし…。


おまけ。

あの日のことを今でもはっきりと覚えている。
私が撃墜されたときのこと。僚機を庇ってストライカーユニットに被弾して、地上型ネウロイの群れのど真ん中に落ちた。
仲間はみんな上空で戦うのに必死で私を助ける余裕なんてなかった。
幸い落ちた先は森だったからすぐに見つかることはなかった。
だけど、見つかればすぐに殺されてしまう。そんな状況だった。
私は木の上に隠れてじっとしていた。戦闘が終われば助けに来てくれるだろうって思っていた。しかし、戦闘は思ったよりも長引き、
航続距離も心もとなくなっていた。彼女たちは私を探してくれたが、地上からの攻撃もあって全員引くしかなかった。
私を絶望と悲しみが襲った。私は木の上でネウロイが地面を這っているのを眺めながら降りることもできずにただ待つことしかできなかった。とても心細かった。

待つこと数時間。一匹のネウロイが私の隠れている木のすぐ下を這っていた。私はただ早くいなくなれと祈ることしかできなかった。

祈りは通じなかった。

ネウロイの赤い目(なのだろうか?)と目があった気がした。気づかれた。そう思った瞬間に咄嗟に木の上から飛び降りて拳銃を抜いた。そしてネウロイに向かって拳銃を撃った。

拳銃程度ではネウロイに対してロクな損傷も与えられなかったが、そいつは小型だったので少しの間動きを止めることはできた。
発砲しながら全力で逃げる。他のネウロイたちにも気づかれたらしく、ウジャウジャとこちらに向かってきていた。
怖かった。私を殺しに大量のネウロイが迫り来ていた。

涙を必死にこらえて無様に逃げた。そして途中で体力が尽きて転んだ。もう走る気力も逃げる気力もない。私は死を待つだけとなった。

そしてネウロイに殺される直前、彼は現れた。

突然目の前のネウロイが砲撃されたかと思うと目の前で光となった。
そして私への砲撃は全て、突然現れた彼が全て受け止めた。
顔を上げると、そこにいたのは鋼鉄の巨人だった。

「各自!降車して前方に展開!要救助者をコクピットに避難させるまでシールドを張ってくれ!」
「了解!」
男の声がしてマギウスアーマーに随伴していた陸戦ウィッチがマギウスアーマーの前でシールドを張り始めた。
そして、彼はこちらに向かってくるとコクピットを開けて、そこに腰が抜けて立てない私を抱き抱えてコクピットの中に連れ込んだ。
彼の腕はとても力強く、安心感があった。
ついでにストライカーユニットも回収してくれた。

搭乗した彼は、今度は随伴歩兵の盾となると付近のネウロイを随伴していた少女達と一緒に倒し、退路を確保した。
そして来た時と同じように少女達はストライカーユニットをマギウスアーマーの背中にある装置に接続して乗車。
追ってくるネウロイなどを警戒しながら一目散に駆け抜ける。

ここまできてお礼も言ってないことに気がついた。
私は「助けに来てくれてありがとう」と言った。すると、
「俺への礼はいい。そのこれから助かるかもしれない命でその分だけ誰かを助けてくれりゃそれで。」
と言った。

はたして、私は無事に帰ってこれた。怪我は軽微で、すぐに復帰できた。だけど、ストライカーユニットがなかった。
そんな時、私のストライカーユニットは彼に修理されて帰ってきた。
そんな簡単に直せるような損傷じゃなかったはずだ。
彼は、
「君がもう飛べないというのならこれは誰か別の人に使ってもらえばいい。だがもしも君がもう一度飛ぶというのなら、これは君の新しい翼となってくれるだろう。」
と言って渡してくれた。

正直、一度あんな目にあったのだ。戦うことがとても怖かった。だけど、コクピットの中、私を連れて逃げる彼の顔はとても必死で、彼の恐怖を少し感じ取ったからかもしれない。
彼のように、怖くても立ち向かう勇気が持てた。
私はまた空を飛び始めた。今度は私が彼を守るために。
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