ストライクウィッチーズの世界に転生して人型ロボットを造って乗る男の話。 作:メガテニスト(偽)
(本編を更新しないでこんなもの上げることを)許してお兄さん!
ちゃんと本編も進めてるから!
私の名は加東圭子。扶桑皇国の従軍記者として、ウィッチたちを取材して、世界を回っていた。
そして、その取材の中で「アフリカの星」ハンナ・ユスティーナ・マルセイユの噂を聞きつけてそれを世界に伝えるべく、アフリカへとやってきた。
トブルクの港から、街の中を通り過ぎ、街の近くにある要塞の中にあるロマーニャの補給司令部でロマーニャの将軍の一方的な自慢話を聞いた後。
補給司令部でマルセイユ中尉の基地の位置を教えて貰い要塞の外へと出てウィッチ隊の基地へと大変な思いをしながら歩く。その途中、運よくブリタニア陸軍の上等兵に車に乗せてもらい、基地へと行くその途中、
マルセイユについて話している兵士のほうを向いて話を聞いていると遠くのほうに人影が見えた。
いや、手足こそついていたがそれは人間ではないことは明白だった。
魔導甲冑。マギウスアーマーとも言う扶桑発の兵器。ある扶桑人が独力で作り出した陸戦ストライカーの形態の一つ。恐らくはそれだろう。
とっさに写真を撮ろうとカメラを構えたところで横殴りの風が吹き付け、一瞬目をそらした隙にそれは幻影のように消えてしまった。
「どうしたんですか?」
「ああ、いえ、今遠くにマギウスアーマーが見えた気がして…。」
「キリコだ!…あっ、すいません。恐らくそれはキリコのマギウスアーマーです。」
「キリコ?」
そんな名前のウィッチがいたのか。
「はい。キリコ・キュービィーという名を名乗ってまして、アフリカ戦線はもう何回も助けられてます。いつも急に現れて、戦いが終わって気がつくと消えている。まるで初めからいなかったように。そこからついたあだ名が…。」
『砂漠の幻影』
マルセイユの取材が終わった後、謎の戦士、キリコ・キュービィーに興味を持った私は取材期間を延長してそのウィッチについて調べることにした。
要塞や街で兵士たちにキリコについて話を聞く。
「キリコ?ああ、あいつか。いつもピンチの時に現れて敵の注目をかっさらってくんだ。
おかげでこっちへの攻撃が止んでその間に体勢を立て直せる。」
「キリコか。あいつはすっげえんだ!いつも単騎で10以上は倒していく!ネウロイどももキリコが現れた瞬間動きを変えるんだぜ!」
「キリコは煙幕をよく使う。接近するためだったり、敵の軍勢の横を取るためだったり。
その機動性を十分に使って煙幕を有効活用するんだ。」
「キリコの特徴としてはロケット弾もよく使うな。奇襲で使って敵の数を大きく減らすんだ。」
「この前、ネウロイの軍勢に襲われてるときに目の前で地雷原を突破したネウロイが次々にやられてくのを見たんだ。ネウロイがやられるたびにアハトアハトの特徴的な発砲音が遠くからするんだけど、味方は誰も撃ってない。
それで音のする方向を探してたら崖の上にキリコがいてアハトアハトで狙撃してたんだよ。」
「キリコはまず真っ先に飛行杯(フライングゴブレット)を倒してくんだ。あいつが一番歩兵にとって脅威だからな。」
「ネウロイの数が少なくなった時はさ、こう、見事な動きで敵に接近して切りつけていくんだ。
大型ネウロイも一発でぶった切っちまうんだぜ。」
「ブリタニアの陸戦ウィッチたちとも共闘することもあるな。その時はいつもと違って重戦車のような動きなんだ。ウィッチたちの盾になって攻撃を受けながら敵を押し返してくんだ。」
更に兵士たちから話を聞いているとおおよそ人間かどうかも怪しくなるような話も飛び出してきた。
しかし、一体所属はどこなのだろうか。ロケットにアハトアハトを使うということはカールスラントなのかしら?そう思った私は知り合ったカールスラントの将校に尋ねた。
「ああ。あいつは確かにカールスラントの兵士として登録されている。補給もカールスラントが行っているよ。」
ビンゴ!ということはどこで補給を行っているかもわかるはず。その所在もカールスラントが把握してるはずだ。
尋ねてみるとその将校は代わりに条件を出してきた。
「ならその扶桑製の魔導甲冑の模型を見せてくれないか?」
世界中で取材しているとこんな風に魔導甲冑の模型を求められることがある。模型は兵士たちの間ではお守りとして絶大な人気を誇っている。なんでも扶桑のが一番出来がいいらしく、特に一番人気が扶桑製の光武の模型だ。
魔導甲冑の模型はほかの国のものもあるがその中でも光武シリーズは人気が高い。売り切れも多いとか。
また、自分でペインティングして楽しむものも多いとか。それを見せ合うこともまた。噂に聞くと愛好会ができてるらしい。
取材を円滑に進めるために手土産として持っていくことも多かった。今も持ってきている。というかちらつかせていた。それを渡した。
「ああ、ありがとう。それじゃあ…」
将校に基地の場所を教えて貰う。ついでに取材の許可ももらった。
「それにしても…。この模型、キリコのに似ているな。細部は少し違うが。」
「…その話詳しく聞かせていただいても?」
どういうことかしら。今私が渡したのは光武二式(の模型)。昨年ロールアウトされたばっかりの最新鋭機だ。
それを何故カールスラントの兵士が?輸入して使うこともあるだろうが、カールスラントだって魔導甲冑は作っている。よっぽど気に入ったとか?いや、それにしたって補給の問題もある。特にエンジンなんかは整備するのにそのエンジンに詳しいものがいないとだめだろう。わざわざそんな苦労をしてまで軍が使わせるものだろうか?
疑問を持ちながらもキリコがいるという場所へとやってきた。その場所は前線のすぐそばにあるカールスラント第15装甲師団の駐屯地だった。
師団長に挨拶して取材許可証を見せるとキリコの所在を訪ねる。
「キリコですか。今格納庫でマギウスアーマーの点検と修理を行っておるはずです。」
「キリコさんが自分で修理を行うんですか?」
「ええ。そのほか、壊れたストライカーユニットや機械なども修理してくれるんですよ。
機材も金属部品であるならば材料から作ってくれます。さながら、奴は前線の工場ですな。」
何故だろう。凄く聞いた事のある気がする情報が出てきた。脳裏に扶桑海事変の時に出会った人物の姿が浮かぶ。
そんなわけないわよね。自分に言い聞かせながら、そろそろ師団長の元を辞して格納庫を見せてもらおうとした時、基地に警報が鳴り響く。
「ネウロイ襲来!場所は…!救援要請が来ております!」
近くの前線だった。そしてそれが言い終わるか終わらないかくらいですぐに基地を飛び出していった影があった。
マギウスアーマーだった。砂漠でも時速60kmは出ている。今のがキリコだろうか。
「やれやれ、また勝手に出撃しおって…。」
また?しょっちゅうこんなことを繰り返しているのだろうか。
「ええ。いろんな意味で止められんのですわ。実際、奴が戦場に到着した時から損耗率は下がる、現場の士気は上がる、他国に恩は売れるで。逆に止めようものなら現場の恨みを買ってしまう。困ったもんです。」
聞いてるだけでとんでもない。どれだけの戦いぶりをしたらそんな状況になるのだろうか。
「無茶苦茶ですよ。単騎で敵を引き付けて攻撃の圧力を減らすのが主軸の戦いですから。
奴らもあいつを無視できない。なにせほっとけばどんどん被害が出るのでね。」
なんだそれ。私は絶句した。光武は前面以外の視界がない。基本的に他の陸戦ストライカーか魔導甲冑と組み合わせてそれを補って戦うのが普通なのに。単騎だけでそんなことするなんて。
「奴はダンスでも踊るみたいに機動して戦うんです。そのために随伴歩兵を連れて行かない。」
当然、魔導甲冑はタンクデサントがいてはその機動力を発揮できない。だからその機動力を発揮するには単騎か魔導甲冑と組み合わせる必要がある。
だからって単騎で行くなんてことをすれば後ろや横を取られたときにカバーするものがいないからたやすくやられる。自殺行為にも等しい。
それをもう何回もやっている。とんでもない人物だ。
「まあ1時間もすれば帰ってくるでしょう。」
「え?一時間ですか?」
「ええ。弾薬をふんだんに使って殲滅してきますからな。そのたびに補給に戻るのです。
おかげで弾薬だけは豊富にそろえとるんですわ。」
それにしたって早い。どれだけ贅沢な戦いをしているのだろうか。
忙しく指示を始めた師団長の元を辞して格納庫で待機させてもらうことになった。
待つこと一時間ほどすると本当にマギウスアーマーが帰ってきた。
その姿は確かに扶桑の光武二式を改造したものだった。
そして整備兵たちが忙しく点検や弾薬の補充や燃料の補充を始めた。マギウスアーマーは操り人形のように魔法力で動かしているので関節にモーターといったものがない。それ故に関節が壊れやすいなどということがなく、それでも重量の負担が大きい足回りを簡単に、エンジンを重点的に調べていく。
そんな時おもむろにコクピットが開いた。いよいよキリコとのご対面だ。
そこにはとりあえずここにいることがおかしい人がいた。
私は驚きのあまり口を開いて声も出さずに唖然とするしかなかった。
光武の開発者でレーダー、誘導対空弾の開発の担当もして、
今現在世界中で使われている輸送機のハーキュリーズの開発者の一人。
そしてヒスパニア内戦、扶桑海事変、黒海を発端とするこれまでの戦いでずっと最前線で戦い続けてきた。
とりあえずその功績を上げたらきりがないレベルの人物。
そしてそれ以上に問題児として厄介がられてる
キリコ・キュービィーの正体は扶桑陸軍の北郷一郎その人だった。
扶桑陸軍から前線から引くように言われたのを拒否して雲隠れ。それ以来姿を消していたと聞いたがこんなところにいたなんて!
いや、確かにこの人なら部品の補給がなくてもなんとかできる。それどころか材料から新たなエンジンを作ることだって。
彼はこちらに気が付くと笑顔でひらひらとこちらに手を振っている。
こんな時でもシャッターチャンスを逃さない記者の性で思わずカメラを構えてその光景を切り取った。
彼は彼に近寄ってきた整備員の一人から水と嗜好品のチョコレートを受け取って食べ始めた。
そしてすべての作業が終わるとすぐにまた出発していった。
私はその間一言もしゃべることができなかった。
そして彼が出て行った後、
「うそでしょ~~~~~!!!!」
そんな絶叫を上げたのだった。
こうして私のキリコ・キュービィー探索の時は終わりを告げた。
この後、出撃をすべて終えて帰ってきたキリコ…もとい北郷一郎に話を聞いた。
「いやあ、久しぶりですね。扶桑海事変以来でしたか?お元気そうで何よりです。」
などとなんとも能天気なあいさつの後に、なぜこんなところにいるのか尋ねた。
彼曰く、「3年ぶりに扶桑に帰ったら無理やり結婚させられそうになって、司令部も国に縛り付けようとしてきたから逃げ出して扶桑陸軍のいないここに来てカールスラント軍に現地で参加した。」とのこと。
馬鹿だ。この男馬鹿だ。実行するかフツー。そして受け入れたカールスラント軍もだ。
誰だこの広く顔が売れているこいつを参加させた奴。
「ロンメル将軍です。俺はキリコ・キュービィーです。北郷一郎とは何の関係もありません!って言ったら、
『そうかそうか!キリコ・キュービィーか!よろしくキリコ!我々は君を歓迎するよ!』って。」
私は頭を抱えたくなった。こんなバカげた話があってもいいのだろうか。
「あっ、申し訳ないのですがこのこと、陸軍には内緒で。」
こんなこと話せるわけがない。
非常に頭の痛い問題を抱えたまま私は駐屯地を後にした。
しかし、一か月後、すぐに再会して陸軍の部隊にもばれることになるのだった。
余談だが、空から彼の戦いを見る機会があり、兵士や師団長の話は全て本当であることを確かめた。
ハルファヤ峠での防衛戦の後。
「北郷一郎、もといキリコ・キュービィー中尉、到着しました。お待たせして申し訳ありません。バッハ少佐。」
「いや、構わんよ戦友。それにしても君はマギウスアーマーに乗ってる時と降りてる時でずいぶん言葉遣いが変わるね。」
「申し訳ございません。何分、戦っているときはずっと必死なものでして…。ああやって乗る前に違う自分になりきってごまかすんです。戦場での非礼。ここでお詫びします。」
そう言って頭を下げる。
「顔を上げてくれ。君に頭を下げられちゃかなわん。それに楽しい食事の場だ。気楽にいこうじゃないか。」
「では、お言葉に甘えて。」
戦場の工房
「ケイ、買い物に行くのか?」
「ええ。キリコのところまでね。お鍋壊れちゃって。
それにあそこでしか手に入らないものもあるし。」
「そうか、じゃあついでにこいつの弾薬も貰っといてくれ。」
そう言って出したのは拳銃。それもかなり重たい大型のもの。
これの弾薬もあそこでしか作ってない。確か50AE弾とか言ったか。補給上問題しかないがマルセイユは気に入ったからの一言だけで使い続けている。
パットン将軍も気に入ったらしく作ってもらったようだ。
ちなみにあそこを利用しているのは何も私たちだけではない。こっそりとブリタニアやロマーニャの人間も使っている。とは言っても基本的には個人的なもので金属でできたものだけなのだが。