ストライクウィッチーズの世界に転生して人型ロボットを造って乗る男の話。 作:メガテニスト(偽)
初めての機体を造ってからしばらくして、今度は長島飛行脚にも持って行った。
中島さん他の感想は、
「な、なかなか斬新な発想だな…」
「無駄がありすぎるがエンジン部分には目を見張るものがある。」
「歩行脚でいいんじゃねえか?もしくはエンジンを歩行脚に転用するか。」
「馬鹿、どうやってあんなもの背負うんだよ。」(まだ宮藤理論は発明されていない)
「ま、なんにせよ、うちは飛行脚の会社だぜ?無用の長物ってやつだ。」
とのこと。まあ仕方ないよね。クレーンが使えない場所などで重機の代用として使用するくらいしか今のところ価値は無い。
それでもいい。どうせ趣味で作成したものだし。性能を高めていく努力はするが。
初めての機体を造ってからそれなりの年月が経った。俺はもう20歳ほどになる。あれからも長島飛行脚で働いている。
代々軍人の家系なら軍人になるべきなのでは?と思いだろうが、妹の章香のほうが優秀であり、俺は小さい頃から発明ばっかり繰り返し、養子であるゆえに、軍人になるよりもそちらで働くほうが世の中の役には立つであろうということでそちらで働いている。
今でも剣道の稽古は続けているが、最近は妹に勝てないでいる。ちょっと悔しい。
光武もそれなりに改良している。エンジンもそうだが、操作に関してもだいぶ変わったことがある。まず、術式による操作に加えて、機体に対し、使い魔とシンクロさせる方式を採用したのだ。
わかりやすく言えばエヴァンゲリオンみたいなものである。私とシンクロしている使い魔を通して機体とシンクロすることでより感覚的に動かせるようにしたのだ。
これにより、今までよりもはるかに効率が良くなり、動きもかなり滑らかになり、直感的に動かせることで初めてでもそれなりに動かせるようになった。(今のところ使い道はないが)使い魔の負担も減ったようだ。
シールドや強化魔法も効率が上がったことで更に強く発揮できるようになった。(シールドは今の所使い道がないが)
また、バランス感覚も取りやすくなり、ローラータイヤによる走行もバランスをとれるようになった。これは時速60kmほどで走行できる。
こんなところであろうか。
1936年七月の今、俺はヒスパニアにいる。光武を見せた後、魔導エンジンの作成などができることが認められ、長島飛行脚でストライカーユニットの作製の手伝いをしていたのだが、技術交流のためにブリタニアに向かう途中なのだ。光武も持ってきている。重機兼工具として便利だ。
その途中、ヒスパニアとガリアの国境近くの港町に寄港している。
そして、そのヒスパニアにて、運命の日を迎える。
折角寄港したのだからと街を観光していると唐突にサイレンが鳴り始めた。何事かと思って辺りを見回すと黒色のなにかが飛んでいた。あれは一体…。
その時、黒色のものから何かが街に向かって発射された。それは町に着弾すると町を破壊してがれきを巻き上げた。
「あれは…!」
恐らくあれは怪異と呼ばれるものだろう。大昔から人類の敵として存在したもの。魔女は昔からこれに対して戦ってきたのだ。
つまりこれは空襲のサイレン。避難警報なのだ。ここは危ない。俺も急いで避難しなくては!
俺は急いで近くの港にある光武のもとに向かった。普通に避難するよりもシールドの強度も強く、走るよりも早い光武の中にいたほうが安全だ。
それにストライカーユニットのこともある。
避難する人達の流れとは別方向に走り、ついた先で船から荷下ろしされた荷物の中に光武を見つけると急いで飛び乗った。
コクピットのハッチを閉めるとエンジンを始動させる。そしてストライカーユニットを見つけると光武の手で持ち、移動を開始した。
怪異が移動する方向とは別の方向に向かって光武を走行させる。
その途中、がれきの下敷きになり動けない女性とその傍らで泣いている子供、そしてがれきをどかそうとしている少女がいた。恐らく怪異の放った弾で崩れた建物の下敷きになったのだろう。
…人としてこんな場面を見過ごすことはできない。光武をそちらに走らせた。
「もうこんな近くまで!くそっ嬢ちゃん!君だけでも逃げるぞ!」
怪異と誤認されたようだ。
慌てて撃ったせいかすぐに弾切れしたようでその隙に声をかけて誤解を解いた。
「待て!俺は怪異じゃない!逃げなくてもいい!」
「しゃ、しゃべった!?」
「俺ががれきを持ち上げる!その隙に引っ張り出せ!」
多少強引に押し切る形でがれきを持ち上げると慌てて兵士は女性を引っ張り出した。
「怪我はないか?」
「助けていただいてありがとうございます!」
「助かったよありがとう!」
「礼はいい!ここは危ない!早く避難するぞ!」
「はい…痛…!」
咄嗟に足を抑える女性。見ると母親はがれきに挟まれたときに足をくじいていたようだ。
しょうがない!
俺はコクピットのハッチを開けると母親を抱えてまたコクピットに戻った。一人乗りを想定して作ったから狭いが十分入れる。
「安全な場所まで走らせる!背中の取っ手につかまってろ!」
「わかった!」
少女は子供を抱えると光武の背中にあるコクピットに乗り込む時などに使う取っ手につかまった。
それを確認するとストライカーユニットを掴み、町の外へと走り出した。
街からそれなりに離れた地点。街道近くの避難してきた人たちが集まっている場所に着くと3人を降ろした。
「あらためてありがとう。私はアンジェラ・サラス・ララサーバルだ。あなたは?」
「俺は北郷一郎だ。」
自己紹介を終えて街のほうを向くとようやくウィッチが出てきて戦っているところだった。しかし数が少ない。
それに街からも対空砲火は飛んできているが一時的に怪異を傷つけてもまたすぐに再生してしまうようだ。
「…ヒスパニアには機材が少なくて航空ウィッチの数が少ないんだ。」
「…それじゃ被害が広がるばかりじゃないか。」
怪異は今も暴れまわっている。被害は今も拡大しているのだ。俺は少し悩んだ末に、
少女に声をかけた。
「なあアンジェラちゃん。」
「アンジーでいい。なんだ。」
「さっき使い魔とシンクロしているのを見た。君、ウィッチなんだろ?
「その奇怪なものをか?なぜだ?私に何をさせるつもりだ?そもそも動かせるかも怪しいぞ。」
「エンジンさえ始動させられるんなら感覚的に動かせる。ここには大勢の避難してきた人がいる。
いざとなったらそいつで守ってほしいんだ。何も武器でどうこうしろってわけじゃない。
そいつは張れるシールドの強度がかなり強いからそれで避難民たちの壁になってほしいってことさ。」
「それはストライカーユニットだったのか…。ということはあんた、ウィッチなのか?」
「まあね。俺はこのストライカーユニットで出撃する。武器は…誰かに貸してもらうとする。。」
「…わかった。こちらは任せろ。」
「それじゃ、頼んだ。」
原動機を背負わせてもらい、ユニットを脚に履くと、エンジンを始動させる。
原動機と光武との連結を外す(光武のエンジンユニットに接続することでエンジンの始動の補助ができる。)と街道を滑走路代わりにしてゆっくりとスピードを上げて離陸する。
町の方向に向かうとまだ戦闘は続いていた。敵は3体ほどであるが攻めあぐねているようだ。
街から機銃による対空砲火が飛んできている。そのうちの一つにスピードを落として近づいて兵士に話しかけた。
「すまないが武器を貸してくれないか!航空ストライカーで出たはいいものの武器がないんだ!」
兵士は一瞬躊躇したものの俺が航空ウィッチだとわかると、
「わかった!頼む!」
と武器を渡してくれた。今は一人でも対抗できる戦力が欲しいのだろう。
武器を受け取ると再びスピードを上げて上昇する。
そして今度は戦っているウィッチの一人に近づいて、
「俺は扶桑のウィッチだ!貴軍に協力する!」
といった。
「扶桑の?それに男?まあいいわ!貴官の参戦、ありがたく思います!
あなたはわたしについて!僚機が落ちたの!」
「了解した!」
ウィッチについて飛んでいく。基本的な飛び方やある程度の戦闘機動はテストパイロットをした時に習っていたし、銃の打ち方も習っていたが実戦は初めてだ。
不安な心を押さえつけ銃を構える。
……一緒に飛んでいたウィッチの援護に必死で戦闘の経緯は詳しく覚えていない。
だが、何とか撃退には成功したようだ。一緒に飛んでいたウィッチに声をかけられる。
「終わったわ。勝ったのよ。」
その言葉でハッとなる。そしてあたりを見回すと、至る所に怪異の残した傷跡の残る町が見えた。
勝利はしたもののその代償はあまりに多かった。
ヒスパニアの航空基地に着陸させてもらい、ストライカーユニットを預けると、町の方向へ車を出してもらった。
避難場所に向かうとアンジーと名乗った少女が光武に乗ったままでいた。
「無事だったか!」
「ああ。おかげさまでな。」
「町は…無事といえないけどな。」
あたりを見ると傷ついた街を見て途方に暮れている住民たちが見えた。
「命があっただけでも儲けものだ。」
「そうだな…。なあ、君はこれからどうするつもりだ?」
「怪異の発生の知らせを受けて各国から軍隊が送られてくるそうだ。
そのうちのガリアの駐屯部隊がこの近くに来てる。そこに志願するつもりだ。」
「そうか。…ならまた会えるかもしれないな。」
「というと…もしかして。」
「ああ。俺も志願することにした。とはいえ…さっきの戦闘で航空ストライカーは壊れてしまったんだんだが。」
「ということは…これで戦うのか!?」
「代わりの機材がなければ。」
アンジーは信じられないという顔をしている。さっきまで乗っていたのにまだ信じられないのか。
「いや、それは…そうだが…。」
よかったら提供してやろうか?
「いや、私は航空ウィッチになると決めているのだ。遠慮しておく!」
その様子が必死だったので思わず笑ってしまった。
それにつられてアンジーも笑う。
「じゃあな、元気でやりなよ。」
「ああそっちもな。」
アンジーと別れてヒスパニアの航空基地に向かう。そこで世話になることになっているのだ。
さて、ひとまずは…
「壊れたストライカーユニットの修理しないとな…。」
もうとっくに完成してるのにロボットで戦わない主人公の屑。
航空ウィッチのほうが貴重で重要だからね、仕方ないね。
光武君はヒスパニア内戦でもちゃんと活躍する予定はある予定。
ちなみに一人称とかが変わってるのは年月が経って成長したためです。特に深い意味はない。
後、アンジーさん、この後あんまりでない模様。