トリッパー列伝   作:ADONIS+

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リリス(BLACK CAT)

 皆さんは、ナノマシンという物はご存じか分かりませんので前置きとして説明すると、ナノマシンとは0.1~100nmサイズの機械装置で、こういった機械を作る技術をナノテクノロジーといいます。このnm(ナノメートル)というのは基礎となる単位の10-9倍(=十億分の一、0.000 000 001倍)だから当然ながら肉眼では見えないほど小さいわけです。

 

 それでナノマシンは上位世界では実用化されていないけど、アニメとかの創作物の世界では実用化されて活躍しています。『∀ガンダム』ではナノマシンで地球文明を崩壊させているし、『機動戦艦ナデシコ』では火星のテラフォーミングや機動兵器のインターフェースとして使われています。

 

 何故そんな説明をするのかというと、実は現世における私の事を語るに当たってナノマシンは外すことは出来ないものだからです。

 

 私の名はリリス。武器商人トルネオ=ルドマンお抱えの科学者チームによって作り出されたトランス兵器です。ここまで言うと分かるでしょうが、私は『BLACK CAT』の世界に転生しました。

 

 トランス兵器と言えばイヴだろうと思う人もいるかもしれませんが、私はイヴと同時期(私の方が僅かに早い)に成功した兵器で、イヴと同じティアーユ博士の遺伝子を利用したクローンなので、傍目では私とイヴは双子の姉妹にしか見えない。まあ、だから聖書にちなんでリリスなんて名前になったわけですが(笑)。

 

 どう贔屓目に見てもまともな生まれではありませんが、実はこれは私が死神に頼んでそうしてもらったんです。というのも、私たちトリッパーは下位世界の人間に憑依もしくは転生するわけで、これは依代になる人物を乗っ取っている状態になります。だから家族ともある種の壁が出来て付き合いにくくなるトリッパーも多く、それなら最初から家族がいない存在になればいいと思ったわけです。

 

 そして、この世界のトランス兵器になることにしたのはトランス能力に興味があったからですね。前世で好きだったんだよね。でも私がイヴになると原作のイヴちゃんがいなくなるから、イヴの双子の姉として転生するように調整してもらいました。

 

 こうして誕生したトランス兵器リリスちゃん。『体は子供、頭脳は大人』という名探偵コナンのような状態なので精神的に成長が早く、科学者たちを驚かせています。トランス能力の確認とかも順調ですし、頭脳も一度見た本はすべて記憶するというチートぶりで知識を蓄えています。

 

 そんな私にトルネオは満足したのか訓練をさせたりしますが、人殺しをさせられた時にはちょっとアレでしたね。とはいえ初めての殺人は案外呆気なかったですよ。

 

 どうも私は今の世界に現実感がないというか、物語の世界であるという認識から、この世界の人々の生死にそれほど興味がなかったりします。多分、家族とかいなかったから自分だけが大切で、その他の人間はどうでもいいようになったんだと思う。

 

 そんな私ですが、原作開始の少し前にクリード率いる星の使徒に引き渡されることになりました。というのも私の成長が早くて十分使えると判断されたからです。

 

 クリードはナノマシンの結晶と言える私に興味があるらしく、それなりの待遇で扱われています。ザコの仮面戦闘員みたいな扱いでなかったのは幸いです。でも、ドクターとエキドナ以外の道士使いとは会った事がありませんね。そういえばクリードが道(タオ)以外にナノマシンの力を使っている事は、あの二人以外の道使いたちには教えていなかったからそれも当然でしょうね。

 

 星の使徒と言えばドクターがやたらと私に興味があって、バーサーカー(ナノマシン)のワクチンを即席に作成して実験体の体内にあるバーサーカーを排除した時なんか、「君の身体に興味があるから解剖させてくれないか」と言われてマジでドン引きしたね。以前にも血液とか遺伝子の提供とかはしているけど、流石に解剖は嫌だから勿論拒否した。

 

 最近は戦闘訓練をする傍らドクターとナノマシンの研究をしているが、流石のドクターも専門外な為にルシフェルやバーサーカーといった微妙なナノマシンしか作れていなかった。そんな状況が変わったのは、サルがナノマシンの世界的権威ティアーユ博士の知識をコピーした事が切っ掛けだった。サル自体は得た知識を利用できなかったが、サルからティアーユ博士の知識を聞き出してあのゴッド・ブレスを完成させる事に成功した。

 

 このゴッド・ブレスって何気に凄いよね。このゴッド・ブレスはクリードが使用したけど勿論私もこれを入手している。おかげであの驚異的な能力を得られるわけだけど、これは不老という特性もあるから子供過ぎる私はまだ使えないね。最低でも15歳ぐらいにならないと困るからね。

 

 それでゴッド・ブレスが完成して少しして本拠地に掃除屋同盟と時の番人が襲撃してきた。その結果、星の使徒は壊滅してしまいました。これは原作通りですね。ちなみに私は迎撃に出るふりをして身を隠していた。というのも下手に交戦すると原作ブレイクになってしまうから干渉できなかった。こうしてクリードは敗れて私は逃亡することになった。

 

 この逃亡生活中(星の使徒に参加していたので優先順位は低いとはいえクロノスに追われている)に私と同じトリッパーたちが集まる三千世界監察軍と接触して、丁度良かったので私はこの『BLACK CAT』の世界から引き上げた。

 

 その後、監察軍での生活はそれなりに順調だった。私の持ち込んだナノマシン技術、特にゴッド・ブレスは優れものであったからトリッパー達に好評だった。

 

 それに私も自分の体の関係で彼らの高度な技術を欲していた。というのも私は“ナノマシンを用いたトランス兵器”なので従来存在しなかった生物兵器だ。最新技術の結晶と言えば聞こえはいいが、技術として成熟しておらず、どんな不具合があるか分かったものではない。その為メディカルチェックが可能な施設と技術者がいた方が良かった。原作ではイヴは何の問題も起きていないが、だからと言って安心できるものではない。

 

 最も監察軍にいるブリタニア帝国から派遣された科学者チームはマッドサイエンティストがいて、私を解剖させてくれなんて言う人もいた。どうもブリタニア帝国ではナノマシンの研究はかなり前からされていたけど、私の様なトランス兵器と言うコンセプトはなかったらしく、それが彼らの知的好奇心を刺激したようですね。でも、解剖されたくないからシリウスさんに頼んで拒否しています。

 

 全く大切なトリッパーをモルモットになんかしたらダメですよ(怒)。




解説

■リリス
 イヴの双子の姉として転生したトリッパーで、彼女も武器商人トルネオ=ルドマンお抱えの科学者チームによって作り出されたトランス兵器。赤紫の目に長い金髪と外見はイヴと全く同じである。

◇転生特典
①直死の魔眼(月姫)
 モノの寿命を視覚情報として捉えることのできる眼。これが読み取って視覚化するのは単なる生命活動の終了ではなく、意味や存在における「いつか来る終わり」「死期」「存在限界」であり、「存在の寿命」そのものである。
②二重聖人(とある魔術の禁書目録)
 神の子と聖母、両方の特徴を兼ねている。
③聖母の慈悲(とある魔術の禁書目録)
 あらゆる約束・束縛・魔術的な条件などを緩める能力で、呪詛の無効化や虚像から本物の術式を引き出す事ができる。またこれによって二重聖人の力を完全に引き出せる上に、直視の魔眼もリスクを無効化して使用できる。
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