三周目
私は今回から本格的に動くことにした。まず、原作知識と暁美ほむらの知識を元に可能な限り原作通りになるようにした。
まどかがキュゥべえと契約するのを妨害してから転校する。そこで、まどかに魔法少女にならないように警告した。最も警告してもあまり意味がない事は分かっているけど(泣)。
こうした結果、概ね原作通り進んだ。
巴マミは、私がキュゥべえと敵対している関係で、関係が悪化していた為に原作通り私の警告を無視して、お菓子の魔女によってマミられた。どうせ、「もう何も怖くない」とか言って盛大な死亡フラグを立てたのでしょう。
美樹さやかは、予想通り盛大に自爆して迷惑ばかり掛けられた。第三者からみれば彼女は悲劇の少女かもしれませんが、それに振り回されて迷惑する方はたまったものではありません。最後は佐倉杏子を道ずれにしていますし、ほんと何で毎度毎度おバカな事をするのかな。
佐倉杏子は、一番マシですね。私は原作と違い彼女とワルプルギスの夜に挑むつもりはありませんが、見殺しにするのもよくないので、一応忠告はしておいた。無駄でしたけどね。
一番面倒なのが、キュゥべえだった。キュゥべえは私が魂をその身に宿す生身の人間である事に一目で気付いた。あいつはその道のプロだからそれも当然だろう。
そのキュゥべえから見れば、私は普通の人間でありながら何故か魔法少女の力を使う事ができる原作の暁美ほむら以上のイレギュラーだった。その為か、あいつはやたらと私に探りを入れてきた。
勿論、あいつに余計な情報を渡すつもりなどさらさらない私は、そのたびに問答無用で始末してやった。
ちなみに私は魔女との戦いでは時間停止の能力を使って、時は止まる、時間が停止した世界で兵器をぶっ放す、そして時は動き出す、というDIOプレイをやっていましたね。時間停止ができるなら一度ぐらいやってみたいじゃない。オタクなら特にね。
こうしてワルプルギスの夜との対戦を迎えた。象のような物が道を歩くのを見ながら私は魔法少女に変身した。
「これでケリをつける」
私はいつまでもこのループを繰り返すつもりはない。だから今回でワルプルギスの夜を倒してまどかを救って見せる。
そして、ワルプルギスの夜が出現したと同時に、私は事前に設置しておいた結界装置を起動させてこの辺り一帯に封時結界を展開させた。
この封時結界というのは、ユーノ・スクライア(魔法少女リリカルなのは)が使用したミッドチルダ式の結界魔法だ。
元々、三千世界監察軍の母体であるブリタニア帝国はベルカ式魔法やミッドチルダ式魔法を純粋科学技術で再現する研究をしていて、そのおかげで私も専用の装置を使えば封時結界を展開できた。
特にこの封時結界は周囲に被害を与えたり目撃されたりしないように使われる結界で、術者が許可した者以外を結界の外に追い出す事もできる使い勝手のいい物だった。
通常の魔女は結界を張ってその中に身を隠すが、ワルプルギスの夜は結界を張らずに好き勝手に暴れるので、こちらが結界を展開しないと周囲に甚大な被害を与えてしまうのだ。
今回は封時結界で私とワルプルギスの夜だけを結界内に隔離する設定にしているので、この結界が無事な限り派手に暴れても人的被害はでないし、建物にも被害はないのだ。
「先手必勝、一撃必殺!」
私は盾の内部空間に格納した巨大な陽電子砲を出した。
原作をみるにワルプルギスの夜の一番厄介なところはその異常なまでの防御力にあるだろう。原作で暁美ほむらがあれだけの兵器を用いて倒せなかったのを考えると、その防御力は使徒(新世紀エヴァンゲリオン)並にあるのではないだろうか?
そんなワルプルギスの夜に中途半端な兵器を闇雲にぶつけても勝つことは不可能だ。そこで私が考え出した攻略法がヤシマ作戦だ。
第五使徒ラミエル(新世紀エヴァンゲリオン)を撃破した強力な荷電粒子ビームを発射できる陽電子砲。これこそが私の切り札だ。
勿論、私は日本全土から電力を集めるなどという無茶はできないが、そこはチートな監察軍。この陽電子砲にトロニウムエンジン(スーパーロボット大戦α)を組み込むことで呆気なく電力を解決してしまった。
このトロニウムエンジンならば必要分どころか、電力を過剰なまでに確保できる程チートですよ。
「発射!」
魔力で操った陽電子砲から荷電粒子ビームが撃ち込まれて、ワルプルギスの夜の胴体に命中した。それで、私はやったと思ったが…。
「な、なんですって!?」
ワルプルギスの夜は荷電粒子ビームに弾かれて吹っ飛んだ。荷電粒子ビームがワルプルギスの夜の胴体を貫いたのではなく、吹っ飛ばしたのだ。
「どういう事なの!?」
信じられない光景に私は自分の目を疑ってしまった。確かにワルプルギスの夜に荷電粒子ビームは命中した。しかし、ワルプルギスの夜は未だ健在でこれといったダメージも受けたようには見えない。
「も、もう一発!」
気を取り直した私は急いでエネルギーをチャージしようとしたが、そこでワルプルギスの夜がビルを叩きつけて来たので、急いでその場から離脱した。
「ち、陽電子砲が」
この攻撃の回避が間に合った為に私は無事だったが、肝心の陽電子砲が大破してしまった。これでワルプルギスの夜を倒す手段は失ったという事になる。
そこに追い打ちとばかりに、ワルプルギスの夜の使い魔たちが私に襲い掛かってきた。
「邪魔よ!」
私はそれをレーザーライフルで撃破していくが、次のワルプルギスの夜のビル攻撃を避けきれずに近隣にあるビルの一室まで吹っ飛ばされてしまった。
「ば、化け物め!」
この攻撃をまともに受けたダメージは大きかった。魔法少女の力で痛覚をある程度遮断しているとはいえ、全身が凄まじい痛みに苛まれている。私の回復能力はそれほど優れていないので、最早体をまともに動かす事すらできない。
痛みと敗北感に打ちのめされた私の意識は暗転していった。