トリッパー列伝   作:ADONIS+

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テレサ その二

 テレサが『CLAYMORE』の世界から離れて十年が過ぎた。その間、ナメック星人に潜在能力を引き出して貰ったり、神精樹の実の欠片(超戦士伝説参照)を食べたりしたので、妖力が凄まじいほど高まった。テレサは原作でもとんでもない強さだったけど、今のテレサは妖力解放するだけで覚醒者プリシラを圧倒できる。

 

 その後、色々な下位世界に行って旅を続けていたのだが、ベヅァーが復活して監察軍が壊滅寸前まで追い込まれてしまった為に色々とゴタゴタがあったが、それはともかく、久々にこの世界の様子を確認しておいた。

 

 そしたら、原作とかなり変わっていました。現在の十字状の大陸は北のイースレイ、南のルシエラ、西のリフル、東のローズマリーの四強覚醒者が支配していた。

 

 実は、テレサのプレゼント(N2爆弾)で組織が壊滅した後、放置プレイをされたローズマリーがスタフと組織の生き残りを襲撃した。

 

 ローズマリーとしては、テレサに無視されたためにブチ切れて直接襲撃にいったのだろうが、ついでにテレサをナンバー1にした組織にも不平不満があったみたいだったので、襲撃は徹底的に行われた。生き残っていた組織の人間も戦士も次々に殺されてしまい、ローズマリーはそのまま東に居着いた。

 

 待ち伏せのつもりかな? どうやら意地でもテレサを殺すつもりのようだ。

 

 そんなこんなで、組織は崩壊。組織の主立った者は軒並み死亡しているし、施設も壊滅している。戦士たちも壊滅状態。その為、妖魔や覚醒者が新たに作られることもないだろう。

 

 そういえば、男の半人半妖を意図的に覚醒させて、標的の町を襲撃させるなど、組織もやることがえげつなかったね。あれって、妖魔や覚醒者討伐の報酬を出し渋った町に対する報復なんでしょうね。

 

 原作でテレサが言っていた討伐の報酬を出し渋った町が、その後で複数の妖魔に襲撃されたという話は、明らかに組織の仕業でしょう。外道だね。

 

 あいつ等から見れば、この大陸の人間なんか生物兵器研究の道具でしかないのでしょう。まったく組織は、いるだけ害悪でしかない。だからローズマリーが組織を完全に潰してくれたのは好都合だ。

 

 後は、残存する妖魔と覚醒者を始末するだけだが、テレサ一人でそれらを一々始末していくのは面倒なので、能力を使うことにした。

 

 テレサは武具創造で、『機動戦艦ナデシコ』の虫型戦闘機バッタを大量に創造して、十字型大陸の各地に放った。

 

 話は変わるが、妖魔、クレイモア、覚醒者のいずれも妖気を持っている。

 

 それは、長年抑え続けないと消すことができないので、妖気を感知できる者にはすぐに分かる。つまり、彼等は他の人間には存在しない力を帯びていて、それを感知できるのだ。これはドラゴンボールの気に近い特徴だ。

 

 テレサが参加した後で、監察軍は妖気の研究を行い、それを探知するセンサーを開発していた。なのでバッタには、『ドラゴンボール』のスタウターの様に、妖気を感知するセンサーを取り付けている。

 

 これが猛烈な勢いで妖魔や覚醒者、おまけに少数の戦士に襲いかかり掃討していく。なにしろバッタは機械なので妖気という物は存在しないから彼等はバッタを目視するしかないのに、バッタはセンサーで襲いかかるから完全に奇襲になる。

 

 この数日に渡る掃討戦が終わるまで暇なので鍛錬でもしておいた。この『CLAYMORE』の世界は、文明が中世レベルなので娯楽がない。本当に鍛錬しかやることがないね。

 

 えっ、娯楽がないなら女の身体で楽しめばいいだろうって? いや、クレイモアは半人半妖になった時の醜怪な施術痕が腹部にあってね。こっちがその気でも、大概のヤツは萎えるのよ。実際、原作でテレサを犯そうとしていた盗賊たちはそれで止めたぐらいだしね。

 

 覚醒者になればその傷痕は消えるけど、あれはあれで食性が厄介だ。クレイモアならば食事は人間が食べる物をごく少量取るだけですむが、覚醒者となると人間の肉、特に内蔵をやたらと食べたくなる。もちろん、一々人間を襲撃して捕食していたら食事が面倒だ。となると『とある魔術の禁書目録』の妹達(シスターズ)のような量産型のクローン人間を作るか、人間の臓器をクローン培養するなりして餌にすればいいだろうが、面倒なのは確かだ。

 

 テレサは、覚醒者になるぐらいなら死を選ぶなど考えていない。あくまで現時点では、覚醒者になるよりクレイモアの方が良いからそうしているにすぎない。だから限界が来たら覚醒者になるつもりだ。

 

「さて、生き残っているのは……」

 

 深淵の者とローズマリーは生き延びていた。さすがにバッタじゃ仕留められなかったか。

 

「だけど、他は全滅しているわね。なら私が直接始末しましょう」

 

 今のテレサは、深淵の者を桁違いに超える力を持っている。後は自分でやればいい。

 

「では、覚醒者狩りに行きますか」

 

 テレサは通り名の微笑を浮かべて、その場を後にした。

 

 

 

「ローズマリー、ひさしぶりね」

「貴様、テレサ!!」

 

 おお、凄い。随分と切れている。何か私の顔を見るなり、激しく反応した。十年前にやった放置プレイが効きすぎたかな?

 

「死ね!!」

 

 ローズマリーは問答無用とばかりにいきなり覚醒体になって襲いかかる。私はそれをディソードで防ぐ。

 

「ギアアーー!!」

「ぬるいね」

 

 妖気感知と、思考盗撮によって完全に動きが読める。おまけに自力が違いすぎる。この程度のザコ、一々妖力解放するまでもない。恐るべき切れ味のディソードは容易く、ローズマリーを切り裂く。

 

 ローズマリーは深淵に並ぶほどの覚醒者だ。当然、その外皮も相当な強度であるが、大剣ならばともかく、ディソードが相手では生物の外皮では防げるものではない。なにせディソードは、『新機動戦記ガンダムW』のガンダニュウム合金や『マジンカイザー』の超合金ニューZαでも豆腐のように容易く切り裂くのだ。

 

「くそっ!!」

「つまらないね。覚醒したから、どれだけ強くなったかと期待していたんだけど、ガッカリ」

「畜生! なめるなーー!!」

 

 ローズマリーがシッポの様なものをテレサに叩き付けようとしたが、それを容易く切り裂く。

 

「まあいいわ。冥土の土産に、私の本気を見せて上げる」

「なんだと!?」

 

「優先する。妖魔の力を下位に、人間の意志を上位に」

 

 光の処刑。それは『とある魔術の禁書目録』の『神の右席』左方のテッサが使っていた術式で、それはあらゆるものの優先順位を変更できる。そして、テレサは一気に妖力を完全解放した。

 

「なっ、覚醒した!?」

 

 覚醒したテレサは、覚醒体となっていた。それの大きさは覚醒前と変わっていないが、全身が白い鎧のようなもので覆われていた。それは化け物というよりも白い騎士という感じを見るものに与えた。

 

 テレサの覚醒体の外見イメージは、『斬魔大聖デモンベイン』のメタトロンだ。テレサは、ガンダールヴと武具創造の能力や、ディソードを有効に使うという目的から人型を取ることを望んでおり、それが影響してこうなった。

 

 他の覚醒者と比べると小柄だが、その分スピードと防御力は凄まじい。

 

 通常、クレイモアは妖力を完全に解放できない。何故なら自らが制御できる限界が、80%辺りと決まっているからだ。それを超えると制御できなくなり、人間に戻れなくなる。

 

 しかし、何事にも例外というものはある。アリシアとベスは、同じ妖魔の血肉で半人半妖となった双子の姉妹という特徴を利用して、精神の共有で片方が覚醒しても、もう片方が制御して半人半妖に戻れるようにしていた。

 

 テレサの場合は、光の処刑によって、テレサの意志が妖魔の力よりも優先させるという優先順位を設定していた為、どれだけ妖力を解放しても、常にテレサの意志が勝ってから覚醒者にならなかったのだ。

 

「ちょっ、ちょっと待て! 何だ! このふざけた妖気は!?」

 

 深淵にも並ぶローズマリーの妖気を4千とするならば、今のテレサの妖気は25万にも及ぶ。桁違いなんてものではない。ここまで酷いと戦いにもならない。原作でもテレサはとてつもない妖気を持っていたが、監察軍で色々強化したおかげで余計に強くなっていた。

 

「ば、化け物め……」

 

 テレサが振るうディソードで、一瞬で八つ裂きにされたローズマリーが、かすれた声で呟く。

 

「化け物は、お互い様よ」

 

 テレサはそれを軽く返した。

 

 

 

 その後、深淵と呼ばれた覚醒者たちはテレサに始末され、十字状の大陸は妖魔と覚醒者という脅威から解放された。

 

 そして戦火の大陸では、覚醒者を前線投入していた勢力が謎の大爆発で壊滅した。これにより戦火の大陸の戦争は、龍の末裔を味方に付けた勢力が勝利して、長らく続いた戦乱は終わった。




解説

■テレサ(転生型トリッパー)
 監察軍の少数派閥、虚無の使い魔の一員、左手のガンダールヴ。死神が、いくつかの能力と転生先を決めることで、チートなガンダールヴを作ろうと思いついて作られたトリッパー。覚醒体の外見イメージは、『斬魔大聖デモンベイン』のメタトロン。ガンダールヴと武具創造の能力や、ディソードを有効に使うという目的から人型を取ることになった。他の覚醒者と比べると小柄だが、その分スピードと小回りに優れている。

◇転生特典
①ガンダールヴ(ゼロの使い魔)
②武具創造
③特殊武装の発動
④ギガロマニアックス(CHAOS;HEAD)
⑤光の処刑(とある魔術の禁書目録)



◇当SSオリジナルの妖気比較
 10 並の妖魔
 50 並のクレイモア
 200 並の覚醒者
 4,000 イースレイ、リフル、ルシエラ、ローズマリー
 18,000 プリシラ(覚醒者)
 250,000 テレサ(覚醒体)
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