神聖ブリタニア帝国第99代皇帝となったリリーシャはジェレミア・ゴットバルトをナイト・オブ・ワンにして新たな支配体制を築き上げた。ラウンズはワンしか決まっておらず残り11人の騎士に関してこれから決めていかないといけないが、それは時間をかけて選抜すればいい。
言うまでもないが、先帝時代のラウンズは全員解任されている。彼らはシャルル皇帝の騎士であって、リリーシャ皇帝の騎士ではないのだ。その為シャルル皇帝の崩御に伴い彼らは騎士を廃業する羽目になった。これは皇族の選任騎士たちも同様である。
この元ラウンズや選任騎士たちはKMF(ナイトメアフレーム)のデヴァイサーとしてもかなり優秀であるために騎士を廃業させるのは人材の損失であり、できればラウンズは無理でも軍に所属する騎士として活躍してもらいたいと思うが、皇帝であるリリーシャが騎士の慣例を破るのは好ましくない。そもそもブリタニアは騎士道を重んじる国だから、その辺りはかなりデリケートな問題なのだ。
とことん合理的に考えるなら国の要人の警護はSPがいればよくて、要人の護衛にKMFの腕など必要ないからKMFの操縦に優れている者は要人の護衛ではなくKMFのデヴァイサーとして軍に所属する方が効率的だ。その為、ラウンズや選任騎士は無用であるし、むしろ臣下に余計な権限を与えている邪魔な制度であった。
しかし、リリーシャ本人はそう思っていてもそれを公言すると騎士や貴族だけでなくブリタニア人の臣民にまで反感を買うので公言できず、むしろ周囲には騎士を重宝しているように見せなくてはいけない。だからこそ、リリーシャは妥協案として辺境伯にして優秀な軍人であるジェレミアをナイト・オブ・ワンにしたわけである。
こういえば、原作の枢木スザクが皇族の選任騎士でありながら、主が死ぬとすぐにシャルル皇帝のラウンズになった事がどれだけ不味い事であるのか想像できるだろう。シャルル皇帝が決めたことゆえ表だって文句を言う者はいなかったが、当然ながら他の騎士や貴族たちの枢木スザクに対する評価は最悪であった。まあ、スザク本人はイレブン上がりだからブリタニア人から不当に差別されていると思うだけで、自らの行動に重大な問題があったことを理解していなかったけど(呆)。
しかも、スザクは「間違ったやり方で得たものに意味はない」、「正しい過程や綺麗な手段が大事」と口では主張していたが、友人を売りとばして出世をするわ、身体障害を持つ少女を人質に取るなど、かなり卑劣な手段を行使している。止めにどうしようもない失敗をしてしまうと、これまでの主張を放棄して己の出世の為に主君を殺そうとするなどとんでもない奴だった。
正直いくら強くてもこんなやつを騎士にしていたらいつ寝首をかかれるかわかったものではないから、リリーシャの場合は強さよりも周囲の評価や信頼度を優先して騎士を選ぶことにしている。とはいえ、それもジェレミアがいれば事足りるだろうから、他のラウンズに関しては血筋がいいだけの貴族のボンボンでも構わない。要は表向きは騎士を重宝しているようにポーズをとればいいのだから数合わせに使えないやつを揃えてもいい。それに名誉ブリタニア人にすぎなかった枢木スザクと違って純ブリタニア人、それも名門貴族出身の騎士であれば余程の問題児でもなければ周囲の反発はない筈。
さて、リリーシャがベンドラゴンに帰還して以来、他の皇族の後見をしていた貴族たちは手のひらを返したかのようにリリーシャに媚びを売るようになった。彼らの多くはかつて庶民出の母を持つヴィ家の皇族たちを見下していた者たちであるが、だからといってそれに一々目くじらを立てるわけにもいかない。そんなことで彼らを咎め立てたりすれば人心を萎縮させてしまうし、そもそも彼らの多くは神聖ブリタニア帝国の中核を担っており、ヴィ家を軽んじたというだけで彼らを排除してしまうと国が機能しなくなる。
だからリリーシャは彼らを上手く利用していた。その一環として彼らが後援していた皇族たちが保有していた研究機関や部隊の取り込みを行った。
まず、エリア11にあるクロヴィスがやっていたC.C.の研究と、NGF(ナイトギガフォートレス)の研究をバトレー将軍に命じて本国に移した。特にC.C.の身柄を最優先で本国に送らせたのは、原作のようにルルーシュがC.C.と契約を交わしてブリタニアに反逆しないようにするのに必要であるし、そうでなくても神殺しの阻止にはC.C.を確保しておかないと不味いからだ。
次に、シュナイゼルの特派だ。これは第七世代KMFランスロットを開発しており、速やかに実戦データを収集して量産型の第七世代KMFを開発させたい。その為には、ランスロットを使いこなせるデヴァイサーがどうしても必要な為に、特派を吸収すると同時に「ランスロットのデヴァイサーは純ブリタニア人に適任者がいないなら名誉ブリタニア人を使ってもいいから、とにかく量産型第七世代NKFを開発する為のデータを早く取れ」と、ロイド伯爵に命令しておいた。これで原作よりも早く枢木スザクがランスロットのパーツになるだろう。
ちなみにこの時期、フレイヤは基礎理論すらできておらず研究されていなかったが、開発者のニーナがいるためにいずれは開発されることが予測されたので、ジュレミアに命じてニーナを密かに始末しておいた。ジュレミアは貴族ですらない庶民の小娘一人をリリーシャが排除しようとすることに疑問を持っていたが、「彼女の研究が私の治世に大きな悪影響を及ぼす恐れがあるから」と説明すればわかってくれた。はっきり言って原作を知らない人間からすれば穴だらけで突っ込みどころ満載であるが、ジュレミアは忠誠心で納得したようだ。やはりジェレミアは使えるやつだ。
まあ、嘘は言っていない。リリーシャの治世にフレイヤは邪魔だ。それが拡散して敵国のフレイヤ保有や、テロリストの手に渡ると目も当てられない事になるから自国でも研究生産はやらない。大量破壊兵器を使用するときは監察軍のものを使用すれば事足りるのだ。
というか、すでに大量破壊兵器を使用している。この間、監察軍の巡洋艦が中華連邦にあるギアス嚮団本部に対してリミッターを外したフレイヤ弾頭ミサイルを発射した。その目的は敵の排除と神殺しの阻止の為にV.V.を抹殺することです。V.V.は神殺しをやろうとしている邪魔者ですし、原作ではやたらとルルーシュを、この世界ではリリーシャとルルーシュを敵視しているから先手必勝とばかりにやったわけです。ギアス嚮団も事前にハッキングでギアス関係の研究データをあらかた盗んでおいたのでギアス嚮団のような不安要素を残しておく理由はない。
それと、このフレイヤ攻撃と同時に純粋水爆弾頭を中華連邦とEUなどの世界各国に百発以上は打ち込んでやった。この世界は戦略ミサイルが存在しなかった為にミサイル防衛網がまったくなかっただけに各国は迎撃どころか何があったのかまったく理解できない有様だった。
なんだかやっていることがシュナイゼルのダモクレス計画みたいですが、これも必要なことです。というのもこの世界の総人口は明らかに地球が賄える数を超えています。その為、食料や環境などの重大な問題が出ており、その解決が必要となります。
手っ取り早い方法は人を大量に間引くことなので、リリーシャに従わない他国の人間を一斉処分することで世界人口の調整と、後のブリタニアによる世界征服を円滑に行う一石二鳥を狙う事にした。エリア11の例を見ても明らかなように例え侵略して征服したとしても被支配者たちが下手に力を残していると統治に支障が出るのだ。だったら最初から刃向う力すらも奪い取れば余計な手間が省ける。
まあ、使用する大量破壊兵器をフレイヤではなく純粋水爆にしたのは、各国を叩き潰すのならフレイヤのように巨大な穴を開けなくても地上の建物を人間ごと破壊すれば事足りるからだ。何気にフレイヤよりも純粋水爆の方が有効範囲が広いという理由もある。
また、ギアス嚮団に打ち込んだ大量破壊兵器だけリミッターを外したフレイヤ弾頭なのは不老不死のV.V.を確実に始末するためだ。V.V.は純粋水爆では殺しきれるとは思えないが、フレイヤで細胞ひとつ残らず消滅したらいくらなんでも生き返ることは不可能なはずだ。とはいえ、フレイヤを打ち込んだりしたらどうしてもばれてしまうが、そこで木を隠すならば森とばかりに同時に世界中(ブリタニアを除く)で純粋水爆を打ち込んでフレイヤ攻撃をもみ消したわけである。
こうして、ブリタニアに敵対していた国々は謎の大災害(人災)によって各国とも統治機能を失った。辛うじて暫定政権が成立した国は唯一無事なブリタニアにプライドをかなぐり捨てて支援を求めるが、リリーシャは当然ながらそれを拒否するだけでなく、被災国をあの手この手で引っ掻き回して叩きのめしていくのであった。