※物語の展開を修正した為、元あった15話に本来16話に載せるつもりだったまどかパートを入れました。何卒ご了承ください(;一人一)
6
まどかと別れたさやかは、マミの元へと向かい事情を説明した。
「鹿目さん、あまり気に病んでなければいいけども」
「転校生のこと相当気に入ってるってのは分かってたけども、まさかあそこまでになるのは予想外でしたよ…」
「これは私達も何とか手助けしてあげた方がいいわね」
「ですね。でも今日は先に帰るって言ってましたし、明日また出直すとしますかー」
「それじゃあ今日は二人っきりでのパトロールになるわね」
「マミさんのマンツーマンレッスン。くぅー、さやかちゃん燃えてきたー!」
「もう美樹さんったら」
二人はそんな風に他愛ない話をしながら帰路を辿りながらパトロールにまわった。
そんな中、マミは共に歩くさやかの迷いのない動きがふと気になった。
「美樹さん、パトロールに慣れてるわね。なんだかベテランの魔法少女と一緒にいるみたい」
突然の賞賛の言葉にさやかは驚きながらも少し嬉しそうな顔を見せる。
「そ、そうですか? 転校生やまどかの付き添いやってたから体が覚えちゃったんですかね?」
「でもたったの数日くらいよね? 魔女の出そうなポイントも、私が別の場所を探ってる時に調べてくれていたし、ここまで効率よくパトロール出来たのは初めてよ」
「これは…さやかちゃんの秘めたる才能が目覚めた系、ですかね?
いやーもしそうだったらさやかちゃんも魔法少女になっちゃおうかなー」
「こら、調子に乗らないの。魔法少女になるってことはどういうことなのか知ってるでしょ」
「一応分かってるつもりですよ。魔女やその使い魔があたし達人間にとってどれだけ危険なのか、そういうのも何回かではあるけども見てきましたし」
「魔女や使い魔ね……」
マミに褒められて上機嫌でいたさやかだったが、彼女含みのある言い方に疑問に思う。
まるで魔女の他に脅威が存在しているかのような。
「美樹さんは魔法少女の敵は、魔女だけだと思う?」
「え、そうじゃないんですか? キュウべえだって魔法少女は魔女と戦う為の戦士みたいなこと言ってましたし」
「普通ならね。でも私達にとっての敵はそれだけではないわ」
「それって一体?」
「…………」
皆目見当もつかずに首をかしげるさやか。
そんな彼女を見ながらマミはしばらく沈黙を続ける。やがて言う決心がついたのかその重たい口を開いた。
「魔法少女よ」
「は?」
予想もしない回答に頭の中が真っ白になる。
ほむらやマミから聞いた話では、魔法少女は人に害を及ぼす魔女を倒す為に生まれてきた正義の味方のはずだ。それなのに…どうしてその正義の味方同士が争いあう必要が……
思考を巡らしているさやかにマミは再度問いかけた。
「魔法少女はソウルジェムにある魔力を力の源にして戦うってのは知ってるわよね?」
「え。あ、はい」
「その魔力を回復させる為にはグリーフシードが必要。
グリーフシードは魔女を倒さなければ得ることはできない。
だけどもその魔女は無尽蔵に現れてくれるわけでもない。
そして必ずしもグリーフシードを落とすとも限らない。
そんな希少な物、複数の魔法少女が得ることは難しいと思わない?」
「確かにそうですね…」
「数に限りのあるグリーフシードの取り合い。それが発展し縄張り争いに。
これまでも何度かこの街の縄張りを奪うために襲ってきた魔法少女は数多くいたわ。
時と場合によっては命のやり取りにまでなったことも」
同じ存在である魔法少女が敵となる。
これまででは想像しえない魔法少女の世界の闇を聞いたさやかは激昂した。
「おかしいじゃないですか! 魔法少女ってのは魔女を倒して皆の平和を守る存在だって思ってたのに…」
「皆が皆そうじゃないのよ。中には一般人をわざと見殺しにして魔女や使い魔の餌にする魔法少女だっていたりもするわ」
「そんな…なんでそこまでして……」
「ショックかもしれないけどこれは紛れもない事実なの。
ごめんなさいね…魔法少女の綺麗な世界だけを見せて憧れを持たせてしまって…」
申し訳なさそうに項垂れるマミを見て、さやかは彼女のある態度を思い出した。
「じゃあマミさんが転校生のことを警戒してたのって」
「彼女も他の人達同様に縄張りを狙ってたと思ってたの。
でもあの様子じゃ目的は別にあるように見えるわね」
「?? そんな様子ありましたっけ?」
「昨晩、私は彼女と会話をしたの」
「何でまた?」
「鹿目さんの件について知りたかったのと、彼女の目的を知れると思って呼び出したの。あまり収穫はなかったけどね」
「あまりってことは、もしかして?」
「ええ、いくつは聞くことは出来たわ。その中で暁美さんが縄張り目当てではないと考えられる根拠となったのは。
彼女はこの見滝原に一ヶ月しか滞在しないってこと」
「それってどういう?」
「分からないわ。でも一ヶ月すればこの街から出ていくと言っていた」
「アイツ、そんなこと一言も話してなかった…」
「それが真実なのかは完全には信じてはいないけどね」
「もし嘘だとしたら、転校生は何を企んでるんでしょう?」
そう疑問に思っているとマミは再び黙り込み、先程よりもより暗い表情を顕わにした。
これから話す自分の推察を彼女に話すべきなのか。
まだ普通の少女として穏やかに暮らしている彼女に魔法少女のより残酷な現実を教えていいのか。
『巻き込むって魔法少女のこと? だとしたら無理な相談ね。彼女達はもうキュゥべえに選ばれてるのだから』
思い悩むマミだったが昨晩ほむらに対して放った言葉が彼女に伝える決心を抱かせた。
そうよ。美樹さんはキュゥべえに選ばれたのだから伝えておかなければ…今でなくてもいつかの未来で彼女にとっての脅威になるのかもしれないのだから…
「……美樹さん。今魔法少女の界隈で騒がれてる事件について話すわ」
「事件…?」
更に場が重苦しい空気になったことにさやかは息を吞む。
マミはゆっくりと話し始めた。魔法少女の世界にある真の闇の話を。
「ここしばらくの間、各地で魔法少女が襲われている事件が発生しているの。
始めはさっき話したグリーフシードや縄張りを狙った行為に思えたのだけども、事件の発生する頻度や襲われた魔法少女の状態からそうではない可能性が出てきた」
「他に一体どんな理由があるっていうんですか…? その、グリーフシードとかを奪うって目的以外に」
「襲われた魔法少女達は皆、ソウルジェムを砕かれて……斬殺された状態で見つかってるの」
「ッ__!!?」
さっきまでの己の利益だけを求めて行われる愚かな小競り合いの話なんかが霞んでしまう程の衝撃。
ショックを受けているさやかを見つめながらマミは続きを話す。
「この惨状から最も可能性の高い犯人の動機の推測がされたの。それは"魔法少女を殺す"こと」
「なっ…なんだって、そんなこと……」
「分からないわ。でもどんな理由があろうとも決して許されることではないけど」
「……どうして今私にそんなことを話したんですか? もしかしてあの転校生をその殺人犯だと思ってる…とか?」
「美樹さんはどう思う? 私の目がおかしくなければあなたも暁美さんのことをかなり警戒していたように見えたのだけど」
「あ、あたしは……」
数日前、アイツからまどかと一緒に戦うことになった経緯を聞いた時、妙にぼかした物言いと行動の奇怪さが気になった。だから話が終わった後、警戒をしなくちゃいけないと思ったのだ。まどかは転校生のことを信じすぎている…もしアイツが良からぬことを企んでまどかを貶めようとしていたら……
それからあたしは日中はあの二人とほとんど一緒にいた。傍にいて気づかされたけどもアイツとは全然ウマが合わない。何かと癇に障る物言いに常にクールぶって悠々とした態度。
だけども、まどかにだけは違っていた。常に気にしていて自分のことよりもまどかのことを優先して動いていて……
まどかはあたしが言うのもなんだけどもバカがつくくらいのお人よしだ。そんなのを本気で利用して貶めようとしているのならアイツの行動に筋が通らない。
極めつけは昨日、思わず口にしてしまった戦い後のまどかの状態について話していた時だ。アイツは…本気で後悔した顔をしていた。
一体どうして…? なんで出会って数日しか経ってない奴にそんな顔が出来るんだよ…?転校性、アイツは…アイツは……
「アイツは……確かにいけ好かなくてどっか暗いトコがあってあたしとは相性最悪のヤツですけど…
自分の利益の為に縄張りを奪おうと企んだり、人を殺したりするようなヤツには見えません」
「そう、美樹さんは暁美さんのことをそう思ってるのね。フフッ」
さやかの返答にマミは少し驚いたような様子を見せたがすぐに笑顔を見せた。
ついさっきまであったシリアスな雰囲気は何処へやら…その温度差にさやかは素っ頓狂な声をあげる。
「へ?」
「ごめんなさい。美樹さんこんな話をしてしまって、でも魔法少女の素質があるあなたにはいつか関わってくるかもしれない事件だと思ったからどうしても話しておきたかったの。あと身近にいるあなたにとっての暁美さんについて知りたくて」
「それならあたしじゃなくて一番親しいまどかに聞けばよかったじゃないですか」
「鹿目さんからだとイイ話しか聞けなさそうだし、私と同じように疑っている美樹さんからの視点から聞きたかったのよ。
でもあの口ぶりからじゃ、疑ってたのは私だけだったみたいだけどね」
「マミさん、それってどういう__」
さっきの話を聞いてマミが何を察したのか理解できないさやか。
そんな中、ふとマミのソウルジェムが突然光りだし反応を示す。
「マミさん、これって」
「近くに魔女がいるみたいね。美樹さんどうする? 今日は先に帰っても大丈夫よ?」
「……大丈夫です。あたしもあたしなりに覚悟を決めてこの世界に踏み入れてますし、それに__」
「それに?」
一般人のさやかにハードすぎる話題をしてしまったことで魔法少女の世界に関わることに抵抗を覚えてしまったのかと思うマミ。
だがさやかの返事はまたもや彼女の予想を裏切るものだった。
「あたしには誰かの為にずっと戦い続けている正義の魔法少女のマミさんが付いてるんです。魔女だろうか魔法少女だろうが何が来ようたってヘッチャラですよ!」
「!!」
屈託のない笑顔を向けてくる後輩に胸の奥から何か熱いものが沸き上がってくる。
自身の胸の高鳴りを感じながら、マミは微笑んだ。
「ふふっ、そんなに頼りにしてもらっていちゃ情けない所見せるわけにはいかないわね」
この子となら…もしかしたらずっと私と一緒に……
芽生えた微かな期待を胸に、マミはさやかと共に人気のない廃屋へと入っていく。
そんな会話していると魔女の反応に変化が起こる。
眩しく輝いていてたはずのソウルジェムの光が揺らぎだしたのだ。
それを見て、マミの脳裏にある予感がよぎる。
そうしているとさやかが「あっ」と声をあげた。
さやかの視線の先を見るとそこには……ほむらがいた。
7
「学校を早退してまで魔女退治をするなんて随分と積極的ね」
挑発するような口調でほむらに語り掛ける。
しかし彼女はそんな煽りに気にした様子を見せることはなかった。
「近くに反応があったから倒しただけ。別にあなたの活動時間外を縫ってコソコソ稼ぐつもりはないわ。それに__」
会話をしながら、彼女が倒した魔女のものと思われるグリーフシードでジェムを浄化する。
さやかはその行動を見たときあることに気づいた。
ほむらのジェムにはかなり穢れが溜まっており、昨日までとは見た目が全く違っていることに。
「丁度ジェムを浄化したかったところだったから好都合だったわ。まだ穢れは取り込めそうだけど…貴女も使う?」
「結構よ。というか昨日のことといい、あなたから見た私ってそんなに卑しい人に見えるの…」
「あら、学校早退して魔女退治してる行為に物申したそうにしてたからてっきり」
「私が言いたいのはそんなことではないわ……」
「グリーフシードは魔法少女にとって必要不可欠、勝手にテリトリーに踏み込んでしまった身として多少なりとも気を遣ってたつもりよ?」
「……それはどうも。でも別にわざわざ気に掛けてもらう必要はないわ。
グリーフシードならまだ少しは余裕があるし、あなたが数体勝手にこの街で狩ったとしても気にしないわ」
「そう。それならあっちの魔女も狩っても問題ないってことでいいわね?」
指をさしながら許可を取ろうとするほむらの発言にマミは疑問を抱いた。
ほむらの指す方角は街外れの廃墟などが多くある区域。あまり人通りも多くなくどこか不気味な雰囲気が漂っている場所だ。
自分が追ってた魔女の反応は一つだけ、なのに彼女はまるでそこにもう一体いるかのように言ってる。改めてほむらが示した場所に絞って魔女の探ってみる。しかし反応はない。
「魔女の反応って一体どこに…? 私には感知できないのだけど…」
マミの反応にほむらも驚いた顔をする。
嘘を言ったわけではないようだと、マミは察した。
「今も感じるのだけども……本当に分からない?」
「ええ…いや、微かにだけでも感じ取れたわ。でも相当意識してないと気が付かない。随分と魔女を探る能力に長けてるのね」
「…………」
考える様子を見せるほむら。
だがいくら考えても答えが出なかったのか考えるのをやめて、マミ達に背を向ける。
「私はその魔女の元に行かせてもらうわ。それで構わない?巴マミ?」
「ええ、好きにすればいいわ。でもその前に一つ話したいことがあるの」
「話なら昨晩たくさんしたでしょう? それじゃあここで_「なんでだよ…」__?」
マミを振り切ってその場をあとにしようとする。
しかしそのほむらの前に立ちふさがる者がいた。さやかだ。
「なんでアンタは…そんなんになってまでまどかを拒絶してるんだよ…!」
「……言ってる意味が分からないわ、美樹さやか」
「ソウルジェムは魔力を使ったり、持ち主の心の状態で穢れが溜まっていく。アンタはそう言ってたよね。昨日あたしがマミさんの治療中に見た時は、ジェムはそんなに汚れてなかった。つまりそれってさ……」
さやかの指摘にほむら大きくため息をつく。
「全く…そんな余計なこと、よく覚えてるわね」
「あたしが何を言いたいのか皆まで言わなくても分かるよね? アンタがまどかのことそういう風に思ってるのなら何でアイツを避けてるのさ」
「まどかの為だからよ」
「それが意味分かんないって言ってんでしょうが!!」
さやかは激昂し、ほむらに掴みかかる。
「確かにあたしは戦いの度にまどかが疲弊してて、少しは気を遣えって言った。
その問題の解決案をキュウべえが出してくれたのにアンタは何が気に入らないっていうのさ!!」
「あなたには分からないわ。でもこうすることがあの子の…鹿目まどかにとって一番幸せな方法なのよ」
「ンだと……」
ほむらに向かって手を振り上げようとする。がマミが慌ててそれを制した。
「美樹さん!落ちついて!!」
「分かるわけないだろ!何も喋らないくせに!」
「…………」
「それにこうすることがまどかにとって幸せだって? ふざけんな! あんなに思い詰めて、苦しんで、不器用ながらもいつも通りに振舞おうと無理して笑ってるのが本当にまどかの為になるって本気で思ってんのか!!!」
「ッ__!!」
ほむらは歯をギリっと鳴らす。
そして苛立ちを隠しきれない様子でさやかに冷たく言い放った。
「そうよ。この先にあの子が経験するであろう壮絶な苦しみと比べるのならね……」
ほむらは、掴まれている手を乱暴に振り払う。そしてそのせいでよろめいてしまったさやかの横を早足に通り過ぎて行った。
そのさなか、去り際のほむらの表情を見たさやかは拳を強く握りしめる。
「何だってのさ…アイツ……」
その顔を見て、これまで疑っていた自分が馬鹿に思えた。
暗がりに消えていくほむらの後ろ姿を眺めながら、さやかはやり切れない気持ちになっていた。
8
『隱ー縺?隱ー縺?隱ー縺?』
結界内に連れ込まれてしまったまどかの前に無数の使い魔が彼女に群がる。
その使い魔らは人の手のような頭部にぶら下げたたくさんのカギをジャラジャラと振り回し、まるで威嚇しているかのようだった。
「ど、どうしよう…」
自分を囲んでいる使い魔の先に巨大なナニカが見える。それを見て彼女は今置かれている状況をなんとなく理解していた。
多分あの奥に見えるおっきなのは魔女の本体…だよね? もしそうならきっとここは結界の最深部、逃げるとしてもかなり走らなくちゃいけない…
まどかのいう魔女の本体、それは女性の顔が描かれたブローチに脚が生えていてその周囲に水色の風船のようなものがいくつも漂っていた。
屋上の魔女 その性質は夢想
これまでほむらと共に行ってきた戦闘とは違う初めての行動。逃走。
魔女と戦う術がないのなら取るべき行動はこれ一択。何とかしてこの場から離れる為に辺りを見渡す。
最深部の構造はマンションにある屋上とほぼ同じ造りとなっていて、まどかが今いる位置からさほど離れていない場所に屋上の出入り口となる扉も見えていた。
あそこから出ればここから逃げれる…? それなら…!
「ごめんね。ええいッ!!」
『菫コ繧定ク上∩蜿ー縺ォ縺励◆繧。??シ』
意を決してまどかは勢いよく飛びあがり、カギを振り回し続ける使い魔を踏みつけて包囲網から抜け出した。その瞬間、使い魔は悲鳴のような声をあげたが気にせず扉まで突っ走る!
そして扉の前に辿りつき、ノブを回す。だが……
「うそ…開かない!」
なんと扉は施錠されており、扉を押しても引いてもびくともしなかった。
扉前で困り果てていると乱雑に扱われた使い魔達が怒りの声を発しながらジャラジャラとまどかへと迫っていた。
『繝、繝ュ繝シ繝悶ャ繧ウ繝ュ繧キ繧「窶!!!』
「ひっ…」
恐怖で後ずさるまどか。だがこの絶望的な状況でも彼女はまだ希望を捨ててなかった。
今は魔法少女としての力は使えないけども、目の前にいるのは使い魔…魔女が動いてない今ならきっと何かできるはず…!
冷静を保ち、迫りくる使い魔達を見る。すると彼女の頭にある考えが浮かぶ。
さっきの鍵のかかった扉…もしかしてあの使い魔達が振り回してるカギで空いたりしないかな…?
確証はない。もしこの思惑が外れたら更に状況は悪化するかもしれない。だが今の彼女に迷ってる暇はない…ただ目の前の可能性に突き進むだけだった。
カギのかかった指を突き立てながら突撃してくる使い魔。それに対してまどかは震える手でギュッと自分の鞄の持ち手を握りしめる。そしてそのまま大きく振りかぶり突っ込んでくる使い魔へと思いっきり鞄を叩きつけた。
「やああああああ!!!」
『縺ゅj縺後→縺?#縺悶>縺セ縺!』
フルスイングで鞄をぶつけられた使い魔は指に引っ掛けていた鍵束を落っことし、勢いよく魔女が鎮座している場所へと飛んで行った。
その瞬間を見逃さず、まどかは落とした鍵束を急いで拾いにいき、すかさず鍵を扉へと差し込んだ。すると鍵は綺麗に鍵穴へと刺さりガチャリと音を鳴らして最深部の出入り口が開いた。
「やった!これで!」
脱出できる喜びで手をグッと握りしめるまどか。だがその瞬間、これまで静観を決め込んでいた魔女が突然叫びだした。
『鬆ュ縺ォ縺阪∪縺吶h!!』
「!!?」
『!!!!!!!!』
突然の魔女の発狂にあっけに取られるまどか。しかしその奇行に対して考え事をしてる暇はなかった。
叫び声に呼応した使い魔達がまどかへと視線を向けて再び一斉に襲い掛かってきたのだ。
「イヤアアアアアアア!!!」
これまで勇気を振り絞って使い魔達と対峙していたまどかだったが、遂に我慢の限界がきてしまう。叫び声をあげながら使い魔達に追いつかれないように物凄い勢いで屋上までの階段を下って行った。
頑張ってあの場を切り抜けようとしたけどももうダメッ! ほむらちゃん、さやかちゃん、マミさん、誰か…誰か助けてッ!!
心の中で助けを求めるまどか。その後ろをジャラジャラと無数の鍵を擦り合わせながら使い魔達が追ってきている。
一刻も早く脱出をしなければ…、はやる気持ちを抑えられるに階段を駆け下りるまどかだったがその気持ちが彼女に不運を招いた。
焦りのあまり階段を踏みしめようとした足が一歩先に出てしまい、まどかの足は虚空を踏みしめる。そしてそのせいで体のバランスを崩して勢いも相まり、まどかは階段の最上段から投げ出されるような形で宙を舞った。
「あっ……」
その瞬間、まどかの思考は真っ白になった。
彼女の視界には階段の踊り場の無機質なコンクリートがゆっくりと近づいていく。
わたし……死____
眼前に迫る現実から逃避するために目を瞑る。
そして……まどかの頭部に鈍い痛みが走った。
「キャッ…!」
意識が遠のく中、誰かの悲鳴が聞こえたような気がしたがそれが自分か他人なのかその判別をつける前にまどかの目の前は真っ暗になった。
☆See you!! Next story……★
次回、第16話 今とは違う自分に……
※サブタイはもしかしたら変更するかもです。
※次は早めの投稿を目指していきたい(切望)