マギカ☆クロニクル   作:サキナデッタ

18 / 18
※「まどマギがモ〇ストとコラボしましたねー」とか「まどかの誕生日が今年も来ましたねー」とかのイベントを語る場を完ッ全に逃してしまった…。ひとえにてめぇの投稿ペースがゴミなせいで……



第17話 現を顧みて②

3

 

 

その次の日の放課後、わたしが帰る準備をしているといつものようにさやかちゃんが声をかけてきた。

 

「まーどか、一緒に帰ろ~。今日は仁美も習い事休みみたいだからさ、久しぶりに三人でどっか遊びに行こう!」

 

いつもなら喜んで頷くところなんだけど、今日はほむらちゃんと話さなくちゃいけないことがあるからね。

わたしは申し訳なさそうに、両手を合わせて謝った。

 

「ごめん! 今日どうしても外せない用事があって、その一緒に帰れないの…」

 

「あれまー、珍しい」

 

「ほんとにごめん。急に入ってきちゃって」

 

「いいよいいよ。この埋め合わせは今度の日曜にちゃんとしてもらうからさ」

 

「ありがとー、さやかちゃん」

 

「さーてと、さやかちゃんは仁美と二人で仲良く帰るとしますか。

 それじゃあね、まどか。帰り道には気をつけるんだぞー」

 

「うん、バイバーイ!」

 

教室でさやかちゃんと別れた後、わたしは待ち合わせの場所となっている病院へと急いだ。

 

 

病院に向かうとエントランスにある椅子に腰かけているほむらちゃんの姿が見えた。

わたしが見つけたのと同じくほむらちゃんもこちらに気づいて私の方に向かってきた。

 

「まどか」

 

「あっ、ほむらちゃん。ごめんね、待った?」

 

「いいえ。私もついさっきここに来たばかりだから」

 

「良かったぁ」

 

胸を撫でおろすわたしを見て、ほむらちゃんが微笑む。

初めて見たときはクールな美人さんのような感じの子だと思ったけども、笑うと途端に可愛さが現れる。

 

これがさやかちゃんがたまに言うギャップ萌え?っていうものなのかな。

 

なんてことを考えていると、ほむらちゃんが辺りを見渡してわたしと一緒に病院へ出ることを促してきた。

 

「さて、色々と話さなくちゃならないことはあるけども…いつまでもここにいるわけにはいかないわね」

 

「そうだね。病院に迷惑も掛かるし、あんまり話せる内容じゃないもんね」

 

「何処か別の場所で話せればいいけども……」

 

「喫茶店とかどうかな? この辺りならいいお店いくつか知ってるんだけども」

 

そう提案するとほむらちゃんは顎に手をあてて何かを考える素振りをする。

もしかしてあまり喫茶店とか好きじゃなかったのかな? と自分の提案に不安がっていると、意外な答えがかえってきた。

 

「……私の家で、話す?」 

 

「えっ?!」

 

ほむらちゃんの家で?

いきなりの発言に面食らてしまったけども、魔法少女という常識では考えられないような話を誰かに聞かれる場所でするのは良くないかもしれない。万が一聞かれたとしても本気と捉われないだろうけどもその後が気まづくなっちゃうかもだし。

…と合理的なことだけを考えていたけどもわたしはそんなものよりも真っ先にこう思ってしまいました。

 

 

ほむらちゃんの家に行ってみたい!

 

 

「ごめんなさい、今のは忘れ_「分かったよ!」_えっ?」

 

「ほむらちゃんが迷惑じゃなかったら、わたしは全然構わないよ!!」

 

「…そ、そう?」

 

あれ?なんだか反応がぎこちない?

確かにいきなり他の人の家に行くのは失礼だろうけども、ほむらちゃんから持ち出してくれたからだいじょーぶと思ったんだけども。 

 

「じゃあ少し歩くけども、しっかり付いてきてね」

 

「うん」

 

そうしてわたし達は他愛のない話をしながら歩き、ほむらちゃんの家に着いた。

 

「ここがほむらちゃんの家かぁー」

 

「今、鍵を開けるから__入っていいわよ」

 

「それじゃあ、お邪魔しまーす。わぁ…すっごい落ち着いた部屋だね」

 

「寧ろ殺風景じゃないかしら」

 

「そんなことないよ! とってもいいお部屋だよ」

 

「ありがとう。飲み物を取って来るからちょっと待ってて」

 

キッチンへと消えていくほむらちゃんの後ろ姿を一瞥し、わたしはまたほむらちゃんの部屋をキョロキョロを見渡してみた。

自分の家とは内装も雰囲気も違ってまるで別世界に来たみたいで気持ちが高揚する。

それにいろんなものがごった返してるわたしの部屋とは対照な必要最小限のモノしかなくてカッコいい大人っぽい部屋だなと思った。 

 

「どうしたの?」

 

「うぇっ?!」

 

突然声をかけられて小さく飛び上がる。

見るとトレーを両手に持ったほむらちゃんが不思議そうにこちらを見ていた。

 

「な、なんでもないよ。ただあまり他のお友達の家にあがったことがないから緊張しちゃって……」

 

「そこまで張り詰める必要はないわ。自分の家のようにくつろいで頂戴」

 

「で、でも……」

 

「そんなに力を入れていたら、これから話すことに付いていけなくなるわよ? ほら、これでも飲んで落ち着いて」

 

「あ、ありがとう…」

 

ジロジロと部屋を見ていて変な風に思われてないかな?

 

なんてことを考えながら貰ったジュースを飲んでいると、ほむらちゃんの顔つきが真剣なものに変わる。

 

「じゃあ話していくわね。昨日私が成っていた姿は魔法少女というものよ」

 

「魔法少女?」

 

「これを見て」

 

ほむらちゃんははめていた指輪を外してわたしの前に差し出してくる。

すると突然指輪が光りだして卵型の紫色の宝石へと見た目を変えた。

 

「綺麗だね」

 

「これはソウルジェム、契約を結ぶことによって生み出される宝石で魔法少女としての証のようなもの」

 

「契約って?」

 

「この世界には素質のある少女を魔法少女に変えるキュゥベえという生き物がいる。ソイツが行う契約の内容は、どんな願いも一つだけ叶えること」

 

「どんな願いも…?」

 

神様の血を受けた杯や星の入った七つ存在する玉とかが頭に浮かぶ。

 

「それって本当に何でも願いが叶っちゃうの? 金銀財宝、不老不死、満願全席……あ、最後のは違うかも」

 

「ええ、何だって叶うわ。ただしその願いと引き換えに魔法少女になったものは魔女と戦う宿命を背負わされる」

 

「魔女? 魔法少女とはどう違うの?」

 

「魔法少女は契約の際にする願いから産まれてくるもの。反対に魔女は不安や恐怖、怒りや悲しみといった負の感情から産まれる怪物のことよ」

 

「じゃ、じゃあ昨日わたしが見たのは……」

 

「使い魔といって魔女の分身のようなものよ。そしてあなたが使い魔と出くわしたとき、いつの間にか奇妙な空間にいたでしょう?

 あれは魔女の結界で、普通の人間が入ってしまうと命の保証はない」

 

「命って…魔女って人を襲ったりするの…?」

 

「その通りよ。たまにニュースとかで目撃したりする理由のない自殺や殺人事件は大体は魔女が引き起こす呪いによって起きたものなの。それに加えて、あいつらは魔法少女と素質のある者以外には姿を見ることすら出来ない質の悪い存在」

 

その話を聞いて、最近発生している怪事件についてを思い出した。

もしもそれらが全部魔女やその使い魔ら達の手によって起こされているとしたら……

 

「さっき、ほむらちゃんは魔法少女は魔女と戦わなくちゃいけないって言ってたよね。そんな怖い怪物と戦うなんて…怖くないの?」

 

「…………」

 

ほむらちゃんの顔が暗くなる。

 

「怖い、怖くないの問題じゃないわ。戦わなくてはいけない、そういう運命なのよ」

 

「もし…魔女と戦って負けちゃった場合、その魔法少女はどうなるの…?」

 

「……死ぬわ」

 

「!!!」

 

わたしの脳裏に昨日の血まみれで地面に倒れるほむらちゃんの姿がよぎる。

もしもあの時、わたしがほむらちゃんを見つけられなかったとしたら、今目の前にいる彼女と二度と言葉を交わすことがなくなっていたということになる。

全身の血の気が引いていくのを感じる。

 

「それに魔法少女だけに限らずに魔女の結界の中で殺されてしまえば、その人は誰にも知られることなく死ぬことになる」

 

「み、みんなの為に魔女を倒しているのに…そんなのって……」

 

「動機は人によってそれぞれ、だけども辿る道は同じ。永遠に行方不明のまま、孤独に死んでいく……」

 

「酷い…酷いよ、あんまりだよ!」

 

あまりにも残酷すぎる仕打ちに思わず立ち上がり、声を荒げてしまう。

だけどもほむらちゃんは冷静に淡々と話を続けた。

 

「魔法少女の現実なんてそんなものよ。一度契約をしてしまったら、後戻りは出来ない。死ぬまで戦うことを余儀なくされる」

 

そんな残酷な運命に囚われ続けている魔法少女という存在。

始めはアニメやおとぎ話に出てくるような煌びやか世界の話だと思って聞いていたけれども、そんなものは存在すらしていなかった。

 

ほむらちゃんはそんな過酷な世界でずっと苦しみ続けていたんだ…

他の誰からも知られず、みんなの命を救い続けている功績を認められることなく……

 

「ほむらちゃん、そのキュゥベえって子は何処にいるの?」

 

「!!?」

 

わたしの言葉にほむらちゃんの目が大きく見開かれる。

そして身を震わせながらわたしに向かって尋ねた。

 

「ど、どうして…そんなことを聞くの……?」

 

「あのとき魔女の姿を見ることが出来たってことは、わたしにも魔法少女としての素質があるってことでしょう? それだったら、わたしは__「駄目よ!!」__」

 

言葉を遮るように叫んだほむらちゃんは鬼気迫る表情でこっちに詰め寄ってくる。

そしてわたしの肩を両手で掴んできた。

 

「あなたは…今まで、何を聞いていたの……!? 魔法少女になってしまったら、二度と元の生活に戻れないのよ!」

 

「で、でも!」

 

「でもじゃない!! もし魔女との戦いであなたの身に何かあったらどうするの!?

 残されたあなたのことを大切に思っている人達はどうなるの!?」

 

「ほ、ほむら…ちゃん……?」

 

これまでで一度も見たことのない顔で声を荒げる彼女の姿に違和感を覚えてしまう。

ほむらちゃんはどうして昨日であったばかりのわたしに対してここまで真剣に怒ってくれているのだろうと。

 

さっきまで抱いていた魔法少女という世界に対しての憤りも全て吹き飛んでしまうくらい、そのくらいの衝撃を受けていた。

 

「……!!」

 

「ごめんなさい、今のは忘れて頂戴。…それよりもどうして急にそう思ったの?」

 

「えっと…わ、わたし、ほむらちゃんの力になりたくて……」

 

「いらないわ」

 

そっけなく突き放すような対応に少しだけムッとする。

 

「嘘だよ!!」

 

「!?」

 

「だって、昨日のほむらちゃん…わたしが来なかったら絶対に死んじゃってた! 友達が…それに街の人達がそんな危険な目に遭っているのに、ほっとけないよ!!」

 

「そ、それは……」

 

さっきとは打って変わってわたしがほむらちゃんを詰め寄る図に転換していた。

 

「お願い、教えてほむらちゃん」

 

「…………」

 

「お願い」

 

「…………」

 

「ほむらちゃん」

 

決して目を逸らさせないようにジッと彼女の目を見続ける。

それに対してほむらちゃんは、少しだけ考えてようやく言葉を返してくれた。

 

「その必要はないわ」

 

「へ?」

 

予想外の返しに面食らって呆けた声を出してしまう。

またさっきみたいに突き返されてしまったのかと一瞬思ってしまったけども、それは続きの言葉で否定された。

 

「あなたが契約をしなくても魔女と戦う方法があるってことよ」

 

「それって……」

 

「あなたも体験したはず、私達が使い魔に襲われたときに起こった現象を」

 

“起こった現象”それを聞いて、ハッと思い出す。

魔法少女の話にのめり込み過ぎてすっかり頭の中から消えてしまっていたことだった。

 

「そうだ! それも聞かなくちゃって思ってたんだ! ほむらちゃん、あれって一体何? あれも魔法少女の力なの?」

 

「分からない」

 

「分からな…って、ええっ?!」

 

「私にあれが何なのかは見当がつかない。でもあの変身をすれば、あなたは魔法少女として契約する必要はなくなる。それに魔女と戦いたくなくなったら、いつでも抜けることが出来る」

 

魔法少女について色々と知っているであろうほむらちゃんですら知らない謎の現象。

魔法少女の世界に足を踏み入れるだけども危険なのに……

 

「でも……」

 

「不安に感じるのは仕方のないこと。でもあのとき変身をして分かったの、あなたには他の人にはない強大な素質を持っている。

 ああして一緒に戦ってくれれば、私も魔女との戦いで生き残ることが出来る。そしてより多くの魔女を倒せる。そうすれば、この街の人達を救うことだって可能になる」

 

「…………」

 

その提案に躊躇していると、ほむらちゃんはわたしに手を差し出してきた。

 

「どうせ契約するならキュゥベえではなく、私としてくれないかしら? …お願い、あなたの力が必要なの」

 

ほむらちゃんが差し出してきた手は共闘の提案だけでなく、まるで救いを求めているようにも感じた。

不安に感じる要素は多々あるけれども、皆の為に孤独に戦い続けている友達を見て見ぬふりする考えは毛頭もなかった。

 

「それで、ほむらちゃんやみんなの役に立てるなら…協力するよ!」

 

「ありがとう…まどか」

 

ほむらちゃんの感謝の言葉で、喜びで胸がいっぱいになる。

これまで何の才能も取り得もなくて自分のことが嫌だったけども、こうして誰かに頼りにされて感謝されるのは…とっても嬉しいことだなって思ってしまうのでした。

 

「なら早速だけど、魔法少女としての特訓を始めるわよ」

 

「えっ…特訓?」

 

「そうよ。さっきも言ったけども魔女との戦いは命がけ。気持ちだけあっても実力が無ければ、あっさりと負けてしまうわ」

 

「そうだね……」

 

「だから特訓よ。強くならなければ、あなたの大切なものも守れない」

 

生まれてから全然争いごとを起こしてこなかった身としては、ちょっとだけ怖いと感じてしまう。

 

でもほむらちゃんの力になると決めた以上、泣き言なんて言ってられないよね!

 

「……分かったよ、ほむらちゃん」

 

「そうと決まれば、場所を変えましょうか。ここだとちょっと狭すぎるからね」

 

「うん!」

 

 

 

それから二人で特訓して色々と戦い方も勉強したんだっけ……

ほむらちゃんが本物の銃や爆弾を使って戦ってるって聞いたときはわたしもさやかちゃんみたいにビックリしちゃって何も喋れなくなって。

変身中に間違って爆弾のスイッチを押しちゃったときは二人でパニックになったり。

日が暮れて帰る時間になったときは、勇気を出してほむらちゃんの連絡先を交換して一緒にお出かけに行く約束もしたっけ。

 

 

 

あぁ、あの時は本当に……楽しかったなぁ……

 

 

 

目頭が熱くなる。気が付くとわたしはポロポロと涙を流していた。

仲直りも出来なくてこんなところで誰にも知られずにひとりぼっちで死んじゃうなって。

 

きっとこれは罰なんだ。ほむらちゃんの気も考えないでキュウベぇに言われるままに魔法少女になろうとしたわたしの…

でも嫌だよ…このままお別れなんて、せめて…せめて最後に謝りたい。許されなくてもいい、最後に…最後に一度だけ……

 

 

 

「会いたいよ…ほむらちゃん!!」

 

「まどか!!」

 

心の底からの願いを振り絞って叫ぶと、すぐさま誰かが呼応した。

その声を聴いた瞬間、わたしの周りに取り巻いていた暗闇が払われて一気に世界が明転した。

 

「えっ…?」

 

視界が回復し、わたしの目の前には。

 

「よかった……」

 

わたしの体に両手をかざしながら力なく地面にへたり込むほむらちゃんが映っていた。

 

 

 

☆See you! Next episode…★

 




※旧作の文そのまま持ってくりゃすぐ投稿できんだろって思ってたら、まさかのほむら視点の話だったから全部まどか視点に切り替えなくちゃいけない羽目に…下手しすりゃ完全新規の文章にした方が早かったかも(笑)

次回 第18話 本当の気持ちと向き合えますか?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。