やはり俺の学校生活はおくれている。   作:y-chan

40 / 68
皆さん。感想、誤字報告ありがとうございます。
ちょっとだけ早く仕上がったので早めの投稿です。


#17-2

「せんぱい! いままでクラスの女子に話しかけたことなかったのにいつの間に矢向さんと仲良くなったんですか!?」

 

 ベストプレイスに一色の叫びがはなたれる。

 いや、ただ単純に金返しただけなんだが……

 

「仲良くなったっつーか、金銭的な関係というかそんな感じなんだが」

 

 あれ? これちょっと言い方間違えたか?

 

「えっ……せんぱい? 矢向さんとそんな関係だったんですか……ロリコンなんですね」

 

 ロリコンってなんだよ。あいつお前と同いどしっ……!? 怖い怖い……そんな目でみるな。

 

 一色は後ずさりながら、侮蔑の鋭い視線を俺に向ける。

 

「ちげーっての。ってかこうなったのも昨日お前が飲み物欲しいとか言い出したのも一因だからな」

 

「はっ? 意味不明なんですけど? それならせんぱい断ればよかったし! 買ってもらった時嬉しかったのに!」

 

 一色ちゃん? 敬語がどこかに吹き飛んでいっちゃったよ?

 

 あー……この雰囲気はよろしくないな。ケンカ一歩手前だ。

 小町とケンカする手前によく感じていた雰囲気である事を察した俺はすぐさま巻き返しを図ることにした。

 

 これは俺の言い方も悪かったな。別にケンカふっかけようとして言ったわけではないんだが。

 

 俺は一色の機嫌を損なわないように言葉を選びつつ昨日の経緯を伝えた。

 

「そんな感じで今日は矢向に借りた金を返しにいっただけだ」

 

「はい……理由はわかりました。すいません声を荒げてしまって」

 

「いや、俺も言い方が悪かったな。すまん」

 

 なんとかご理解とご機嫌を取り直して頂けたようで何よりだ。

 

「まとめると昨日汗まみれな格好で汗臭い異臭を放って誰もが避けて通ったせんぱいを見かけた矢向さんが、怖いもの見たさかで声をかけてみたらまぁキモいけれど話せなくはないと言うことで少し相手をしてあげたら物乞いをされて仕方ないから立て替えてあげたって言うことですよね」

 

 ちょっと一色ちゃん? そのまとめ方俺に対しての悪意がここぞとばかりに注がれてツッコミどころ満載なんだけれど。俺は腐りかけのゾンビかなにかかな?

 

「汗まみれだったのは認めるがそこまでじゃねぇだろが。これでも多少ましな顔面だからすこし補正はついても良いと思ってんだけど?」

 

「えっ……もしかして自覚ないんですか?」

 

「えっ!?」

 

 もしかして思っているより俺の顔面偏差値低いのん? そんな馬鹿な!?

 

「またまた一色。そんなはずないだろ?」

 

「せんぱい。現実から目を背けないでください。せんぱいは……まぁ、ごく少数派に好かれてますよ」

 

 おい、それは前に葉山先輩と一緒にいたぐ腐腐な眼鏡女子のこと言ってねぇよな? やめろよまじで俺の貞操が危ぶまれる。

 

「マジかよ……ヒキガエルのあだ名は伊達じゃなかったのか」

 

 マジで意気消沈。これから俺は女子に顔を見られるだけでヒキガエルと思われていると思って謙虚に生きていこう。

 

「私はせんぱいが顔面ヒキガエルだろうとも味方ですからね?」

 

「一色……」

 

 なんか良いこと言っている風に装ってるけど俺ディスられてるからな?

 

「誰が顔面ヒキガエルだよ」

 

 軽く一色の両頬をつまみ横に引っ張る。

 

「むむ〜!!!!?? ひぇんはいなにふるんてふかー!!!」

 

「顔面ヒキガエル言われて怒らない奴はいないぞ。罰だ」

 

 これは小町がいたずらしたときによくやった奴だ。しかし最近はセクハラだ頬ハラだと言い返すようになったから出来なくなった。あいつの頬柔らかくて触り心地良かったんだけどな。

 

 まぁ一色も小町以上ではないにしてもなかなか悪くなっ……!?

 

 ここで俺は何か根本的な間違いをしていることに気づいた。

 一色は妹ではない。俺は他人様の女子に妹と同じ対応をしているではないか。

 

 すぐさま一色の頬から手を離す。

 一色の顔は少し赤くなっているように見えなくもない。強く引っ張った覚えはないのだが肌が弱いのだろうか悪いことをしたな。

 

「すまん。勢いでやっちまった……」

 

「……むー、ほんとにびっくりしたんですからね! 女の子に簡単に触れると思ったら大間違いですよ!」

 

「すまん、まじですまん」

 

「私だから良かったものを他の女子にやったら通報ものですからね。そこ気をつけてくださいね!」

 

 そうだよな。ほかの女子にやったら確かに通報されるだろう。

 

「うす……」

 

「矢向さんに私と同じ事したら許しませんよ? 一生ロリコンシスコンハチマンって言いますからね」

 

「おい、不名誉な名称の1部に俺の名が刻まれてるんだが」

 

「語呂が良かったので」

 

「俺の名が……」

 

「おっ、良いタイトルですね。映画化できますよ」

 

「そりゃすげぇ。俺の過去編だけで3部作出来るまであるぞ。すべてバッドエンドだ」

 

「うわぁ……自分でバッドエンド言っちゃいましたよこの人……せめて4部でハッピーエンドがやってくると良いですね」

 

「専業主夫エンドにならねぇかな」

 

「それには妻を見つける必要がありますよね〜」

 

「そうだな。誰か俺を養ってくれる女子がその辺に転がってねぇかな……」

 

「せんぱいはその辺に転がっている女子すら疑ってかかるじゃないですか。それ言う前に自分の捻くれた考えを正すべきなんじゃないですかね? そしたら案外近くにいる女子に気づくかもですよ?」

 

「小町しか選択肢ねぇじゃねぇか」

 

「間髪入れず小町ちゃんを選ぶあたり生粋のシスコンですね。気持ち悪いです。身内以外にも目を向けましょ。もっと別にいますよねっ、ねっ!」

 

「となると? 誰だ? 由比ヶ浜か雪ノ下先輩?」

 

「うっわ……理想が高すぎてひきました。どんだけ高望みしてるんですか?? 身の程をわきまえてください」

 

「ただ名前を出しただけだろ。なんでディスられんだよ俺」

 

「ほらもっと女の子らしい子が残ってるじゃないですか」

 

「残ってんの矢向だけなんだが……」

 

「……せんぱい? なんでそうなるんですか?? もしかしてガチのロリコンですか?」

 

 おい一色。さっきから俺ディスっているのと同時に矢向もディスってるかんな。

 

「あいつお前と同い年なんだが……」

 

「せんぱいは可愛くて小さい子に興味があるんですよね-! ロリ属性が好きなんですねーっ!」

 

 こいつラノベ読んでるからか? ロリ属性とかいう言葉が躊躇無く出てきた辺り着実にサブカルに毒されてきてんな。

 

「だんだんお前の発言が由比ヶ浜寄りになってんだけど」

 

「それはどういうことですかね?」

 

「偏差値低そうだなって思った」

 

「それは先輩のせいですからね。責任とってください」

 

「……その話はおいておくとしよう。ただ俺の回答は別に間違ってないだろ。お前は別に好きな人居るんだから当然除外だしな」

 

「む〜……」

 

 なんでこいつはそんな不服そうな顔してんの? 他に誰がいんだよ。それ教えろよ。

 

「せんぱいのバカっ!!!」

 

 そう怒鳴って一色は振り返らずに走り去って行った。

 

 いったいなんなんだあいつは……女心は秋の空と言うがあいつのはゲリラ豪雨じゃねーか。

 

……あっ戸塚先輩がいた!?それか!!!

 

 ***

 

 7月が始まった。もう少しすれば夏休みだ。しかしその前に、俺たち学生にとって超えなければならない試練が存在するわけだ。その名も期末テスト。

 

 今週から期末テストの部活停止期間に入る訳だ。

 なので部活はないが勉強はしないといけん。勉強は基本家でやるものなのだが今日に限ってやけに腹の音の自己主張が激しい。原因は朝飯を食いそびれたのと昼も購買競争に負け食いそびれたわけだ。

 

 この腹の音を黙らせるため、サイゼに寄ることにしたのだが……

 

「ダメか……」

 

 駅前のサイゼは勉強場所を求める学生たちで満席状態だった。

 時間を忘れて勉強して店員に怒られるがいいと捨てゼリフを考えながら俺はほかに場所を探すことにした。

 

 がっ、やはり考えることは皆同じなのだろう。最後の頼みの綱で前に一色といったカフェに行ってみたがどうやら満席状態で入れそうになかった。

 これは黙って家に帰ってカップ麺をくいながら勉強した方がいいなと考えていたところ声をかけられる。

 

「あれ、比企谷先輩?」

 

 その声の主である矢向はパーティションで区切られた二名席から頭を出し俺に手を振っていた。ちょうど矢向の座ってる席の位置から入口が見えるから気づいたのだろう。

 

 俺がそれに反応すると矢向は俺の元に駆け寄ってきた。

 いや別にこっち来なくて良いんだが。

 

「比企谷先輩も試験勉強ですか?」

 

「そうだが満席らしいからな。家で勉強するわ」

 

「それなら私の席来ます? ちょうど2名席ですし」

 

「いや、それは悪い」

 

「いえいえ、気にしないで良いですよ。それにほら……お腹もすいてますよね」

 

 どうやらさっきからなりっぱなしの腹の音は矢向にも筒抜けのようだ。

 正直何か入れんとこの鳴りはおさまりそうになかった。ここは言葉に甘えることにしよう。

 

「すまんが相席いいか?」

 

「えぇ、どうぞ」

 

 そう言って俺は矢向がいた席へと案内された。

 

「比企谷先輩は何食べるんですか? あー、これ美味しそう」

 

 広げたメニュー表を見ながら矢向がパスタの写真に指を指す。

 

「お前も食うんかよ」

 

「ちょうど私もお腹空いてたんですよね」

 

 そう言ってニカッと歯を見せ笑う姿は悪くない。

 

「相席してもらって流石に文句はねぇよ」

 

「比企谷先輩は何にします? これとかどうですか、チキンステーキ&ハンバーグ。ボリュームあってお値段お手頃ですしどうですか?」

 

「ほー、そんなもんあんのか。ここ普通のカフェだと思ったらファミレスみたいなメニューも出してんだな」

 

「学校も近いですし学生のお客さんも多いからじゃないですか?」

 

「まぁ近しい理由だろうな。そのオススメを買うことにするか」

 

「財布チェック大丈夫ですか? 注文した後に足りなかったとか言っても今度は利子つけますからね?」

 

「うっせ守銭奴め。今日は何気に懐が暖かいんだ」

 

 なんせ7月分の小遣いの要求をたまたま小町経由でやってもらった。するとどうだろう、俺がもらっている金額の倍額が届く。意味がわからんがそんな理由できょうび俺の懐は暖かい。

 

「そうなんですね」

 

「奢らんぞ?」

 

「まだ何も言っていませんよ。でもここで私の信用が買えると思ったら安いものじゃないですか?」

 

「信用の上げ方なんて奢る以外にもいくらでもあるだろが。俺は目先のやっすい信用は買わねえ主義なんだよ。いうだろ安物買いの銭失いって」

 

「へー、じゃあそんな比企谷先輩に奢る以外での信用の上げ方をご教授してもらいましょうか? もちろん女子目線で」

 

「前提条件としてイケメンである」

 

「いきなり真理を出してきましたねこの人」

 

「女子高生なんて結局イケメンが好きな生き物なんだよ」

 

「まぁイケメン好きは大人数ですけれど女子高生の全てがそれには当てはまらないんじゃないですか?」

 

 そんなことを言いながらふふっと矢向は微笑む。

 

「そんなどうでも良いことにこれ以上使う頭はねぇよ。それよか俺は腹が減った。さっさと注文するぞ」

 

「そうでしたね」

 

 矢向が手際よく注文を店員に伝える。

 

「比企谷先輩?今日は何を勉強する予定ですか?」

 

「とりあえず現国やろうかって考えてた。得意を伸ばすそれが俺の正義」

 

 苦手はできれば一生無視して生きていきたい。

 

「そうですか、ならわたしもそうします」

 

「矢向よ、なぜに俺に合わせようとする? ちょっと怖いんだけど」

 

「せっかく二人いるんですし教え合うことで理解力強化につながると思いません?」

 

「あぁ、なるほどなインプットアウトプットで理解力をつけるってやつか」

 

「ザッツライト」

 

「わかった」

 

 俺はカバンから勉強道具を取り出す。

 流石に2人席で机の広さに限りがあるので参考書とペンシルと消しゴムだけの必要最低限だけを取り出した。

 

「そんじゃ始めるか。矢向、今回の試験範囲どこまで押さえてる」

 

「とりあえず試験範囲全体教科書読んで軽く頭に入れたくらいですね」

 

「なるほどな、それじゃこれは理解できたか?120ページの慣用句」

 

「慣用句の意味はだいたい把握出来てます。問題は古文ですね。読解するのに時間かかっちゃうんですよね」

 

「古文はどれだけ読みこんだかで理解スピードが変わるからな。試験前までに時短見込めないなら試験では後回しにした方がいいぞ。先にすぐ解けるもの終わらせて焦らずにゆっくり読めばいい。あとは敬語の単語覚えときゃどうにかなる」

 

「そうですね。参考にします。比企谷先輩漢文は好きだったりします? なんかパズル感覚で私は好きなんですけれどね」

 

「あー、なんか読み方覚えると面白いよな」

 

「そうですそうです。ただ読んでるだけで楽しくて何書いているかさっぱりだったりするんですけれどね」

 

「おぃ、ちゃんと理解しろよ……」

 

 そんな会話をしながら古文の読み込みをしていると、聞き覚えのある声がパーティションで区切られた隣の席から聞こえてきた。

 

「……ヒッキーがいろはちゃん以外の女の子と居るよ」

 

「しっ、由比ヶ浜さん。ここは見なかった振りをするのが優しさよ。もうすこし様子をうかがいましょう」

 

「ゆきのんそれって聞き耳立てるって奴じゃない?」

 

「由比ヶ浜さん。必死に勉強した甲斐あって慣用句が使える様になったからって私にその語句を述べるのは人聞きが悪いわよ」

 

「ちょっとゆきのん? 私もしかして馬鹿にされてる?」

 

 漫才でもやってるんかねこの2人

 

「いやもうばれてますからね?」

 

 そう言って俺は隣のパーティションを覗く

 

 焦ってハワワとなんか漫画みたいなセリフ吐いている由比ヶ浜と、真顔で俺に目線を合わせていた雪ノ下先輩がいる。

 

「聞き耳立ててるだけでは飽き足らず覗きまでするなんて地に落ちたわね比企谷くん」

 

 いやそんな真顔でいうセリフでもないですからね? なに言い切ってやったぞ感出して紅茶すすってるんですかね?

 

「そっちこそ声かけてくださいよ。」

 

「え〜っと……邪魔しちゃ悪いかなって思っちゃって」

 

「由比ヶ浜さん、嘘は良くないわ。ちゃんと言ってあげなさい、天地がひっくり返るほど驚愕の光景を目の当たりにして勉強どころではなくなったと」

 

「それゆきのんが思っていることだからね!!? 野次馬根性出そうとしてたのゆきのんだからね!!?」

 

「野次馬根性って言い方が気に食わないわ。観察をしていたといってもらっていいかしら?」

 

「全く意味変わってないし!?」

 

 漫才コンビでも目指すのか? 息ピッタリじゃん。

 

「一色さんだけでは飽き足らずまさか2年生の先輩にも手を出していたとは……やりますねぇ」

 

 そう言って俺と同じようにパーティションを覗きこむ矢向

 ニューフェイスの登場に2人の視線は矢向に注がれる。

 

「あなた、矢向由奈さんね。私は雪ノ下雪乃。彼が所属している部活の部長をしてるわ。よろしく」

 

 やっぱり俺以外の生徒の顔と名前は覚えてんのね。国民的アニメのキャラクターであるあのメガネと同じで、俺の隠密スキルは生まれる時代が違えば天才と称されていたかもしれない。

 

「相変わらずゆきのんすごいなぁ〜初対面なのに顔見ただけで名前わかっちゃうなんてわたしできないよ。あっ、私由比ヶ浜結衣だよーよろしくねーゆーなちゃん」

 

 初対面でいきなり愛称付けるとか距離の詰め方が間違ってると思うんだよな由比ヶ浜。どんだけリア充ポイント積めばそんなことできんだよ。

 

「お二方ともよろしくです。まさかあの雪ノ下先輩に名前を覚えてもらっているなんてちょっと驚きです」

 

「あーあれだ、雪ノ下先輩は全校生徒の顔と名前を一致させている超人だ」

 

「へぇー、なんかウィ……すごいですね」

 

 今ウィキペディアって言いかけたな? 俺も同じ道を通ったからその気持ちは痛いほどわかる。

 

「それより矢向さん。先ほどあなた『一色さんだけでは飽き足らずまさか2年生の先輩にも手を出していた』と言っていたわね。それはこちらの台詞よ。なぜ一色さん以外のクラスメイトと比企谷くんが一緒に居るのか私たちには意味が分からない状況よ。先ほどまで私もすこし取り乱していたわ」

 

「あっ……ゆきのんのあれ取り乱していたんだ」

 

「いやまって。俺にも交友関係があるんですけれど」

 

 そう言ってはみるものの、雪ノ下先輩や由比ヶ浜には相手にされず俺の反論は空気に消えた。

 

「矢向さん。彼に何か弱みを握られ無理矢理一緒に居させられているのだったら迷わず私に言いなさい、部長として部員の指導をするのは当然だから」

 

「ちょっと待ってください雪ノ下先輩、なぜに俺が矢向を無理矢理連れ回しているみたいな言い分になってるんですかね?」

 

「そうですよ雪ノ下先輩」

 

 そうだ矢向、お前は良い奴だ言ってやれ!

 

「えっと……その……こんな公共の場で……言え…るわけぇ…ないじゃないですかぁ……」

 

 矢向は両手で口元を隠し、頬を赤く染め瞳を潤しながら弱々しく呟く。

 

 は? こいつ何言ってやがるんだ? ふざけんな!!?

 

 その言葉と同時に雪ノ下先輩は侮蔑の視線を俺に突き刺す

 

「比企谷くんあなた……」

 

 由比ヶ浜はうわぁガチでこいつ何しちゃってんだよっていうあまり関わりたくない雰囲気を出しつつ、軽蔑する表情で俺の視界に登場した。

 

「ヒッキー……殺されるよ?」

 

 誰にだよ。

 

「おいこの状況にした張本人。そろそろ場を正せ」

 

「比企谷先輩面白いですね」

 

「お前は俺が罵倒されているのを見て面白いという変態なのか?」

 

「すいませんお二方とも。今のはちょっとしたジョークです。状況を説明するのであれば私が比企谷先輩を誘ったと言うのが正しいですね」

 

 あっ、そっかぁ〜と由比ヶ浜がほっと一息ついたとき、俺たちが頼んだ料理を店員が持ってきた。

 

「それじゃ一旦俺飯食うんで」

 

「はーい」

 

 そんな会話を交わした後、俺たちは自分達の席に戻るのであった。

 

 




現国ってそもそも何の勉強したっけと結構悩んだ事は秘密の話。
今回も矢向ちゃん登場です。

6月最終週を一気に飛ばしたのは理由があって、
その間の話を#17-4でしようかなと考えている次第です。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。