色々とご立腹しておりましたいろはすをご覧下さい。
短めになっております。
せんぱいが言うベストプレイスから逃げ出したあと、トイレへと駆け込んだ。
そこでわたしを襲ったのは物凄い後悔だった。
ふと無意識に呟く。
「私、何してんだろう……」
呟いただけで反響する室内に驚き瞬時に口を手で塞ぐ。
その後、無音が続きトイレ内に誰も人がいないことに胸をなで下ろしゆっくりと塞いだ手を口から離した。
あー、せんぱいに絶対面倒くさい女とか思われてるんだろうな。
あの男子のことなら何でもござれ、余裕のいろはちゃんはどこに行ったんだろう。
今回矢向さんとか関係なくてせんぱいが私を完全にアウトオブ眼中だったって事がすごく腹立たしかった。
せめて1度くらい私の名前をあげて欲しかったのに先に矢向さんでちゃうし。意気消沈しちゃう。
私も私でそれで腹立てて八つ当たりだし……えー、私こんなにも面倒くさかったっけ?
ってか、なんで私せんぱいにアプローチし続けてるんだろ。
いままで私、自分でアプローチせずとも男子は寄ってきたよ?
うーん……そうやって何が原因かの思考を巡らせるとある1つの真実に行き着いた。
私のおじいちゃんは一般人だけれど多分じっちゃんの名にかけてこれだ!
そうだ。せんぱいが貸してくれたあのライトノベルだ。
あれらは主人公はヒロインを誘うなんてことはあまりせず、常にヒロインが誘ってくるっていう展開が多かった。それをせんぱいの攻略本と錯覚して私から行かなくちゃって思惑に取り憑かれていたんだ。
なるほど、これはいわゆるマインドコントロールって奴ですか……
いつの間に……せんぱい、やりますね。
って、そんなわけないですね。おじいちゃんが名探偵だったら1発で当てることができるんでしょうけれど流石に一般人のおじいちゃんの名をかけても真実は霞んだままでした。
はぁ……考えに余裕がなさ過ぎてすぎてトンデモ理論を展開してしまいましたね。
まぁでも、よく思い返してみれば教室では話さないにしても結構せんぱいを追っかけ回している節はありました。
お弁当とか作ったりして味見させたり、奉仕部に入り浸って依頼手伝ったり……
冷静に考えてみるとちょっとやり過ぎた感じが……かまってちゃんですか……私。
流石に少しだけ距離を持った方が良いかも知れないですね。
多少の距離感を持って接すればせんぱいも私を意識するのでは?
男子って1人の時間が欲しい時があるって雑誌に書いてましたし。
それに、最近の私、せんぱい専属みたいに思われているから他の男子とかと遊びに行ってないんですよね。
だからせんぱいは危機感が薄いのかも知れません。
ここは原点回帰です、たまには部活以外で他の男子との交流もあるんですよーって見せつけてせんぱいに危機感を煽ってしまいましょう。
そうしたら……意識してくれるかな?