ラブライブ!~合同企画短編集~【完結】   作:薮椿

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《薮椿より》
 本日は、原作『ラブライブ!』にて『まさか×××××と思ってた?』を投稿している、黒とかげさんの企画小説です!

《黒とかげさんより》
参加させて貰った黒とかげと言います。ヤンデレを崇め奉る事をモットーにチビチビとヤンデレ小説書いてます。


夢か真か

『スクールアイドルフェスティバル♪~』

 

ニュースでも見ようとテレビを付けたらちょうど流れていた。

『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』

アニメ『ラブライブ』のキャラクターでラブライブの曲を遊べる流行りのリズムゲームだ。ラブライブは友達に教えてもらってからハマってずっと追い続けていた。CDを買ったり、ライブの時にはLVに行ったり頭の中は寝ても醒めてもラブライブだった。だが、いつしか熱が冷めてきていた。

 

「あの頃はあんなに夢中だったのにな」

 

嫌いと言うわけではないが、あの頃ほど夢中じゃなくなっていた。何がきっかけなのかは自分でもわからない。だが、距離を取っていた……。

 

「久しぶりにやるか」

 

そして、スマホにスクフェスをインストールした。遊んでいれば熱も戻るかもしれないし、距離を置こうと思った理由がわかるかもしれないと思ったからだ。

 

「あの頃は毎日、画面みてニヤけてたりしてたな~」

 

アプリを開くと同時に意識を失っていた…………。

 

 

 

 

 

目に突き刺さるような眩しさを感じて目が覚めた。

 

「ここは……」

 

辺りを見回すと淡い色のカーテンに、腕に繋がった点滴。病院にいるようだった。

 

「あぁ、目が覚めたんだね」

 

「……はい」

 

ふと見ると白衣を着た男の人がいた。

 

「君は覚えてないだろうけどね。近くの公園で倒れているところを救急車で運ばれているんだ。なぜ、倒れていたか覚えているかい?」

 

「いえ……全く」

 

「そうか……」

 

倒れていた所を運ばれたらしい。ついさっきまで、家でスクフェスをしようとアプリを開いた所から記憶にない。

 

「なら、名前や家は覚えているかい?」

 

「名前…家……」

 

ダメだ、何も思い出せない。自分にとって重要な事が全て思い出せない。

 

「ふむ……軽度の記憶喪失かそれとも……いや何でもない」

 

「あの……これからどうすれば良いのでしょうか?」

 

名前も帰る場所もわかない。なら、施設とかに引き渡されたりするのだろうか。

 

「しばらくはここで入院生活だ。名前や家は警察がなんとかしてくれるだろう」

 

「そうですか……」

 

「安心したまえ。すぐに思いだすさ」

 

「……」

 

少しは安心して良いのだろうが、まだ心の整理がついていない。なぜ、思い出せないのか、どうして倒れていたのか、まだわからない事が多すぎる。

 

「今日は休みたまえ。明日になったら警察が話を聞きに来るそうだ」

 

「はい」

 

そして、部屋から出て行こうとして

 

「そうだ、君が倒れていると通報してくれた人が来るそうだからお礼でも言っておくんだよ」

 

「はい」

 

部屋を出ていった。たぶん、あの人が担当してくれた医師の人だろう。部屋に居たって事は問診で、ここはそれなりに大きい病院って事か

 

トントン

 

と扉を叩く音が聞こえた。たぶん、通報してくれた人だろう。お礼を言っておかないと

 

「入ってるも大丈夫ですよ」

 

そして、入ってきた人を見て驚きを隠せなかった。誰がどう見たってあの、ラブライブの真姫ちゃんにそっくりな人が入ってきたからだ。

 

「何よ、入るなり変な顔して。いのちの恩人に失礼じゃないの?」

 

「あ…あ、すいません。知り合いにそっくりだったので、つい」

 

とっさに嘘を言う。 いるはずが無いと本能が告げているが、目の前に居るのは誰が見ても、ラブライブの西木野真姫にしか見えなかった。

 

「なら、いいわ。それより体の調子は大丈夫なの?」

 

「あ、大丈夫です」

 

くっそ、ラブライブの世界に迷い込んだのかと混乱して言葉が俺じゃ無いみたいだ。

 

「そう」

 

そうだ、まだ確定した訳じゃない。話を少ししながらな情報を集めればわかるはず。その前にお礼を言っておいた方が良いよな。

 

「この度は助けていただきありがとうございます」

 

「べ、別に倒れていた人がいたら連絡するのが普通でしょ」

 

「ですね……変な事かも知れないんですが、名前を教えてもらっても大丈夫ですか?」

 

「に、西木野真姫。ここはお父さんが経営してる病院。だからすぐに運んで来れたの。貴方の名前は?」

 

「ははは…運ばれる前の記憶が思い出せなくて、名前わからないんだ」

 

「はぁぁ、人に名前を聞いておいて自分の名前はわからないの?」

 

「思い出せたら教え」

 

「約束よ」

 

「わかったよ。西木野さん」

 

そして彼女は部屋から出ていった。そして、この世界はラブライブの世界だと確信した。そうだよ、そうじゃなきゃ、話せるわけが無い。声だってアニメやゲームでひたすら聞いていた時期もあるんだし、間違えるはずがない。 まてよ……本当にラブライブの世界だとしたら、ことりちゃんにも会える可能性があるし、真姫ちゃんと交流を深めれば絶対に会え…………落ち着け、俺。ここで焦ってヘマしたら水の泡だ。ゆっくりと着実に考えていこう。なら、何から始めていけばいいのか……

 

「う~~む……」

 

 

 

彼が交流を深める方法を考えている時に、別の場所では

 

『どうだった?真姫ちゃん』

 

『体調は大丈夫みたい。後は━━━』

 

ここがラブライブの世界と言う考えは間違ってはいなかった。確かにμ'sはいるしA‐RISEもいる。だが、一つだけラブライブとは違うところがあった。

 

『大丈夫だよね』

 

『うん。もう、逃がさない……』

 

 

 

 

 

 

それからは、忙しい毎日だった。警察の人と話はしたけど、名前も家もわからずじまい。入院をしている間に仮のアパートを手配してくれるらしいけど、手厚いサポートすぎて怪しいと思いもしたが、手配してくれる心を無下にする訳にも行かず受けるとにした。第一この日本で誘拐されるわけがない、男子高校生誘拐しても何にもらないだろうし。

 

「へ~西木野さんはスクールアイドルをやってるんだ」

 

「そうよ」

 

真姫と話す機会も増えて、μ'sの話題が挙がり、ここがラブライブの世界だと決まり嬉しい反面、なぜ迷い込んだのか不思議でならなかった。夢で明晰夢と呼ばれるものだとしても、ここまでリアルだとは思えなかった。

 

「そろそろμ'sの練習があるから」

 

「話できて楽しかったよ」

 

手を軽く振って見送る。これが夢でないのなら、真姫ちゃんについて行ってμ'sの練習風景でも見てみたいな。夢であるなら、それくらいしなくちゃ勿体ないしなぁ~。退院したらこっそりついて行ってみよ。

 

「おっと、そろそろ検査の時間になるな」

 

そう言い残し部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

×××~side~

 

「やっと、願いが叶うんだね!」

 

「やったね、穂乃果ちゃん。ことりも明日からが楽しみ」

 

「二人とも、楽しみなのはわかりますが、少しは落ち着いてください」

 

1つの部室で最後の話し合いが行われていた。

 

「明日からは真姫の提案通りで行こうと思うけどいいかしら?」

 

「うん。カードもそれが良いって」

 

「アイツ~、私達から距離を置いてたことを後悔させてやるんだから!」

 

「にこ、少しは落ち着いて」

 

「小学生みたい…」

 

「何よ!」

 

傍から見れば他愛もない会話でしかないのかもしれない。だが、その言葉の裏には黒い感情が根を張っていた。

 

 

 

 

「体調も良さそうだし、今日中には退院できるよ」

 

「何から何までありがとうございました」

 

やっと、退院出来ることになった。リハビリ的に歩くわけでもなく、定期的に話をする事で何かを思い出すきっかけを探したりしていた。これならは、西木野先生の知り合いに学校の理事長をしている人がいるらしく、そこに通う事になった。詳しい説明は送られてくるらしいが、真姫ちゃんのお父さんである先生の知り合いと想像したら……いや、女子高だから考えすぎか。

 

「あと、仮の名前は気に入ってくれたかい?」

 

「はい。だいぶしっくりきてます」

 

名前を呼べなきゃ不便と言うことで、思い出すまでは白鷹 遊星と付けてもらった。

 

「それは良かった。男の子の名前を考えるのは初めてでね。娘の真姫も、名前は妻が考えたものなんだ。私にはネーミングセンスが無いらしいから心配だったよ」

 

「いえ、名前を考えられるのは凄い事だと思いますよ」

 

「ははは、そう言って貰えて何よりだ」

 

アニメでもゲームでも男性がほとんど出てこないラブライブだったけど、話せるとなると新しい発見が見れて面白かった。

 

「遊、そろそろ行くわよ」

 

そう、真姫が言う。今から住める家に連れて行って貰えるらしい

 

「おっと、話しすぎたみたいだね。いっておいで」

 

「本当にありがとうございました!」

 

今回ばかりは感謝してもしきれないし、どうにかして恩返ししなきゃなっと心に刻み、真姫の案内に従って歩き出した。

 

 

案内された場所は、何だか値段が張るんじゃないかと思えるマンションだった。エントランスまで来たはいいけど、入口で警備みたいな人もいたし管理人らしき人がいたりと、絶対に安くないと思えた。

 

「あの、ここって……」

 

「パパも言ってたように、ここが遊の住む事になるマンション」

 

絶対に何かある。そう確信した……

エレベーターに乗り、何階か上がってから扉が開く。

 

「ここが俺の部屋になるのか……」

 

そして、部屋の扉を開けたら首元に電流が走るような感覚がし、意識を手放した……………

 

 

 

 

 

目が覚めると白い天井が見えた。軽いデジャブを感じながら、また倒れたのかと思い身体を動かそうとした、が

 

「手錠?」

 

手錠のようなもので腕が止められていた。それより、一緒に来た真姫は……

 

「ここにいるわよ」

 

「ま、真姫。これは……」

 

「手錠よ。見てわかるでしょ?」

 

「それは見れば、わかる。何で繋がれてるのかって事を」

 

「逃がさないためよ。あの時みたいに」

 

「逃がさないって……」

 

何がある?逃がさない?俺が真姫から逃げた……いつの話だ。こっちに来てからじゃない。あっちの世界のことになる。何をし…………いや、こっちに来る前の出来事が原因なら前に本で似たような話があった……あれは、主人公が小さい頃に読んでた本を久しぶりに開いたら本の中に吸い込まれるって話しが……つまり、ここは

 

「俺のスクフェスって事か」

 

「さすが、遊。わかってるじゃない」

 

「でも、なんで……」

 

「なんで?……そんなの決まってるじゃない。貴方のことを想っていたからこの世界に呼びこんだ。貴方はゲームだとしか思ってなかったかもしれない。けど、私達にも感情がありここの外を見ることも出来た。けど、狭いこの世界でやれる事は少なくて皆が暗いときばかりだった。そんな時に現れたのが貴方だった。いつも笑ったり泣いたりしていたけど、私達と居てくれた……だけど、いつの日か顔を見せることが無くなっていた……」

 

たかがゲームだと思っていた。だけど、本当は意思があるなんて思ってもみなかった。こうなったのは俺が原因なの……か…

 

「顔を見る事が無くなってからのμ'sは荒れていった。ライブをする事がなくなり練習することもなくなった。けど、ある時希が言い出したの『こっちの世界に呼べばいい』って。やり方なんて知らない。けど、私達の想いが強ければ呼べるって……だから、 あの日久しぶりに会えて、こっちの世界に呼べた時は嬉しかった……」

 

だけど、なんで

 

「一緒に泣いて笑ったり出来たこと……何も無かったこの世界で唯一の光だった………そして、初めて好きになった人だったから」

 

確かに真姫やμ'sの事は大好きだ。恋仲になれるんだったら死ぬほど嬉しい。だけど、俺にはそんな資格はない

 

「大丈夫。資格や離れてた事なんて今になっては過ぎたこと。今日からは私達の事だけ考えていれば良い……」

 

「ここには、真姫しか」

 

「9人で一気に来たら大変でしょ?だから一日に1人ずつ来るようにしたの。だから、今日は私」

 

逃げることは……無理だな。例えここを出れても、狭いこの世界ではすぐに捕まってしまうだろう。簡単に言うと、μ'sからは逃げれないってことか。もっと早く気付くべきだったこの異質さに。会えるとか思ってないで、早く動いていればこうはならなかったのかもしれない。

 

「終わらないパーティを始めよ?」

 

これからの生活がμ'sとの幸せな同棲なのか、監禁される生活なのか今はわからない。例えここが俺のスクフェスだろうと、彼女達の生活を……ラブライブへの道を閉ざしてしまったのが俺なのは確かで、本来のμ'sからかけ離れた存在にしてしまったのだから、本来あるべき姿に戻すのがやるべき事だと思った。それが、修復不可能だとしても……




《黒とかげさんより》
これは、たぶん……ヤンデレ。ラブライブのヤンデレは久しぶりなんで口調とか変かもしれないですが、ヤンデレ化して変化してるって事として考えておいてくださればと思います。最近はヤンデレバンドリ書いてるんでバンドリに興味がある方はぜひぜひご覧下さい。他のμ'sメンバー?多分、いつか……あるかもしれない。
P.S この場を使わせていただき謝辞を。この企画の中でも私は新参者になり、ラブライブ小説の先輩方が多く、アドバイスを貰ったりと感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。
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