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篠宮束と影浦隊
界境防衛機関ボーダー。
それは、 異世界からの侵略者『
今からおよそ4年前。おれの住むここ、三門市は近界民からの大規模な攻撃を受けた。今もなお多くの爪痕を残すこの第一次近界民侵攻は、多くの死者と行方不明者、多数の重軽傷者をだした。
そして、この近界民からの攻撃を食い止めたのが、現ボーダーの前身となる組織である旧ボーダーだ。彼らはこのような事態に備えて独自に近界民特有の技術である『トリガー』を解析、研究をしてトリガーを用いて近界民たちを撃退した。
この時謎の武装勢力として旧ボーダーについては様々な憶測などが飛んだらしいのだがそこは割愛させていただく。
そのボーダーは瞬く間に三門市の被害地の中心に現ボーダー本部基地を作り上げ、近界民たちの出入り口である「門」を本部基地の周辺、現在の警戒区域に誘導する装置を開発した。
そしてボーダーは三門市を守るための隊員を集めて今まで三門市をボーダーの脅威から守り続けている。
さて、おれは三門市やボーダーの中には多いであろう近界民被害者の1人であり、ボーダーに所属する中学3年生だ。他の人と少し違うことがあるとすれば、父と母と姉、そして妹、全ての家族を失い逃げていたところを現ボーダーの幹部に助けられたことだろうか。
おれは、近界民が憎い、許せない、根絶やしにしてやりたいとも思う。
でも、それ以上に新しくできたかけがえのない、大切な仲間たちを守りたい。おれを絶望と憎しみから救ってくれた新しいボーダーの家族たちを。
この物語はそんなおれ、
・
今、おれがいるのは警戒区域の中のすでに捨てられた民家の屋根の上だ。
ところで、ボーダーの防衛任務について知っているだろうか?ボーダーにはいくつかの支部があり、防衛任務はそれぞれの支部を中心として5部隊、3交代制で行われている。
本来なら部隊単位で行われる防衛任務だが、ソロの隊員が部隊に混ざったり、もっと防衛任務に入りたい隊員が集まり混成部隊で防衛任務を行うこともある。
つまり、何が言いたいかと言うとだ。現在おれは影浦隊との合同防衛任務中だ。
おれはA級ソロ隊員なので影浦隊にお邪魔させてもらってる形になる。
「おいこら、篠宮ぁ。なにぼ〜っとしてやがる」
髪を乱雑に伸ばし放題にしているギザギザの歯が特徴のこの部隊の隊長、影浦 雅人が相変わらずの汚い口調でおれに声をかけてくる。かくゆう影さんもぼぉっとしてた。つまりはおれもカゲさんも暇なのだ。
「仕方ないよカゲ。こんなに暇だったら、束くんもぼぉっとしちゃうよ」
この人は北添 尋。大きくて丸いこの部隊の良心だ。側から見ればまるで菩薩のようにいつでもニコニコしてるのに実はカゲさんと8度ものタイマンを繰り広げそして友情を育んだというボーダー屈指の武闘派お肉だ。
「うっせぇよ、ゾエ。てめぇはだまってろ!」
『そーだ、うるせーぞゾエ!』
「2人ともゾエさんに辛辣っ!」
通信越しにゾエさんに暴言を吐くこの人は影浦隊のオペレーターである仁礼 ヒカリだ。この影浦隊をまとめる影の番長にして、ゾエさんに死んでこいという命令を下すパワー型軍師だ。
ちなみにこの人は手間のかからない弟がいるせいで年下の隊員達に世話焼きたがるという厄介な性質を持っていたりする。
『ヒカリも無駄口叩かない方がいいんじゃない。きたよ』
先輩であるヒカリ先輩にも敬語を使わないこの不遜な後輩は絵馬 ユズル。中学生の中ではおれに次ぐポイントを保有する才能抜群のこの隊の狙撃手だ。
『お、おらおめーら仕事だぞ。誤差3.2だ、キリキリ働けよ!』
ヒカリ先輩の通信を聞きながらまずは先におれと影さんが動く。ユズルは狙撃手だから狙撃ポイントから動く必要がないし、ゾエさんは銃手で基本的に影さんのサポートに回ることが多い。
このチームは影さんの圧倒的な近接戦闘を活かすために乱戦にあえて持ち込むような戦法を得意とする過去にA級在籍経験ももつボーダーのトップチームの1つだ。
「篠宮ぁ、左やれ!おれは右を片付ける」
「了解、カゲさん!」
敵の数はそれなりに多い。だけど、おれと影浦隊にかかればこの程度何でもない。
その時、後ろからおれと影さんのいる前方のトリオン兵に向けて爆撃用の射撃トリガー「炸裂弾」が降り注いだ。
この混乱に乗じて影さんが乱戦で敵を落としていくのが影浦隊のスタイルだ。
だが、今回の相手はトリオン兵。近界民を倒すための力、トリガー技術の根幹をなすトリオンを利用して作られた予めプログラミングした動きしかしないただの機械の兵隊のようなものだ。これはあくまで目くらまし。そしておれと影さんにとってはこれで十分だ。
レーダーで確認できるおれの受け持ちのトリオン兵は6体。まずは1体、炸裂弾で起こされた煙からおれの方に向けて突っ込んでくるトリオン兵に攻撃手用のトリガーであるスコーピオンを一閃する!
弱点を一撃で切り裂かれたトリオン兵は沈黙し、2体目に向かおうと目を向けた瞬間にユズルの狙撃が炸裂した。この狙撃は1番でかい砲撃用のトリオン兵であるバンダーの弱点を1発で撃ち抜く。
「さすがユズルだ。影さんも張り切ってるみたいだし、おれもいっちょ頑張るか!」
おれと影浦隊ぐらいの実力があるならこの程度のトリオン兵は大した障害になることもない。結局それなりの数が現れたはずのトリオン兵は、ものの数分も経たないうちに全滅することになった。
・
場所は変わって影浦隊の作戦室におれはお邪魔している。
チームを組んだB級以上の正隊員には作戦室が与えられる。この作戦室には割とチームの個性が出ることが多い。例えばここ影浦隊作戦室は影さんたち男組はあまり私物の持ち込みもなく基本的には片付いている。ある一角を除けば…。
おれたちは今その一角であるところのヒカリ先輩の許可なく入ることは許されない場所にいる。
その名は、「こたつ」だ。
ヒカリ先輩の許可なく入ることのできないこたつだけど、今はヒカリ先輩だけが追い出されてる。
こたつの四隅を占領しているのはおれと影浦隊の戦闘員である3人だ。
「おら、最下位とっととカード切りやがれ」
「うっせぇぞ、カゲ!切ってんだろうが!」
カゲさんの言葉の通り、最下位になった人はこたつの中に入ることができずに、カードを切るルールでやっている。つまり、このゲームのいまの最下位はヒカリ先輩だ。この1個前まではカゲさんだった。
そしていつものことながらそのしわ寄せがゾエさんに行った。めちゃくちゃ足でげしげしされてる。
「ちょ、痛い痛いよヒカリちゃん!なんでゾエさん蹴るの!?」
「お前が幅取りすぎてんだよ!!」
「平和だねぇ、ユズル」
「これ平和ってゆうの?争ってるけど」
「楽しそうにじゃれあってるし平和でしょ」
「「じゃれあってねぇよ!!」」
「はははっ!息ぴったりだね、カゲさんもヒカリ先輩も」
「「ぴったりじゃねぇよ!」」
「ぴったりじゃん」
ユズルの一言にカゲさんとヒカリ先輩は声を詰まらせた。その様子におれは声を上げて笑い、ゾエさんはいつも通りのニコニコ顔だ。そしてゾエさんに2人からの蹴りが入る。
まったくもって酷い扱いだけどこれが影浦隊の日常風景だ。
「相変わらず影浦隊は楽しいね」
3人の様子を目の端に捉えながらおれはユズルに声をかけた。
「束さんもうちに入ったら?もうずっとソロでやってるよね?」
「そうだ!篠宮ぁ、うち入りやがれ!」
「ゾエさんも束くんが入ってくれたら嬉しいよ」
「まかしとけ!アタシがおまえもしっかりオペレートしてやるよ!」
「それはすごいありがたいんだけどね…」
おれはほとんどチームを組んだことがない。現ボーダー設立時から入ったおれは今のA級昇格の条件とは違うA級昇格試験を受かってA級隊員へなった。臨時でチームを組んだり、混成部隊に混ざったりする以外は基本的にチームを組んでいない。
そんなおれでもチームに誘ってくれる人たちが影浦隊以外にもいる。
「おれをチームに誘ってくれるのは嬉しいけど、他のチームにも声かけられてるからね…。じゃあ、入ろうかとはなかなか決められないよ」
「いや〜束くんは真面目だね〜」
「んなもん気にしになくていいっつってんのによぉ」
「はぁ〜、束は色々考えてんだなぁ。アタシは少し寂しいぞぉ」
「ちょ、ヒカリ先輩やめて。わしゃわしゃしないで」
ヒカリ先輩からの執拗なわしゃわしゃをこたつから出ることで逃れて、おれは作戦室の入り口の方まで歩いて行く。
「どこ行くの?束さん」
「ランク戦行ってこようと思って。カゲさんも一緒にどう?」
「あ、仕方ねぇなぁ。相手してやるよ」
「あ、おい!おめぇら勝ち逃げすんじゃねぇ!」
「ごめんね、ヒカリ先輩!また遊びくるから!」
おい、まて!とヒカリ先輩の声を後ろに聞きながらおれとカゲさんは作戦室を素早く後にする。
するとその後ろにゾエさんとユズルもついてきた。多分ヒカリ先輩の相手がめんどくさかったんだろう。
「ゾエさんとユズルはどうするの?」
「ゾエさんは2人のランク戦見てようかなぁ〜。ユズルは?」
「おれは狙撃手の訓練室に行ってくる。たぶんまだ訓練してるだろうから」
「そっか、じゃあまたなユズル」
ユズルの頭をわしゃっとしてからユズルと別れて、おれたちはソロランク戦ブースに移動を始めた。ユズルはすごい嫌そうな顔をしてたけど、おれは気にしないことにしている。
・
ソロランク戦ブースにつくと人がそれなりにいた。主に訓練生であるC級隊員が多い。
このソロランク戦の訓練室はチーム戦用のものとは違いC級隊員たちも自由に使える。もっとも正隊員とC級ではポイントの移動のある模擬戦はできないようになっているが。
「じゃあおれ197番に入るからね」
「あぁ、10本でいいか」
「10本でいいんじゃない?基本これだし」
「そぉだな。おまえが勝ち越したら飯おごってやるよ」
「やった!めっちゃ頑張るよ!」
おれとカゲさんがブースに入るとカゲさんからソロランク戦の申請が届く。ちなみにおれは今攻撃手ランクの第4位、カゲさんはある事情からランキングにはいってないけど、おれとカゲさんの実力はだいたい同じくらい。そこまで差はない。
カゲさんからの申請を受けてトリオンで作られた仮想空間へ転送される。マップは大していじらずに市街地A、超標準マップだ。
チームランク戦だと各チームのメンバーがある程度の距離を置いてランダムに配置される。だけど、ソロランク戦の場合はお互いが見える位置に転送される。これは広いマップに2人をランダムに配置すると一本に時間がかかりすぎることを防止するための措置だ。
だから、転送されると同時におれとカゲさんは重さがほぼゼロでスピード型の攻撃手愛用の攻撃手用のトリガー、スコーピオンを両手に持ち斬り結んだ。
「オラオラどうした篠宮ぁ!このままじゃ刻んじまうぞ!!」
「まぁまぁ、カゲさん。勝負はまだ始まったばかりでしょ」
スコーピオンは軽いがその反面脆い。つまり受太刀には向かない。おれたちはスコーピオンで斬り結びながら壊れたスコーピオンを破棄し、再生成しながら戦っている。
さて、先ほども言ったがおれとカゲさんの実力は拮抗してる。実力が拮抗してる2人が斬り合えば互いをザクザクと削りながらトリオンを消耗していくことになる。
この場合重要なのは工夫だ。いかに相手の意表をつくか、相手を崩し隙を作り出すかが重要になってくる。
先に動いたのはおれだった。
カゲさんのスコーピオンが空を切る。
「ちっ!テレポーターか!」
「あたり!!」
おれはカゲさんの後方5メートル程度の位置にテレポーターを使い移動して、その瞬間機動戦用のオプショントリガーグラスホッパーを起動して加速しながらスコーピオンを振り切った!
「ちっ!この手は何度か見せてんだろうが!」
テレポーターは視線を向けた先に数メートルから数十メートルテレポートするトリガーで一見強力だが移動した距離に応じて相応のインターバルが設定されている。対してグラスホッパーは機動戦用のオプショントリガーでジャンプ台を設置するトリガーだ。1個だけでなく複数に分けることも可能だがその場合は出力が落ちてしまう。この2つの機動戦用のオプショントリガーを駆使した戦い方がおれの戦闘スタイルだ。
これで一本取れたらラッキー程度にしか思ってなかったけど、やっぱりカゲさんは対応してきた。
でも、まだまだだ。
おれはさらにカゲさんの周りをグラスホッパー を使い縦横無尽に跳ね回る。グラスホッパーを使った技の1つ、「乱反射」だ。
「あいっかわらずウゼェが、それも対応済みだ!!」
おれが斬りかかろうとしたその瞬間を捉えてカゲさんの一撃が迫る。
だけど、おれは当然カゲさんなら対応してくれると信じてた。
もう一度グラスホッパーを起動する。今度はおれに向けてじゃない、カゲさんの体に当たるように置かれた1枚のグラスホッパーによりカゲさんは後方に吹っ飛んだ。
「まずは一本!」
後方に吹き飛んだカゲさんの首を、左右のスコーピオンを無理や繋げ射程距離を伸ばす大技、「マンティス」で一気に刈り取る。
意表をつけたおかげで普段のカゲさんなら避けられたであろう一撃が綺麗に決まった。
『伝達系切断、影浦ダウン』
スコーピオンの特徴は軽いだけじゃない。その最大の特徴は体のどこからでも出し入れ自在で、長さも自分で調整できることだ。ただ本来スコーピオンで後方に吹っ飛んだ相手をその場から動かずに倒すことは不可能だ。
それを可能にしたのが「マンティス」だ。
メインとサブ両方のスコーピオンを起動し2つを強引に繋げることで、スコーピオンとしては圧倒的な射程距離を得られる。おれとカゲさんが模擬戦の中で偶然発見した技であり、使い手もおれとカゲさんぐらいしかいない。それだけ使い所が難しいということだ。
ボーダーのトリガーはメインとサブに分かれている。メインに4つ、サブに4つ、計8つのトリガーをセットできるが、同時に使うことができるのはメインとサブそれぞれ1つずつが原則だ。つまり、マンティスを使えばほかにトリガーが使えなくなり逆にそこを狙われる可能性もある。
メインとサブ両方で攻撃するのは強力な分リスクも大きいのだ。
「ちっ!まだ一本目だ、次行くぞ篠宮ぁ!」
「もちろん!今日は負けないよ!」
この日のランク戦は5対5の引き分け、そのあと一本のみの延長戦をやってあとちょっとのところでおれがカゲさんに負けてしまった。
・
さて、模擬戦には負けてしまったがおれはカゲさんとゾエさんの好意で飯を奢ってもらっている。
この場には模擬戦を見ていなかったヒカリ先輩とユズルも来ている。カゲさんはものすごい嫌な顔をしていて、それをヒカリ先輩が大笑いしている光景も見慣れたものだ。
鉄板の上でジュージューと美味しそうな音を鳴らしている円形の食べ物をカゲさんが慣れた手つきでひっくり返してくれる。
そう、おれたちは今カゲさんの実家のお好み焼き屋「かげうら」でお好み焼きを食べている。接客業なんてできなさそうなカゲさんだけど、お店の手伝いはしっかりこなせているのは本当に不思議だ。
「で、結局なんでおめぇらはついて来たんだよ。おれは篠宮だけのつもりだったんだぞ!」
「いいじゃねぇか、いいじゃねぇか。細けぇこと気にすんじゃねぇよ。ハゲるぞ」
「ハゲねぇよ、ぶっ飛ばすぞ!」
「オレは束さんに誘われて」
「おれが誘いました!」
「ゾエさんはその場にいたから流れで」
「ちっ、まぁいい。せいぜい金落としてってくれや」
諦めた様子でお好み焼きをまた焼き始めたカゲさんを見ながら、おれはお好み焼きをハフハフしながら食べていく。
相変わらずカゲさんの焼くお好み焼きは絶品だ。一度食べたらやめられないし止まらない。
カゲさんのお好み焼きを味わっていると、ヒカリ先輩がフーフーと冷ましたお好み焼きをおれの方にまるで食えっ!とばかりに押し付けてくる。ものすごい恥ずかしいけど、ヒカリ先輩の顔を見るに食べなければ終わらない…。周りの3人は助けてくれる気配さえない。カゲさんはニヤニヤしてるし、ゾエさんはいつも通りのニコニコ顔、ユズルに至ってはこっちを見ることすらしない。
仕方がないのでヒカリ先輩からのお好み焼きを食べるとヒカリ先輩はニマッと大きく笑った。どうやらご満悦のようです。
「どうだ!うめぇか、束!」
「うん。美味しいよ、ヒカリ先輩」
これだけ言い残し、隣に座るゾエさんをヒカリ先輩の方に押しのけて位置を交換する。
ゾエさんが何かを言ってるけどあえて聞こえないふりだし、見ないふりだ!
ごめんゾエさん!ヒカリ先輩からのアーンに何度も耐えられるほどの気力はないんだ!
「カゲさんとやるより疲れたよ…」
「お疲れ様。ヒカリのあれは病気みたいなものだからね」
「おら、これでも食っとけ!豚玉上がりだぁ!」
「ありがと〜カゲさん!めっちゃうまいよ!」
「あったりめぇだろ!しっかり食ってけよ」
ある程度食べ終わったところで、作戦室で話したことについてゾエさんが話を振ってくる。
「そういえばうち以外だと束君どこに誘われてるの?」
「どこだったかな?確か太刀川隊と二宮隊と那須隊と柿崎隊、あとは荒船隊にも誘われてたかな?」
「は〜、さすが束くんだねぇ。A級1位にB級1位からも誘われるなんて」
「うちだって2位だろうが!」
「それは関係ないよヒカリ。束さん強いからね、そりゃあ誘われるよ」
「荒船んとこだけはやめとけ。弾除けになる未来しか見えねぇ」
荒船隊はB級中位に位置する部隊だが、その最大の特徴はメンバー3人全員が狙撃手というところだ。ボーダーにチーム数は確か28。その中でもこれだけの尖った編成のチームはなかなかない。
カゲさんの言う通り攻撃手のおれがこのチームに入れば前を一人で抑える大変な役になること間違いなしだ。
うん。流石にそれは辛すぎる…。
「あ、そういえば!迅さんから玉狛にこないかとも言われたよ」
「なんか、それは物騒だね。なにか起こりそう」
「迅さんが言ってるってなるとなんか意味ありそぉだよなぁ」
「でも、それもまだ決めかねてるし。もうちょっとよく考えてみるよ」
「そぉしとけ。そんでうちに入れ」
「それも含めてね」
・
「ばいばーい。カゲさん今日はありがとう!」
「おぉ、気ーつけて帰れよぉ」
解散して今は帰り道。カゲさんは実家なのでカゲさん以外の4人で歩いてる。
おれは自分の家が警戒区域の中だし、家族もみんな居なくなってしまってる。だからボーダーに入隊した時に開発部の部長であるボーダーが誇る超有能技術者である鬼怒田さんからボーダー本部内に自分の部屋を作ってもらった。
「んじゃ、アタシはここだ!またな!」
「うん、また」
「またね、ヒカリちゃん」
「気をつけてね、ヒカリ先輩」
「おうおう、可愛い奴だなぁ」
最後にヒカリ先輩にふんだんにわしゃわしゃされてからヒカリ先輩と別れ、次にゾエさんと別れるとユズルと2人になった。
「ユズルおれの部屋泊まるか?」
「いや、今日は帰るよ」
「そうか、んじゃあここまでだな。気をつけてなユズル」
「うん、束さんも。またね」
「おう、またな!」
ユズルと別れ本部への直通通路へと向けて歩き出す。
今日は色々あったけどいい日だった。こんな風に仲間と一緒に遊んでご飯を食べれるようになるなんて、入隊した時は思わなかった。
復讐が第一じゃなくなったおれを疑問に思う時もあるけど、おれは今のこんな穏やかな時間が好きだし、このままでいいと思ってる。だからきっともっと強くなる。
もう二度と大切なものをなくさないために。
地の文が多すぎたり、余計な情報あったりでまとまりきれていないし、キャラも掴みきってるとは言えませんが不定期になるとは思いますが連載していく予定です!
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