もう小説の書き方が全然わかんなくて死んでます!駄文ですが楽しんで頂ければ幸いです!
しおんさんからのお叱りを猫の写真や調べてあった猫の集会所とも呼べる穴場スポットを教えることでなんとかのがれた翌日、C級を含めた全ボーダー隊員に緊急任務の通達がきた。
その内容は『イレギュラー
どうやら今まで市内に発生したイレギュラー門は『ラッド』という小型のトリオン兵が原因らしい。外見は完全に虫、小型といえどトリオン兵なのでまぁまぁ大きい。端的に言って別に虫嫌いでもないおれから見ても気持ち悪い。藍などは露骨に嫌そうな顔をしたくらいだ。
このラッドというトリオン兵はどうやら周りの人間から少しずつトリオンを集めて門を開くらしく、ボーダー隊員の側で開くことが多かったのはトリオン能力の高い人間からは大量のトリオンを得られるから、らしい。まぁそれでボーダー隊員の近くで開くのなら不幸中の幸いだと思う。
さて、らしいと言ったのはこの話をおれが今現在直接聞いているからだ。
誰からかと言われれば、一昼夜かけて行われたラッド駆除作戦の疲れを取るため泥のように眠ろうと思っていたおれの部屋に無理やり押しかけたセクハラエリート迅さんからだ。
「それで迅さん、話はわかったけどそんな話をするためにわざわざおれの部屋に来たの?」
「なんだ、束。ちょっと刺々しくないか?」
それはそうだろう。迅さんもだろうけどおれだって一昼夜かけてラッドを駆除したせいで疲れてるんだ。いくら戦闘能力皆無とは言っても一方的にずっと、駆除してれば疲れもたまる。
じろ〜っと迅さんを半目で見つめ続けると迅さんはため息をついて観念したかのように本題を話し始めた。
「ん〜と、束は空閑遊真って知ってるか?」
「え……⁉︎」
迅さんの口から出た名前につい動揺が顔にも声に出てしまった。もちろんその名前は知っている。昨日遭遇した
だが、まさか迅さんの口からその名前が出るとは思わなかった。おれはこのことをボーダーの関係者の誰にも言っていない。この話が城戸司令に伝われば間違いなく遊真を捕獲ないし抹殺することはわかりきっているからだ。まさか、もう既に迅さんは上層部にこの話を伝えたのか……、と色々な考えを頭の中でグルグル回していると、答えは目の前の迅さんからもたらされた。
「大丈夫だ、お前が思ってるようなことはしてないよ」
ほっ、と一息ついてしまった。どうやら遊真の正体を知っているのはおれとおそらく迅さんだけらしい。まだ出会って数分しか経っていないが仲良くなれると思った少年を捉えたり抹殺はしたくなかった。
「迅さんは、その……知ってるの?」
「その子が近界民ってことか?」
「やっぱり……、でも誰かに言ってないんだね」
迅さんは近界民なら誰彼構わず攻撃するような考えは持っていないけどそれでももしおれたちの世界に悪い影響が出ると分かれば行動を起こすはずだ。その迅さんがおれにだけ伝えに来たということは遊真はおれが思っていた通り悪い奴ではなかったのだろう。
「実はな、今回のラッド騒動原因を見つけたのはその遊真なんだ」
「……遊真が?」
確かに、近界民である遊真はおれ達よりも
「三雲くんも束は知ってるよな?」
また以外な名前が出て来た。今日は疲れてるのに迅さんに驚かされっぱなしでさらに疲れる……。
「はぁ……、何か三雲くんも関係あるの?」
「はは、悪いな疲れてるところに。まぁそうだよ、というよりメガネ君から遊真に接触したんだ」
なるほど、そういうことか。
迅さんは見たことのない人間の未来は見えない。つまり、今回は三雲くんの未来を見てラッドのことがわかるやつと接触することがわかったから、三雲くんについて行って遊真と接触したということだろう。
「それで? 迅さんはおれに何をさせたいの?」
「相変わらず束は話が早くて助かるよ」
「迅さんのことだからこんなタイミングでくるってことは何かおれにやらせたいことがあるからだってわかるよ」
いつもの迅さんならきっとこの疲れたタイミングでわざわざ意味のない話はしに来ないし、そもそも迅さんは基本的に意味のないことはしない人だ。まぁ、もちろん意味もなくお尻を触ったりはするんだけど。
「束に何かやらせようってわけじゃないさ。これを伝えてどう動くかはお前次第だ」
「わかった、肝に命じておくよ」
「よし、まぁ簡単に言えば遊真のことで三雲くんに監視がついてる」
なるほど、つまり本部(この場合は城戸さんになるけど)は遊真が近界民ってことはわかってないにしても三雲くんがおそらく近界民と関わりがあるだろうってことはわかってわけだ。
だとすると監視についてるのは三輪隊だろう。今、城戸さんが直接動かせて一番強いのは三輪隊だ。近界民との戦闘も想定してるなら多分一番強い部隊を当ててるはずだ。
「おれは遊真の実力を見たわけじゃないけどそう簡単に捕まったり負けたりするとは思えないけど」
「ああ、俺もそう思うよ。いくら腕がたつとは言え三輪隊じゃ遊真には勝てないだろう」
やはり、三輪隊が監視についているらしい。そして、戦闘になることもほぼ確定だ。
だけど迅さんが三輪隊じゃ勝つのは難しいとかの表現じゃなくて、勝てないと断言したことに疑問もある。迅さんが勝てないと言った以上間違いなく三輪隊では勝てないということだ。とは言え三輪隊はA級7位の間違いなくボーダートップチームの一つだ、いくらなんでもそう簡単に負けるとは思えない。
「束の疑問も最もだけどな、でも三輪隊じゃ遊真には勝てない。もちろんお前も勝てないだろうな」
そう言って、一つ息をついて迅さんは言った。
「遊真は
・
今おれは迅さんに伝えられた遊真と三輪隊がぶつかる場所、旧弓手町駅にいる。何が起こるのかある程度迅さんに聞いた結果、たとえ遊真が三輪隊に捕まることや殺されることがないとしても友達のピンチを知っていながら無視することはできなかった。
あらかじめ駅の構内からは見えないけどある程度声は聞こえる位置に隠れていると、遊真と見たことのない小さな女の子を連れた三雲くんが駅の構内に現れた。
何やら話した後、遊真の指輪から黒い炊飯器のようなものが出てきて話し始めた。
(初めて見るな……、あれはトリガーか? それともトリオン兵?)
そんなことを考えていると、黒い炊飯器の機能なのか小さな女の子のトリオンが視覚化された。
(え……、なんてでかさだ……。おれの何倍……、いや、二宮さんよりも多いんじゃないのか……)
あまりのトリオンの大きさに思わず動揺が表にも出てしまったが、遊真たちには気づかれなかったようで良かった。
トリオン量は即ちトリガーを使う才能だ。少なければそもそもトリオン体で戦うことができない。そもそもトリガーをセットする時点でその分のトリオンを消費することになり、そのトリガーを使えばさらにその分トリオンを使う。つまりトリオン体で戦う場合、セットしたトリガーと
ボーダーで最もトリオン量が多いのはB級一位部隊を率いる二宮匡孝さんでその戦い方は簡単に言えばゴリ押しだ。豊富なトリオン量を活かして正面から弾トリガーで削りきる、それができるだけのトリオン量と実力があってこそだが、シンプル故にそう簡単に崩すこともできない。その戦い方で二宮さんは太刀川につぐソロ総合二位、射手ランキング一位についている。
だが、あの小さな女の子は二宮さんと比べてもまちがいなくトリオン量が多い。
(あれだけのトリオンがあるならトリオン兵から相当しつこく狙われてたんだろうな)
近界民がこちらの世界に来る理由は基本的にはトリオンを持つ人間を集めるため。トリオン量が多ければそれだけトリオン兵からは狙われやすくなる。きっとあの子はなかなかの苦労をしてきただろう。
そんなことを考えていると、ついに遊真たちの前に三輪隊の2人、隊長の三輪秀次先輩と陽介先輩の2人が現れた。
本来の三輪隊はこの2人にさらに狙撃手の奈良坂透先輩と古寺章平先輩がついているが、ここにはいないなら恐らくどこかの狙撃ポイントに潜んでいるんだろう。
三輪先輩が遊真に銃を向ける。
(遊真が形だけでも戦うより戦闘行為を何もしない方がいいはずだ。仕方ないそろそろ出るか)
おれはそう考えて三輪先輩たちに向けて声をかけた。
「三輪先輩、少しまってください!」
その場にいる全員がこちらを向く、浮かべる表情は様々だ。怪訝な顔をする三雲くんと三輪先輩、楽しそうにこちら見てニヤニヤする陽介先輩、不思議そうな顔をする遊真に状況についていけない女の子。
おれの方針は決まってる、遊真には戦わせない。三輪隊を撤退させることは難しいだろうけど、そこは迅さんをあてにさせてもらおう。
「なんのつもりだ篠宮。そいつは自分を近界民だと言った。なら、そいつを殺すのがボーダーの仕事だ」
三輪先輩が低い声でおれを睨みつけながら静かに怒りをぶつけて来る。三輪先輩の怒りの理由もおれは分かっている。それでも、おれは遊真を殺そうとも、遊真が襲われているのを黙って見てようとは思わない。
「三輪先輩には悪いけど、遊真はおれの友達だ。友達を守るのに理由はいらないですよね」
ギリッと三輪先輩が歯を鳴らしたのがわかった。おれの発言だけでなく後ろで爆笑している陽介先輩のせいでもありそうだけど。
「あくまで邪魔をするんだな篠宮」
「遊真を攻撃するつもりならもちろん」
「お前ならそいつらの危険性がわかってるはずだ! なのに何故!」
三輪先輩の言う通り、おれも近界民に家族を殺された被害者の1人だ。充分危険性は理解している。
「わかってます、だけどそれと遊真のことは関係ない! だからおれはこいつを助ける、それだけです」
「俺たちは城戸司令の命令を受けてここにいる、邪魔をする以上お前でも容赦はしない」
一瞬目に動揺が浮かんだような気がしたけど、三輪先輩はそれをすぐに引っ込めてこう言った。
本当なら穏便に済ませたかったけどこうなった以上そうもいかない。今も三輪先輩は油断なく銃をこちらに向けているし、陽介先輩を気を抜いているように見えて油断なくこちらを見ている。
「遊真、お前が手を出すのはまずい。ここはおれに任せてくれないか?」
「ユーマ、ここはタバネの言う通りにした方がいい。今ボーダーと余計な争いを起こすのは避けた方がいいだろう」
黒い炊飯器がおれの提案を後押ししてくれる。
「そうだな、わかった。なら、たばねに任せることにするよ」
「ああ、任された!」
遊真が三雲くんたちの方へと下がったのを見届けておれは片手にスコーピオンを起動しつつ三輪先輩たちに目を向けて改めて告げる。
「と、言うわけだから悪いけど止めさせてもらうよ」
そう言って不敵に見えるように笑った。
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