戦姫絶唱シンフォギアAL 不思議な歌と錬金術士達 作:東山恭一
フィリスのアトリエにて、一行は机を囲み作戦会議をしていた。
「ねぇクリスちゃん、あの幽霊で一つ…思い間違いじゃなければ聞きたいんだけどさ」
「何だよ」
ソフィーは少し嫌悪感を混じらせた顔でクリスに尋ねた。
「あの幽霊の相手してる時…なんか胸がざわざわした気がするんだ。冷静でいられないって言うか」
「あー…やっぱりか。お前らもか?」
クリスはフィリス達にも聞くと全員同様に頷いた。
「そうなるとカルマノイズ絡みにもなってくるな…ややこしい事してくれるぜ」
「どう言う事?」
「カルマノイズはな、近くにいる人間の破壊衝動を無差別に増幅させるんだよ。ギア纏ってれば平気だがな。あと生半可な攻撃じゃすぐに再生されちまうんだ」
「でもクリス先輩、カルマノイズのその能力は一般人なら誰彼構わず同士討ちを始めるほどの破壊衝動に襲われるはずです」
「あー…そうだな、じゃあお前らが平気だったのは何でだ?錬金術でなんかしたか?」
「ううん、何もしてないよ。確かにザワザワしたけどそんな誰彼構わず攻撃したいなんて事はないし…」
ソフィーの言葉を聞いて装者側は知識及ばずといった風に唸っていたがその内にクリスが口を開いた。
「すまねぇ、もう少し情報をくれ。そのレンプライアってのも影響されてるかもしれねぇからよ」
「そっちはリディーちゃん達の方が詳しいかな?」
「あ、はい…ってスーちゃん!」
リディーはいつのまにか寝ていたスールを揺り起すとスールは椅子をガタンと鳴らして飛び起きた。
「ふやぁッ!?何何!?」
「もう!また寝てたでしょ!」
「だって話が難しかったんだもん!」
「もう、他人事じゃないんだからちゃんとする!」
「はーい…」
「それで、レンプライア…黒の絵の具って言ったりするんですけど…は、絵の世界に生まれた歪みなんです。これが広がると絵がどんどん真っ黒になって全部真っ黒になっちゃうとその世界がなくなってしまうんです」
それを聞いていたスールはリディーに話しかけた。
「ねぇリディー、よく考えたらレンプライアの事なんだしネージュちゃんに聞いた方が早いんじゃない?」
「あ、それもそっか。じゃあそうしようか」
「ネージュ?誰デスか?」
「絵の具の世界って特殊な絵の具で出来てるんだけどね、その絵の具を作った人だよ。あと自分でも絵の世界作ってるよ。見たでしょ、氷の宮殿みたいな絵。あの中に居るの」
それを聞いたクリスは少し考え込んだ。
「ちょいと情報量が多くなってきたな。こりゃ一度戻った方がよさそうだな」
「あのカルマノイズもどきもエルフナインなら何か分かるかもしれないデスよ」
「だな、一度帰るか。すまねえな、ロクな事できねえで」
「いえ、こちらも出来ることはしておきますね。明日には分かると思います
「おう、ありがとよ。じゃ、また明日にな」
「バイバイデス!」
「じゃあね、皆」
S.O.N.G.に帰った3人は司令とエルフナインにレンプライアとは何かと言うことと特殊なレンプライアの事を伝えた。
「再生力が高く周りに仲間まで呼び出すレンプライア…まるでカルマノイズみたいな特徴だな」
「どうだエルフナイン、何か分かるか?」
「以前並行世界でアダムスフィアを取り込んで更なる凶暴化を果たしたカルマノイズと同質のものではないかと思います、カルマノイズがレンプライアを取り込みレンプライアのような特徴を得て絵の中で活動している…もしくは逆もあり得ます」
「逆?レンプライアがカルマノイズを取り込んだって事?」
「はい、聞いたところレンプライアには侵食能力があるようなのでそれを使い絵の中に発生したカルマノイズを取り込んだのではないかと言う可能性もあります」
「なるほど…どちらにしても脅威であることには変わりない。ところでクリス君、そのレンプライアに炭素分解能力はあったのか?」
司令の問いかけにクリスは首を横に振った。
「いや、分かんねえ。あたしらが見たのは一体だけだしそいつを警戒して向こうの連中には触らせないように立ち回ってたからな」
「無いなら無いで越したことはありませんが…」
「そいつは向こうでも調べてるみたいだぜ、明日分かるって話だ」
「分かった、では明日まで待機して出直しとしよう。メンバーは…」
「今回出なかった3人で良いんじゃねえか?マリアもいい加減行かねえとな。向こうも悪いもんじゃねえぜ?」
クリスがそう言うとマリアが興味ありげに笑った。
「そうなの?じゃあ楽しみにしていようかしら」
「マリア、遠足ではないと言ったのはお前だぞ」
「分かってるわよ」
「とにかく明日だな。立花、マリア、今日は明日に備えて早く寝るとしよう」
「はーい」
「ええ、分かったわ」