月の神との出会い
俺が世界を創ってから、数億年がたった。
この時代にはまだニンゲンはいないだろうから、俺は龍の姿で飛んでいる…神界を。
で、久々に下界へきたのだけれど…。
なぜか、月がおかしい。
赤く光っているのだ。
「ああ、月の神がサボっているな?」
この月は危険な気がする。
地上にいる俺以外の生物の力が格段と上がっている。
皆、狂気に飲まれているようだけど・・・。
その影響は低級の神にも及んでいた。
これは一大事だ。
まず地上へ向かうが、まだ原始生物しかいない。
いや、この赤い月(仮に狂月と名付ける)のせいで化物になっているか。
おかしなことに、こいつらは穢れた力を使ってくる。
どうやら穢れと化したようだ。
俺は地上で数万年もの時を過ごし・・・。
とうとう答えを見つけた。
「月の神か、ようやく見つけたぞ!」
「龍聖お祖母様…?」
俺が呼び掛けて出てきたのは幼い少女。
この子が月の神か。
「なあ、月の神さん
なんで俺の名前を知っているんだい?
教えた記憶はないんだが・・・。」
・・・・・・・・・・・。
返事がない。
「月の神!
俺の声が聞こえるか~!」
それでも返事がない。
不審に思って月の神の顔を見ると・・・、失神していた。
仕方がない、起きるまで膝で寝かそう。
「はっ、さっきのは...夢?」
「夢じゃないぞ?」
「本物だ...!
本物のお祖母様だ!」
やはり、気になる。
「月の神さん、さっきからそのお祖母様と呼んでいるが
それはなんでなんだ?
俺は子供を産んだことがないけど。」
「???
ああ、それは貴方が全てを統べる全能龍神様だからですよ。
龍華様の姉ですよね?」
そういえばそうだったな。
龍華は元気にしているだろうか?
最後に会ったときは、神を創れと命令しただけだったが・・・。
「なるほどな。
じゃあ月の神さん・・・。」
「月詠です!」
「それがお前の名前か。
月詠、現在のこの状況についてどう説明してくれるのかな?」
俺は威圧を込めて言ったのだが・・・。
月詠はポカーンとしている。
もしかして、事態を把握できていないのか?
まあ幼いし、神としての自覚がないのかもしれない。
それとも、ただ忘れっぽいだけなのか・・・。
ここは少し試してみるか。
少し怖くなるけど仕方がないか。
「月詠よ、お前は神としての自覚があるか?」
「・・・?
あります!
私はこの役職をくれた父上に感謝し、
恥じることのないように行動してます!」
「ほう・・・、この全能龍神相手にそのような啖呵をきるか。」
さて、ここで揺らげばそれまでなんだけどな・・・。
「いえ、こればかりは、いくらお祖母様、
いや、全能龍神様が相手でも、曲げるつもりはありません!」
こいつは合格だな。
「ハハハハハハハハハハ!」
「何がおかしいのですか!」
「いや、悪かったな。
君を攻め立てちゃって。
今のは君を試しただけだ。
神としての自覚があるかどうかをね。
もしなければ、イザナギに交渉し、君を人間へ転生させるつもりだった。
神の器から引き釣りおろして。
でも、君は勝ったんだ、俺の試練に。
だから、君を俺の弟子にしたいと思ってる。
もちろん、意思を尊重する。
断ってもらっても構わない。」
もっとも、ここで断るような月詠ではないだろうけどね。
「私を弟子にしてください!」
「よし、それが君の選択なんだね。
なら早速言わなければいけないことがある。」
「なんでしょうか・・・?」
「空を見てみな。」
さて、これで気が付くはずだ。
気づかなかったらさすがにまずい。
「月が・・・、赤い?」
「そう。
これが今問題となっているんだ。
自然の動植物が狂気に呑まれて‘‘穢れ’’が生まれてしまった。
さあ、月が赤くなった理由は何だと思う?」
少し月詠を試してみよう。
実は、これは我が地上に降りてから考え続けて、答えが出たのが昨日なのだ。
そのくらい難しい問題なのだ。
まあ、理想は5割程度の正解か。
「えっと・・・。
あの月は正常な状態ではありません。
月には魔力を助長する力があることと、
地上に様々な力があることを考えると・・・。
月のもたらす魔力と、地上からの合力が釣り合わなくなったからでしょうか?」
おお・・・!
確かに五割程度の答えだ!
「その答えだと、50点だな。
それだけだと説明不足だ。
月詠の言う通り、月には魔力を助長する力があり、
地上にも様々な力がある。
確かに、その釣り合いは大切だ。
だが、それだけではここまでの大惨事にはならない。
と、そこで俺は考えたわけだ。
そもそも月は太陽の光で光っていると。
つまり、今回の原因は太陽にある。
実は、ここ数万年、太陽が一度も見えない。
それが関係しているのではないか、ってな。
数万年なんて、俺らにとっては短い時間だが、
生物たちにとっては途方もない時間だ。
長い間、日が昇らないと、草木は枯れる。
生物も死んでいく。
そんななかで、餌を求め、過酷な生存競争がおこった。
すると、どうだ?
地は血に濡れ、川は赤く染まる。
結果、地上の様々な力は穢れ、それが月によって助長される。
そして、それが生物の間で凝縮され、また穢れ、助長され・・・。
負の連鎖のわけだ。
もし、月の助長を少し弱めていれば自体は変わっていただろうけどね。」
そこまで俺が説明すると月詠は顔を青くしていた。
「これは私の不注意だったのですね・・・。
すぐに力を弱めます!」
その宣言と同時に、月から放出される増幅力が弱まる・・・はずだった。
「どうして・・・!
力を弱められない・・・!」
「落ち着け、月詠。
お前はよくやってくれたよ。
悪いのは他の無能な神どもだ。
確か・・・天照大神といったか?
あいつさえ説得できれば、この騒ぎは終わる。」
「ホントですか・・・?」
「ああ、俺が保証しよう。」
ああ、月詠をこんな顔にしたやつは許さない。
行こう、高天原へ!
はあ・・・、俺も情が濃くなったんだな・・・。
主人公の喋り方
平常時 →俺
怒り状態→我
相手への接し方
ロリ →君
弟子・親しい相手→お前・名前
敵・警戒時 →貴様
平常時 →あんた
随時追加していきます!