1943年 夏季
広大な平野をT-34-85の部隊がドイツに攻勢をかけるべく進んでいた。
いままではドイツに煮え湯を飲まされていたが、今度はこちらの番だと言わんばかりに乗員達の顔は決意にあふれている。
[……ガッ ……11時方向の森林に……戦車確n……新型・ガガッ・eしょうか? ……]
お世辞にも良いとは言えない出来の無線機から報告される。
「ついに来たか……」
そういうと、車長は覗き窓から例の戦車を確認する、すると車長は驚いた。
「……馬鹿な、何故ヤポンスキーの戦車がここに??」
因みに彼はハルハ河の戦闘を経験している、その時はBTに乗っていた彼は戦闘で
日本軍の九七式中戦車を見ていた。
「[兎に角全車警戒を怠るな、いつでも撃てる準備をしろ]」
隊長は攻撃準備をする様に無線で全車に伝える。
(しかし何故日本はヨーロッパ方面に来たのだ? わざわざそんな手間をかけるよりもシベリアから攻めればいいものを……)
そんなことを考えていた彼の思考を1つの轟音が中断させた。
ドォォン!!
[ガガッ・敵s・発砲!! ]
「……くそ!」
ギュイン!!
敵の弾はちょうど前方を走っていた戦車に当たるが事もなく弾く。
[やはり敵か! 全車帝国主義者を殲滅しろ!」
[[[[ураааа!! ]]]]
ズガァァン!!
まず最初に前方の一両が射撃を行う。
放たれた弾は前方のヤポンスキーの戦車に当たり、そのまま黒煙を吹き上げる。
[いいぞいいぞ! そのまま殲滅だ! ]
隊長は笑いながら指示を出す。
残りの敵戦車も反撃を行うが、笑いたくなるほど痛くない。
「ヤポンスキーどもは39年からちっとも進んでねぇみてぇだな!!」
隊長車はハルハ湖の仕返しと言わんばかりに残りの敵戦車に向かって撃ち続けた。
◇◆◇◆◇◆
グラ・バルガス帝国side
「……隊長、12時方向から、戦車がやってきます、見たこともない形です!!」
「何だと? まさかケインの奴らが新型でも作ったのか?」
◆◇◆
グラ・バルカス側は今まで海だったところに大地が広がっていたり、本国に到着するはずだった一部の部隊が音信不通になったりと混乱が続いていた、その隙をついてケイン神王国が攻勢を仕掛けてくるかもしれない為、国境沿いに兵を配置していた。
◆◇◆
「今までケインとは違う設計だな……
しかも砲がデカイ……よし、この距離なら……十分だな。
アイン車、砲撃を許可する、1発で仕留めろ」
[了解! ]
無線機の向こうから元気溢れる声が聞こえてくる。
彼はまだ若いが、芯が通っている
いずれは士官にまで上り詰めるだろう。
などと隊長はそんなことを考えていたが、この作品においてこんなことを考えるのはフラグである。
ドォォン!!
アイン車から放たれた弾は真っ直ぐ敵戦車に向かっていく直撃コースだ。
しかし……
カンッ
あっけない音と共に弾かれた。
「なっ! ……跳弾です!」
「装甲が強化されている様だな……
[アイン車は引け、ギクマ車は木々を陰にして前進、近距離で攻撃! ]」
[はっ! ]
すると、敵戦車が撃ってきた。
ズガァァン!!
その長砲身から放たれる威力は凄まじく、グ帝戦車の正面装甲をブチ破った。
そのまま砲弾に引火し砲塔が吹き飛ぶ。
「アッ! アインが! なんてこった……、コイツはまずい! ギクマ! ここは一旦引くぞ! ]」
[は、はっ!! ……ガッ!!」
隊長は急いでギクマのいる方向を見ると、既にギクマ車はエンジンに引火し、爆発を起こしていた。
「あ……ああ……」
隊長は既に恐怖に支配されていた。
「ぐぁや」
その恐怖に支配されていた思考もソ連の攻撃で強制的に停止した。
この日はソビエト連邦とグラ・バルカス帝国が始めて出会った日であり、始めて戦闘した日であった。
チハでT-38-85と戦えなんて、それなんて無理ゲー?