ホホホホホホッ、ホアハッハハハァ!
ソードアート・オンライン アリシゼーションより
前回の投稿から3日でお気に入り229、UA6395も増えるという珍事...。
みなさん期待し過ぎですよぉ!
評価も8.4ですとぉ!?
「今日から新入生の担任か。就職以来初めてだから緊張するなみんな良い子だったら良いなぁ」
顔の中心を傷が斜めに走っているのが、印象的な男性はどうやら教員のようだ。まあ先の台詞を聞けば誰でも気付くだろうが、あまりにも優しい風貌なのでそんな印象を抱けなかった。
「みんな、おはよう…」
ドアを開けて教室にいる生徒に、声をかけようとしたが声は尻すぼみになっていった。それもそのはず、何故なら目に飛び込んできているのがとんでもない絵面だったのだから。
「あっ、ぐっも~にんイルカ先生!」
「ぐっも~にん、じゃないだろナルトぉ!」
イルカに笑顔で挨拶したナルトだったが、怒鳴られて笑みを引きつらせていた。まあそれは仕方ないだろう。何故なら教室が、とんでもない惨状になっているのを知っていたし、元凶の1人でもあったから。
床を見れば至る所が陥没し、またはめくれ上がっていたり教卓や机はガラクタと化している。さらには生徒がそこらへんで白目をむき、気絶しているのだから無理もない。
「初っぱなからこれだと先が思いやられるってばよ」
「お前が言うなこのバカ!」
「いってぇぇ!」
イルカに頭を殴られて、ナルトはあまりの痛みに転げ回っていた。
「生存している生徒に命ずる。気絶した生徒を医務室に連れて行き、教室の掃除をすること。いいな?」
「へいへ~い」
「面倒くせぇ」
「仕方ないか」
「モグモグバーベキュー味って美味い!」
それぞれの返事を返して生存者4名(元凶とも言う)は、各々で誰がどの役割を担うのかを話し始めた。
それをため息を吐きながらも、まんざらでもない様子で微笑むイルカは良い先生だ。その笑みにはたくさんの意味合いが含まれているが、本人以外に知る由もなかった。
「じゃあ、授業始めるぞ」
事態の収拾後、イルカは授業を始めたのだが...。
「「「「…」」」」
「返事をしろぉ!」
自分の言葉に4人が返事をしないのでイルカはブチ切れた。
「…はーいだってばよ…」
「しゃあねぇ」
「面倒くせぇ」
「モグモグ盛り盛りチーズ美味しい。ん?はい、ポテチはなんでも好きです!」
「誰もそんなこと聞いてないぞチョウジぃ!」
個性ある返答をするのでイルカは頭を抱えたくなった。それなりには勉強する姿勢を見せる2名、まったくその姿勢を見せない1名、そして問題なのが未だにポテチを頬張っている存在が1名。
教室にいるのがこの4名しかおらず、その4名がこの有様であれば仕方ない。それも入学初日であれば尚更だろう。
ナルトにイルカ先生と呼ばれた男性の名前はうみのイルカ。
アカデミーの講師で忍者としての地位は中忍。性格はお人好しで、どんな生徒にも真摯に向き合う優しさを持ち合わせている。講師としての腕前は確かで、卒業生からの支持は歴代で見ても上位に食い込む。
なのに…。新学期早々何故こうなってしまったのかイルカは落ち込んでいた。人気もあり評価もあり人徳もある彼でさえ、手の付けようがないほど荒れた。
どんな悪ガキでも入学当日に、問題は起こさないだろうと思っていた。
過去を見ても問題を起こす生徒は数多いた。むしろ問題を起こさない生徒の方が少ないぐらいで珍しい。講師としては問題がない方が嬉しいが、多少起こしてくれた方が話題を作りやすいしきっかけができる。だからといって起こしすぎもさすがに論外だが。
「イルカ先生が怒ってるってばよ」
「これが怒られずにいられるか!どうすんだよ!この教室を誰が修理すんだ!?誰が金払うんだ!?」
「「「「イルカ先生」」」」
「こっの大馬鹿者どもぉ!」
どうやらイルカの苦労は始まったばかりのようだ。
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入学初日の授業を終えて4人は帰路についていた。初日ということもあり本来であれば、自己紹介と忍者学校つまりはアカデミーの説明で終わるはずだった。
だが教室破壊の責任と罰として説教を喰らっていたので、帰宅時間は15時という微妙な時間となっていた。
「遅くなったってばよ」
「誰のせいだろうな」
「帰るのも面倒くせぇ」
「モグモググレートスペシャルチョコフレーク、これもいいなぁモグモグ」
商店街を歩きながらそれぞれが個性のある言葉を吐き出す。ナルトとシカマルからすれば、巻き込まれた立場だから文句を言うぐらいは許される。
だがサスケにはその権利がないはず。今回の説教の発端は、彼が禁句を口にしたことなのだから。
チョウジもその一言で怒るなと思うだろうが、あの二語はタブーであるから仕方ない。暗黙の了解としてサスケも知っていたのだが、怒りで何処かへと置き忘れていたようだ。
「何処行こうにもあんまり過ごす時間はないってばよ」
「修行するか?」
「修行も遊ぶのも面倒くせぇ」
「焼き肉行こうよ」
「「「早い」」」
3時から焼き肉はさすがに無理がある。それに1人だけ莫大な量を食い切る存在がいるから、3人は同席することをよく思わない。親から月に少しだけ小遣いをもらっているといっても、1000~1500円とかその程度だ。
それぐらいで焼き肉に行けば、あっという間に予算オーバーだ。それも割り勘ともなれば3人が憤慨するだろうし。
「えぇ~お腹いっぱい食べたかったのにぃ」
「人の倍食べる奴が、なんで食わない俺たちと同じ料金払ってるんだよ」
「そうだそうだ。不公平だってばよ」
「食べるのも面倒くせぇ」
騒ぎながらも笑顔で会話をする様子は、無邪気で見ている方からすれば心温まる。商店街でナルトを見かけると、露骨に嫌そうな顔をする住人もいる。
だがサスケやシカマル、チョウジといった里を代表する一族の次世代が、隣にいるからか暴挙にでるような輩はいない。でていたら住人が唯では済まなかっただろう。ナルトにやられるというよりは、3人にやられるというのが正確である。
よく喧嘩をするが兄弟のように育ったサスケ。助けるのは面倒だが、幼馴染の危険を救った張本人だから無視しないシカマル(素直に言えば攻撃されるナルトを見たくないから)。幼馴染を助けた人物であり、いつも仲良くしてくれるうえにお菓子もくれるから無視しないチョウジ。
ナルトはサスケが周囲に怒ってくれる理由を知っているが、シカマルやチョウジが怒ってくれる理由は知らない。小さい頃から仲が良かったからと思っているがそうではない。シカマルとチョウジにとってナルトはかけがえのない友人だからだ。
幼馴染の救出も理由の一つでも一番は、共に語り合い遊び、悪戯をすることが楽しいからだ。シカマルは面倒くさがりだが、案外悪戯好きでナルトに向けられた悪意にかなり敏感だ。ナルトと一緒にいれば騒動に巻き込まれるが、楽しいし何より飽きないから近くにいる。
チョウジも理由の大部分がシカマルと同じで、一緒にいて楽しく飽きないから。それにお菓子を頻繁にくれるから、手放したくないというお茶目な理由もある。
「捕まえてくれ強盗だぁ!」
商店街を歩いていると、刃物を振り回しながら鞄を抱えている中年の男が走ってきた。店主なのだろうかエプロンを腰に巻いた男性が、道行く人に声をかけている。
「どうするってばよ」
「捕まえなきゃ駄目だろうな。見て見ぬ振りは〈木の葉の里〉を代表する一族としてできない」
「目撃してなんで捕まえなかったのか母ちゃんに言われるのも面倒くせぇな」
「捕まえたらお菓子くれるかな?」
全員が顔を見合わせてニヤリと笑うと各々が作戦位置に着く。5年の付き合いからか言葉を交わさずとも互いの行動を先読みし、流れるようにやるべきことをこなす4人。
「いつでもいいぜチョウジ」
「行くよぉ《部分倍化の術》!」
先程の口ぶりとは違い、隠しきれない喜びを見せるシカマルが合図する。チョウジの右手の上腕二頭筋から先が肥大化し、年の割に体格の良い体に不釣り合いなサイズまで大きくなる。そのまま右手を地面に振り下ろすと、風圧と地面の震動で窃盗犯?もしくは強盗犯がたたらを踏む。
「〈忍法《影真似の術》〉」
シカマルの影が変形し、バランスを崩し逃走を阻害された犯人へとかなりの速度で地面を縫っていく。犯人の影にくっつくと犯人はぴたりと動きを止めた。
「今だ!」
「「おう!」」
号令と共に屋根の上から2つの影が、僅かな時間差で犯人の近くへ飛び降りる。
「とった!」
「喰らえ、
「くそ、返せ!っぐはぁ!」
ナルトに鞄を奪い取られそちらに意識を向けてしまい、時間差で降りてきたサスケによる両手両足の殴打によって、犯人は意識を刈り取られて路上に屈した。白目をむきだらしなく気絶している様は、情けないの一言に尽きる。
「ナイスアシストだってばよチョウジ・シカマル」
「そっちだってなかなかじゃん」
「時間差攻撃とはなぁ。つーか褒めるの面倒くせぇ」
「素直に褒めろ」
シカマルの面倒くさがりに買い言葉で返答するサスケだが、褒められて嬉しい顔は隠せていなかった。
その後、犯人を〈木の葉警備隊〉に預けて帰ろうとした4人だったが、被害に遭った店主にお礼をしたいと言われ店先で待っていた。
「さっきはありがとうね。これはちょっとしたお礼だよ」
差し出されたものを見て嬉しそうに顔を綻ばせた4人だったが、袋の数を見て表情をしかめっ面に変える。それを見た店主が不思議そうに聞いてきた。
「これじゃ不満だったかい?」
「いや、貰えるのは嬉しいんだけどよ。なんで
「なんでだい?奈良シカマルくんと秋道チョウジくんにうちはサスケくんになんだから3つだよ」
屈託のない笑みで悪びれる様子もない店主に、3人は露骨にため息を吐いた。
「あのなぁ、ナルトのぶんがないのが可笑しいって言ってんだよ俺たちは」
「ナルトのぶんをわざと抜いているならキレるぞこっちは」
「そうだそうだ可笑しいよ!ナルトにないなんて可笑しい!」
憤慨するシカマル・サスケ・チョウジの様子を見て、理解できないとばかりに笑い飛ばす店主はまったく気にしていないようだ。
「何を言ってるんだ君たちは。そこにいる化け狐にお礼だって?冗談じゃない。そんなことしたら店の名前にドロを塗ることになる。それは勘弁だ」
「…ふざけんな!ナルトが何したってんだよ!ナルトだって好きでこうなったわけじゃねぇんだよ!」
堪忍袋の緒が切れたサスケが店主に掴みかかる。
「サスケ、そこらへんに…」
「お前は黙ってろナルト!」
サスケのあまりの剣幕にさすがのナルトも口を挟めなくなる。隣に立つシカマルやチョウジも、唖然として見るほどの怒り模様ならどれほどの怒りが、サスケの内に煮えたぎっているかわかるだろうか。
サスケにとってナルトは、兄を横取りしようとする気に食わない存在だ。しかし嫌いではなく、むしろ好きである。自分を高めてくれるライバルであり弟だ。
うちは一族の血を引いていなくとも、ナルトはサスケにとってかけがえのない存在だ。だから無下に扱われてしまったことに怒りを抱いている。
「これまでどんな目に遭ってきたのかお前にわかるのかよ!何も知らず何も知らないのに罵倒されたり、石を投げつけられ暴力を振るわれる痛みをお前は知ってるのかよ!」
「理解したくもないんだよサスケくん。理解してどうなる?何かが変わるのかい?」
「ちっ!おい、行くぞ!」
「ちょっと待てよサスケ!」
「あ〜あ、行っちまった」
シカマルの独り言は己の本心をさらけだしたものだった。シカマルも店主の言い様は無視できないものだったし、サスケがあれだけ怒る理由もわかっている。だがいつもの癖で怒るに怒れなかった自分の不甲斐なさを情けないと思いつつ、これから改めればいいと思うのだった。
「おっさん、俺はこれからもうここで飯買わねぇことにするわ。親友にあんなこと言われちゃ我慢出来ねぇ」
「ボクは一族みんなに言っておくよ。『あの店で買うな』ってね」
「そ、それは困るよ君たち!」
焦り始める店主に冷めた視線を向ける2人。
「当然の報いだぜ?友人を馬鹿にされちゃ黙ってられないのが人間の性ってもんだ」
「難しい言葉を使うねシカマル」
「わかった!謝るから許してくれ!」
そう言いつつ頭を下げる店主に、2人は冷ややかな視線を向ける。子供が大人に向けるような視線ではなく、敵を嫌う忍びとしての視線だった。
「謝るならナルトとサスケに言うべきだな。それにあんたが謝るのは、ナルトのためじゃなくて自分と利益のためだろ?論外だぜその考えは」
「大人のくせにそんなこともわからないの?二度とボクたちに近づかないでよね!」
そう言い残して2人は感謝の袋を受け取らず、ナルトとサスケが去って行った方向へ歩き出す。捨てられた店主は、ナルトに怒りをぶつけるように呪詛を撒き散らしながら店内に引き返して行った。
期待に応えていくのが作者としての仕事。
とはいうもののそれは難易度高めですよ〜。頑張って書いていきますのでよろしくお願いします!