サスケとナルトは家族   作:ジーザス

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こうなるとはなかなかやるではないか。しかし甘いぞ!...まあ、及第点というところか。これからも鍛錬に励め、雑種。


Fate/英雄王より


お気に入りと評価、UAがぁぁぁぁ!


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「ほんっと最悪!」

 

そう毒づいているのは頭に包帯を巻き、腕のそこかしこに絆創膏を貼ったサクラ色の髪をした少女であった。お気に入りの赤いリボンをぼろぼろにされたことがお気に召さなかったらしい。

 

この少女だけではなく、多くの人間がお気に入りのものに傷を付けられればそうだろうが。それを抜きにしても、ご立腹なのは変わらなかった。

 

「そこまで怒らなくてもいいんじゃない?」

「これが怒らずにいられるかっての!入学早々に怪我して授業も受けられないなんて最悪よ!」

「初日ぐらい別にいいと思うけど。どうせ自己紹介とかそういうので授業も終わりだったろうし」

 

実際、初日の時間割は1限目が教員とクラスメートの自己紹介及び校内の説明、2限目が校内探索という感じたった。別段気にすることもないことだが、どうやらその少女はそれが気に入らないみたいだ。

 

「大体今日の元凶はナルトでしょ?ふざけんなっての」

「…あれはサスケくんがチョウジに禁句を言ったからよ。ナルトのせいじゃないよ」

「ナルトがそいつに声をかけられなかったら、こうはならなかったの!」

 

予想外のところで想い人の名前が上がり、頬を少し紅く染めた少女は非が無いことを説明する。好意を抱いている相手を悪く言われたくないというのが大半を占めていたが、サスケが原因であることを言っておくことも忘れない。

 

その辺りもしっかりと周囲を見ていなければできない。まあ、恋愛事情が行動させたのは否めないのだが。

 

「にしても今日は商店街がお祭り騒ぎね」

「仕方ないでしょ。今日は入学初日なんだから。昨日のお祝いの余韻が残っても可笑しくはないもの」

 

2人はチョウジの《肉弾戦車》による被害を受け、医務室で介抱されていた。目が覚めて異常がないことがわかり、帰宅の許可が下りて今に至るということだ。

 

未だ多くの気絶者がいるがそのことを話題にはしない。何故なら目の前に高速回転する人間の身体が迫る様子が、数時間経った今でも脳裏によみがえるからだ。

 

そういうことでサクラ色と金髪の少女は、時間が微妙なこともあり、里内の人が多く往来する場所を暇つぶしがてら歩いていた。店先には〈アカデミー入学おめでとう〉の旗などが並んでいるので活気に溢れている。

 

入学当日から3日間は何処の店も特売価格で売り出す。そのため何処の店もしのぎを削って特売状態だ。だからこの3日間は商店街が一時的な戦場と化し、殺伐とした空気になるのは否めない。だがその方が子供にとっても遊びやすくなるので文句はないようだ。

 

「これからどうする?15時っていう微妙な時間だから何処行こうにも中途半端になるし」

「勉強は勘弁よね。明日から授業だから今日ぐらい羽伸ばしたいもん」

「どうしたものかよね~」

「捕まえてくれぇ!強盗だ!」

「「ええ!?」」

 

こんなめでたい日に強盗だなんて嘘でしょ?と言いたいのか。2人は声のした方へ顔を向ける。するとそこでは、鞄を抱えた男が刃物を振り回しながら逃げているのが見えた。

 

「止めた方が良いよね?」

「でも刃物振り回してるよ!?私たちじゃどうにもできないわよ!」

 

それもそのはずだ。入学したばかりの少女が強盗に挑むのは無謀であるし、刃物を振り回していれば尚更だ。足止めをしようにも人質に取られるのが眼に見えている。金髪の少女からすれば、トラウマのようにあの頃(・・・)の悲劇が脳裏にフラッシュバックする。

 

悩んでいる間にも犯人はかなりの速度で逃走を続けている。どうしようか悩んでいると、知った顔が行動を起こすのが見えた。

 

「あれはシカマルにチョウジ?それにあの髪の色はナルト?」

「捕まえようっての!?無茶よあんな体格の男に勝てるわけがないわ!」

 

サクラ色の髪をした少女、春野サクラは少年4人が筋肉マッチョに飛び掛かると思っていたようだ。さすがにその馬鹿4人組でもそこまで無謀な真似はしない。

 

だって4人には捕まえる別の方法があるのだから。

 

「心配しなくても大丈夫よ。直ぐに犯人捕まるから」

「なんでいのはそこまで落ち着いていられるのよ!あんな大男に子供4人が勝てるわけないじゃない!」

「いいから黙って見なさいよ!」

 

大きな声で言い返されて驚き、サクラは怒りの矛先を素直に押さえ込んだ。言われたように視線を4人と逃走する犯人へと向ける。

 

2人の少年が店の上へと飛び上がり、残った2人が路上で構える。黒髪の長髪を頭上で結んだ少年が、左の人差し指と中指を右手で包み込むような不自然な形で膝立ちになる。

 

後ろでは教室で見た腕が大きくなる様子を見て、サクラは呆気にとられる。だが教室でのように身体全体が肥大化するのではなく、右腕だけという限定的な変化に驚く。その巨大化した右手を叩き付けると、不自然な波が地面を伝っていくのが視えた。

 

それが周囲になんら影響を及ばさず、逃走していた男だけに届いているのが不思議でならなかった。波で足場を取られたたらを踏んだ男に、長髪の少年の合図と共に上空から降ってきた影が男に襲いかかった。

 

黄色い髪をした少年が男から鞄を奪う。それを取り返そうとする男に時間差で降ってきた黒髪の少年が、両腕と両足の連擊で昏倒させた。それが5秒にも満たない間に起こったことなど、忍術を学んでいないサクラからすれば信じられないことだった。10歳の少年らが呆気なく大男を捕縛したその現実に、ある意味ショックを受けていた。

 

「ね、言ったでしょ?大丈夫だって」

「…う、そでしょ?あんな簡単に捕まえるだなんて」

「シカマルとチョウジとサスケくんは里を代表する一族出身だし、ナルトはサスケくんと兄弟みたいに育ったって言うしね」

「ナルトとサスケくんが兄弟みたいに育った?」

「うん、ナルトはうちは一族じゃないけど事情で預けられたらしくて、小さい頃から忍術の修行受けてたみたい。だからナルトが3人に後れを取ることもないの」

 

自信満々に胸を張って説明するいのにサクラは驚愕していた。まさか他里にまで名を馳せる一族に育てられ、しかも遅れを取ることなく活躍するのを見て、自分の評価を誤っていたことに気付かされた。これまでのナルトへの評価と今の違いに戸惑いを感じていた。

 

「よく知ってたわねその情報」

「2人とは家族ぐるみの付き合いあるからね。ナルトは好きだからだけど///ボソボソ」

 

最後の方は小声で聞き取れなかったが、サクラは笑顔で言葉を交わす4人に称賛にも似た視線を向けていた。

 

この日、何故か《内なるサクラ》が形成されるのだったが、誰もがその存在を認識することはなかった。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

翌日の教室はいささか居心地が悪かった。ナルトからすれば人外的な何かを見るような視線より、今向けられる視線の方が慣れていないからか落ち着かない。

 

「これって俺のせいか?」

「それ以外にねぇってばよ」

「視線を無視するのも面倒くせぇ」

「お菓子くれないの?」

 

少々最後の台詞だけは趣旨が違うが、概ねいつも通りの4人であるのは間違いない。クラスメートが4人に訴えるような視線を向ける理由は、昨日理不尽な理由で医務室行きになってしまったからである。

 

だがその中でも、悪い視線を向けていない人物がいるのも確かだ。

 

いのは言わずもがな。サクラもそのうちの1人だ。昨日までナルトは里の人たちが言うような不気味な存在だと認知していたが、あの一件を見て以来、周囲の反応が過剰すぎると考え直していた。

 

強盗を捕獲した後の4人でしていた会話やその他の3人の笑顔。それは大人たちが言うような異質なものではなく、年頃の少年たちが物事を楽しんでいる図だったからだ。

 

ナルトと言葉を交わすシカマルやチョウジ、サスケの眼にはナルトを忌避する感情が一厘も見当たらなかった。むしろ愛情にも似た優しげな光が宿っているようにも見えた。あの後、強盗の被害に遭った店主に連れられていったのでどうなったかはわからない。

 

自分たちはそれから里の名物であるあんこ屋で、だべっていたのでどうなったかは知らないのだ。いのの話を聞く限りシカマルやチョウジが、ナルトを友人として慕っているのは、小さい頃から一緒に修行をした仲だからとか。

 

里を代表する一族である山中一族・奈良一族・秋道一族は、昔から《猪鹿蝶》として他国に知れ渡っていた。だからその一族の血を引くいの・シカマル・チョウジが、仲良くしていても別段可笑しな事はない。

 

だがうちは一族で育ったというナルトや、その血を引くサスケと関わりがあるというのはいささか疑問である。うちは一族には宜しくない噂が昔から里内に出回っていたからだ。それでも親同士が関わりが深いということと、子供の歳が近いということで関わりがあっても可笑しくはない。

 

一見すれば実に意味のある関係を築いている。里を代表する一族の次世代同士が、互いを高め合うきっかけにもなるのだから悪いことは何一つ無い。

 

でもサクラはそれ以外にも理由があるのでは?と少しだけ思うことがある。確証もなければ証拠もないものだが、小さな本当に意識しなければわからない程度の疑問である。だからそのことを口にする気はないしどうでも良かった。

 

「ナルト、ようやく来たか」

「ひっ!」

 

そう後ろから声をかけられてナルトは悲鳴を上げた。女性の声音ではあったが、如何せん性格が性格であるし、逆らえない人物だから本能的な恐怖が漏れ出ている。

 

「...おはようだってばよヒナタ(・・・)…」

「もっと元気に挨拶しろ。殺すぞ?」

「おはようございます!」

「ああ、おはよう」

 

《白眼》全開で脅されたナルトは、体中から冷や汗を噴き出させながら大きな声で挨拶をする。その後ろでビクビクと怯えている3人組がいるが、そこは割愛させていただく。

 

関わりがないわけでもない3人は、逆らえない実力の持ち主にひれ伏すしかなかった。

 

「いいかお前ら。ナルトはオレの男だ。奪いたければ力尽くで奪いやがれ」

「「「「「…」」」」」

 

6歳という年齢に不釣り合いなややボリュームのある胸部をナルトに押しつけながら、《白眼》全開で教室中を睨む〈木の葉の里〉を代表する日向一族の長女 日向ヒナタ。

 

一族でも歴代に類を見ない才能ぶりと言われているが、性格が性格なので次期当主候補にはなっていない。そういうこともあって誰もヒナタには逆らえず何も言えない。いや、そもそも逆らうという概念さえ抱くことがないという方が正しいか。

 

「それには異議あり!」

「ああん?」

 

勇者が現れる。反対意見を持ち出す存在がいると誰が予想できただろうか。アカデミー生はいざ知らず、下忍は元より中忍でさえ頬を引くつかせるというのに。

 

「恋は戦争よ!それを理解していない貴女は、異常としか言い様がないわ!」

「あんだとてめぇ!」

「「「「「「ひいぃぃぃぃぃ!」」」」」

 

ナルトたち4人を含む悲鳴が教室中に響き渡る。その威圧にも負けないどころか、ヒナタの眼前まで接近する度胸に誰もが「おお!っ」と声を上げたくなる。といっても萎縮しているクラスメートが声を上げれるわけもなく、教室に立っているのはヒナタといのだけ。

 

いや、膝が笑い今にも崩れそうないのを後ろから、ヒナタからは見えないように後ろから支えているサクラを含めば3人。修羅場と化している教室を、どうにかできる人物は2人しかいないのでそこに頼むしかない。

 

地震でも起きて頭部を守るかのように床にへばりついている様子が、余計に教室のシュールさを醸し出している気がする。

 

「ほ~う?怖がりながらも前に出てきたのだけは褒めてやるぜ。けどなぁ誰かに支えられながら(・・・・・・・・・)じゃないと、立てないようなあまちゃんとはやらねぇ主義なんだよオレは」

 

《白眼》は相手の〈経絡系〉を見ることが出来る《血継限界》だ。人間1人もしくは壁1枚隔てたところで、簡単にごまかせる代物ではない。ましてや一族きっての強さを誇るヒナタの《白眼》は、〈経絡系〉を見るだけには収まらず、〈点穴〉さえ見つけ出す。

 

だから見えないようにしていても、発動させられていては意味がなかった。

 

「っ!それでも私は立つわ!1人でできないなら誰かの力を借りてでも立ち上がる!それが私の忍道よ!」

「…へぇ、お前心意気だけはいいな。けど腕前はどうだろうなぁ!」

「「きゃあ!」」

 

ヒナタが予備動作無しの右の掌底を繰り出すと、あまりの風圧にサクラといのが後ろに倒れ込んでしまう。背後を見れば手形がガッポリと出来上がっている始末。

 

掌底はいのの左耳を直ぐ側を通過していたらしい。それだけの風圧が発生していれば、いのとサクラの左の鼓膜は使い物にならなくなるはずだ。それでも2人の鼓膜が無事なのは、ヒナタが計算して放っているからであり偶然の賜物ではない。

 

「この程度で終わるとかまだまだだな!それでナルトの彼女に立候補したのかよ片腹痛くなるぜ」

「そ、そんなのじゃないわよ!///」

 

赤面して怒る辺り自分から暴露しているようなものだが、生憎それを口にすることが出来る人間はここにいない。いたとしても口にはせず黙り込んでいるから。

 

シカマルとかチョウジとかシカマルとかチョウジとか。サスケは薄々感づいてはいるものの、確信が持てていないので除外しておく。

 

「恋は戦争か。まあいい勝てると思ったときに来な。いつでも相手してやるからよ」

「…やってやろうじゃないの」

 

ここに両者が敵同士と認識したことで宣戦布告ということになる。2人とも異議は無いようなので決着がつくまで続くことになるだろう。

 

「第1次正妻戦争勃発だな」

「恋も面倒くせぇ」

「手伝ったらお菓子くれるかな?」

「「ありそうだな」」

 

教室の隅の方で固まって、行方を案じていた3人はホッと一息つき、ながらなかなかシュールな会話を交わしていた。ヒナタの耳に入らなかっただけ行幸と言えよう。

 

ヒナタもある程度気が済んだらしく、その後は問題なく物事が進んでいった。というよりは別人とも思える性格の変わり様で、今では自分の行動と発言に赤面し、額を教室の壁に何度も何度も打ち付けている最中だ。

 

この日向ヒナタは、普段は男子と話すのが苦手な男心をくすぐる健気な少女なのだ。だが恋愛事になると豹変し、肉食系というより暴力系に早変わりする。

 

〈欲しいものは力づくで奪う〉という格言を持ち、その言葉通り進撃するのだ。敵に回せば命はないと思わせられるので、家族といえどぞんざいな扱いはできない。

 

父であるヒアシは親バカなので、そんなヒナタも可愛がる可愛がる。頼まれればなんでも買うような始末であり、宗家だけでなく分家も悩んでいる。分家はネジのことでも悩んでいるので、一族揃って悩みに悩んでいる。

 

 

閑話休題。

 

 

とはいえ、この惨状は言葉にしがたく教室には微妙な空気が居座ったままである。

 

始業時間になるとイルカが入ってきた。だが教室の後ろに小さいとはいえ手形が残っているのだから、教卓から生徒を見渡せばどうしても視界に入ってしまう。

 

せっかく1日で修理した教室に、真新しい傷跡ができているのを見ればショックを受けてしまうのは致し方ない。

 

だからそれを眼にしたイルカが泡を吹いて気絶し、2日続けて授業が飛んでしまったのも仕方がない。




ヒナタを日向一族最強にしました。ネジがどうなるかって?それはお楽しみですよ!
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