サスケとナルトは家族   作:ジーザス

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此処まで来たらあと100歩だ。音を上げるなよ?雑種。

Fate/英雄王より



前回の投稿から気付けばUAが5995、お気に入りが108増えていました。

恐ろしいですな。でも見てくれることに感謝を!




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2日続けて授業を行えなかったイルカは、少々憔悴しきっていた。長年講師を務めてきた中で、ここまでひどいことになるとは予想していなかったからだ。

 

それでもめげないのが教師としての役目であり、イルカの長所でもある。立ち直りが早く前向きに考慮することをモットーとしてやり遂げる。

 

それがうみのイルカという〈木の葉の里〉で、教師をしている人間の本質だ。

 

 

 

 

「おはようみんな。うん、今日は何事もなく始業までに席に着いているな。やればできるじゃないか。さて今日から本当に授業を始めるが、入学試験において、類い稀なる成績を残した生徒が3人いた。その3人を発表し、みんなの目標にしてもらいたい」

 

そう言いながら名簿を開き、パラパラとページをめくっていくイルカを見て生徒たちはざわめきだした。3人のうちの2人は誰なのかは、生徒たちの視線を見れば自ずとわかるだろう。

 

濃い群青色の上着を着た年の割には少し幼い容姿の少年。白い瞳で両の指先を合わせてイジイジしている、年の割にナイスバディで気弱な少女。

 

言わずもがなサスケとヒナタだ。サスケは自身の才能をまだ上手く操れてはいないがうちは一族出身だし、ヒナタは日向一族で類を見ない天才だと称されているし。

 

クラスメートであれば、その2人を見つけるのは容易いことで間違えるはずもない。

 

だが最後の1人が誰なのかがわからないらしく、隣同士で「ああでもないこうでもない」と話し合う始末。楽しそうに相談し合う様子を見てイルカが合図を送る。

 

「はいはい、そろそろいいか?発表するぞ。まず入学者主席はうちはサスケだ」

「「「「おおぉぉぉ~」」」」

 

予想通りではあったが、それでも生徒たちは拍手をサスケに送る。

 

「やったなサスケ!さすがオレのライバルだってばよ」

「ふん、当たり前だ。俺はうちはを継ぐ忍びとして当然のことをしたまでだ」

 

本人はいたって平静・冷静を務めようとしてはいるが残念かな。喜びを抑え切れておらず、口元がほころんでいたのをナルト・シカマル・チョウジは見落とさなかった。それをこそこそと3人が小声で話し合い、笑みをこぼしているのはなんとも和やかだ。

 

「みんなの反応を見る限り予想通りだったみたいだな。サスケは入学試験におけるペーパーテストつまりは筆記試験で満点、実技試験でも文句なしの満点だ。それに比べてシカマル、両方50点以下とは何様だこらぁ!」

「そこで俺に矛先向くのかよ面倒くせぇ。別にテストが全てって事じゃないでしょうが先生?実戦で結果を残せば良いんすよ」

「さすがシカマルだな」

「やっぱりシカマルだってばよ」

「シカマルだもんね。ジョロキア・ハバネロ・鷹の爪をタウマチンとチョコレートでコーティングしたポテチなかなかいけるね!食べてみる?」

 

なんということだろうか。世界でもっとも辛い唐辛子の中でも上位に食い込む2種類と、世界で最も甘いものとして有名なものを合わせたお菓子を食べるとは。見ているこっちが胃をやられそうなコラボレーションにかかわらず、チョウジは馬鹿食いしている。

 

「おう、サンキュー。ごはぁ!辛ぇぇ!でも甘ぇぇ!それでいて美味い!なんだこれは!」

「でしょ!でしょ!いけるよねこれ!」

「チョウジぃぃぃ!教室で菓子を食うな!それになんだジョロキア・ハバネロ・鷹の爪をタウマチンとチョコレートでコーティングしたポテチって!?甘いのか辛いのかわからん!」

 

チョウジの前で仁王立ちになり、説教するイルカの顔が凄いことになっている。イルカは元々温厚な容姿をしているから、鬼の形相とまでは行かないが、それでもいつもの面影は見えない。

 

「先生もいる?」

「いるかぁ!胃がやられるわこんなもの!没収だ!」

「あっ、ボクのお菓子先生が取った!《部分倍化の術》!」

「のわぁぁぁ!」

 

哀れやイルカは、チョウジの張り手によって数分間気絶してしまったのであった。

 

 

 

「コホン、では次席を発表する」

 

右頬にガーゼを張って不機嫌そうなイルカが、先程と同じように教卓から名簿を開いている。自分が原因だというのに、チョウジは新たなポテチを開けて美味しそうに食していた。

 

「次席は日向ヒナタ」

「「「「おおおぉぉぉぉ~」」」」

「あわわわわわわ。ネジ兄さんでさえこんなことはなかったのに」

 

まさか自分とは思っていなかったのか。ヒナタは挙動不審に陥り、教室中に視線を走らせていた。だがヒナタとは違いクラスメートたちはこれもまた予想通りとでも言うように、納得顔でヒナタを見たり、しきりに首を縦に振ったり拍手を送ったりしている。

 

「お呼びですかヒナタ様!」

 

突如、教室のドアを開けて少年が片膝立ちで入ってきた。長髪を後ろでくくり白い眼をした少年の正体は、日向一族分家の嫡男そしてヒナタの従兄でもある日向ネジである。

 

「なんでネジ兄さんが!?」

「こらぁネジ!さっさと教室に戻れこの大馬鹿者!」

「なりません!ヒナタ様のお呼び出しとあらば他里からでも疾風の如き参りますぞ!さあ、なんなりとこのネジにご命令下さい!む!?」

 

頭を垂れていたネジが顔を上げると、視界の端に黄色い髪が映った。それが何なのかを知っているネジは敵意を向けるのだった。

 

「貴様、ヒナタ様と同じクラスにいるとは恥を知れぃ!」

「はあっ!?意味分かんねえってばよ!」

「問答無用!貴様とヒナタ様がつり合うわけなかろうが!成敗してくれる!」

 

そう言って腰を下ろし、拳法の構えを取り始めるネジに、イルカはあちゃ~とばかりに首を振るしかなかった。腰を下ろして拳法の構えを取るのは、百歩譲って許してやってもいいが、《白眼》全開にされるのは堪らなかった。

 

「なんでこうも次世代の日向一族は、《白眼》全開にするのが早いんだってばよ」

「同感だ」

「抑えるのも面倒くせぇ」

「どうせ直ぐ終わるでしょ。イチゴ味は安定だなぁモグモグ」

 

ナルトの発言はごもっともらしく、サスケはため息を吐き、シカマルは頭の後ろで指を組みチョウジはポテチを食する。教室の端でヒナタが俯いているのは誰も気付かなかった。

 

「今の言葉は許さんぞナルト!悪即斬!はあぁぁぁ!」

「お前の場合は悪即殴だってばよ!」

「いい加減にしろやこのクソ従兄ぃぃぃぃ!」

「へばぁぁぁぁぁ!」

 

ナルトに飛び掛かったネジが突如奇声を上げて、運動法則を逸脱した角度で床に落下する。生徒たちが恐る恐る声のした方を見ると女王が降臨していた。服装が変化して前開きのパーカーを開き、年齢には不釣り合いな胸部を見せつけ見下ろしている。

 

「ヒ、ナタ様?おおぉぉぉぉ!眼福ですぞ!この日向ネジ一生に悔いなし、へぶらっはぁぁぁ!」

「惚けた顔すんなやごらぁぁぁぁ!こんのエロ餓鬼が調子乗ってんじゃんねぇぞ!?あ゛!?それになんだ?オレとナルトがつり合わねぇとか抜かしやがったなぁ、おい!そんなにお望みならいくらでもやってやんよぉぉぉ!」

「¥jdsjディうぃおンsdごおおぢdぉぉぉぉ!」

 

言葉にもできないような叫び声が教室の中央から響いている。生徒たちは眼つぶり、耳を塞ぎながら机の下へ避難する。そうでもしなければ、今度は自分がやられると思ったのだろう。

 

数分後、正気に戻ったヒナタが馬乗りになっていたことを理解したことでようやく事態は終息した。血塗れになったネジはヒザシによって木の葉病院へ運ばれた。

 

これによりネジが、日向一族内で頭を抱える問題の一つをもたらしているという現実を誰もが知った。そして日向ネジという人間性を暴露されることとなり、日向一族が一時的に少しだけ肩身の狭い思いをすることになるのだった。

 

日向ネジは変態でマゾで重度のシスコンであるという真実が、翌日から里内に流れるようになったのは想像に難くない。

 

自分のしたことが恥ずかしかったのか、教室に静けさが戻った頃にヒナタは、顔を真っ赤にさせて教室の壁に額をしきりにぶつけ始めた。机の端だったことが幸いしたのか、立ち上がって移動する必要もなく横を見ればすぐ壁がある。

 

そんなヒナタを微笑ましそうに見るクラスメートとイルカに、優しいのか人でなしと言うべきなのか迷うところだ。しばらくしてヒナタが落ち着いたところで、イルカは発表を再開した。

 

額から血を流し壁には血痕が。そして机の上に血溜まりを作りながら、イルカの声に耳を傾けているヒナタの姿はかなりシュールだ。

 

「第3位はうずまきナルト」

「「「よっしゃぁぁぁ!」」」

「「「「……」」」」

 

先程とは違い喜んだのは4人だけで、他は無関心や驚きで言葉を発していなかった。

 

「やったなナルト!」

「さすがナルトだとだけ褒めとくぜ」

「さすがナルトだね!あっ、ポテチいる?」

 

褒めすぎだとばかりに・ナルトは自分を褒め称えるサスケやシカマル・チョウジにちょっとだけ食って掛かっていた。といってもそれは喧嘩とかではなく、友人としてのじゃれ合いに近い遊びだ。

 

そんなナルトの成績に驚いていたのは、いのとサクラも同様だった。自分を助けた少年の腕前がその程度とは思っていない。むしろサスケやヒナタ以上の実力者なのではないかと思うぐらいだ。だから入学試験の結果に少しだけ不満そうだったのは間違いない。

 

「ナルトって勉強できたんだ」

「私からしたら3位ってのが気に食わないけどね」

「どうして?」

「え?いや、その、ほらこの前強盗をみんなが捕まえたことだったでしょ?あの時の動きを見たら、ナルトはサスケくんより上なんじゃないかなって思っただけ」

 

慌てながらもそれっぽい説明に疑問を感じないらしく、サクラはナルトを笑顔で褒め称えている3人と、もみくちゃにされているナルトに視線を向けていた。

 

サクラの眼にはその景色がどう映ったのだろうか。

 

〈化け狐〉と貶され忌避され人外扱いされ、人間として見られない。そんな風に今までのナルトがサクラには見えていた。だが実際はどうだろうか。少ないながらも彼を励まし褒め称えている人がいる。それも里を代表する一族の次世代があんなに楽しそうに。

 

ちらりと視線を隣へと向ければ、とても楽しそうな4人に向けられながらも友人の瞳はナルトに釘付けになっている。それは恋する乙女と呼ばれるような熱い視線で、ナルトを見ている姿がとても幸せそうだった。あれほど煙たがられているナルトに向けられる視線としては異質。

 

フガク・ミコト・イルカ・ヒルゼンが向ける子供に対して見せる愛情とは違う想い。1人の異性として見る瞳は、綺麗でいて儚げにも見えるのが不思議だった。

 

「この3人の実力は今回の入学者で突出していてな。これは個人的見解だが、今の時点で既に3人は下忍レベルかそれ以上の腕だと思っている。特別に下忍にしたいところだが、特別扱いをするわけにはいかない。だからみんなにはこの3人を見習って精進してもらいたい」

「「「「「「「はい!」」」」」」」

「いいですか?先生」

「ああ、いいぞ」

 

多くの生徒が元気よく返事した中でしなかったのが数人いた。そのうちの1人が手を上げて発言許可を願ったため、イルカは笑顔で許可をする。

 

よもやその発言が空気を悪くするとは知らず。

 

「試験結果は納得できるぜ。うちは一族と日向一族出身の奴らが、平凡な生活をしてきた俺たちより上なのはよ。けどな、理解できねぇことが一つだけあんだ」

「ほう、それは何かな?」

「なんで〈化け狐〉が3位なんだ?可笑しいだろ。6年前に里を破壊した野郎が同じクラスにいるなんて異常じゃねぇか。今すぐやめさせるか殺せよ。おんなじ教室で勉強するなんて反吐が出る」

 

言い方に腹が立ったのだろうか、イルカの拳を握る力が強くなる。いや、それだけではない。サスケ・シカマル・チョウジが怒りの形相で発言者を睨み付けていた。

 

だがその視線を受けても動じるどころか、むしろ自信を付けたように言葉を発し続ける。

 

「お前らだって本当は思ってんだろ?こんな奴と一緒にいたくもねぇってな」

「ふっ、バカらしいな。いや、バカを体現した奴にそんなことを言う価値はないか」

「…なんだと?」

 

サスケの人を馬鹿にしたような発言に、バカ呼ばれされた少年はまなじりをつり上げた。

 

「ナルトが〈化け狐〉?何も知らないくせに知ったような口利くな。ナルトはナルトでそれ以外の何者でもねぇんだよ。ナルトは俺のライバルで家族だ。それ以上ナルトを誹謗中傷するなら、一族総出でお前を成敗するぜ?」

「そこまで言われたらオレも黙っちゃいられねぇよな。面倒くせぇとか言うつもりもねぇよ」

「ボクも嫌だね。友達がそんな風に言われたら、じっとなんかしてられないもん」

 

最初に立ち上がったサスケに続き、シカマルとチョウジがナルトを背に庇うように立つ。それを見た少年が少しだけたじろいだが、虚勢でも張ったかのように足を踏み出した。

 

「お前らイカレてるだろ!なんでそんなやつ庇うんだよ!?」

「「「友達だからだ!」」」

「理由はそれで十分よね」

「いの?」

 

いつの間にか自分の横に立っていた幼馴染に驚いたのか。シカマルが疑問系の形で名前を呼ぶと、いのが不敵な笑みを浮かべた。まるで自分にも格好付けさせろとばかりに。

 

「おいおい何の真似だよお前ら。なんでそっち行くんだよ!」

 

よく見ればサクラやヒナタまでもが、ナルトを庇うように立っている。残りの生徒はどちらに行けばいいのか悩んでいるようだが、今の時点で戦力や人数で見ると明らかにナルトが有利だった。入学試験主席と次席、さらには里を代表する一族の次世代がいるのだから。

 

「そりゃ考えればわかるだろ。お前に味方するよりナルトのために戦うことを選んだんだよ。人を噂や見かけだけで判断するような奴に味方する奴なんて、お前の側にいる奴らだけだってことだ。これでわかるだろ?お前よりナルトの方が火影に相応しいってな!」

「ふざけんな!〈化け狐〉が火影になるだと!?調子こいてんじゃねぇぞ!…おい山中、お前がこっちに来るなら彼女にしてやっても良いぜ?俺の彼女になったら未来は明るいからな」

 

これがいのではなく、サクラや他の女子生徒であったらなんて反論するだろうか。「バッカじゃないの!?」とでも言うのだろうか。

 

「バッカじゃないの!?あんたの彼女なんて死んでもお断りよ!お生憎様、私は何があってもそっちにはつかない。未来が約束される?茨道しか見えないし、不幸になるのが眼に見えているわよ」

 

実際に口にしたことでいのの心の強さがよくわかる。恋心が理由もあるだろうが、今回ばかりは人間を否定されたことが一番の理由だった。

 

「春野、お前もこっちにこいよ」

「絶対に嫌よ!いのがこっちにいるし、あんたみたいな人間お断りね!」

「…どいつもこいつも俺を馬鹿にしやがってっ!」

「そりゃ自業自得ってもんだ。ナルトを友人だと思ってる奴らの前で、そんなこと言えばこうなるさ」

 

シカマルの言うことは至極当然のことだ。だが怒りと辱めで心の均衡を保てなくなっている相手に対して、正論過ぎる言葉を投げかけるはマズイ。それがどれだけ正しいことだろうと間違ってなかろうと。

 

「おい、〈化け狐〉」

「…なんだってばよ」

「今から勝負しろ。俺が勝ったら俺の自由にさせろ」

「じゃあ俺が勝ったら二度と関わるなってばよ」

勝てたら(・・・・)な」

 

その少年が浮かべた笑みに全員が息を飲んだ。イルカは大人であったからなんとも思わなかったようだが、面倒くさいことになったなとため息を吐くしかなかった。




ネジはアレに加え新しいものまで追加しました!楽しんでいただけたら幸いです!
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